石川幹人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フェイクを見抜くのは難しいことを前提に議論を展開しており、次のような分類をしている.見かけがつくるフェイク、共感に訴えるフェイク、言語が助長したフェイク、自己欺瞞に巣くうフェイク、科学の信頼を利用したフェイク、誤解から生じるフェイク、結束を高めるフェイク. それぞれの説明には事例を絡ませて読者を魅了しているが、対応策の複雑さを示しているともいえる.最後に述べている、''人類の歴史で育まれた伝統的な心理構造が、比較的自由な現代の社会環境とミスマッチを起こしている.'' という指摘が重要だと思った.この進化心理学の観点を認識することで、フェイクをジョークとし
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルのとおり、本書では超常現象を本気で科学的に考えていきます。幽霊から始まり、超能力へと移っていきますが、とっかえひっかえするようにトピックを渡り歩くのではなくて、幽霊現象をしっかり考え抜いたうえでそこからの繋がりとして超能力現象へ移り(19世紀末にあらわれた心霊研究の流れを汲むものが20世紀アメリカの超能力研究でした)、そこで得た知見をもちいて再び幽霊現象と超能力現象を眺めるとそこに通低している原理と推測されるものがわかっていく。
本書は「超常現象」と呼ばれるものを科学的に見ていくだけにとどまりません。まず、「幽霊はいるのか」ではなく「幽霊はなんの役に立つか」という実用性の視点から見て -
Posted by ブクログ
ネタバレ20世紀末に、進化論と脳科学を介して心理学と生物学は強く結びつくようになった。アメリカの心理学教育のバイブルとされる教科書では、心理学の各項目に生物学的視点と脳科学的視点が併記されるようになった。こうした科学的知見を背景に、進化心理学者の著者が「生物学的にしょうがない」「人間だって動物なんだから」という見方で、生物としての人間、そして個人の遺伝的特性=個性に従って考えることにより悩みを解決しようと提言している。曰く、人間も、生物として遺伝的に規定された「向き・不向き」「好き・嫌い」がある。進化の過程で獲得した遺伝子の指令で得られた、人間という種として共通した「好き・嫌い」もある。また、最近の
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに「超常現象」とあるわけで、この本を読む人は暇なんだけど読むものがこれしかなかった等のことがない限り超常現象に興味がある人だと思う。
かく言う(かく書く?w)自分も当然大好きな人で、そういう体験をしたこともあるから、(それをそう定義づけするのなら)「超常現象はある!絶対!」と思う方だ(爆)
というか、「幽霊(のような存在)と見た」とする人は古今東西枚挙にいとまがないわけで。にもかかわらず「そんなものはない!」と断言(否定する方って、なぜか“きっぱりと断言”する方が多いw)出来ちゃえるほうが不思議な気がするんだけどなぁ~(笑)
と言っても、「それは絶対死者の魂だ!」と思っているのではな