【感想・ネタバレ】生物学的に、しょうがない!のレビュー

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Posted by ブクログ

とても分かりやすくサラサラ読めた。生物学の入門として良い易しい難易度の内容だった(難しい事書かれたら読むの大変だもん…)。良い知見を得られました。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

著者が後書きで述べているように、本書は「生物学的な観点から心理を語る」本である。

モヤモヤする時は心理学や脳科学の本に救いを求めることが多かったのだが、それらの多くは個人の体験に原因を求める内容だったため、ピンと来ないことが多かった。

本書の特筆すべき点は、個人の不安・悩みを「生物として人間の中に組み込まれている情報」を原因としているところだ。原因不明の不安に捕らわれるのも、「旧い脳がそう感じるようにできている」と言われれば「なるほど」と腹落ちできる。

文体は軽く、かなり端折ったロジックで進むが、個人的にはとても救われた本である。

<アンダーライン>
★★★★★
たとえば、大災害が起きてそれを生き延びれば、危険を脱したと認識できて不安が去ります。「上司の小言なんか大したことないや」とも思えてきます。つまり、安全な文明社会では、「恐怖がやってきてそれを解消する」という自然界でふつうに起きていた循環がなくなったがために、不安が高じるのです。
私たちは、ごく小さな危険を過大視して、恐怖を慢性化させているのです。

★★★★注意散漫は、もっと大事なことに気づいたときに、そちらに思考を切り替えるための自然な仕組みなのです

★★★★★
後悔すると行動の成功確率が上がるので、本来後悔はいいことなのです

★★★★★
生物学的に感情は、動物の行動を起こしたり方向づけたりするものです。現状が満ち足りた状態であると、新たな行動を起こさなくてよいので、感情が喚起される必要がないのです。
つみり、幸せなはずの状態では、幸福感は喚起されない

★★★★
人に頼れない人は「頼ったあとのこと」を考えてしまうのです。
負債感が妨げになっている。

★★★★
私たちは「自分の揺らぎ」が不安になるように進化している

★★★★★
(墓は)誰のものかわからない遺伝情報よりも、個人としてのアイデンティティの存続を大切にした

★★★★★
人生がむなしくなる人はマキシマイザー。サティスファイサーは適度に満足する人

★★★★★
サティスファイサーは「挑戦している今が楽しい」と感じる

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

生物としての人間を解説しつつ、現代人が悩みがちな事柄について「しょうがないよ」と慰めてくれる本。勉強しながら甘やかされる感覚が新鮮で面白かった。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

「な〜んだ、生物学的にしょうがなかったのかぁ」と科学的に甘えさせてくれる本です。
かわいいイラストの表紙に惹かれて購入しましたが、面白かったです!誰もが経験したことのありそうな身近な悩みの原因を、生物学的目線でズバズバ解説してくれます。理由がわかるとなんとなく悩みそのものが軽くなったようにも感じました。

