あらすじ
感情の萌芽にあたる仕組みは、地球上に哺乳類が現れたころにはすでに、人類の祖先に備わっていたことでしょう。
感情は、生きのびるのに必要な機能として、生物進化の歴史をとおして、徐々に積み上がってきたのです。
捕食者から逃げる「恐怖」は比較的早い段階で、人類の祖先の動物の身につきました。
そして、個体の上下関係を形成する「怒り」や「おびえ」は、群れを形成するようになった段階で身につきました。
人間として進化した段階では、協力集団が築かれ、それを維持する役割を担う「罪悪感」や「義理」などの、複雑な感情が進化しました。
本書ではさまざまな具体例をもとに、感情の働きを明らかにします。
そして、感情が私たちに備わった生物進化の歴史を考えます。
感情タグBEST3
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進化心理学
というか人類史
完読するのに時間がかかったー。
進化・脳・感情・理性を行き来しながら、
人間とは何でできているかをじわじわ組み立てていく感じ。
私たちは、
理性で進化したのではなく、感情によって生き延びてきたらしい。
恐怖は危険を避けるため、愛着は協力や子育てのため、怒りは不正への抵抗のため、共感は集団を維持するため
感情は邪魔なものではなく、
進化の主役だったという視点が軸。
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石川先生の進化心理学
心理が遺伝することや生存競争に心理が関わっていることを解説
自分の心を省みるのにいい
そして、今 勝ち組のあなたは生物として勝っているかは..
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感情。
そう聞くとマイナスなイメージを持つ方も多いだろう。
仕事やプライベートでもよく、「感情的になるな」と注意される。
怒りや悲しみ、不安は無いほうが楽に生きられる。
ただ、この本では、人がサルと違い、進化できたのは
感情によるものだとしている。
「不安とはばくぜんとした恐怖が持続する状態だといえます。狩猟採集時代に人間の想像力が高まり、今ここに直面する事物以外に、創造物に対しても恐怖をいだくようになったのです。『今ここ』のみに生きている、他の動物にはあまり見られない感情なのです。」(P.40)
人間は「今ここ」だけでなく、過去や未来に対して考え、感情をいだく。
それは時として、マイナスにも働く。
しかし、人間は過去から学ぶことができるし、未来に希望を持つこともできる。
感情を頭ごなしに否定することに異議を申し立てたい。
Posted by ブクログ
最近、感情的に振舞ってしまう自分に気づき、後悔することがしばしばあります。
どうやって自分の感情をコントロールしようかと考えていたところ、興味深い題名の本があったので、手に取ってみることにしました。
「進化心理学」という学問分野があるのですね、この本を読んで初めて知りました。
人間の脳の構造は、「古い脳」「新しい脳」に区分され、感情は「古い脳」を中心とした働きであること。
そして「古い脳」について、人間の進化の過程を踏まえて、「ジャングル由来の心」と「草原由来の心」に分けて考える。
それぞれの環境で生き延びてきた人類が、「どのような精神反応を示せばより、生き残りやすかったか」という視点で、人間の感情を説明する。
以上のようなことが、この本の骨格であると理解しました。
人間が感じる「恐怖」「愛情」「幸福」などの主な感情について、ケーススタディーを起点に、説明しています。
特に印象に残ったのは、「怒り」などのマイナスと思われる感情が、実は人類社会に貢献しているという説明。
「解釈次第なのでは?」と疑問に思う部分もありましたが、確かに、「生き残る」という究極の目標を起点に考えると、人間の感情それぞれに合理的な理由があっておかしくないなあと、理解しました。
怒りや不満の感情を抱いている自分に気づいたら、「これはこういう理由だったな」と思いだして、心の平穏を保ちたいと思います。
Posted by ブクログ
人間の心を文明発祥以降の理性を中心とした「文明固有の心」、動物の時代に形成された感情を中心とする「野生の心」に大別し、更に「野生の心」をおもにジャングルで生活していたころ身につけた『ジャングル由来の心』と人類とチンパンジーがの共通祖先が分岐した後に形成された『草原由来の心』に二分する。
そして、恐怖と不安、怒りと罪悪感、愛情と友情、好きと嫌い、嫉妬と後悔、自己呈示と承認、楽しさと笑い、悲しみと希望、信奉と懐疑心、驚きと好奇心、名誉と道徳観、幸福と無力感について、それぞれどの心か、そしてそれが人間の進化にどのように寄与したかを論じます。
ここでは、人類の進化というとてつもなく長いタイムスパンについて論考していますが、一人の人間の成長も子供だった頃の感情を理性で覆って大人になるので同じことではないだろうか。自明性に閉ざされた日常のなかで感情を押し殺しているのが現代の特に日本人のように思う。
もっと、若かった頃、子供だった頃のように感情に揺さぶられながら生きても良いんじゃなかろうか。
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進化心理学なる人類の進化論と人間の感情表現について書かれている。
自分では感情を露わにすることへの抵抗感を、心理学的にうまく解説していている。何が大切で正しいかは今一度考えさせられる
