コーマックマッカーシーのレビュー一覧

  • ザ・ロード

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    あとがきの表現を借りると、北斗の拳の世界の子連れ狼。ありえるかも知れない死と灰の世界で、人間はどのように行動し思考するかという視点ではリアリティを感じられましたが、物語は割と単調に感じました。

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    2025年08月14日
  • ザ・ロード

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    ピュリッツァー賞受賞作。
    最後までまったく面白くなかったのに、文章の流れにのると没頭できてしまった。サラエボ包囲を想像して読み進めてからは、純文学的な言葉の川に溺れることができて、それはそれでよきでした。言葉と言葉で緻密に紡がれて形成されたその場限りの世界に篭りたい時ってあるよね。

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    2024年12月07日
  • ザ・ロード

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    読書会課題本。ストーリーは「何だがわからないがめちゃくちゃ荒廃し、住民がほぼ野生化したアメリカの近未来で、とある親子が放浪の旅をする」という話。荒廃した理由が不明な上、矛盾している描写も多いので、SFとして読むとかなり物足りない。しかし、現代社会を風刺した寓話として読むと「ああ、なるほど」というのがある。そういう意味で、現地でヒットした理由も、ピューリツァー賞受賞も納得がいく。

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    2024年11月16日
  • すべての美しい馬

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    独特な文体で詩的にメキシコとテキサスの荒涼とした景色の中を美しい馬たちと愚かな人間たち、そしてそのようなものには無関心な世界を描く。正直なところ流れていく文章が理解する前に読み進めていってしまうようで、スタイルに慣れていない序盤の部分があまり理解できていなかった。「ノーカントリー・・・」とはまた違う印象。

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    2024年05月18日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    コーマック・マッカーシーの代表作である。
    国境での麻薬取引が襲撃され麻薬と金(かね)の奪い合いが始まる。金を横取りするベトナム帰還兵、追いかけ回す密売集団、スタンガンのような特殊な武器を使う殺し屋の執拗で冷酷な追跡、それを捜査し追走する保安官・・・。
    独特の表現で、今のことなのか過去のことなのか、状況なのか会話なのか、話ことばに鍵かっこを使わず、凄惨な場面が次々と起こる。めまぐるしい展開に説明がない、何がどうなっているのかわからず読者も振り落とされそうになる。
    各章冒頭の随想のような文章で一息入れる。
    欲望と殺戮と僅かの日常が混在し、全編を貫くスピード感と虚無感に満ちたテイストの風変わりな小説

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    2024年05月11日
  • ザ・ロード

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    破壊され尽くした世界を父と息子の二人が「火を伝える」という目的を持って南に向かって歩き続ける。
    廃墟の中、辛うじて残った食糧や必需品を漁る緊張感、掠奪者や老人・子供に遭遇することが孤独を紛らわし物語の現実感を醸し出す。ボロボロの地図を頼りに雨や雪、疲労と飢え、病気と怪我に抗して南に向かう。海に辿り着いても状況は何も変わらない。
    二人にとっては「防水シート」がいろいろな場面で何度も出てくる万能資材であり、「カート」が必要品を運んでくれる頼り甲斐のある同行者だ。
    大状況がわからないということはこれ程不安を感じさせるものなのか。読者は一瞬も気を抜けず漠然とした期待を求めて読み続け、南にこそ可能性があ

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    2024年05月05日
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン

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    洗練された重みのある文章。。。わかっちゃいるんだが。どうにも自分とは相性が悪いようだ。多分四作くらい読んでいるのだが、毎回読後があんまりよくなかった。必要以上に暗い気がする。どうも自分はユーモアとか皮肉とかがないと読んでるのがしんどくなってくるようだ。

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    2024年04月11日
  • 越境

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    アメリカとメキシコを行ったり来たりしつつ、悲劇に見舞われながら生きる主人公と対話する人々との哲学的な挿話で構成されている。様々な暗喩が込められて語られる会話がほぼ全体を支配してるので、相変わらず読みにくいが、分かり易い物語や伏線回収云々な小説よりずっと心に残るし、何度も再読出来る小説だと思う。

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    2024年04月07日
  • 通り過ぎゆく者

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    「ステラ・マリス」を読むまで全貌は掴めないが、ただただ世界は孤独で悲しく深淵だ。

    そういう世界を最期まで描き続けた、追悼コーマック・マッカーシー。

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    2024年04月04日
  • すべての美しい馬

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    ブラッドメリディアンよりも読み易い。エンターテイメント性の高いし、キャラクターも分かりやすい。難点は読み難いことくらい。

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    2023年12月25日
  • すべての美しい馬

