ヴァージニア・ウルフのレビュー一覧

  • 自分ひとりの部屋

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    女性であることの意味、男性と女性が同じフィールドで戦っているという意識はいらないのではないか。
    セクハラなどと短くして軽く扱うな。
    余裕があれば女性は上手く生きていけるのか、それとも最低限の余裕にプラスする必要があるのではないか。
    性別よりもその人が何をでき、何を乗り越えてきたのか。能力主義からの脱却に最後は陥ってしまう?
    アナザードリンクはやはり、女性からのあらゆる押さえつけを受ける男性性の優勢感の爆発だったのではないか。
    女性の劣等性ではなく、男性の優勢性の維持が原因。
    美味しく食べていなければ、うまく考えることも、上手く愛することも、うまく眠ることもできない。
    ある人になりきった視点はお

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    2021年09月05日
  • 自分ひとりの部屋

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    面白かった。
    過去の女性たちがいかに創作の世界から、貧困と社会の圧を理由に排除されてきたかのかの話。
    自分ひとりで金を稼げないと家からは抜け出せないし、そうしないと自分の執筆や思索に集中するための邪魔されない部屋も持てないから、お金は大事なのだろう。
    成功している男性作家が基本裕福で学びに触れる機会がある。でもその一部の人しか創作の機会にありつけないのは、国や世界にとって大きな損失だ。という主張だった。
    この本を読んで、J・K・ローリングが生活保護を受けてそのお金で生活しながら物語を執筆していたという話を思い出した。それを許す環境があったからこそハリポタが生まれたのであって、だから、福祉という

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    2021年09月04日
  • 自分ひとりの部屋

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    「女性が小説を書くだって」
    「ナンセンス、書けるわけがない」
    という会話が普通だった時代がある。そんな時代の中でも先人を切る方々がいたおかげで、徐々に女性が創作活動にも携われることが可能になってきた。
    本書が出版されたのが1929年、著者であるヴァージニア・ウルフさんがケンブリッジ大学で行った2回の講演をもとにした作品。当時、男女平等の参政権が認められて、しばらくたったころ。現代社会から見つめると、男女の収入格差が明確にあり、社会的地位も男女で差がある時代といえる。
    女性が小説や詩を書くことが、まだ常識とは言えない時代に創作された古典的作品があるということを認識できたこと。そして、それらの作品

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    2021年01月10日
  • 自分ひとりの部屋

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    なんだろう、頭に全然入ってこない

    お金と自分ひとりの部屋が必要

    これは、今の日本となってはそんなもの男ももってないよ、と思う

    でも、日本語訳がよくないのか?言葉が頭に馴染まなかった

    三章の終わり、シェイクスピアの作品には、本人を見出させるような歪みがない、というようなことが書いてあったけど、そこは面白かった

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    2020年01月31日
  • 自分ひとりの部屋

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    なんか気難しそうで(失礼)敬遠していたウルフだけど、ユーモア精神のある素晴らしい講演だと思う。小説の「誠実さ」についてということが心に残った。しかし私はシャーロット・ブロンテのことは少し擁護したくなった。「私が私であること」のなかには、憤懣も、責任感もあって、それがシャーロット自身であったのなら、それはそれで受け入れられる。(これは読む側の私自身にはめられた枷もあるのだろうか?)
    押し付けられた価値観や役割を取り除いて、あるがままの私、でものを書くということ。あるがままの自分ってなんだろうな。

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    2019年10月03日
  • 自分ひとりの部屋

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    2019.7.3
    1920年代と今の日本、百年経ったけどそんなに変わってないですよ、と彼女に伝えたい 言いたいことは言えるけど、その発言にいまだあまりちからはないよ 45歳で最も評論や作るものに脂がのるって考えると、物を書くというのはとても息が長く素晴らしい職業 あまりにもすばらしい文章なので思わず怒ったり泣いたりしてしまったが、そうすることはこの作者の意図に反するので静かに考える バイブル

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    2019年07月04日
  • 自分ひとりの部屋

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    読みながらたくさんメモをとった。女性として生きる上でも、文章を書く上でも、心に刻んでおきたい言葉であふれていたから。シェイクスピアの妹は今でもわたしたちのなかにいる。〈現実〉を見据えて生きたい。暮らしていけるだけの自分のお金を得て、鍵のかかる自分ひとりの部屋で。

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    2019年05月22日
  • 三ギニー――戦争と女性

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    【三つの役割、一つの目的】戦争を防ぐためという目的で、とある「教養ある男性」から「私」に対して手助けが要請された。手持ちの三ギニー(注:かつてイギリスで使われていた貨幣単位の一つ)をどのように平和のために用いようかと考えた「私」は、寄付を三つの異なる相手に対して申し出るのだが......。著者は、『夜と昼』や『波』などで知られるヴァージニア・ウルフ。訳者は、本作以外にも複数のヴァージニア・ウルフの作品を訳出されている出淵敬子。本題は、『Three Guineas』。


    月並な言い方になってしまいますが、いろいろと考えさせられることの多い作品でした。書簡による返答という形式をとっていることから

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    2018年03月21日
  • 自分ひとりの部屋

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    フェミニズム古典。非常に読みやすく示唆に富んでいる。
    「私が簡単に飾らずに申し上げたいのは、何よりも自分自身でいることの方がはるかに大事だということです。他のひとたちに影響を与えようなどと夢見るのは止めてください。」人生の箴言