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進化心理学という言葉をこの本を通じて初めて知った。人間がもつ感情がどのように進化してきたのかを簡潔に説明してくれており、感情についての歴史をざっくりと理解したい人にはおすすめかもしれない。今後テクノロジーがどのように発展していこうとも、人間の感情にいかに大きな影響を与える事ができるかという点で軸はブレていくことはないだろう。人間の感情を理解するという試みは、未来のテクノロジーのあるべき姿を考えていくうえで、有意義であることは間違いないと思う。
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■感情
1.「高所恐怖」も「閉所恐怖」も生まれつきもっている。
2.今日の文明社会では、恐怖を感じやすい「怖がり屋」は、勇気がないなどと否定的にみられがちです。本来は、生き抜くための高度な能力を身につけた人だったのですが、環境が変わって危険がへり、価値が反転したのです。
3.人間の怒り感情は、たしかに戦争の源になっているのですが、一方で、公平さの追求や社会的ルールの順守に貢献しています。
Posted by ブクログ
進化心理学というと一見難しそうな内容を、初心者向けに実にわかりやすくひもといてくれている。日常的に感じる様々な感情の始まりはどこなのか、どういう意味を持って始まったのか、人間が進化してきた環境から分析する。
普段、感情に振り回されがちな人は(私も含め(笑))、一度読んでみてください。感情の生まれを知ることで、扱い方が少し分かったような気がします。
Posted by ブクログ
目次
「野生の心」と「文明の心」
恐怖と不安
怒りと罪悪感
愛情と友情
好きと嫌い
嫉妬と後悔
自己呈示欲と承認
楽しさと笑い
悲しみと希望
信奉と懐疑心
驚きと好奇心
名誉と道徳感
幸福と無力感
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人の感情について、生物の歴史からどのように進化してきたを究明する【進化心理学】なるほど〜とうなずくないようが多かった。【進化心理学】についていくつか姉妹本が出てるみたいなので、そちらも読んで、もう少し深堀りしてみたいと思う。
Posted by ブクログ
感情があった方が生存競争に勝ち残りやすかったから、感情が発達してきた。
ただ、近代社会になってから時間が間もないので近代社会に合った感情構造にまだなっていない。
総論納得できるものの、個人的感想をあたかも事実のように書いてある箇所が散見されるのが残念。
Posted by ブクログ
生活環境への適応として、人類は感情をつくりだしました。だから、感情のルーツは狩猟採集時代に遡って考えると、すごく面白いです。
私たちは、遥か大昔の先祖のDNA を受けついているようです。
感情に関することを学びたい人には、入門としておすすめだと思います。
Posted by ブクログ
本著によると我々の感情はジャングル、草原、文明によって形成されたらしい。
それらは「文明の心」と「野生の心」と二つに大別される。
恐怖、怒り、愛情といった感情がなぜ生まれたのか、それらの感情があることでどんな効能があったのかを各時代の環境とともに考えていきながら理路整然と述べられている。
近代に生まれたものもあれば、遠く祖先が野生の中にあった頃生まれたものを遺伝的に継承しているものもある。
これらがわかる事で、今自分が抱いている感情がどの様なものであるかを客観的に理解できるようになるだろう(理解後の対処についてはまた別の話だが)
驚きと発見に富んだ内容
Posted by ブクログ
進化心理学という学問については初めて本書で知った。人間の脳の構造に小脳と大脳があり、小脳が本能的な行動をつかさどるということは学校の理科の時間で習った。本書によるともう少し奥があるらしい。
脳は進化とともに発達してきたと考えられるが、その過程においてさまざまな感情を発達させてきたと考えるのである。人類がまだジャングルに生活していた時に身につけた恐怖や不安の感情は、類人猿にも共通して見られるが、恨みや妬み、さらには好奇心や希望、楽しみ、笑いなどは人間にのみ顕著に現れるものであるという。これは人類が草原に下りてから身につけた感情であるらしい。
進化心理学の立場では、感情は生得のものではなく進化の末に獲得されたものということになる。進化とは生存のために起きるのであるが、この感情こそが敵から身をまもり、食糧を確保し、絶滅を回避するための手段だったというのである。そして、こうした感情が理性や思考の発達を促してきたというのである。
こういった学問は生物を概観するのには適するが、個人的差異については注意深く無視される。個人個人の問題ではなく、種としてあり方を扱う学問といえる。だから例えば男は競争的なものに向き、女は共感的なものに向いているという傾向を冷静に語ることが出来る。
筆者は人間の生物としての特性を踏まえた上で、さらに文明を持ったあとの我々の心をどのようにデザインしていくかということにも関心を示している。本書によれば人間の脳は平和で変化のない毎日を過ごしていくうちに幸せを感じなくなっていく仕組みになっているのだという。それを踏まえこれからの私たちは多様な集団に属し、それぞれの集団と質の異なるつながりを持つことによって幸福感を確保しなければならないというのである。
人間をいかなる生物として捉えるのかという問題については未知の領域が大きい。関心を持ち続けていきたい分野である。