逢坂冬馬のレビュー一覧
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ネタバレ文学研究家・翻訳家の姉、小説家の弟。
この2人が姉弟だったなんて、そりゃ高橋源一郎さんも椅子から転げ落ちるだろう。そんな偶然の一致が起きることは滅多にない。しかしこうやって対談を読むと自分も姉妹だからわかるという雰囲気がある。同じような文化を享受しつつ、ほんの数年の差や本人の受け取り方で異なる視点。別の方向に目を向けているのに、共通する意識。面白く読んだ。
本を読むことの強さを感じる。友だちがいなくたって、いろいろなものに縛られていたって、本を読むことで世界は広がり、自分は変わる。自分もそう思っている。だから本を読めるように生きていきたい。大学はある意味計算ずくで卒業してしまったけど、ひた -
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自動車工場の期間工として働いてきた本田昴は、期間満了を間近に控えた日、同僚がSUV“ブレイクショット”車内にボルトを落下させる作業ミスを目撃する。正社員登用や遠距離に暮らす彼女のことが脳裏にゆらぎ、昴は上司に報告するタイミングを逃してしまう。
場面変わって中央アフリカ共和国。貧しい家に生まれ、牛一頭の代わりに兵士となったエルヴェ。市販SUVを改造して機関銃を据え付けた通称「ホワイトハウス」に乗り込んで、要人護衛をすることになったが…
自動車工場の期間工、アフリカの若き兵士、投資ファンド役員、貧しくも善良な心を持つ板金工、サッカーで夢を追う少年たち、成績不振の不動産営業マンなど、多様な人物が織 -
購入済み
女の戦争
初めて読んだ戦争小説がこの作品だった。戦争を深く知ることが怖く、また戦時中の女性を取り巻く環境などに疑問と嫌悪感があったからだ。この作品を読んでいて、もちろんそれがなかったわけではないが、私の中のこれまで抱いてきた感情が少し軽くなった気がした。女だって戦っていた。子どもだって戦っていた。その時代を生きていないから遠いようにも感じていたけれど、主人公セラフィマが照準を合わせたことで、敵を撃ったことで私の中の視界が少し開けたように感じた。もう少し戦争について知ってみようと勇気が出た。少し前に話題になっていて、この本の中でも参考資料としてあった『戦争は女の顔をしていない』岩波現代文庫も気になったので
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奈倉有里さんと逢坂冬馬さんがご姉弟と知った時から、こういう本を待望していたんだと思う。よくぞ出してくださった。
ミーハー的な気分でどんなご家庭でお育ちになったのか知りたかった。納得。自分の子育てにはもうとっくに手遅れなのだが。そもそも親の中身が違うのだから、何十年前から自分をやり直さなければいけない。
「キョーダイ‼︎」のイメージでもう少し軽い感じを想像していたが、内容はとても濃く考えさせられた。文学を愛し、小説を愛し、おかしいことには声を上げ、世界の平和のために行動する。そんなお二人の著作をこれからも楽しみにしていきたい。そして考えを深めていきたい。 -
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見慣れないカタカナや漢字がたくさん出てくるが、その割には読みやすい。狙撃兵に焦点を当てたちょっと珍しい視点の戦争物。これまで読んだり、映画で見たりしてきた戦争物は日本視点がほとんどだったので舞台がロシアなのが非常に新鮮でよかった。歴史に明るくないので予想だが、よく取材や勉強されて書かれたのではないかと思うリアルさがあった。ただ戦争物って大体ここに収束するよなあという内容ではある。仇を打った相手にも相手なりの正当性の物語があり、戦争は最終的には何の利益ももたらさないということである。それが真理だからその結論に行き着くのかもしれないが、既視感は否めない
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ネタバレエピローグの途中まで、とても面白かったです。
エピローグにおいて期間工の本田昴一人を起点にして全てを無理やり纏めるようなやり方は、とても上手いとは思えませんでした。
冷静になればほとんどはただの第三者としてテレビやネットのニュースで見聞きしているだけの情報の羅列であるため彼の視点を通す必然性はありません。
またプロローグ&エピローグ以外の本編と絡ませるための人物配置は無理矢理感というか明らかなご都合主義の臭いを隠せていません。
さらにXのポストに対する反応はまるでただただ作者が感じる世の中への苦言を直球に表現しているように思え、それまでの物語と乖離しているようにも感じてしまいました。 -
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前作の「同士少女よ敵を撃て」同様、戦時下の物語。
終戦間際のドイツでのストーリ展開です。
しかし、ちょっと読みにくい..
エーデルヴァイス海賊団を名乗るエルフリーデとレオンハルトに主人公ヴェルナーが加わって、ナチス政権下での少年少女たちの活動を描いたもの。
町に鉄道が敷かれると喜んでいたのもつかのま、終点のはずが、レールはさらに延伸。
レールの先にあるものは何か?
彼らがその先を探検してみると、そこで見たものは?
という展開。
そして、彼らは自らの正義で行動を起こします。
当時の民族差別、選民思想、ナチ思想が刺さってきます。
見て見ぬふりをする住民
戦時下の中なら長いものに巻かれる、自 -
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もっと時代背景をちゃんと知ってから読みたかった!!
間違っていると分かっていても、見て見ぬふりをしてしまう。
そうはなりたくないけど、自分の命をかけてまで行動できるのか。タイトルがじわじわ効いてくる作品でした。
勇気を一度でも出せば、動けたかもしれない。
でもその最初の一歩が出せない。
だってそこは自分にとって未知の世界だから。
命がかかっていなくても、こう感じてしまうことってたくさんあるから、この時の住民たちの気持ちも決して非難できないと思った。
そして集団の力ってとてつもなく大きいし、怖いものだと感じた。
●印象に残った言葉
「私たちはドイツを単色のペンキで塗りつぶそうとする連中にそれを