逢坂冬馬のレビュー一覧
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ネタバレ自らの誇りを胸に罪のない人々の命を守ったエーデルヴァイス海賊団の活躍に胸を打たれたし、反対にそういったものから目を背け続けた大人たちの振る舞いには憤りを覚えましたが、果たして自分が同じ立場に立った時どちらの行動を取るのか考えたらやはり自らが生き延びることを最優先にしてしまうと思いました。そういった意味でもこのような悲劇は繰り返されるべきではないし、クリスティアンとムスタファのように次の世代まで引き継いでいくことが大切だと思いました。
あとレオンハルトからの手紙であり得ないほど泣いた。
ドクトルも疑ってごめん、1人だけ本名明かされないしなんかどんでん返しあるのかと思って読み進めてたけど結局めち -
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ネタバレ物語の至る所に伏線が散りばめられていたり、動きのある場面には迫力があったり、まずエンタメ小説として面白かった。
それだけでなく、深く考えさせられる小説だった。人種や信条で人々を恣意的に区画し、差別を行なったナチだけでなく、自分の知る枠組みの中で勝手に相手を理解した気でいる人々の傲慢さも、当時のマイノリティを苦しめていたのだと感じた。後者は特に現代を生きる私たちにも通ずるものがあり、理解しないでそっとしておく優しさを見習いたいと思えた。
また、大人たちが自己防衛の為に口をつぐんで目を背けた事実が語られず、歴史から消えていく様が鮮明に描かれていた。しかし、それでもフランツはヴェルナーたちがナ -
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素晴らしかった。ナチスドイツの支配下にあり、強制収容所が近くにあった街に生きた少年少女の抵抗と、その記録。主題は、ナチスへの抵抗ではなく、人としての誇り、そして見て見ぬふりをする大人の態度についての話。見事に現代と繋げていて、ラストははらはらと泣いてしまった。
日本の植民地支配もしかり、原発や沖縄の米軍基地問題もしかり、そしてウクライナとロシア、イスラエルとガザ地区の戦争も、環境問題も、うっすら気がついていて、でもできることはなくて、何となく受け入れてしまう態度が加害なのだと突きつけらる。平和な日常が何より大事だが、それが何かの犠牲の上に成り立っていないのか、せめて見て見ぬ振りをしている自分 -
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ネタバレよかった!この2人が姉弟という事への興味で読み始めたが、成人してだいぶ経ってからこんなに深い話をする機会はふつうの家ではあまりないのではないか。長い時間をかけて何回も対談をしたものを編集の人がまとめたとの事。
3つのパートに分かれていて、特にパート3ではまさに今、ロシアやウクライナの人々がどんな状況に置かれているのか、他人事ではない、関心を持ち続けて、考えることを手放してはいけないと、2人ともが話している。国民が賢くなるのを嫌がるのはどこの国でも同じなんだと。翻訳家としてロシアの学者の言葉を伝えたいとか、作家が政治的な発言をしてもいいんだ。自分の作品を誤読されたくない、など切実な話も出てきて、 -
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たいへん面白かったです。注目のロシア文学者の姉と「同志少女よ、敵を撃て」の作家の弟。まさかの姉弟ですが、この本の対談で必然的な関係性も分かります。普段からこんな知的な会話をしているのでしょうか。
翻訳するときに「これを読むことが平和につながるかどうか」と考える姉。読書するときに「自分はこれを好きでもいいんだって思えるのはすごく大事」と考える弟。その2人を育てた放任主義のジブリ映画「耳をすませば」のような家庭。
今、話題の三宅香帆さんの新書「なぜ働いていると〜」の元ネタもありました。映画「花束みたいな恋をした」のくだり。三宅さんも奈倉有里さん大好きと言っていたので、ここから大ヒットのヒント -
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逢坂冬馬は「同志少女よ…」と「歌われなかった…」
の2つの小説を、姉さんの奈倉有里のはエッセー「夕暮れに…」と「世界」臨時増刊のシュリマンの講演を翻訳したものの2つしか読んでない。が、注目しているキョーダイである。
二人が縦横に語る本作は読めば読むほど素晴らしいと思えた。期待の1000倍以上の内容だった。なるほど育てたこの親にして育ったこの子。そうそうありそうな家族ではない。それにしても二人それぞれに見事な自立ぶりである。
高校生や大学生にぜひ読んでほしい。自分が何者かになろうとすることをきっと支えてくれるぞと思った。
子どもを育てる親にも必読だ。
窮屈な世の中に倦んでいる大人にも今一度元気を -
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本を読むことを全力で全肯定してくれて、胸がいっぱいになった。
饒舌な逢坂さんと、穏やかな語り口で本質を突く奈倉さん。姉弟だけに、共通の価値観(素晴らしいご両親と祖父!)が根底にあり、難しい話もかなーりわかりやすく話してくれてる。
知識量や解像度がすごいし、難しい本ばかり読んでるんだろうな、と思いきや、角田光代を絶賛したり(サイン会に並んだそうだ)、りぼんやジブリやショッカー(⁉︎)などなど、わかりやすい比喩をあげて説明してくれて親近感をもった。
私は同志少女の戦争のゲーム性みたいな書き方が少し嫌だったのだが、そのあたりの作者の意図もわかってよかった。
2人ともニュートラルで、自分の軸がしっ -
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奈倉有里と逢坂冬馬による対談集、『文学キョーダイ』。
逢坂冬馬は『同士少女よ敵を撃て』で鮮烈なデビューを果たし、アガサクリスティー賞、本屋大賞を受賞。迫力ある、フェミニズム小説とも言えるとても力のある作品。今年3月には、2作となる『歌われなかった海賊へ』を出版している。
一方、奈倉有里はラジオに出演しているのを聞いて初めて知り、その際紹介されていた著書『夕暮れに夜明けの歌を』を読んでみると、文学への愛と情熱があふれており、感動したのと同時に同い年ということもあり刺激を受けた。
その二人が姉弟であることは、それぞれが文壇に登場後に発覚したことらしく、ずいぶん驚かれたとか。もちろん私もびっくりした -
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『ことばの白地図を歩く』。若者向けにゲーム仕立てでおもしろく読みやすいけれど、内容は驚くほど専門的。書いたのはどんな人なんだろう?と気になって経歴をみると紫式部文学賞を受賞した『夕暮れに夜明けの歌を』の著者であり、あの『同志少女』『歌われなかった海賊へ』の逢坂冬馬さんと姉弟だと知り驚いたり納得したり。
「有里先生」と「逢坂さん」。3歳ちがいのおふたりは対談の中でお互いをこのように呼び合い、「文学」「作家という職業」、「戦争や武器」について、専門家同士としてリスペクトしつつ、存分に語り合う。ご両親のエピソードも紹介されるがこれがまた
言葉かけと言い距離感といい、「親の背を見て子は育つ」の諺どおり -
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ネタバレ
「同志少女よ、敵を撃て」の作者が男性と聞いて、逢坂先生に興味が湧いた。お姉さんとの対談本。2人がどのような環境で育ち、どのような考えを持っているのか。非常に考えさせられる本だった。
※ ネタバレがあるので、先に「同志少女よ、敵を撃て」を読んでからこの本を読んでください。
◎「ゆっくり見守ってくれる」「さかなクンになればいい」10-13ページ「受け取りかたをサポート」58ページ「大絶賛と大酷評の両極しかないわけじゃなくて、いい作品の
中にも変なところはあるし、評価が低い作品にも思わぬ良さがあるよね」62ページ
親はそれぞれ熱中しているものがあり、出世を促さない。自分の子供が社会に馴染めず