月岡小穂のレビュー一覧
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ちょっと変わったヒーローがやってきた。
アニメ番組の知識でキーワードを解き、無重力の部屋でガラクタを組み立てる。
“探し屋”稼業の主人公、望んでもいないのに、関わった周りはどんどん悪い方へ向かう。
連続して振りかかるピンチに対し、主人公ファーガスの考える作戦はどこか笑えるところがあり、そんなところが楽しくなる。
“トラブルメーカー”と、うさんくさそうに疑いの眼差しを向ける周辺の人のなか、本人も“ヒーローなんてめんどくさいものにはなりたくない”のに、けっきょく関わってる。
「正義の味方、世界を救う、ヒーロー」じゃあないところが面白く、難波花月劇場的笑いと人情をちゃんと持っているので、安心して -
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スペースオペラを久々に読んだこともあるかもしれないが、これはめちゃくちゃ面白かった。
凄腕の捜し屋ファーガス・ファーガソンが、盗まれた巡航船〈ヴェネチアの剣〉の捜索中に、星間の勢力争いに巻き込まれていくという話。
スペースオペラだけあってさまざまな出自の人物たちが出てくる。その誰もが魅力的で面白いのだが、特に主人公がめちゃくちゃ可愛い。
凄腕で、めちゃくちゃな作戦も成功させてしまうような運の強さも持っているのだが、時折ネガティブスイッチが入ってしまう。そうなると俺なんて……みたいな面倒な性格になる。周りも大丈夫! と叱咤してくれることもあるが、次第にまーた始まったよ……と適当にあしらうことも -
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未来に蘇ったジョン・ギアリー大佐を中心に展開する、ミリタリーSFの彷徨える艦隊シリーズ第1巻です。
2つの星間人類文明であるアライアンスとシンディックは、終わりの見えない泥沼の戦争を続けています。
危機的状況のアライアンス艦隊は古戦場で漂う救命ポッドを回収、それには100年前に死亡したと思われていた伝説の“ブラック・ジャック”ことジョン・ギアリーが人工冬眠状態で眠っていました。
特進による大佐でしたが、英雄視されていたギアリー大佐はアライアンス艦隊士官の多くから崇拝されることになります。
今まさにシンディックと不利な交渉を行おうとしているアライアンス旗艦ドーントレスで蘇ったギアリーは事の成り行 -
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SF。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ノンモ賞受賞作。
宇宙・冒険・超能力・コンタクト・民族学。
著者はナイジェリア出身の両親を持つアフリカ系アメリカ人女性。
連作中編であるようだが、続けて読むことで感動が増すように思うので、長編として読みたい。
宇宙、異星種族、奇妙なコミュニケーション、身体改造など、刺激的で好きな要素がいっぱい。
そもそも、主人公がアフリカの少数民族の女性という設定で、文化や価値観も非常に新鮮。
全く想像したことがないような世界が続き、一冊を通してワクワクしながら読んだ。
個人的に思う、作品の一番のテーマは「多様性」。
あまりにも大きな変化を受け入れ、成長を続ける主人公ビンテ -
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購入済み
一気読みしてしまう
戦記小説を探していて、評判が良かったので読んでみたら大当たりでした。
往年のスペースオペラ、SFファン。銀英伝が好きな方ならきっと気にいるはずです。 -
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女王陛下の……ここで飛びついた人は、間違いなくイギリス海洋冒険小説のファンなのだと思う。
そう、英国海軍の軍艦はかならず、「女王陛下の艦」が冠せられる。略してH.M.S. となる。
これを冠したタイトルの名作は、同ジャンルのファンならきっと読んでいるはず。マクリーンの『女王陛下のユリシーズ号』だ。
さて、原題はどうなのかというと、"ARK ROYAL"だ。あ、これでとびついた人、普通にイギリス海軍好きですね?
