逢坂冬馬のレビュー一覧

  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    多面的な視点から描かれる物語。読み進めると伏線が繋がっていき、そこがそこと繋がってくるのかと感心させられた。LGBTQは自分にはよきわからないけど。500p越えで少し長くはあるが、どこが繋がるのか気になって次々と読み進められた。逢坂冬馬さんの本ははじめてだったが他ももっと読みたいと感じた。

    0
    2025年11月18日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本屋大賞だからずっと読みたかったけど、勝手に難しいと思っててなかなか開けなかった積読本。
    開くとスルスル読めた!!
    ストーリーとして読みやすかった。
    女性兵たちと戦場で戦う者たちの生と死の中で動く感情がものすごいエネルギーを持って伝わってきた。
    仲間、裏切り、騙し合い、絆、生き方…
    計り知れないほどの試練を潜り抜けてもなお、戦後も闘って生きる彼女たち。
    イリーナは根は心優しい愛溢れた人でよかった。
    アヤとオリガもきっとそう。戦争は人の心を狂わせるね。
    イリーナ、セラフィマ、シャルロッタが生きやすく楽しく暮らせますように。

    0
    2025年11月16日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    長いけどそこまで長く感じない。
    戦争の惨さを、セラフィマを通して感じられる。
    戦争は人を醜くしてしまう。
    読んでいてつらくなるけども、こういうことが実際にあったのだろうという衝撃が勝つ。
    戦争において敵とは何なのだろうか。

    0
    2025年11月16日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    自分は戦争の知識がほとんどなく、この本のページ数に読み切れる自信がなかった。
    ところが読み始めてみると、戦争背景がわかりやすく説明された内容で、とても読みやすかった。

    主人公セラフィマは、故郷をナチ・ドイツに襲撃され家族や仲間を亡くし、絶望する。
    その仇敵となる狙撃兵イェーガーを殺すため、狙撃兵となる物語。

    戦争下での女性の立場に考えさせられた。
    捕虜として捕まれば死ぬよりも屈辱的な辱めを受ける。
    それは、敵味方に限らず許される行為ではないが、そういう行為を仲間と一緒にすることで、連帯感が生まれる。
    性欲のためではない…。
    戦争下では何をしたって正当化される。
    これには衝撃を受けた…。

    0
    2025年11月14日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    2022年本屋大賞作品「同士少女よ、敵を撃て」の著者による次の作品です。

    今回は第二次世界大戦最中のドイツが舞台です。

    その頃のドイツと言えばヒトラー率いるナチスが国全体を統治していた時代です。

    しかし時は戦争末期でもあり、ナチスに反旗を
    翻し、密かに抵抗を試みる若者たちもいたよう
    です。

    自分たちの街に敷設されている鉄道レールの
    行き先には何か秘密があるらしい、と
    その正体を突き止めるために旅に出た若者たちに待ち受ける「真実」とは。

    日本もそうだと思いますが、敗戦によって目覚めて
    民主化へ舵を切ったかのように思われがちですが、
    ドイツは戦争中からすでに「このままでいいはずが
    ない」

    0
    2025年11月13日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    独ソ戦争にて、田舎娘が戦争に巻き止まれて狙撃手として、軍人として成長していく。

    タイトルにある敵を撃て、はたして敵とは、ということが最後にはっきりする、読み終わってみればタイトルからもうよく出来た小説。

    読後感も良く、傑作であることは間違いない。

    0
    2025年11月10日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    ブク友さん達がこぞって好評価で、とても楽しみにしていた本。600ページ弱を読み終えて、なんだかものすごい達成感。
    SUVブレイクショットを軸にした短編連作だけど、短編連作という呼び名であってる?という位、それぞれが一つの物語として完成している気がした。
    8つの物語のバリエーションは、マネーゲームに偽装修理、特殊詐欺…と、とても豊かで飽きることなく読めた。
    中でも好きだったのは、晴斗が絡んでいるところ。
    後藤家の家族の雰囲気が温かくて応援したくなるし、晴斗の聡明さがとにかく魅力的だった。
    この大作は、いつか映像化されそうな予感。

    0
    2025年11月07日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自らの誇りを胸に罪のない人々の命を守ったエーデルヴァイス海賊団の活躍に胸を打たれたし、反対にそういったものから目を背け続けた大人たちの振る舞いには憤りを覚えましたが、果たして自分が同じ立場に立った時どちらの行動を取るのか考えたらやはり自らが生き延びることを最優先にしてしまうと思いました。そういった意味でもこのような悲劇は繰り返されるべきではないし、クリスティアンとムスタファのように次の世代まで引き継いでいくことが大切だと思いました。

    あとレオンハルトからの手紙であり得ないほど泣いた。
    ドクトルも疑ってごめん、1人だけ本名明かされないしなんかどんでん返しあるのかと思って読み進めてたけど結局めち

    0
    2025年10月31日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     物語の至る所に伏線が散りばめられていたり、動きのある場面には迫力があったり、まずエンタメ小説として面白かった。
     それだけでなく、深く考えさせられる小説だった。人種や信条で人々を恣意的に区画し、差別を行なったナチだけでなく、自分の知る枠組みの中で勝手に相手を理解した気でいる人々の傲慢さも、当時のマイノリティを苦しめていたのだと感じた。後者は特に現代を生きる私たちにも通ずるものがあり、理解しないでそっとしておく優しさを見習いたいと思えた。
     また、大人たちが自己防衛の為に口をつぐんで目を背けた事実が語られず、歴史から消えていく様が鮮明に描かれていた。しかし、それでもフランツはヴェルナーたちがナ

