逢坂冬馬のレビュー一覧

  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    久しぶりに、心が揺さぶられました。
    単純に、すごい物語でもあるのですけど、そこから想起させられることがあまりにも重くて深くて、歴史って何だろうか? と考えざるを得なくなります。

    特殊な時代、特殊な思想の下、普通の人々の多くは漠然と何が起きており、何がおかしいのか分かっていながらも、体制に迎合し、「喜んで騙される」ことを選択するのです。
    その結果、事実は歪曲され、本質は封印され、歴史にはファンタジーも含まれていくのでしょう。

    歌われなかった歌、語り継がれなかった言葉、その中にこそ、本当の歴史は埋もれているのかもしれません。

    決してミステリ小説ではありませんが、お見事な伏線と回収もあり、思わ

    0
    2026年02月14日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    オーディブルにて。
    面白かったーー!ほんと毎作品、逢坂冬馬の筆力!!ってなる。
    郷土史の切り口から始まって明かされる真実。読み終わった後に冒頭読み返すとはっとするな。
    歴史は勝者のものと言うけど、勝ち負けは相対的でもあるな。それぞれの戦争とそれそれの真実がある。
    エーデルワイス海賊団の歌が歌われるシーンはどれも象徴的でとても良かったな。
    エーデルワイスは倒れない。エーデルワイスは挫けない

    0
    2026年02月03日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    とても良かった。
    私自身を肯定してくれるようであり、叱咤激励してくれているようにも感じた。

    このお二人がご姉弟であることを知った時の驚きはここ数年ですごく驚いたことの一つで、金原ひとみさんのお父様が金原瑞人さんであると知った時の驚きに匹敵したこともメモで残しておきます。

    0
    2026年01月31日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    なんとなく、タイトルが気になり、内容を知らずに借りたので、どんな話なのかな〜?と試しに読み始めてみたら、そのまま引き込まれて一気に読んでしまった❗️

    私が懸念している事のひとつに、有事の際の自分の行動がある。我が身可愛さの行動に走るかも、と。
    生き延びるためにはという理由で迎合するとか、マジ最悪。
    でも、やるかも、と。
    だから、そんな場面に出会う事ない様にと祈るんだけど、それも身勝手なのかもなぁ…。

    とはいえ、もうそこそこ長く生きてきたので、自分のことはともかく、10代のまだいかような未来をも生きられる子供達が、生まれた時代に翻弄されるのはやりきれないな。

    0
    2026年01月17日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ​本作は、異国の戦時下の情景が圧倒的な解像度で描き出されており、日本人作家の手によるものとは思えないほどの没入感がある。
    舞台となる地域こそ限定的だが、そこで繰り広げられる人間ドラマのスケールは極めて大きい。
    動乱の時代、名もなき場所で確かに起きていたであろう「小さな革命」の息吹を、まざまざと感じさせてくれる。
    ​特に印象的なのは、タイトルの真意が明かされる瞬間だ。
    物語の地平では、彼らは歴史に埋もれた「歌われなかった」存在かもしれない。
    しかし、その生き様を読み終えた我々の世界においては、彼らは決して忘れ得ぬ、光の当たった存在へと昇華される。
    忘却と記憶の境界線について、深い気づきを与えてく

    0
    2026年01月17日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    購入済み

    キャラ立ちが光る

    登場人物の繊細な描写が素晴らしく、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。
    キャラクターの顔を想像しながら読むことが容易く、長編ながらさくさくと読むことが出来ます。

    #泣ける #笑える #ドキドキハラハラ

    0
    2026年01月14日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    この人たちの著書をもっと読みたくなった。
    文学や読書、さらには執筆に対する姿勢や考え方が非常に興味深いし好感を持つ。本の力を私も信じる。
    平和についてもとても大切なことを述べている。対談形式で読みやすいし、ぜひ多くの人に読んでほしい。

    0
    2026年01月08日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    長年積んでいたのだが、年末年始ということで開いたら一気に読み進めてしまった。
    現代ドイツ、移民のトルコ人の少年に頭を悩ませる教師。そのトルコ人の少年に近所の偏屈爺が何かを言ったらしい。偏屈爺から託された一冊の本、そこにはWW2の時に起きたことが書かれていた……。8割はWW2の時の話なのだが、2割が現代の私たちとつないでくれるので終盤でぐっと自分事に戻される。2026年に読むにはあまりにつらい本で、だけれど2026年だからこそ読んで欲しい本。

    0
    2026年01月04日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    今ではそれなりに受けいれられている価値観、自分らしさが、戦時中のドイツではどのように扱われていたかわかり、興味深い作品だった。最後はハッピーエンドとはいかなかったが、闘った物語を誰かが受け継いでくれることで、未来までそれが続いていくのがすごく良かった。

    印象に残ったフレーズ
    なんでみんな、他人を分かろうとするんだろう。自分が見た他人の断片をかき集めて、あれこれ理由をつけて矛盾のない人物像が出来上がると錯覚して、思い上がって分かろうとして理解したつもりになる。

    分からないままにしておいてくれたから。

    0
    2025年12月31日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    正義とは、英雄とは。
    時代や立場、勇気によって異なる言動。
    少年少女のなかにある沸々とした感情、やるせなさ。
    心に残る小説だった。

    0
    2025年12月30日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    戦争ものだからハッピーエンドにならないとわかっていたけど、やっぱり苦しかった。

