逢坂冬馬のレビュー一覧

  • 歌われなかった海賊へ

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    ネタバレ

    印象に残った言葉
    「完璧に他人を理解する人間はいない。自分を完璧に理解する他人が一人でもいるか、と置き換えてみれば容易に理解できるこの事実を、人はなぜかしばしば忘れてしまう。
    人が受け取ることができる他人のあり方などほんの断片であり、一個人の持つ複雑な内面の全てを推し量ることなど決してできない」

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    2025年06月24日
  • 文学キョーダイ!!

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    作家逢坂冬馬と姉のロシア文学者奈倉有里の対談が1冊になったもの。
    「同士少女よ敵を撃て」も読んでいないし、この作者のお姉さんがロシア文学者とも知らなかったのに、なぜか興味を持ち読みました。
    まず、姉弟でこんなに、平和について、戦争について語ることができるなんてほんとにびっくりでした。
    誰もが戦争について平和についてもっと考えるべきだし、表明していかないと世界はどんどん戦争に向かって行ってしまうという危機感を抱き、そうだよなと気づかせてくれた1冊となりました。

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    2025年06月01日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    女の戦争

    初めて読んだ戦争小説がこの作品だった。戦争を深く知ることが怖く、また戦時中の女性を取り巻く環境などに疑問と嫌悪感があったからだ。この作品を読んでいて、もちろんそれがなかったわけではないが、私の中のこれまで抱いてきた感情が少し軽くなった気がした。女だって戦っていた。子どもだって戦っていた。その時代を生きていないから遠いようにも感じていたけれど、主人公セラフィマが照準を合わせたことで、敵を撃ったことで私の中の視界が少し開けたように感じた。もう少し戦争について知ってみようと勇気が出た。少し前に話題になっていて、この本の中でも参考資料としてあった『戦争は女の顔をしていない』岩波現代文庫も気になったので

    #ドキドキハラハラ #深い

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    2025年03月11日
  • 文学キョーダイ!!

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    奈倉有里さんと逢坂冬馬さんがご姉弟と知った時から、こういう本を待望していたんだと思う。よくぞ出してくださった。

    ミーハー的な気分でどんなご家庭でお育ちになったのか知りたかった。納得。自分の子育てにはもうとっくに手遅れなのだが。そもそも親の中身が違うのだから、何十年前から自分をやり直さなければいけない。

    「キョーダイ‼︎」のイメージでもう少し軽い感じを想像していたが、内容はとても濃く考えさせられた。文学を愛し、小説を愛し、おかしいことには声を上げ、世界の平和のために行動する。そんなお二人の著作をこれからも楽しみにしていきたい。そして考えを深めていきたい。

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    2025年02月20日
  • 文学キョーダイ!!

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    お二人が育った家庭とその教育方針。偏見を助長するものは与えない、二人がそれぞれ好きなもの、人生を賭けられるものを見つけることを見守る。そこには人と比べない精神も養われていく。

    その二人は、ウクライナ侵攻がはじまり、戦争に否の声をあげる。それは育った家庭と同じ位相の大人としての人格がなせる技だ。

    自分が投影されていない、待たれていない言葉がどんどん放たれている現状を憂う部分が素敵だった。

    戦う言論だった。

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    2024年10月25日
  • 文学キョーダイ!!

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    凄いキョーダイだな。色々と考えさせられた。ただ流れてくる情報に流される事なく広い視野を持つ努力は忘れないでいたい。

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    2023年11月09日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    軍事関連の用語などが多く、なかなか入り込めなかったが、「専門用語関連はすっ飛ばせばいい」と思ったら読み進めることができた。第二次世界大戦で最大の死者数を出した独ソ戦に少女セラフィマが狙撃兵として従軍する様子を描く。戦争の悲惨さ、占領下の女性の苦しみなどだけではなく、狙撃に成功したときの高揚感なども描いている。「狙撃兵は戦争が終わったら何をすればいいのか?」という問いは、そのままあまたの帰還兵たちにも当てはまる。主人公や所属の部隊は架空のものだが、歴史上の人物や出来事も盛り込まれている。

    40年近く前に台湾からの留学生から自分の妹が学校で銃の訓練をしているという話を聞いて驚愕したが、今も世界の

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    2025年12月06日
  • ブレイクショットの軌跡

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    車、戦闘、サッカー、社会問題。
    男性が好きそうなもの(一般的にそう言われている)を、詰め込んである感じ。

    いろいろてんこ盛りすぎて、私にとっては消化不良、、、。
    単純に、サッカー少年2人の、成長の物語でよかったんじゃないかな?