何かができることもできないことも個性なのです。

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2023年06月07日

Posted by ブクログ

 この本を読み進むたびに草原に立つ原始人が脳内にわいてくる。
 しょうがないもんね。
 だってあの頃の脳なんだもの……。

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 20世紀末に、進化論と脳科学を介して心理学と生物学は強く結びつくようになった。アメリカの心理学教育のバイブルとされる教科書では、心理学の各項目に生物学的視点と脳科学的視点が併記されるようになった。こうした科学的知見を背景に、進化心理学者の著者が「生物学的にしょうがない」「人間だって動物なんだから」という見方で、生物としての人間、そして個人の遺伝的特性=個性に従って考えることにより悩みを解決しようと提言している。曰く、人間も、生物として遺伝的に規定された「向き・不向き」「好き・嫌い」がある。進化の過程で獲得した遺伝子の指令で得られた、人間という種として共通した「好き・嫌い」もある。また、最近の生物学の研究により、人間の数学や音楽などの諸能力や性格には、遺伝子が大きく影響しており、作り変えるには大きな努力が必要だとわかっており、人間という種内の遺伝的変異により個人の特性は大きく変わるということが明らかになっている。こうした、遺伝的に規定された自分の特性をもとに、どれを頑張るべきで、どれを諦めるべきかを見極めることが、幸福な人生を送るために必要と著者は説く。
 その上で、この遺伝的に規定される情動とうまく付き合っていく方法も併せて説明されている。著者によると、遺伝的に規定される情動や行動を「ホットハート」といい、これは狩猟採集時代に獲得された生物学的な特質である。これに対し、脳の前頭前野を中心とした機能である意識的な働きを「クールマインド」と定義し、「クールマインド」の理性的な行動で社会が高度化し、現在の文明社会が形成された。著者は、こうした「ホットハート」と「クールマインド」という両者があるという心の仕組みを知るとともに、狩猟採集時代に形成された「ホットハート」に裏打ちされた文化と、「クールマインド」に裏打ちされた現代文明の生物学的な齟齬があることを理解し、その違いを前提として「クールマインド」で  両者のバランスを取ることが重要という。例えば、「ホットハート」では、うまくいかないときに暴力に訴える対象法をとるが、文明社会では暴力をなくすという合意があるので、暴力に訴える気持ちを「クールマインド」でうまく抑制するということである。これは、本書の主張をもとに解釈すると、「ホットハート」により発動する暴力の衝動を、「クールマインド」で一方的に抑え込むのではなく、暴力の衝動が生じるのはしょうがないから受け止めるとしても、うまく逃がして別の形で表現するということだと理解できる。これは、アンガーマネージメントや、アサーションにも通じるものと思われる。このほか、「ホットハート」に対応するために、人間だけが生物学的に身につけた「想像力」を適度に発揮して対処することも有効としている。また、加えて人間の持つ「社会性」という生物学的な特性を生かすと、「ホットハート」で仕方がないことも「他者のために」と思うこともやる気が出て対応できる可能性がある。このため、生物学的にしょうがないことの一部は、自分の社会性をうまく刺激する環境を探し当てれば、改善が期待できるとのこと。
 こうした仕組みを知った上で、自身の「ホットハート」を受け止めて「クールマインド」で適応していくことが良いと思った。本書で紹介されていた、「ホットハート」、すなわち「生物学的にしょうがない」の中で、特に自分に当てはまると思ったものはつぎのとおり。これらを受け止めつつ、適応的に生きられればと思う。
1.人前で話すの苦手なの、しょうがない!
→「人前で話したくない」と思うのには、オオカミなどの捕食者がいるかもしれないと感じてしまうから。人前で話すのが得意な人は、突然変異により見知らぬ人への警戒心が弱い人と、人前で話すのに慣れた人(話す内容に自信があり、経験を積んだ人)。
2.雨の日にでかけたくないの、しょうがない!
→狩猟採集時代の生活習慣では、狩や木の実の採取は雨天では効率が悪くなるので、雨の日は静かにしている人々の集団の方が生き残りやすかったので、我々は雨降りでふさぎ込む心理を獲得した人々の末裔である。
3.後悔しちゃうの、しょうがない!
→狩猟採集の失敗を後悔することで、行動の成功率が上がるので、後悔する傾向が遺伝子に組み込まれている。
4.幸せなはずなのにネガティブになるの、しょうがない!
→生物学的に感情は、動物の行動を起こしたり方向づけたりするもの。現状が満ち足りた状態であると、新たな行動を起こさなくて良いので、感情が喚起される必要がない。このため、幸せなはずの状態では、幸福感は喚起されない。幸福感は、「これからよくなるぞ」という期待によってもたらされる。また、将来のことを想像すると、心配が生じ、現在が満ち足りた状態であればあるほど、未来は現在よりも悪くなると考えてしまうため、ネガティブになる。
5.困っているけど人に頼れないの、しょうがない!
→「人に頼れない」のは、人に頼ったときの負債感を過剰に予測するため。負債感の出どころは、狩猟採集時代におけるタダ乗り防止のしくみ。人に支えられたらそれを「借り」として感じ、「なんとか返さねば」と思って自分の能力に従って頑張ることで狩猟採集時代の平和的な協力集団を築いた。
6.人生がむなしくなるの、しょうがない!
→人生がむなしくなるのは、何事も最大化を目指す完璧主義者であるマキシマイザーで、失敗したり、目標が亡くなったときにむなしくなる。現代社会は、経済の活性化のため、競争意識をあおってマキシマイザーになることを奨励している。人間には、適度に満足するというサティスファイサーの面もあるので、折に触れて「挑戦している今が楽しい」というサティスファイサーの気持ちを交えた人生になればよい。

