あらすじ
企業における人事採用の際に、性格分析が使われることがある。しかし、非常に複雑な存在であるヒトの性格を、質問に答えてもらうだけで診断するのはかなり困難である。世間に流行している心理テストもほとんど疑似科学の疑いが強い。一方、巨大市場を形成しているサプリメントも注意が必要で、その効果をうたう主張のほとんどは疑似科学といえる。なぜこのようにあやしげな理論が蔓延するのか? この人間心理の謎を解くカギは、科学と疑似科学の両方の源である、「規則的なパターンや原因の抽出」という行為である。本書は共同研究者とともに「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」を立ち上げた疑似科学研究の第一人者が、進化生物学の視点から人間心理の本質に迫る。◎抗酸化作用があるという活性水素水/◎学校や自治体が本気で採用した、放射能の除染効果があるというEM菌/◎疑似科学としての占星術、血液型占い/◎封印された超能力の科学 etc.
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Posted by ブクログ
疑似科学についてなぜヒトが惹かれるのかを分析した一冊。
今でもマイナスイオンなど疑似科学は蔓延しているので、自分も騙されないように気を付けたいと改めて感じた。
Posted by ブクログ
疑似科学とされるものの科学性評定サイトを見たら早い
サプリメントで多少科学性が認められるのは、DHA・EPAのみ
信頼順としては
1位:医薬品
2位:栄養機能食品
3位:特定保健用食品
4位:機能性表示食品
一般の健康食品はとても信頼は寄せられない
人間は量に関する認知が不得手
Posted by ブクログ
要は、人間が不確定な自然を生き抜いてくる中で役に立った能力ってことだね。
トライアル&エラーだ。
各々あげている事例は大したことはない。既視感いっぱい。
しかし、この著者は、超心理学とかは、信じたい人なんだ。
ま、敢えて読むほどの本ではない。
Posted by ブクログ
序章の総論はとても良い。ある程度のリテラシーで辿り着ける「疑似科学はインチキ」という認識の先。なぜ、ここまではびこっているのか。それは、俺以外全員バカだから、ではない。
ただし、各論となるともう少し深く斬り込んでほしかったり、若干首をかしげるような記述も散見される。この一冊だけでなく、類書や、分野を絞って斬り込んだ啓蒙書も出来るだけ読むのが良い。
Posted by ブクログ
面白かった。けど、このタイトルに対する答えってあったっけ?「人間は論理的思考が苦手だから」?それとも「最近進展した心理学の知見が示す通り」?そのへん、僕の読解力の問題とは思うがすっきりしない。
書きぶりが実にフェアで僕としてはほとんど異論はないんだけど、でも「オカルト派」からすると「いや別に科学は目指してないですし。科学の語彙と文法で矛盾を指摘されても、そもそも霊は科学の世界を超越したところにいるので、その批判には何の効力もありませんよ」といった意見になるんじゃなかろうかと思う。
まあここまでは極端だとしても、筆者の解くような科学的な思考を拒否する人たちとどういったコミュニケーションを取ればいいのか、なんか指南書はないものだろうか。
Posted by ブクログ
<目次>
序章 人間は生まれながらの疑似科学信奉者
第1部 個人的体験の落とし穴~疑似科学のはじまり
第1章 金縛りの正体
第2章 パワーストーンとオーラの探求
第3章 なぜお守りを信じるのか
第2部 体験を知識に格上げする~いかに科学となるか
第4章 天文学もオカルトに由来する
第5章 見せかけの先端科学にご用心
第6章 封印された超能力の科学
第3部 知識を社会で共有する~科学を使う
第7章 科学は未来を予測する
第8章 「秘伝の技」と科学技術
第9章 メディア・政府・科学者
第4部 蔓延する疑似科学~誤解をただす
第10章 サプリメント商売の買わせる策略
第11章 水ビジネス~疑似科学の温床
第12章 原発事故と放射線被害
第13章 疑似科学がはびこる「性格判断」
終章 疑似科学を見分ける
<内容>
疑似科学という、オカルト・超能力から、サプリや水ビジネスなどを一刀両断する解説書。著者的にはもっとぶった切りたいようだが、大人しく丁寧に解説をしてくれる。一方で、心理学的には人間は、あたかも論理的に見えるものに騙されやすかったり、自分は正しいと誤認識したりするので、こうした分野はなくならないんだろうな…