ヴァージニア・ウルフのレビュー一覧

  • 波〔新訳版〕

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    ちゃんと入ってきていない。
    詩に触れてこなったし(散文とは言え詩的な受容体を要する気がする)、読むのに早すぎたか遅かったかもしれない。味わいはまだ。うっすら。これが円だとすれば、接線にぶつかれば円に入っていけるのに、まだ平行線、とでも言おうか。
    感性で読みたいのに邪魔が入ってきてしまう。本の読み方、意識の仕方をやっぱり鍛えないとな、と思った。

    美しい本だと思う。
    繰り返されるフレーズ。
    青灰色の装丁、よくぞ選んでくれた。

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    2021年07月06日
  • 自分ひとりの部屋

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    読むべくして読めた気がするし、また月日が経って読むときはもっと深く感銘を受けると思う。
    ひとりの人間が考えたいこと、想いたいこと、それらはどんな人であっても簡単に手放したり、奪われたりするべきものではない。
    ひとりの部屋とお金、それは実際に必要なものであり、また心の中にひとつあるべき、生命力を絶やさぬための心の泉のようなものだと思った。

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    2021年05月13日
  • 自分ひとりの部屋

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    まずは、ヴァージニア・ウルフを読んだ私に大満足。タイトルにも魅かれた。
    多様性が叫ばれる今。
    1928年に書かれたこの本。
    100年近くが経過しているのにもかかわらず、年500ポンドと自分ひとりの部屋を持てない女性は多い。そんな中で、とにもかくにも少なくとも自分ひとりの部屋でワインを飲むことができていることに自信を持つことができた。誇れる自分なのだ、と1928年のヴァージニア・ウルフに背中を押された気がした。
    仕事を持つことの意味、大切さ。自分ひとりの部屋の意義。経済的にも精神的にも自立していくことの大切さ。
    今の自分の手にしているものの本当の意味、歴史を考え、感謝する気持ちになれた。正直、フ

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    2021年04月01日
  • 自分ひとりの部屋

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    1928年にケンブリッジ大学の女子カレッジで行なわれた講演をベースにした、フェミニズム批評の古典的作品。「意識の流れ」による叙述のため、読み取りにくい部分もあるが、訳注と解説が充実していてとても助かる。

    「自分ひとりの部屋」というタイトルは、女性が小説を書こうと思うなら、生活にゆとりのあるだけのお金(年収500ポンド、訳者によると500万円程度のイメージ)と一人になれる部屋を確保しなければならない、というウルフの主張に依る。そして、女性の経済的基盤のなさが、いかにその作家としての自立を困難にしてきたのかが、具体的に語られる。

    とはいえ読み進めると、お金と部屋だけですべてを語ってはいないこと

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    2021年02月16日
  • 自分ひとりの部屋

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     本書の内容を簡潔に紹介するならば、女性の文学との関わりの歴史を辿りながら、女性の地位向上のために、ウルフがその考えるところを、特に同性である女性に向けて、あるときは率直に、あるところでは文学的な虚構を混じえて、語りかけたものである。

     女性が小説や詩を書こうとするならば、〈年収500ポンド〉と、〈ドアに鍵のかかる自分ひとりの部屋〉が要ると、ウルフは主張する。
     オックスブリッジで、女性であるが故に立入りを断られたことや、女性の組織が金銭的な収入を得ることが難しいことを導入的に説明した後、どうして女性が貧乏なのか答えを得ようとして、いわゆる男性識者の著作等を調べるが、それらは女性に対する偏見

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    2021年02月09日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    やっぱり原作で読みたい…この読みにくさは日本語に訳してしまっているからだと思う…

    そうはいっても、後半は慣れたのか、描写も意識の流れもわかりやすくなった。
    『灯台』に到着してよかった。

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    2026年08月13日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    1927年に刊行された、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』。

    20世紀を代表する文学作品の一冊と言われているだけあって 多くの解説や考察が見受けられます。読み始める前にそうした解説を少し読んでおいたことは、大変助けになりました。
    読んでいなければ わからなかったかもしれませんが。

    とはいえ、構えて読み始めたものの、思っていたほど難解な小説ではありませんでした。それは昨年刊行された鴻巣友季子さんの新訳によるところも大きいのかもしれません。
    ただ 物語に動きがないので なかなか読書が進まないのも確か。

