青木寿幸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本作はストーリー形式で日ごろもらいっぱなしで詳しく中身を確認していない給与に関する解説を主人公の恋人役がそのセリフとともに進められます。さらには給料を上げるには、給与体系はいかにあるべきかといった内容にまで発展しています。これらが展開されるストーリーともあいまって自然なかたちで(多少説明のためのセリフという感がなくはないのですが)ちりばめられています。
著者のほかのシリーズを現在読み進めていますが、ビジネスの様々な分野でこれだけの内容を書くことができる点は目を見張るものがあります。ありがちなのは会計に関する分野だけとか、マーケティングに関する分野だけとか、一分野に特化したものが多いのですが、竹内氏の著作は会計はもとよりSEOや法務といったおよそビジネスに関するありとあらゆる分野が対象になっており、竹内本を網羅すれば多少なりともビジネスに必要な知識(超入門的な部分ですが)に興味をもつきっかけになりそうなものです。
また本作では主人公が人事制度と給与体系を絡めて語るシーンがあり、もらう立場の人からはなかなか垣間見ることができない内容になっている点も注目です。とかくサラリーマンは金額に大小だけに目が行きがちですが、支給する側にとっては金額は静的なものではなく動的なものとして捉えて制度を作りこんでゆくことが大事なのだと感じました。 -
Posted by ブクログ
ビジネスものにしては妙なタイトルに妙な表紙。なんじゃこりゃと好奇心を刺激され。
主人公・浅野が出張中のラオスで会ったのは、戦時中の滝壺からタイムスリップしてきた日本兵・花沢。浅野の恋人・由美子がレクチャーする形で「給料」について読者も学ぶ。
給与明細、はい、いつまで経っても手取りがなんぼかしか見ていません。給与明細の見方、転職やリストラの話をなるほどと思いながら読みましたが、言うほど頭には入ってこない。それよりも普通のサラリーマンの物語として、浅野が変わってゆく過程を見られるのが面白い。
常に死を覚悟して戦っていた花沢だから、「失敗したって死なないんだから」という言葉に重みがあります。何も恐れることなんてない。最後はちょっぴりウルッ。 -
Posted by ブクログ
経営コンサルティングを生業とし、楽天市場では数多くの優秀賞を受賞している竹内謙礼氏と、公認会計士、税理士、行政書士という肩書きをもつ青木寿幸氏のビジネス戦略小説シリーズ。
小説としては、以前に拝読した『貯金兄弟』や『会計天国』よりも、最後まで楽しめる一冊だったし、ビジネス的にも身近な「給料」という題材を受けとる側が知っておくべきこと、与える側が考えておくべきことが書かれてあって勉強になるとともに、給料はこうやって決まってるんだなと納得できる内容だった。
ストーリーは、お人好しでいつも断りきれない会社員の浅野がベトナムのラオスに出張中、戦時中からタイムスリップしてきた日本兵の花沢と出会い、日本に連れて帰り一緒に暮らすことに。
浅野は課長であったが、同期で入社した同僚は本部長に出世し、浅野の上司になってしまう。人事制度の仕組みや、どうすれば出世し給料が上がるのか、基本給から何が引かれて手取りの給料となっているのかを他の会社で総務をしている浅野の彼女、由美子がヒントを伝授していく。
花沢はといえば、雇ってもらえた由美子の親族が運営する老舗和菓子メーカーが、和菓子の不人気と不況のあおり、他メーカーの賞味期限改竄の影響で倒産の危機となる。社員や下請けで関わる人を守るため、人件費を削り会社の業績を回復させるリストラを敢行することに。社員のモチベーションを下げないリストラの方法をとることに。
同期の上司と反りがあわない浅野は、ある日、キャリアアップのため転職しないかという話が舞い込む。転職しても95%は失敗するというなか、5%の成功者になるには、どう転職すればいいかのコツ、転職後、買収した子会社への転籍は栄転なのか、左遷なのか、メリットとデメリット、社長として人事評価の方法や、給料決定の判断基準の作り方が浅野と由美子、花沢の掛け合いにより進められていく。
戦時中に戻り、ベトナムに新日本帝国を作ると張り切る花沢は、再びタイムスリップすることができるのか、浅野は会社員として、転職者を希望するものとして、会社の役員として成功できるのか。
個人的に「転職」という考えは今のところ持っていないけど、多くの人のお金の出所である「給料」について知識を増やすことで、会社は社員をどう評価するのか、人事制度や給与体型を知ることができたし、小説として最後の展開には花沢の熱さを感じ、夢や目標に邁進する行動力に感動した。 -
Posted by ブクログ
現代社会を生きていくうえで、必要不可欠な「お金」について、経営コンサルティング会社の代表取締役の竹内氏と、公認会計士、税理士、行政書士で明海大学の講師でもある青木氏が書いた、ビジネス小説シリーズ。
お金の貯め方、銀行を選ぶという考え方、一生のうち家の次に高額出費となる生命保険の選び方、持ち家か賃貸かという永遠の課題、老後の過ごし方について、多くの人が人生のうちで一度は悩みそうなことが取り上げられていて、小説としての読みやすさに加え、興味をもってどんどん読み進めることができた。
義理の父親から虐待を受けながら育てられた、金銭感覚の違う兄弟が主人公。
兄は大学を卒業後、大手広告代理店に就職が決まり、派手にお金を使い、接待で銀座のクラブで飲み、クレジットカードや消費者金融を使い倒し、都心の高級マンションを賃貸し、子どもの習い事にも出費を厭わない。
一方、弟は高校のころから質素倹約家で、スーパーのチラシで安売りするスーパーを6つも回り、節約をモットーとする。高校を卒業後、消防士となってからも、飲み会には参加せず、できるだけお金を貯金し、お金に対するリスクを無くそうと、保険や税金、生涯年収などにも敏感で知識も多くもっている。
お互いに生活や気持ち、直面する悩み等が年代によって変化していく。
そんななか、弟の特殊な能力を疑いだした兄が、事故を引き起こしてしまう。
「お金」という誰にでも関係のある知識や情報をサラッと読むことができたけど、ある程度の知識があると、さらにサラッと読み終えてしまう。
また、この兄弟がもつ金銭感覚ではない「投資」についての考え方をもつ人にとっては、世間にはこの兄弟のような考え方の人が多いよね程度で終わってしまう内容だった。
シリーズとしては他にも数冊あるので、知識が少ない分野のシリーズは、勉強になると思った。