英国の空母の名として有名だけど、念のためWikipediaを引いてみたところ、初代は16世紀のガレオン船で、アルマダの闘いに参戦したとある。その後、水上機母艦の名とな -
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ネタバレこれも前作に続き面白かった。
ギアリー率いるアライアンス艦隊は敵基地で捕虜収容所の解放に成功する。しかし、その中にはギアリーと同じように伝説となった猛将ファルコがいた。味方の損害を顧みず猪突猛進するタイプであるファルコはギアリーと衝突。しかしファルコには信奉者も多く、ついに39隻の艦とともに離反しギアリーの制止を振りほどき別星系に旅立ってしまう。一方ギアリーの艦隊はワープポイントであるハイパーゲートを破壊するという敵の作戦を阻止すべく戦闘を開始する。別々に行動する艦隊の運命は…
今巻では、ハイパーゲートに関する謎が大きなポイント。人類はハイパーゲートを利用しながら、その物理特性や仕組みについて -
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地球人は二つの勢力に分かれ100年以上も戦争を続けている。100年前の戦闘で救命ポッドによって冬眠状態だった主人公は、味方艦隊に救われる。しかし、その時味方は敵艦隊に圧倒されていた。首脳陣が全員殺害され、主人公は艦隊を率いることになってしまう。彼には3隻のチームを指揮したことしかなく、100年前の戦いの特別昇進で大佐になっただけというのに…。ところが、彼はすでに伝説の英雄と見なされていた。彼は艦隊を率いて母星に帰還することを目指す。
神格化した彼に全幅の信頼をよこす者にうんざりし、彼の指揮能力に疑問を持つ者の反発に会い、彼の艦長職務は一筋縄ではいかない。なおかつ、この100年で艦隊としての集団 -
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久々に、睡眠時間を削ってしまう面白い話に出会えました。
壮大な話、シカケに溢れた世界設定、想像をかきたてられる描写、散りばめられた知恵、個性豊かなキャラクターとその掛け合い。著者も凄いけど、訳者もまた素晴らしい。
これでSFでなかったら、万人にオススメできるんですが(笑
著者ジャック・キャンベルはなんとアメリカ海軍士官OB。艦隊に関するプロが、今度は宇宙を舞台に艦隊を戦わせる。かと言ってマニアックな表現に囚われず、艦隊に乗り込んだ政治家=軍事の素人に対して説明する形で、しっかり解説。
とは言え3次元空間で艦隊が動く戦闘シーンは読み飛ばしてると訳わかんなくなります。おかげで今2周目。 -
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最近戦争SFものを読むようになった。
仕事で直面する理不尽な状況や、なんとか問題を解決しようともがく姿に共通するものが感じられるせいかもしれない。
仕事で失敗しても死ぬことは無いけれども、デフォルメされた世界があるのだと思う。
ことに9.11以降の作品は明らかにそれ以前の作品とは違う。戦後体験を聞いているのではなく、突然理由もわからないまま戦争状態に突入してしまう現代に生きているからか。
この作品は、陸軍の経験のある著者によってリアルな近未来戦争を一歩兵の視点で描かれています。現在との地続き感もたっぷり。
宇宙戦艦ヤマトでも見た遊星爆弾で攻撃され、地球は核の冬状態に。成層圏まで吹き上げ -
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彷徨える艦隊シリーズってこんなに面白い話だっけ?
サッサと本編9巻を読んで外伝2を読みたい
話は負けてしまった敵側シンディックの辺境星系ミッドウェイ(戦略的には結構重要)の反乱独立話なんで至って普通の設定なんだが本編よりは好きだ。★4.7ぐらいかな。
本編が百隻以上艦隊を率いる過去から蘇った悩める英雄。こちらは10隻程度の艦隊司令官と数個旅団直率する陸上軍司令官の2人。互いに信頼していいのか悩みながら恋仲になりそうな微妙なところ。他のキャラも魅力的でかつ身近。
人気アニメのOVAの感じが近いかな。とうぜん本編世界を知らないと面白くならないけど -
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ミリタリーSFというと、異星人との戦いというスペース・オペラ的設定が多いのですが、ここには異星人は出てきません。戦う相手は自国の企業を脅かす他国の軍隊。地球のほとんどは米国の支配下におかれ、残る場所は月。月をも自国の土地と宣言し諸外国の施設を占領するために軍隊を派遣するでのす。主人公のスタークはその米国軍の軍曹。現在をデフォルメした世界で様々な矛盾と理不尽と戦わなくてはならないのです。
そう、このシリーズは理不尽と戦う人間の物語なのです。(意味不明の侵略をしかけてくる異星人も究極の理不尽ではないか?)
ちゃんと動かない装備、理解不能な命令、一枚板ではない組織、じゃまする同僚、手間だけかかる -
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冒頭から、いきなり戦闘中のシーン。その中で冷凍睡眠から目覚めた大佐ギアリーは呆然とする。救出ポッドで冷凍冬眠にはいってから100年もたっていたのだ。挙句、完全降伏を迫られている艦隊の指揮を引き継ぐことになった。果たして故郷に帰れるのか!
なんだか、その昔の「宇宙空母ギャラクティカ」を思い出させるような設定なのですが、作者が海軍に所属していた経験もあり、軍隊という組織の特徴を作中に織り込んでいて、非常に話を盛り上げます。100年もたっているから、なんとなく言葉は通じるけれども、話が通じないというSFならではの面白さがあるかと思えば、相対論的な物理法則による時差が状況をややこしくするという、帆船