    物語は、

    第一部「窓」
    第二部「時はゆく」
    第三部「灯台」

    の三部構成です。

    第一部で

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    2026年08月10日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これを「確かに傑作だ」と手放しに首肯するには自身の海外文学に対する読書力?知見?がまだまだ足りないのかなぁと実感させられた。

    日本の小説でも「話者が誰なのかわからない現象」はたまにあって、その度に「読みにくい」としか思わなかったが、解説を読んでみるとそれこそが技法というからびっくり。
    確かに、印象とか感想はとめどなく対象を変えていくもので、その人間本来の印象こそをそのまま描くことが正、みたいなヴァージニア考えも一理ある。
    けど、傑作とはなぁ…
    評価が分かれそうな気はする。訳者の人も原作に添いつつ、この曖昧な文章をよく訳してくれたなと感謝。

    ラムジー夫人に対する周囲の評価が場面によってコロコ

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    2026年06月20日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読むのに非常に苦労した。目が文字の上をすべり、中身が頭に入ってこない。
    登場人物の意識の流れを克明に描写した文章なので、それを自分の頭の中のイメージに置き換えていく必要があるのだが、うまくできなかった。
    こういった文章をちゃんと読める読者になりたい、というのが率直な感想です。

    作品が何を主題として描いていたのか分からなかったので、各社の説明文の要所を引用してみる。
    ・二日間のできごとを綴ることによって愛の力を描き出した(新潮文庫)
    ・若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとする(岩波文庫)
    ・微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体によって繊細に織り上げられた、去りゆく時代

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    2026年06月16日
  • 自分ひとりの部屋

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    新時代の小説家として名を馳せたヴァージニア・ウルフが、ケンブリッジ大学の女生徒に向けて行った講演。当時イギリスは史上初めて女性参政権が認められた時期で、女性開放の機運が高まっていた。ただ、第一次大戦後、多くの兵士(男性)が社会復帰するにあたり、女性は職場から追われ、家にいるべきという考え方が復古していたとき。参政権があっても社会的、経済的に自立できるわけでもなく、そのための支援もない状態。この状況を、もしシェイクスピアに妹がいたならというフィクションでとても上手に描いている。どの時代もこういったテーマについて面従腹背、ダブスタだったりするんだなあと改めて感じる。100年後には良くなっている(年

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    2026年05月19日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    人と話す時に絶えず動く心
    思ったことまるっと描写
    途中で入れ替わる話者
    誰がいましゃべってるんだろ
    誰がいま心のうちを吐露してる
    隅々までかいてる

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    2026年05月12日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    一日目に第一部読んで、今日第二部、第三部と読んだんだけど目がめっちゃ疲れた!!!

    表現が美しすぎて幅がありすぎてなんかもう人物描写が外も内も凄すぎて私は何を読んだんだ???って気分です……

    最初感じてた読みにくさは慣れたので今日はもう全然なかったんだけど、なんだろ、直接描写の途中から間接描写に変わったりで一文、いや一節一節をしっかり読まないとすぐ置いてかれるというか。
    ほんまころころ移動するから読むのにめっちゃ目と頭使ったなっていうマジ疲労感がすごい。゚(゚^▽^゚)゚。

    しかし凄い描写力だった……

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    2026年01月06日
  • 青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

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    ヴァージニア・ウルフの本は2冊目。
    ウルフは「意識の流れ」という文学的手法を使ったことで有名。

    調べてみたら、意識の流れとは、人物の思考や感情が、川の流れのように途切れなく変化していく様子を表現する方法。出来事を客観的に書くのではなく、人物の主観的な視点から、思考や感情の動きを直接的に書くことが特徴。

    という説明があったけど、個人的には客観的に感じちゃったな。
    思考や感情が途切れなく変わっていくところがのめり込めなかったのか、フィルターを通して世界を見ているような、夢の中にいるような、そんな感覚がずっと続く。
    話は入ってきにくかったから読み切れるか心配だったけど、読み心地は嫌いじゃない。