    0
    2025年10月20日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    1944年、ドイツヒトラー政権下の街。
    鉄道がひかれ、終着駅とされたその先に線路が続く。一体この先に何があるのか。エーデルヴァイス海賊団を名乗る4人の少年たちは冒険の旅に出る。その先に彼らが発見したのは、強制収容所だった。
    すごい素晴らしい作品でした。

    0
    2025年10月17日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    ロシア文学研究かつ翻訳者の奈倉友里さんと、「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬さん姉弟の対談。ほぼロシアに関して、つっこんだ会話が進む。文学、政治、独裁、戦争、ジェンダーについて幅広く深い。

    0
    2025年10月17日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    姉弟の対話式エッセイ。
    次の総裁がきまるまで1か月きった・・
    最後の章はリアルすぎてとても怖い。2人のような人が今のまま表現活動をしていける日本であって欲しい。

    0
    2025年09月26日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    最初の数ページはとっつきにくかったが、ここをしっかり読まないと意味がないことに。
    題名の意味が深い。「歌わなかった住民」を責めることはできないけれど、ラストの再生的なところに救いがみえた。
    それにしても、相当勉強されている作者には脱帽です。

    0
    2025年09月23日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    素晴らしかった。ナチスドイツの支配下にあり、強制収容所が近くにあった街に生きた少年少女の抵抗と、その記録。主題は、ナチスへの抵抗ではなく、人としての誇り、そして見て見ぬふりをする大人の態度についての話。見事に現代と繋げていて、ラストははらはらと泣いてしまった。

    日本の植民地支配もしかり、原発や沖縄の米軍基地問題もしかり、そしてウクライナとロシア、イスラエルとガザ地区の戦争も、環境問題も、うっすら気がついていて、でもできることはなくて、何となく受け入れてしまう態度が加害なのだと突きつけらる。平和な日常が何より大事だが、それが何かの犠牲の上に成り立っていないのか、せめて見て見ぬ振りをしている自分

    0
    2025年09月13日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鳥肌が立った。

    丁寧で細やかな文体は全く長さを感じさせない!
    展開が読めないので、先が気になってやめられない。
    悲しい結末だけど、希望もあるような終わりだった。

    戦争の悪影響は、世代を超えていく。
    改めて恐ろしさを感じる。

    表紙が3人なのは、理解できるような少し寂しさも感じるような気持ち。

    素晴らしい本をありがとうございます。

    0
    2025年09月05日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    戦時中のドイツでの少年、少女たちの揺らがない信念に終始引き込まれた。

    間違ってると言われようが、何が起きようが自分たちの信念が正しいと信じ、曲げずに貫く姿勢は読んでいて気持ちが良い。

    自身の哲学を持ち、それに倣って生きる(死ぬ)こと、葛藤、大衆の意見との違いに迷いながらも前を向いて進んでいくこと、ある種の強さを感じる。

    0
    2025年09月04日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    忘れられない本になりそう。今はロシアがウクライナに侵攻しているが、第二次世界大戦のロシアはまさに今のウクライナと同じ状況だった。侵攻された国がどんな景色を見るのか。一人の女狙撃兵の物語を読みながら戦場を回ってきた感覚。恐ろしく辛い思いをしたからこそ、復讐心のために相手にも同じことをしてしまう。正義とは敵とは何か。単純なの結論に収まらず考えさせられる。社会主義国の中から見た自由主義、資本主義というのも興味深かった。

    0
    2025年11月29日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    誰しもが心の中で思っている「都合のいいことだけ信じたい」「自分は何も見てない聞いてない」という"見て見ぬふり"こそが、戦争やいじめの根幹にあるのだと感じた。今までは忠実にナチスに従っている大人が都合よく敗戦後のことを見越して"おとぎ話"を作っている場面に震えた。こういう八方美人が大多数で得するんだろうな。

    レオンハルトお前…手紙で大泣きした。

    戦争小説であり、青春小説であるけど、多様性だと言って他人を理解した気になってる現代社会への風刺でもあると思った。

    「歌われなかった海賊たちへ」たしかにあの時のエーデルヴァイス海賊団の子たちは、見て見ぬふりをさ

    0
    2025年08月17日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    題材が面白い。世界が独裁政治色を強めるなか、こういうニュートラルな考えを持ち続ける意味を考えさせられる。しかしながら、彼はなぜこうも海外の戦争ネタを扱うのだろうか?

    0
    2025年08月16日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    戦争中、ヒトラーが治めていたドイツが舞台。

    楽しい事をしたい。という思いで作られたエーデルヴァイス海賊団。

    そんな中、街に線路が通り終着駅ができるのですが、どうやら線路は先まで続いている。

    線路の先に何があるのか?

    そこから色々なことがおこります。

    戦争中の正義って、あっけなく変わるもので。

    しかし、海賊団がやったことは、ある時まではとんでもない悪なのですが、戦争が終わっても語られることなく。

    歌われなかった海賊と歌わなかった人達の話

    0
    2025年08月11日