逢坂冬馬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりに、心が揺さぶられました。
単純に、すごい物語でもあるのですけど、そこから想起させられることがあまりにも重くて深くて、歴史って何だろうか? と考えざるを得なくなります。
特殊な時代、特殊な思想の下、普通の人々の多くは漠然と何が起きており、何がおかしいのか分かっていながらも、体制に迎合し、「喜んで騙される」ことを選択するのです。
その結果、事実は歪曲され、本質は封印され、歴史にはファンタジーも含まれていくのでしょう。
歌われなかった歌、語り継がれなかった言葉、その中にこそ、本当の歴史は埋もれているのかもしれません。
決してミステリ小説ではありませんが、お見事な伏線と回収もあり、思わ -
Posted by ブクログ
なんとなく、タイトルが気になり、内容を知らずに借りたので、どんな話なのかな〜?と試しに読み始めてみたら、そのまま引き込まれて一気に読んでしまった❗️
私が懸念している事のひとつに、有事の際の自分の行動がある。我が身可愛さの行動に走るかも、と。
生き延びるためにはという理由で迎合するとか、マジ最悪。
でも、やるかも、と。
だから、そんな場面に出会う事ない様にと祈るんだけど、それも身勝手なのかもなぁ…。
とはいえ、もうそこそこ長く生きてきたので、自分のことはともかく、10代のまだいかような未来をも生きられる子供達が、生まれた時代に翻弄されるのはやりきれないな。 -
Posted by ブクログ
本作は、異国の戦時下の情景が圧倒的な解像度で描き出されており、日本人作家の手によるものとは思えないほどの没入感がある。
舞台となる地域こそ限定的だが、そこで繰り広げられる人間ドラマのスケールは極めて大きい。
動乱の時代、名もなき場所で確かに起きていたであろう「小さな革命」の息吹を、まざまざと感じさせてくれる。
特に印象的なのは、タイトルの真意が明かされる瞬間だ。
物語の地平では、彼らは歴史に埋もれた「歌われなかった」存在かもしれない。
しかし、その生き様を読み終えた我々の世界においては、彼らは決して忘れ得ぬ、光の当たった存在へと昇華される。
忘却と記憶の境界線について、深い気づきを与えてく