〔家茂〕大政奉還を決意するも、病に倒れる。最も愛された将軍、家茂。
〔和宮〕前巻ラストの決心を黒木に諌められた後に家茂の最期を知り、その様子を能登(志摩)から聞き、放心。
〔瀧山〕大奥の終活を始めるも、お洒落を止められ大ショック。勝海舟から英語を習いその合理性にもショック。
〔仲野〕瀧山の新しい小姓。小柄で愛らしく気が利く。
〔勝海舟〕慶喜とは不仲で閑職に。
〔坂本龍馬〕ちょこっと登場。薩長同盟を成し遂げる。それをなそうとしていた大勢のうちの一人に過ぎなかったという話も聞いたことがある。
〔孝明天皇〕崩御。毒殺? 謀反人は妖怪岩倉具視と薩摩?
〔慶喜〕大政奉還す。その目論見はいずれ政権は自分のところに戻ってくるというものだったが逆手に取られ王政復古。武家社会の終焉へ。
〔感想〕架空の歴史ではあるけれど、現実の歴史のこういう読み解き方もありかなと思わされます。
■大奥についての簡単な単語集
【秋本】綱吉につかえるメガネくん。賢いが出しゃばらない。右衛門佐の右腕。
【亜久里】牧野備前守成貞の夫。亜久里とは綱吉が幼少の頃つけた女名。かつて愛人だった。
【阿部正弘】家康の頃から徳川家に仕えてきた名門の十一代目として兄に代わってトップに立つ。瀧山を見出す。胤篤のことが気に入った。家定いわく《阿部正弘が見ておるのは遠い遠いこの国の行く末だ》p.93。が、病に倒れる。
【有功/ありこと】坊さんだったけど大奥に。お万の方として大奥総取締となり、家光死後は吉宗が将軍になる5年前89歳まで生きた。2巻から4巻前半までの主人公。
【井伊直弼】阿部正弘いわく《あなたのような考えの人が幕閣におられるゆえ我が国はダメになるのですわ》p.84。開国派。ただし、植民地化を目指さないアメリカに限る。朝廷の許しを得ず日米修好通商条約を結び、朝廷から水戸への密勅を招き安政の大獄を行い桜田門外の変で命を落とす。自分なりの正しき道を走ったとは言える。
【家定】十三代将軍。男アレルギー。島津から嫁いできた胤篤と仲睦まじい夫婦となる。国のためには将軍の座を降りてもいいと思っているが、胤篤いわく《伊勢守様は上様に王者の器を見たのです》p.95。
【家綱】4代将軍。家光の娘。政治には興味を示さず何でも部下の言う通りにするので「左様せい様」と呼ばれる。誰とも子をなさず41歳で死去。
【家宣/いえのぶ】徳川綱豊という名で甲府宰相を務めていた。後の6代将軍。賢くちゃんとした人。カリスマ性もあるようだ。しかし病弱。
【家光】有功と仲良くなった将軍。しかし…
【家茂/いえもち】十四代将軍。紀州出身。
【板倉周防守勝静:いたくらすおうのかみかつきよ】家茂が老中として取り立てた。備中松山藩主。
【右衛門佐/えもんのすけ】綱吉の御台所信平が京より呼び寄せた公家の美形。有功引退後空席になっていた大奥総取締となる。
【江島】家宣のときの大奥総取締。
【大岡】吉宗と気は合っている。
【大奥総取締】大奥の最高権力者といえる役職。
【大典侍/おおすけ】桂昌院が京から読んだ男。綱吉の寵愛を受ける。実は右衛門佐と旧知の間柄で公家の復権を目的としていた。
【お信】薬種問屋田嶋屋の娘。祐乃進の幼馴染みであり彼に惚れている。
【柏木】御中臈の中でも抜きん出ている存在。
【春日局】大奥システムを確立した。家光治世時代の影の権力者。