    言葉に出さないことで無いことにするってのは、昔も今も誰にでもあるような気がした。そう思って結構はっとした。『うすうす気づいている』とか『なんとなく思っていた』っていう気持ちを殺して日常を生き続けてしまうと後悔の多い人生になってしまうんじゃないかと思った。

    あとは、家族であろうと親しい仲であろうと他人を理解しきることはできないものなんだろうと覚えておきたいなと思った。その人に、自分から見たもの以上の人物像を作り上げると結局それはただの虚像でしかないというか。

    とにかく、ただの戦争小説、反戦ものとかじゃなくて読ん

    0
    2025年12月25日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    物語って凄いなと、そう思わせる作品だった。緻密な歴史考証、ハラハラさせるストーリー、複雑な人物像、そして最後の着地点…どれを取っても見事な作品である。

    エーデルヴァイス海賊団の存在を、私は知らなかった。恥ずかしながら、てっきり作者の創作かと思ってしまった。機会があれば巻末の参考文献から追いかけてみたい。

    物語は現在のドイツから始まり、「物語」に移ってからは、戦時下、ナチス体制のドイツが舞台となる。ナチスが、ユダヤ人だけでなく、障害者、同性愛者、ロマの人々なども迫害の対象としていたことが、最近広く知られるようになってきた。直接的にせよ間接的にせよ、加害者となった人たちのことを、何のためらいも

    0
    2025年12月11日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    2022年本屋大賞作品「同士少女よ、敵を撃て」の著者による次の作品です。

    今回は第二次世界大戦最中のドイツが舞台です。

    その頃のドイツと言えばヒトラー率いるナチスが国全体を統治していた時代です。

    しかし時は戦争末期でもあり、ナチスに反旗を
    翻し、密かに抵抗を試みる若者たちもいたよう
    です。

    自分たちの街に敷設されている鉄道レールの
    行き先には何か秘密があるらしい、と
    その正体を突き止めるために旅に出た若者たちに待ち受ける「真実」とは。

    日本もそうだと思いますが、敗戦によって目覚めて
    民主化へ舵を切ったかのように思われがちですが、
    ドイツは戦争中からすでに「このままでいいはずが
    ない」

    0
    2025年11月13日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自らの誇りを胸に罪のない人々の命を守ったエーデルヴァイス海賊団の活躍に胸を打たれたし、反対にそういったものから目を背け続けた大人たちの振る舞いには憤りを覚えましたが、果たして自分が同じ立場に立った時どちらの行動を取るのか考えたらやはり自らが生き延びることを最優先にしてしまうと思いました。そういった意味でもこのような悲劇は繰り返されるべきではないし、クリスティアンとムスタファのように次の世代まで引き継いでいくことが大切だと思いました。

    あとレオンハルトからの手紙であり得ないほど泣いた。
    ドクトルも疑ってごめん、1人だけ本名明かされないしなんかどんでん返しあるのかと思って読み進めてたけど結局めち

    0
    2025年10月31日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     物語の至る所に伏線が散りばめられていたり、動きのある場面には迫力があったり、まずエンタメ小説として面白かった。
     それだけでなく、深く考えさせられる小説だった。人種や信条で人々を恣意的に区画し、差別を行なったナチだけでなく、自分の知る枠組みの中で勝手に相手を理解した気でいる人々の傲慢さも、当時のマイノリティを苦しめていたのだと感じた。後者は特に現代を生きる私たちにも通ずるものがあり、理解しないでそっとしておく優しさを見習いたいと思えた。
     また、大人たちが自己防衛の為に口をつぐんで目を背けた事実が語られず、歴史から消えていく様が鮮明に描かれていた。しかし、それでもフランツはヴェルナーたちがナ

    0
    2025年10月20日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    1944年、ドイツヒトラー政権下の街。
    鉄道がひかれ、終着駅とされたその先に線路が続く。一体この先に何があるのか。エーデルヴァイス海賊団を名乗る4人の少年たちは冒険の旅に出る。その先に彼らが発見したのは、強制収容所だった。
    すごい素晴らしい作品でした。

    0
    2025年10月17日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    ロシア文学研究かつ翻訳者の奈倉友里さんと、「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬さん姉弟の対談。ほぼロシアに関して、つっこんだ会話が進む。文学、政治、独裁、戦争、ジェンダーについて幅広く深い。

    0
    2025年10月17日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    姉弟の対話式エッセイ。
    次の総裁がきまるまで1か月きった・・
    最後の章はリアルすぎてとても怖い。2人のような人が今のまま表現活動をしていける日本であって欲しい。

    0
    2025年09月26日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    本屋大賞受賞してて話題になっていたので購入しました。
    リアリティがありドキュメンタリーのようでした。序盤から手が止まらなくてあっという間に読み終わりました。読後感も悪くなくとても面白かったです。

    #切ない #深い #ドキドキハラハラ

    0
    2025年07月27日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よかった!この2人が姉弟という事への興味で読み始めたが、成人してだいぶ経ってからこんなに深い話をする機会はふつうの家ではあまりないのではないか。長い時間をかけて何回も対談をしたものを編集の人がまとめたとの事。
    3つのパートに分かれていて、特にパート3ではまさに今、ロシアやウクライナの人々がどんな状況に置かれているのか、他人事ではない、関心を持ち続けて、考えることを手放してはいけないと、2人ともが話している。国民が賢くなるのを嫌がるのはどこの国でも同じなんだと。翻訳家としてロシアの学者の言葉を伝えたいとか、作家が政治的な発言をしてもいいんだ。自分の作品を誤読されたくない、など切実な話も出てきて、

    0
    2025年04月25日