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    2025年07月25日
  • 波〔新訳版〕

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    SNSでおしゃれに紹介されていて、憧れを持って手に入れて、読み出してびっくり!難しいというか、流れが、意味が頭に入って来ない…最初の20ページほどで中断し、数ヶ月。それでも何とか再開し読み進めるうちに、(ああ、タイトルの波とは、この波のように寄せては返すような文章の構成のことを言うんだな…)と理解してから何とか最後まで辿り着きました。訳者あとがきに著者ウルフのご主人が「一般の読者には最初の100ページは難解すぎるだろう」とおっしゃったとあり、私は心の内で「それな!」と叫びました(笑)私が特別読解力がないわけではなかったのだ…と安堵しました。というわけで、内容についての感想はあと2回くらい読まな

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    2023年12月30日
  • 青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

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    絶版のちくま文庫版と収録作品はほぼ同じ。以前読んだとき同様、やはり「キュー植物園」の完成度がとびぬけてすばらしい。園を行き交う人びとが、ありえたかもしれない過去に思いをよせたり、でもいま手にしているこの現実でよかったんだと思いなおしたりする意識の流れが、花々や蝸牛の描写をおりまぜつつ見事に点描されている。絵で喩えるならジョルジュ・スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のよう。

    他には「堅固な対象」「池の魅力」も好み。一方、焦点のない構図で撮影された写真みたいに、とりとめがなくてよくわからない話も。

     【ノーツ】

    ▶20世紀は「メタ」の時代
    ・訳者解説によると、ブルームズベリー・グ

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    2023年02月16日
  • 波〔新訳版〕

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    ネタバレ

    同窓の男女6人の人生が彼らの独白オンリーで綴られているんだけど、あまりに詩的で繊細、内面的に描かれていてはっきりした筋を追うような作りにはなっていない。ところどころで海辺の夜明けから日没までの美しい風景描写が挿入されて、人生のうつろいと重なり合う。読み始めは素敵だなあと思ったものの、ずーっと同じ調子にあいまいで装飾が多い文章なので疲れてしまった。飴玉をなめるみたいにゆっくりゆっくり読む本だと思う(そうしなかった私に非がある)。一番好感度高かったのはロウダ。最後に自殺したことが明かされるけど、そうなっちゃうよねえ、と思わされる。
    全体を通して精神しか書かれないので、中盤で皆の精神が溶け合い、一つ

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    2022年09月04日
  • 波〔新訳版〕

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    ほんとにね、寄せては返す波のようだよね、文章が。なんだか主体の境界線が溶け合ってしまって誰ともいつとも定かでないような感じがして、『きことわ』がこれの何かを受けているのかなとちょっと思いました。

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    2021年07月07日
  • 幕間

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    もう一度読まねば。味がよく分からん。そんなふうに読んでしまった。読書の仕方を改めねば。

    モンゴメリ、クリスティー、ウルフ。戦争が否応なしに入り込む。

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    2021年06月07日
  • 三ギニー――戦争と女性

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    1938年出版のウルフの長編エッセイ。

    ヒットラーやムッソリーニなど全体主義の台頭、そして戦争の足音が近くなかでの戦争と女性の関係について論じている。

    が、視点は、国際政治というより、イギリス国内、中産階級的な世界のなかにおける男女差別、家父長制の偽善というところにフォーカスされている。

    そして、全体主義、戦争と家父長制、女性の抑圧といった問題がフラクタルであることを多くの具体事例をまじえながら、論じられていく。

    1930年代のイギリスにおける女性という「階級」の扱いが、今から考えると、「まだこんな感じだったのか〜」と驚くと同時に、現在の日本はまだこれに近いのかもなどと思った。

    エッ

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    2020年01月05日
  • 三ギニー

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    教養の深い作者がいろんな種類のオブラートやサランラップで包んでこてこて執筆してらっしゃるが、どうやら「あんたら男どもが好き勝手やって腐敗したこの社会において、女性を家に閉じ込めといて、自ら稼ぐすべを無くした上で、施設を改築する寄付をしろ、ですってえ?勝手に戦争始めといて、戦争を止めるにはどうしたらいいかですってえ?まずは無駄な装飾ごてごてのコスプレ軍服やめなよ。あれが間違ってもカッコイイとか思ってる人がいたら戦争終わらないんじゃないの?」と言った、おっしゃる通りですわ、奥さま、という本でございます。

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    2019年02月16日