逢坂冬馬のレビュー一覧
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面白くてあっという間に読んでしまった。
逢坂さんは文章が巧い。だからとにかく読みやすい。言葉も物語もするすると入ってきて、ずんずん読める。前2作もそうだけれど、本の厚みを感じさせない。
自動車期間工の青年から始まり、8つの物語が絡み合う。
南アの少年兵、ファンド、板金職人、サッカー、不動産、投資、詐欺、まるで違う生活の世界が描かれる。
主人公が1人であれば描く世界は1つで済むのに、まるで違う世界を複数描くのだからリサーチが大変だと思うのに、それぞれの描写が細かくリアリティがあり、さすが逢坂さんと思った。描写を疎かにするとクオリティが下がる。
現代社会を描く小説は沢山あるけど、これは飛び抜 -
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戦争ものだからハッピーエンドにならないとわかっていたけど、やっぱり苦しかった。
言葉に出さないことで無いことにするってのは、昔も今も誰にでもあるような気がした。そう思って結構はっとした。『うすうす気づいている』とか『なんとなく思っていた』っていう気持ちを殺して日常を生き続けてしまうと後悔の多い人生になってしまうんじゃないかと思った。
あとは、家族であろうと親しい仲であろうと他人を理解しきることはできないものなんだろうと覚えておきたいなと思った。その人に、自分から見たもの以上の人物像を作り上げると結局それはただの虚像でしかないというか。
とにかく、ただの戦争小説、反戦ものとかじゃなくて読ん -
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今年読んだ作品の中で一番かもしれない。
それぐらいの余韻と印象を残した作品。
2022年本屋大賞1位を獲得した作品でもある。
1942年、モスクワ近郊の村に暮らす少女セラフィマの日常は
急襲したドイツ軍によって突如として奪われた。
母や村人は惨殺され、自らも射殺される寸前、
赤軍兵士イリーナに救われたセラフィマは、
復讐のため狙撃兵になることを決意する。
同じ境遇で戦うことを決めた少女たち、
セラフィマ、シャルロッタ、アヤ、ヤーナ、オリガは共に訓練を重ね、
やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へ。
おびただしい死の果てに目にした、真の敵とは?
第二次世界大戦を題材とし -
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壮大な人間ドラマを読み終えて、この作品に出会えて本当に良かったなと思いました。
ご都合主義と言われてしまう展開も、全く気にならないぐらい感情移入して一気読みでした。
途中、読むのが苦しくて苦しくて、どうしょうもない箇所があり、「もうやめてあげて」と思わずつぶやいていました。
ビリアードのブレイクショットのように、手球がぶつかって、お互いの球が干渉していくように、物語も数珠つなぎのように繋がっていくさまは、流石でした。
今年の読んだ中でもベスト3に入る小説でした。
・追伸
直木賞、獲って欲しかった。非常に残念でした。
ブレイクショットに関わった人たちが必ず不幸になるので、映像化する際の車選びに -
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物語って凄いなと、そう思わせる作品だった。緻密な歴史考証、ハラハラさせるストーリー、複雑な人物像、そして最後の着地点…どれを取っても見事な作品である。
エーデルヴァイス海賊団の存在を、私は知らなかった。恥ずかしながら、てっきり作者の創作かと思ってしまった。機会があれば巻末の参考文献から追いかけてみたい。
物語は現在のドイツから始まり、「物語」に移ってからは、戦時下、ナチス体制のドイツが舞台となる。ナチスが、ユダヤ人だけでなく、障害者、同性愛者、ロマの人々なども迫害の対象としていたことが、最近広く知られるようになってきた。直接的にせよ間接的にせよ、加害者となった人たちのことを、何のためらいも -
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2022年本屋大賞作品「同士少女よ、敵を撃て」の著者による次の作品です。
今回は第二次世界大戦最中のドイツが舞台です。
その頃のドイツと言えばヒトラー率いるナチスが国全体を統治していた時代です。
しかし時は戦争末期でもあり、ナチスに反旗を
翻し、密かに抵抗を試みる若者たちもいたよう
です。
自分たちの街に敷設されている鉄道レールの
行き先には何か秘密があるらしい、と
その正体を突き止めるために旅に出た若者たちに待ち受ける「真実」とは。
日本もそうだと思いますが、敗戦によって目覚めて
民主化へ舵を切ったかのように思われがちですが、
ドイツは戦争中からすでに「このままでいいはずが
ない」 -
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ネタバレ自らの誇りを胸に罪のない人々の命を守ったエーデルヴァイス海賊団の活躍に胸を打たれたし、反対にそういったものから目を背け続けた大人たちの振る舞いには憤りを覚えましたが、果たして自分が同じ立場に立った時どちらの行動を取るのか考えたらやはり自らが生き延びることを最優先にしてしまうと思いました。そういった意味でもこのような悲劇は繰り返されるべきではないし、クリスティアンとムスタファのように次の世代まで引き継いでいくことが大切だと思いました。
あとレオンハルトからの手紙であり得ないほど泣いた。
ドクトルも疑ってごめん、1人だけ本名明かされないしなんかどんでん返しあるのかと思って読み進めてたけど結局めち -
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ネタバレ物語の至る所に伏線が散りばめられていたり、動きのある場面には迫力があったり、まずエンタメ小説として面白かった。
それだけでなく、深く考えさせられる小説だった。人種や信条で人々を恣意的に区画し、差別を行なったナチだけでなく、自分の知る枠組みの中で勝手に相手を理解した気でいる人々の傲慢さも、当時のマイノリティを苦しめていたのだと感じた。後者は特に現代を生きる私たちにも通ずるものがあり、理解しないでそっとしておく優しさを見習いたいと思えた。
また、大人たちが自己防衛の為に口をつぐんで目を背けた事実が語られず、歴史から消えていく様が鮮明に描かれていた。しかし、それでもフランツはヴェルナーたちがナ