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2021年09月06日

Posted by ブクログ

遺伝子が強力すぎて、人間は到底太刀打ちできない……数日前に読んだ『スマホ脳』にも通ずるないようでした。
タイトルや帯を見ると、「できない自分を許す」ための本という印象がありましたが、ある意味「自分の許容範囲を広げる」ための本でもあるかなと。他者を受け入れる余裕、「なんでそういう風なの?」「なんでこんなこともできないの?」余裕がないときはそうやって他者に厳しくなってしまうことが多々あると思います。だけど、「遺伝子レベルで組み込まれているシステムなのだからしょうがないよね」とすこし俯瞰してみることで、自分の心にも余裕が生まれる気がします。

「人生を楽しむことが最終目標であり、お金や仕事はその手段であるサティスファイサーならばハッピーですが、お金や地位が目的格するマキシマイザーであると人生がむなしくなります」

わたしはまだまだ若い。思考を転換して自分に優しく、他者にもほどほどに、充実した人生を送ります

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

何かを選ぶ時は何かを選ばない時。努力も一緒。
恐怖には立ち向かうもよし、逃げるもよし。何かの行動をとること。隠れる、誤魔化すといった何もしないが一番よくない。

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2023年10月10日

Posted by ブクログ

タイトルからも分かる通り、進化心理学の見地から、ヒトの習性を読みとく。
ただ、一般の読者向けにかみ砕くのはいいが、面白さを優先したあまり極端な例が多すぎて、実際はまだ検証も曖昧な学説も全て言い切ってしまっている。
もちろん、実際に研究の参考にするような本では当然ないし、まずは進化心理学に興味を持つには良い一冊。
(高校生や大学生向けかな)
ただ、結論の多くが”しょうがない”で終わってるのには違和感を感じる。

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

高校生程度の知識があれば頭にすっと入ってくる易しい文章だと感じました。

自分や他者の欠点を「生物学的にしょうがない」と慰めたり、理由付ける点において、「それは分かるんだけど、しょうがなくしたらアカンやろ」と思わずつっこんでしまうところもありました。

遺伝子や脳科学の視点の話と、社会集団が形成された時代の名残の視点から語られていました。

読んだ感想としては、生物学うんぬんよりも、人類の生物学的な本能と理性、社会集団としての「当たり前」という、長い年月をかけて獲得してきたものが、技術革新等による現代の生活状況にそぐわなくなってきているからこそ、問題が生じていると言い換えられるかなと個人的には考えました。

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2023年08月27日

Posted by ブクログ

末人になりそうで危ない本という前提で
自分の苦手とすることの理由が分かるので、そこからリスタートできる人にはいい本

あと生物学の触りとしては面白い本

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

「いや、それはさすがにしょうがなくないでしょ」とか時々つっこみつつ、気軽に読めた。
人間はまだまだめちゃくちゃ未熟な、進化の過程にある生き物で、それでも理想とする姿(理性的・友好的・合理的)になろうと一所懸命頑張っているんだなー。そう思うと、少しだけ愛おしいというか、まあしょうがないかと思えるかもしれない。
どんなに厳しく律してやろうとしてもできる範囲は限られている。そのくらいのレベルの生物なのだから。

「女性が長生きなのは歳を取っても育児などで役立つから」という説が本当ならば、やはり人は役割や他者との繋がりや何かをしたいという意志がないと死んでしまうのだろう。どういう気持ちで生きるかがその人の一生の長さに、ひいては人類全体の進化に繋がると思うと、人の心ってもっと大事にすべきものなのかも。
「歳をとるとダジャレを言ったりネトウヨになったりするのは認知機能が低下しているから」というのは、笑ったしなんだか納得できた。
「墓を欲しがる気持ちや死後の世界を信じることも、死の恐怖を和らげるために必要」という話から、現代の宗教的思想の形骸化がカルト宗教等にハマることを招くという話、少し重く受け止めた。心が弱いのは仕方ないから、いい感じの寄りかかる場所を選べるようにしないといけない。

眉唾っぽい話もあったけど、わりと面白かったし、少し気が楽になった。
人間のこと、やたらすごい生物だと思ってしまってたんだなあ。不完全な生物だと自覚して、自分にも他人にも優しくなれるといい。