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    追悼。なので評価はプラス☆1つ。ってことは実際の評点は…。ちなみに積読状態にあったものをこの機会に、ということで。”ザ・ロード”がとても面白かったから、きっと本作もと思ってたけど、なんともかんとも。一風変わった道程を、ただひたすらに描くという点では、両作は似ているとも言えるんだけど、なぜかこちらは辛かった。ひたすらandで繋がれる地の文、著者の特徴として評価されているみたいだけど、個人的にはこの手法、好きじゃないです。読みにくさしか覚えないし、結果、読み流しになってしまう。ストーリーが面白ければまだしも、展開もいまひとつ。本作は三部作の第一部みたいだけど、続きは読まないです。

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    2023年07月18日
  • ザ・ロード

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    灰が降る終末世界で父と息子が旅をする。略奪者の目を逃れながら、少しでも暖かい南を目指して。その道は悲惨というほかない。森の中に潜んで防水シートで雨を避けながら焚き火をする。臭い服と毛布にくるまって眠る。次の日にはボロ布を巻きつけた足でまた先へ進む。行く先々で転がっている死体。こんな救いのない場所で生きていくことに何の意味があるのか。銃があるならそれで自分と息子を撃てば終わりじゃないのか。読みながらそう思わずにはいられなかった。生きたいというのは親のエゴなのではないか、とも。それでも生きようとする気持ちの強度に圧倒される。他人を助けたいと思う息子の純粋さや、お互いと一緒にいたいと思う二人の気持ち

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    2023年07月16日
  • すべての美しい馬

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    ネタバレ

    死んだじいちゃんの牧場に行くかとおもったけどそうじゃなかったな。
    ・馬はよくついてきたな
    少年ってこんな逞しいんだ
    ・ハイウェイを馬でって?
    ・刑務所でナイフが無事に届くかはらはら
    ・アレハンドラ?
    ・コインの鋳造の話
    ・最後つれて旅した警察署長って悪いやつのボスだった?
    ・馬をもとの持ち主に返しに最後いってたけどみつかるかな。
    ・裁判所の検事さんが、わかってくれた
    ・学校行ってる年齢?
    ・プレヴェンスなんで殺された?
    ・砂漠の赤土の描写が荒涼としてた
    ・一文が長すぎ。

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    2023年03月15日
  • すべての美しい馬

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    テキサスからメキシコへ、美しい景色を親友と美しい馬で行く。親友、仲間、恋人、別れと、殺伐とした世の中を淡々と描き、引き込まれた。

    読み応えありました。

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    2021年10月17日
  • ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤

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    本書を読んで思い出したのは、1960年代のアメリカで出版された偽書、アイアンマウンテン報告であった。平和というのは異常なのであり現代社会は戦争があるのが平常である、というテーゼから戦争を賛美するこの偽書は未だにカルト的な賛美を集めている。

    本書、『ブラッド・メリディアン』は1850年頃のアメリカを舞台として血が血を洗う暴力こそが社会にとって必要だということを描き出す暴力小説である。アメリカ先住民を撲滅するために暴走した私兵軍団は、先住民のみならずメキシコの人民も含めて旅路で出会う人間を皆殺しにしていく。そして、殺害の証拠として彼らが集めるのは殺した人間の頭皮である。死骸から頭皮を剥ぎ取るシー

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    2020年12月12日
  • すべての美しい馬

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    情景描写やキャラクター描写からアメリカとメキシコの対比が見られた。
    保守的なロリンズと自分の感情の赴くままに行動するジョン・グレイディの2人の性格も対比的に描写され、先進的なアメリカへの批判という、コーマック・マッカーシーの脱中心主義に基づいているのではないかと思われる。
    目を背けたくなるような暴力的なシーンが多かったため、読み進めるのに時間がかかった。

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    2018年06月16日
  • 悪の法則

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    ネタバレ

    陰惨。
    ハードボイルドで詩的なマッカーシー節もあるけれど、むしろ主人公を憐れんだり、展開に恐怖したりすることに忙しかった。
    映画脚本で、会話が主であるため読みやすかったけれど、その読みやすさがむしろ、物語の暗さを後押ししているのかもしれない。
    主人公に対しても読者に対しても、憎むべき相手や怖がるべき対象がほとんど姿を見せないまま物語が進む。それもまたリアルで、その分読んでいて辛かった。

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    2017年04月05日
  • 越境

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    オオカミを失い、
    家族を失い最後は弟を失う。
    越境するたびに何かを失う話。

    陰鬱なはずの描写もあるが、
    他作品と同じくまるで風景のよう。

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    2015年10月15日
  • チャイルド・オブ・ゴッド

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    どちらかといえば初期のころの作品だが、
    独特の文体、表現はすでにこの時点で固まっていたのだと思う。
    猟奇殺人ではなく、
    それを取り巻く世界を描いたという訳者の解説はなるほどと思った。

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    2015年09月30日
  • 越境

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    物語は一気に読むものという認識を強くさせられた。読むのに時間をかけすぎた。タイミングが悪かったことにして、いつか再読の必要があるだろう。

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    2015年09月15日