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    2017年11月24日
  • 自分ひとりの部屋

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    女性論、文学論として忘れたくない一冊。
    5章までは意識の流れ的に思索の過程がつづられ、6章でまとめての見解が述べられる。

    著者はすぐれた精神は両性具有であること、そして人の心に伝わり、人の色々な想念を生み出し、色々な能力を呼び覚ます文学(精神の系譜?)には、精神の男性的部分と女性部分の共同作業がかかせない、と述べる。

    作家とは〈現実〉を見据え、収集して読者に提示する方法を主にとるので、女性も収入を持ち、自分の部屋を持って〈現実〉を見据えるように。作家でなくても〈現実〉は人生を活力あるものにする、と述べる。ウルフ自身は親戚からの遺産収入があった。

    個々人の生でなく女性全体の生を考えるなら、

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    2016年02月02日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文学史に燦然と輝く、モダニズム文学の傑作。
    本当に読んでよかった。

    第一部では、主にラムジー夫人の視点から、孤島の別荘を取り巻く人間模様と夫人の思考(意識の流れ)をひたすらに描写し続ける。描かれるのはたった1日なのに、情景と思考の記述が膨大で、この時点で文字どおり「実写化不可能」な作品だと思い知らされる。
    1920年代に書かれた作品にも関わらず、男性像と女性像に対して赤裸々な描写が見られ、フェミニズム文学としても記念碑的作品だと言える。
    読み始めてしばらくは面白さが全然わからなかったものの、チャプター17の全員での会食から突然面白くなった。ここで描かれる人物像がとても丁寧で、「どこかが残念な

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    2025年11月27日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    ウルフ初かも。いや初じゃないかも?
    二部の、寂寥たる屋敷の描写が本当に素晴らしくて、大人になって良かったなと思った。
    解説読んでへえ~となったけど、それはそれ。小説は理由で読むものじゃないもんね!

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    2025年11月13日
  • 自分ひとりの部屋

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    大学での講演であった。女性について書かれた本は男性ばかりが著者であると気づいたと記される。面白いのは、シェークスピアの妹が才能あるのにそれが生かされずに若死したという出来事であった。

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    2025年10月20日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    結構長くてまじめな感想を書いていたのに誤操作で消えてしまい、心が折れて放置してしまった……
    改行は少ないわ主語は分かりにくいわ、読みやすさとは程遠い文体だし続きが気になるタイプの作品でもないのだが、鋭い人間観察眼があり、精細に描写された登場人物像は現代にも通じるところがあって、面白かった(と思う)

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    2025年10月11日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    最初、小説だからと追うべきストーリーを探して読んでいるうちは意味がわからなかったけれど、読み方が違うのか❗️と納得してから、一気に読み進んだ。
    人の心の中は、こんなにも散らかっていて、面白い。
    ある意味、すごくリアルだなと思った。

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    2025年07月24日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    文学史を塗り替えた記念碑的作品という触れ込みだが、私には少々合わず。わずか二日のできごとを語り手の視点を目まぐるしく変えながら意識を流体のように繋ぐ表現手法は確かに素晴らしいと思うが、物語の全体像がいまいち掴めない。とはいえ、たしかに冒頭の「その影や光の射す一瞬を結晶のようにして」やP118の言い回しは著者の圧倒的な表現力を感じさせる。また、「窓」「時はゆく」「灯台」への変遷は、わずか二日のできごとにも関わらず、時の移ろいの儚さを巧みに描き出す。テンポや表現を楽しむような英国文学とはやや相性がよろしくなかった。

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    2025年07月23日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    意識の流れ文学というジャンルがあることを知らず読み始めたので20ページくらいまでは全然内容が入ってこず、挫折しそうになった。あまりにも難しくてネットで調べて、予備知識を入れてから読み始めるとかなり読みやすくなった。

    語り手の内面描写(心情、回想、幻想)がグラデーションのように滑らかに描かれ、あえて語り手が判然としない文章がはさまったり、いつのまにか語り手が変わっていたり、斬新な比喩が出てきたり、集中して読まないと話がわからなくなってくるが、集中して読んでいるとどんどん話に引き込まれて、読むのがやめられなくなる。
    普段、自分の思考の流れを意識したことはないが、何かを考えているときに他に意識がそ

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    2025年05月01日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    文体が面白かった。最初に語っていた人物が話しかけると、その後は話しかけられた人から見た文体になっていて、また何かをきっかけにある人へと変わる。その繰り返しなのだが、私にはとても読みやすくて楽しかった。もっと難しい小説だと思っていたが、その文体が楽しくて一気に読んだ。内容を語れるわけはないが、なんというか好きな世界観だった。心地良い小説。

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    2025年04月29日
  • 灯台へ(新潮文庫)

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    文体に最初なれず、投げ出そうかとも思いましたが、読むうちにどっぷりハマってしまいました。そうそう。人を見る、人に見られるってこうだよねっていうこと。結局自然の一部である人間ってアイデンティティというよりもこう行き来する存在なのだという考え方もあるのねと。

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    2025年04月13日
  • 自分ひとりの部屋

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    知的自由は常に物質的なものに支えられている。詩は常に知的自由に支えられている。
    「自分の部屋を持つ」ということは、「知的自由行使の権利を持つ」ということ。
    100年前に書かれた本。すごいな。

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    2025年02月12日