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2023年01月19日

Posted by ブクログ

本能の起源が狩猟時代に適応するための物で現代にはまだ適応できてないので色々苦しいということを語る一冊

SMの話はおもしろかった
Mは服従することで安心するという心理だったのか

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2022年10月31日

Posted by ブクログ

現代人が抱える様々な困りごとが、狩猟時代に形成された遺伝子による特性が社会と技術の進化に適応していないためである。一般向けに分かりやすく書いてある。重要な点は不自然なほど太字で書いてあって、SNS等で大量の情報を短文で得る現代の読書に合わせている。これも生物学的に仕方ないのかな。

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2022年08月13日

Posted by ブクログ

確かにそうですよねーという内容。人間は言葉を獲得して、野生では考えられないほどのコミュニティを形成したけど、その一方で遺伝的には野生をそのまま持ってる。持ってないと生殖も行われないし、滅びちゃう。野生を持ちつつ、そこから遠く離れた真逆の社会的行動を求められることによるジレンマがある。その苦しみって、構造上、どうしようもないよねーって話。

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2022年08月04日

Posted by ブクログ

なんとなくでも知っていれば、ミスをした時に自分を責めてしまう度合いは薄くなるかもしれない。
いろんな考えがある事を教えてくれる本でもあると思う。

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2021年09月16日

Posted by ブクログ

人間が起こす不安衝動、知ったかぶり、イライラ、マウントなどは全て狩猟採集時代にインプットされたものだから、「しょうがない!」。人間の抗えない欲望や思考の癖を生物学的に説明した自己分析に近い本。したがって、生物学書として読むと肩透かしを喰らうかもしれない。冒頭から読むと面白いなー、と思うのだが、いかんせん狩猟採集時代からだからしょうがない、という理論が繰り返され、最後の方には「狩猟採集時代からの思考だからしょうがないよね」と先読みするようになってきてしまう。事実そうなのだろうが、少し単調に感じてしまった。読み物としては軽めであり、あっという間に読める。

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2021年08月15日

Posted by ブクログ

大学では、知らない人が多いため、質問が出ない。
鳥は食べ過ぎると飛べなくなるので食べ過ぎない。
イライラはため息をついて、脳に酸素を送らないと収まる。

人間に嫉妬が生まれたのは嫉妬が有効だったから。狩猟採集時代は平等でないと生き残れなかった。
現代は、再分配の効果がないので、嫉妬は無意味。
人間だけが想像力を持てる。
動物は衣食住が足りていれば現状維持でダラダラする。
人間だけが他者を助ける=狩猟採集時代の協力生活のたまもの=社会性が進化した。

幸福感はこれから良い状態になるぞ、という期待でもたらされる。幸せなはずの状態、では幸福感は喚起されない。ネガティブになることは、現状が幸せな証。

嫉妬も後悔も狩猟採集時代の名残。フラれたら次を探す。職場で親密な人間関係を作らないほうが合理的。マッチングアプリは合理的な戦略。

ご近所づきあいはコンビニで奪われた。

スリムな女性が好きなのは、ウエストが細いことが妊娠していないことのアピールだから。

男は、伝統的には強さが重要だった。現代ではやさしさが重要になった。女性がダメンズに惹かれる理由。

動物は過去を回想しない=ライオンがオスの子供を集団から追い出す。
現代社会では、社会が複雑になったため、適応させるために過保護にしがち。

会議に女性が多くなると、さまざまな可能性を慎重に検討する傾向が出る。時間がかかるが成功率が上昇する。男性ばかりだと、鶴の一声で決まってしまう傾向がある。

動物は将来を考えられない。=人間も今を重視しがち。
欲望をうまくやり過ごせると勉学の達成も上手になる。

遺伝子がもたらす機能をホットハートという。自分のホットハートがどのように働いているか、不要な機能が起動しないように注意する。
クールマインド=意識してよく考えること。ホットハートの働きを冷静に考えて行動を選択する。

公務員の忖度問題は、指示待ち社員ではいけない、自分で進んで仕事を見つける、と同義。忖度は問題ではなく、過度な行動が問題。

ただ乗りに対する負債感は、集団での平等を求める気持ちから生まれた。
女性が長生きなのは、年長の女性が子供の面倒を見ていたから。

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2021年08月14日

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