大槻ケンヂのレビュー一覧
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ネタバレお化け屋敷で「イエスさま」としゃべる人形たちに育てられた「ロコ!思うままに」。
亡くした子どもと、クレーンゲームでとったぶさいくな人形に宿った魂との「モモの愛が綿いっぱい」。
ロックで日本縦断ツアーにでかけた男の子たちが女の子二人に出会い、一人は死んで一人は去って、故郷の女の子が履いていた靴がちらちら影を射す「ドクター・マーチン・レッド・ブーツ」。
あの明智探偵と怪人二十面相の奥さんとの関係の真相を語る手紙「怪人明智時代」。
事故で人らしきもの、を殺してしまった女の子たちがあれは人ではなくてキテーちゃんだったからいいんだって話になる「キテーちゃん」。
別本『ステーシー』のステーシー -
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初大槻作品。彼の音楽世界と共通するような破天荒であるのに繊細に哀愁を織り込んだ世界観だった。
突然世界各地で15〜17歳の少女が死に、その後に起き上がっては人肉を求めて歩き回るようになった世界。起き上がった少女はステーシーと呼ばれ、肉親または恋人、大概の場合再殺部隊の手によって156以上に切り刻まれてはじめて動きを止める。
死を運命付けられた少女たちも彼女たちを切り刻む周りも悲しみに壊れながら、神様の気まぐれが過ぎるのを待っている。『ステーシー』『ステーシー異聞 ゾンビリバー』『ステーシー異聞 再殺部隊隊長の回想』の三つをまとめたお得完全版。 -
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オモイデ教、メグマ波、ホン・ラガトエー、バナマシワッラ法…等々奇妙な単語や常人にはちょっと理解しがたい電波な人達がわんさか出てくる不思議な青春?小説でした。
人死にまくりなうえに死に様もなかなかショッキング、登場人物の中間やゾンの過去のエピソードも結構重いんですが、オーケンさんの文章があっさりしていて全体的にノリが軽く語り口も軽妙なのでどこか爽やかさまで感じさせられます。不思議です。
何でもないことのようにさらっととんでもない事を言ってきます。でもそのアンバランスさが癖になります。
ゾンのキャラクターが凄く良かったのでもうちょっと長く見ていたかったな…。残念
最後、ジローとトー・コンエのやり取 -
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「のほほん人間革命」3
著者 大槻ケンヂ
出版 角川文庫
p45より引用
“一見まるで正反対のこの二つだが、
実はある部分で共通した点を持っている。
来るべき未来を暗黒の日々だと想定している点においてだ。”
ロックミュージシャンである著者による、
世の中の多少怪しげな事に挑戦する体験記。
下着パブへ行ったり弁護士と対談したり、
楽しくて面白そうな体験が目白押しです。
上記の引用は、
刹那主義と大人になることについて書かれた一文。
暗黒の日々だと想定していると書かれていますが、
明日の事もそれほどわからないのだから、
それが普通なのでは無いでしょうか。
刹那主義も大人になることも、 -
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ネタバレ「ボクはこんなことを考えている」3
著者 大槻ケンヂ
出版 角川文庫
p50より引用
“今では想像もつかないが、ジャズやマンボだって絶頂期には
カウンターでオピニオン興奮剤だったのだ。”
ロックミュージシャンである著者による、
著者が愛してやまない事柄について書かれたエッセイ集。
プロレスについてからマイナーな映画についてまで、
穏やかな文体で時にコミカルに書かれています。
上記の引用は、
タイアップについて書かれた項の中の一文。
マンボはまぁ盛り上がる感じはしますが、
ジャズはしっとりとしているイメージが強い為、
かなり以外に思いました。
ロックミュージシャンなのでもっと突飛で過激な -
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ネタバレ与えられた運命をありのままに受け入れること。
主軸を楽な方へ調整していくこと。
それで、
その調整している最中に起こるひずみも苦しみも、仕方のないことである。
ここがこの物語の本質なんだろうと個人的には思う。
諦念や思考の放棄ができる。
仕方がないことを仕方がないと受け入れられること。
それは大人になった証拠であるような気がする。
受け入れられずに、悶々と悩み、苦しむことは、
結局は自分の首を自分で絞めていることなのだ。
だから、ステーシーになる前の少女たちは、
いよいよ自分の番だと言うことを覚悟して
再殺の権利を好きな子に譲渡して、その結果を受け止めるんだ。
なんで私なの、どうしたら