石川幹人のレビュー一覧
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面白かった。けど、このタイトルに対する答えってあったっけ?「人間は論理的思考が苦手だから」?それとも「最近進展した心理学の知見が示す通り」?そのへん、僕の読解力の問題とは思うがすっきりしない。
書きぶりが実にフェアで僕としてはほとんど異論はないんだけど、でも「オカルト派」からすると「いや別に科学は目指してないですし。科学の語彙と文法で矛盾を指摘されても、そもそも霊は科学の世界を超越したところにいるので、その批判には何の効力もありませんよ」といった意見になるんじゃなかろうかと思う。
まあここまでは極端だとしても、筆者の解くような科学的な思考を拒否する人たちとどういったコミュニケーションを取ればいいのか、なんか指南書はないものだろうか。 -
Posted by ブクログ
<目次>
序章 人間は生まれながらの疑似科学信奉者
第1部 個人的体験の落とし穴~疑似科学のはじまり
第1章 金縛りの正体
第2章 パワーストーンとオーラの探求
第3章 なぜお守りを信じるのか
第2部 体験を知識に格上げする~いかに科学となるか
第4章 天文学もオカルトに由来する
第5章 見せかけの先端科学にご用心
第6章 封印された超能力の科学
第3部 知識を社会で共有する~科学を使う
第7章 科学は未来を予測する
第8章 「秘伝の技」と科学技術
第9章 メディア・政府・科学者
第4部 蔓延する疑似科学~誤解をただす
第10章 サプリメント商売の買わせる策略
第11章 水ビジネス~疑似科学の温床
第12章 原発事故と放射線被害
第13章 疑似科学がはびこる「性格判断」
終章 疑似科学を見分ける
<内容>
疑似科学という、オカルト・超能力から、サプリや水ビジネスなどを一刀両断する解説書。著者的にはもっとぶった切りたいようだが、大人しく丁寧に解説をしてくれる。一方で、心理学的には人間は、あたかも論理的に見えるものに騙されやすかったり、自分は正しいと誤認識したりするので、こうした分野はなくならないんだろうな… -
Posted by ブクログ
≪目次≫
序章 なぜ超常現象を科学するのか
「反」の部ー幽霊をめぐる非科学的主張に反論する
第1章 幽霊が見えた?
第2章 迷信とお守りの誤解と詐術
第3章 夢と幽体離脱
「半」の部ー超能力現象を半信半疑で検証する
第4章 超能力と夢の中の世界
第5章 それは誰のしわざか
第6章 未来がわかるとはどういうことか
「汎」の部ー超常と日常を合わせて広汎に考える
第7章 「無意識」の大きな可能性
第8章 幽霊体験の社会化
第9章 解体される超常現象
≪内容≫
超能力やオカルトを罵倒する本かと思いきや、超常現象の可能性を述べている本。と言っても、眉唾なものははじめから一刀両断だが、ESPカード実験はわずかながら透視能力や予知を見出し、幽体離脱にも科学的な判断を下している。そして、幽霊の目撃や金縛りを含めて、
「無意識」という概念で説明できないか、その可能性を述べている。科学と言うか「心理学」がここまで研究しているのかという驚きで本を閉じた。 -
Posted by ブクログ
本著によると我々の感情はジャングル、草原、文明によって形成されたらしい。
それらは「文明の心」と「野生の心」と二つに大別される。
恐怖、怒り、愛情といった感情がなぜ生まれたのか、それらの感情があることでどんな効能があったのかを各時代の環境とともに考えていきながら理路整然と述べられている。
近代に生まれたものもあれば、遠く祖先が野生の中にあった頃生まれたものを遺伝的に継承しているものもある。
これらがわかる事で、今自分が抱いている感情がどの様なものであるかを客観的に理解できるようになるだろう(理解後の対処についてはまた別の話だが)
驚きと発見に富んだ内容 -
Posted by ブクログ
進化心理学という学問については初めて本書で知った。人間の脳の構造に小脳と大脳があり、小脳が本能的な行動をつかさどるということは学校の理科の時間で習った。本書によるともう少し奥があるらしい。
脳は進化とともに発達してきたと考えられるが、その過程においてさまざまな感情を発達させてきたと考えるのである。人類がまだジャングルに生活していた時に身につけた恐怖や不安の感情は、類人猿にも共通して見られるが、恨みや妬み、さらには好奇心や希望、楽しみ、笑いなどは人間にのみ顕著に現れるものであるという。これは人類が草原に下りてから身につけた感情であるらしい。
進化心理学の立場では、感情は生得のものではなく進化の末に獲得されたものということになる。進化とは生存のために起きるのであるが、この感情こそが敵から身をまもり、食糧を確保し、絶滅を回避するための手段だったというのである。そして、こうした感情が理性や思考の発達を促してきたというのである。
こういった学問は生物を概観するのには適するが、個人的差異については注意深く無視される。個人個人の問題ではなく、種としてあり方を扱う学問といえる。だから例えば男は競争的なものに向き、女は共感的なものに向いているという傾向を冷静に語ることが出来る。
筆者は人間の生物としての特性を踏まえた上で、さらに文明を持ったあとの我々の心をどのようにデザインしていくかということにも関心を示している。本書によれば人間の脳は平和で変化のない毎日を過ごしていくうちに幸せを感じなくなっていく仕組みになっているのだという。それを踏まえこれからの私たちは多様な集団に属し、それぞれの集団と質の異なるつながりを持つことによって幸福感を確保しなければならないというのである。
人間をいかなる生物として捉えるのかという問題については未知の領域が大きい。関心を持ち続けていきたい分野である。