【和宮】朝廷から家茂に嫁いできたがなぜか女だった。本物の和宮が死んだのでその身代わりとして立てられた偽物。本名は親子:ちかこ。子供の頃に死んだとされていたが実はひそかに育てられていた。
【亀之助】家茂と和宮の養子となった田安徳川家の子供。
【観行院】和宮(親子:ちかこ)の実母。男装して親子とともに江戸に来た。本当の和宮の方を愛している。
【國熙/くにひろ】家宣の御台所。人の良さそうな人。
【月光院】7代将軍の父。間部詮房に惚れている。
【御内証の方】将軍最初の相手として大奥から選ばれ、将軍の体を傷つけたことで死罪となる男のこと。
【玉栄/ぎょくえい】有功の付き人だったが大奥に。「お玉」という名に。わりと順応は早かった。なによりも有功が大事だったが、溝口左京の後に家光の夜伽役に。後に桂昌院。
【桂昌院】→玉栄
【西郷吉之助】胤篤輿入れのための道具を選ぶ。
【左京】母親との禁断の関係から逃れるため自分を救ってくれた間部ね仕える。家宣の側室になる。間部のことが好き。後の月光院。
【貞安】牧野備前守成貞の息子。綱吉にへつらわない。妻は時江。
【祥子/さちこ】→家定
【さと姫】天璋院の飼い猫。元々は和宮のために飼い始めた。猫可愛がりする天璋院は苦手。
【志摩】家茂の乳母、浪江の三女。幼少時の家茂の遊び相手でもあった。観行院の世話をするために男装して能登という名で大奥に入ることになった。
〔島津斉彬〕開国派の大名。利害が一致して攘夷派の水戸家の慶喜を次期将軍にしたい。役目を終えたら胤篤には薩摩に戻ってきてもらいたい。
【杉下】大奥の男。大奥に勤めて十年の古参。祐乃進に対し比較的好意的。
【捨蔵】有功の代わりに家光とベッドをともにする事になった。後に「お楽」と改名。
【瀧山】阿部正弘に見出され、大奥総取締になり家定に仕えた。
【胤篤:たねあつ】島津の一門、今泉家の息子、忠敬(ただすみ)。徳川家定の正室として選ばれ、お万の方の再来と呼ばれる。瀧山もけっこうタジタジ。島津斉彬からは次代将軍に水戸家の慶喜を推せと命じられていたが。家定の死後は天璋院を名乗る。
【千代姫】家光と捨蔵の娘。
【千代姫】家宣と左京の娘。新井白石に教えを受けている。
【土御門】和宮(親子:ちかこ)の乳母。男装して親子とともに江戸に来た。
【綱吉】5代将軍。玉栄の娘。女名は徳子。男を溺れさせる魔性の女。
【鶴岡】松島の愛人?剣の腕は一流。
【天璋院】→胤篤
【中澤】天璋院の供として薩摩から来た。薩摩愛が強い。
【仲野】部屋子。第十八巻の表紙カバー絵の小柄な方かと。
【久通/ひさみち】新職「御用取次」に就く吉宗の腹心。おっとりと食えない女。
【藤波】大奥総取締。
【牧野備前守成貞/なりさだ】綱吉の信任厚い御側用人のひとり。亜久里の妻。
【正勝】春日局の実の息子。
【松島】御中臈。
【松姫】綱吉の娘。側室である黒鍬者出身の伝兵衛くんとの間にできた子。
【間部詮房/まなべ・あきふさ】家宣の腹心。
【水野祐乃進】剣術好きの武士。縁談から逃れるため大奥に。
【溝口左京】武家の息子。捨蔵の後に家光の夜伽相手となる。「お夏」と名付けられる。
【柳沢出羽守吉保】綱吉の御側用人のひとり。牧野備前守引退後権力を一手に握る。桂昌院の愛人。
【慶喜】家定いわく慶喜には民や家臣を思う心がない。水戸家なので攘夷派。
【吉宗】八代将軍。財政難を立て直そうと考えている。