伏見つかさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
黒猫視点のスピンオフ第6巻(最終巻)。
最初に書いておきますが、ラストはPSP版「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のあやせエンドの黒猫版です。「桐乃に本当に好きな相手が出来るまで彼女は作らない」宣言を黒猫に伝えるところで原作から分岐し、「待っていてくれ」と伝えてエンディングに突入します。
原作ラストの納得のいかないエンディングとは一転、多くの人(たとえ黒猫推しではない人も)が「まあそうだろうな」と思うものです。たとえ黒猫ではなく、ヒロインがあやせや、いっそ加奈子だったとしても、それは望ましいかどうかはともかく、過程を丁寧に描きさえすれば、納得のいくものになるでしょう。
ところが(原作のエンディングを論うのも今更ですが、まあ語らせてください)作者は『「俺妹」なんだから実妹エンドに決まってるだろ、俺妹なのに妹以外とのエンディングを迎えるのは納得がいかない』と、原作では桐乃エンドになっています。
ここまではまあ仰るとおりかもしれません。
でも、どうしても桐乃が「血のつながった実の妹」という設定を克服できなかったのが原作最大の失敗でしょう。「1ヶ月限定」での交際という落としどころはまあ無理やり納得したとして(その後に黒猫をはじめとする各ヒロインとのエンディングに向かう余地がありますから)ラストの京介からの不意打ちキスがもう最低です。交際の終了をお互いが納得していない、未練があるわけですから、桐乃も京介も、もうどこにも向かうことができません。
作者の近作「エロマンガ先生」の主人公とヒロインが兄と義理の妹に関係付けられていることが、実妹設定が失敗であったことのなによりの証拠だと思います。
でも、いっそのこと、近親相姦上等の実妹エンドにして、京介と桐乃の関係を事実婚でなく法律婚として認めさせるべく、得意の行動力を発揮して民法改正を主張して国会議員に当選する京介…なんてエピローグをさらっと語られれば、ああ、俺妹の京介らしいなあ、って納得しませんか?
とまあそれに比べて、本作のエンディングは平凡ではありますが普通の幸せにあふれています。桐乃と黒猫の直接対決の迫力(そりゃ本気の桐乃に追いかけられて黒猫が逃げられるわけありませんね)や、京介の告白を受けて倒れる黒猫、視点が日向のものに切り替わる部分の落ちのつけ方、そして何よりラストでの黒猫の幸せそうなよい表情はコミックならではだと思います。
それにしても、納得できない人が多いエンディングに公式スピンオフで別エンドを提示するって手はあざといとは思いましたが、でも、「黒猫視点」であることが新鮮で、ラストまで中だるみせずに楽しく読みきることができました。
…久しぶりにアニメ見てみたくなりました。
BD、引っ張り出してこようかなあ…。 -
Posted by ブクログ
全12巻完結。
色々凄い作品だ。最終巻の衝撃はライトノベル最強だ。
世間に白い目で視られる者たちを清々しく描いた大好きな作品です。
黒猫好き。可愛い!
新垣あやせ。結婚したい。
で、本編完結後の『if』シリーズの『あやせif』上下巻読んだ。大好きなあやせにまた逢えて、とても嬉しい。でも怖い。愛が重い。あやせがかのじょまなら浮気なんてあり得ないけど、ちょっと通りすがりのお姉さんを目で追っただけで○されるのは許して欲しい。
さらに、『黒猫if』上下巻読んだ。あやせのはゲームシナリオのノベライズであったけど黒猫は書き下ろし。本編での重要な分岐点での本編とは別の行動を京介がとった世界が描かれています。幸福感では本編の流れよりも上に感じた。本編で、自分から幸せを手放したような黒猫が救われてとても良かった。
でもって、『加奈子if』。愛を互いに育んで祝福されたゴールを切ったあやせ、気遣い過ぎて手放しかけた愛を取り戻して幸せな未来に包まれた黒猫、実妹ハラボテENDよりはるかによろしいifになる二人に比べ誰も認めない交際を思い一つで周囲をねじ伏せた加奈子、ちょっと見直した。
良いシリーズでした。新垣あやせというキャラクターを産み出しただけでも神作品。あやせが出てくると、どんな場面でも彼女が支配する。あやせ、自分的ラノベ最強キャラクター、愛してる -
Posted by ブクログ
京介以外の視点で語られる物語。
本編から外れた外伝もあれば、本編で語られたシチュエーションを別の登場人物が語っている部分もあります。
ラノベだと、主人公以外のキャラの存在が大きくなって派生する外伝が多いが、この巻ではちょっと説明不足だったキャラの背景が語られたり、ほぼメインヒロインに匹敵する人気があるサブキャラのストーリーが、さらに別のキャラの視点から語られたりしており、いわゆる外伝とはちょっと毛色が違います。どちらかというと、作者による二次創作みたいな感じ。
てか、「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」が俺得すぎでした。ちょっと電波がかった黒猫の彼氏ができて舞いあがり、一層電波にドライブがかかった行動は、黒猫自身ではなく妹に語らせることによって、痛々しさ(と、その裏に隠されている初々しさ)に拍車がかかっています。
「語り手」の概念がないアニメでは、この部分が第2期の第7話・第8話にわたって存分に描かれています。
できることなら、最終巻までにもう一冊ぐらいこんな巻を挟んで欲しかったと思います。 -
Posted by ブクログ
アニメでは第1期の13~15話、地上波でいったん最終回を迎えた後に動画共有サイトでの放映やBDに収録されたりしている部分。「TRUE ROUTE」と名付けられているとおり、多くの人が望み、「読者投票型のアンケート」に参加した結果決定した黒猫ルートに入った部分です。
相変わらず、アニメの原作の再現性がとても高く、アニメ版から入った自分も全く違和感なく読み進めることができました。
内容は、「黒猫ルート」に入った直後、黒猫がヒロイン扱いで、ご多分に漏れず黒猫推しの自分にとっては幸せな巻となりました。特に校舎裏で呪いをかけるシーンの破壊力は抜群で、かんざきひろさんのイラストと相俟って、おそらくシリーズ中の白眉ではないかと思います。
ただ、この巻のラスト、桐乃が帰国してがっかり(「ずっと帰ってこなくていいのに…」って)するのも、おそらくこのシリーズの最大の弱点ですね。もう少し桐乃に感情移入できれば、もっと楽しめるシリーズになっただろうと思うのですが…
そして、誰もが望んだはずのルートの最後に待っているのは、誰も、他のヒロインルートを望んだ人たちですら望まなかったエンディングであることを、自分は知ってしまっています。
そのため、なかなか一気に読み進む気が起きません。