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    2025年12月04日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    『同志少女よ敵を撃て』は、独ソ戦というある程度限定されたテーマについて書かれたのに対し、本作は若干テーマがぼやけてたように感じる。

    ブレイクショットという車が多くの人の手に渡っていく中で、関わる人々の物語や考え方に触れていくという構成である。日本からアフリカまで、犯罪者から富裕層まで、不動産屋から期間工まで、幅広い層の人物が登場し、かつ、経済系YouTuberのエセから Twitterにおける誹謗中傷・インサイダー取引・LGBTQなど題材もこれまた幅広い。幅広過ぎる。

    読後感が浮ついたものになるのは必然と言える。個々の物語の濃度を上げるため、どうしても登場人物の主張が強くなる。つまり、非現

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    2025年11月25日
  • ブレイクショットの軌跡

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    タイトルとそれぞれの話からして、最後は繋がっていくんだろうとの想像はできました。外国での紛争、セミナーに名を借りた詐欺、自動車期間工と予想外の展開で、これがどう繋がっていくんだろうと興味が湧きましたが、全体的に盛り上がりが少なかったのと、とても長いとも感じました。

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    2025年11月16日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    【ブックカバー装着不可だよ!】

    Battlefieldを始めたから、というろくでもない理由で選んだ本。
    いや、FPSきっかけで読む小説じゃない笑
    でも、読んでみたら想像以上にすごかった。
    「魔女」と呼ばれた女性だけの狙撃小隊って本当にいたの?って思って調べたら、実際の女性狙撃兵の証言をもとにしてるらしい。
    『戦争は女の顔をしていない』に影響を受けて書かれたと知って納得。
    戦争小説って難しそうな印象あったけど、これは読みやすくて引き込まれた。
    あとがきや推薦のことばまでしっかり読んだ。
    出版後にウクライナ戦争が始まり、作者が苦しんで、それでも「書いてよかった」と思えるようになった過程が印象的だ

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    2025年11月12日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    話題になっていた本、今更ながら読破。
    戦争は戦いであり、人生の全てでは無い。
    そう思いながら読ませてもらいました。

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    2025年11月12日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ブレイクショットは呪われた車。関わった者たちは、底知れぬ社会の地獄に落ちていきます。
    始まり(ビリヤードの最初のショット、ブレイクショット)のどこに間違いがあったのか?…

    まぁまぁのボリュームだと思いますが、飽きることなく読み進めることができます。でも、呪いが辛くて、1週間くらいお休みしました。

    パチパチっとジグソーパズルがハマっていくような、全ての伏線が回収される快感があるので、読んだあとモヤモヤしたくない人にオススメだと思います。

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    2025年11月07日
  • ブレイクショットの軌跡

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    2025年。直木賞候補作(受賞者なし)
    SDGs、LBGT、不動産、ネットワーク系、アフリカ紛争などてんこもり。しかも深め。そうだったのかー、知らなかったーと多少賢くなったかも。
    ブレイクショット(車なのだな)の持ち主が変わり、その人の人生が語られる形式。
    渾身の一作って感じ。

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    2025年11月12日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ネタバレ

    「同志少女」が良かったので読んでみましたが、
    前作ほどではなかったです。
    題材のスケールはやや小さくなったし、
    いろいろ話がややこしい。
    前作もそうだったけど、同性愛の描写が出てくるのが好きじゃない。前作のは意味があったと思うけど、
    今作のそれは不要な印象でした。
    2寄りの3

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    2025年09月06日
  • 文学キョーダイ!!

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    あの逢坂冬馬さんに3つ上の姉がいた。しかも同じ時期に作家デビューしているとか。
    名倉有里さんについては知りませんでしたが彼女の作品も読んでみたくなりました。
    対談形式で語られる姉弟の家庭環境とか興味深く、貧乏インテリの家庭に育ったとか謙遜してましたが清貧な学者の家系のようで、好きなことをとことん続けることに手間暇惜しまない精神があればこそなんだなって感じました。
    凡庸な者は生活に追われお金を追い求める暮らしを強いられるわけですが、抜け出した者はお金のほうが自然と集まるような仕組みで生きられるんだって感じました。

    冒頭にカラフトが島なのか半島なのか知るために一人は東、もう一人は西に歩いて再び出

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    2025年07月17日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    ソビエト・ロシアの狙撃兵の少女の話。
    直木賞の候補になったというだけあって、読み進めるほどに引き込まれる。
    しかしいくらか気になる点もある。
    途中で数度、ソビエト期の代表的な歌が出てくるのだが、原曲を知っていた私としては、歌詞を見ても全くその歌であることが分からなかった。なにせ日本語版を使用していたからだ。
    原曲とは大きくかけ離れたその内容、どうにかならなかったのだろうかと思わずにはいられない。
    また、ところどころ出てくるロシア語の固有・一般名詞もなかなか怪しいものばかり。

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    2025年04月10日
  • 同志少女よ、敵を撃て 1

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    原作が気になっていたので、コミカライズが出るなら、と読んでみました。『戦争は女の顔をしていない』を読んでいたから、よりわかりやすかったかも。残酷で救いがない。多分、この先も。

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    2024年12月24日
  • 文学キョーダイ!!

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    ロシア文学研究者であり翻訳者の奈倉有里さんと「同志少女よ敵を撃て」で本屋大賞を受賞された逢坂冬馬さんの対談集です。このお二人はおおらかな家庭で育った実の姉弟です。こういう対談でもないと、なかなかじっくり世の中のことを語り合う機会はないので…ということでしたが、たしかにお互いに忙しくなれば、なかなかゆっくり語り合う時間なんてないし、家族が何を考えてるかとかあえて聞かないもんなぁ…と。お二人の文学論議とても微笑ましく面白かったです。

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    2024年10月25日
  • 文学キョーダイ!!

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    家族からのおすすめ。
    実はどちらの作家も未読なのですが、とても面白かったです。
    作家と私の世代がほぼ同じで、家族のタイプも似てるところがあるので、共感がありました。

    政治に無関心な社会への警鐘…、能登の地震を経てさらに強く響きました…。

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    2024年01月12日