逢坂冬馬のレビュー一覧
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ネタバレ過去2作とも外国を舞台にした話だったので、登場人物の心情描写だけでなく、異国の描写にも心を惹かれていたので、今回の日本を舞台にした話はどうなんだろうとワクワクしていた。
今回も期待通り面白かった。
普段関わりのない層の人々が描かれておりその知見に驚きを感じた。
また、舞台が現代日本ということで登場人物の心情描写や思考について、深い理解が感じられた。
登場人物に喋らせる言葉は、基本作者も考えていることが多いと思うのだが、自分は作者と近い思想を持っているのかもなと感じた。
過去2作もそうだが、登場人物の行動や感情、思想について違和感がなく、私も同じことを思ってた、と、自分のふわっとした考えが言語 -
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ブレイクショットと聞いて
ビリヤードの話なのかとのノリで読み始めたが・・・
辞書レベルの厚さの本だが
エピローグが無ければ最高級の作品
日本映画にありがちな読者を信じてほしい作品
様々な視座に飛んだ作品なので人生の勉強にもなる
晴人が首都高を周回し
友彦にボルトの話をしていたシーンでは
満員電車で「えー」大声を発してしまい
周りがざわつく有様に恥ずかしさのあまり途中下車
この作品の没入度合いが半端ない
1番好きなページ
聖書に登場する喩え話というのは、
全体で一つなんだ。
神と言って分かりにくければ
親でも自然でも世の中でもいいけど、
自分が生まれる前に獲得するものは
人によって差は -
Posted by ブクログ
登場人物を魅力的に描くのが上手で、感情移入の末しんどい気持ちで読んでたけど、読み進める手が止まらない文の力があった
そしてタイトルの回収があまりにも痺れた
文庫で著者のあとがきを読んだときに、誠実すぎる方や、、と思ったしそれが文章に表れてるなとも思ったよ
文庫解説にもある通り、読み終わった後に自分の中で何か種が残って発酵し続けているような感覚がある
◾️印象に残った言葉
意外って思われるでしょうが、地獄にも地獄の日常というものがあります。(263p)
子どもが遊ばなくなったら、きっとそれは子どもとして生きることを諦めたときでしょうね(279p)
意識の明瞭さを取り戻したニコライの顔 -
Posted by ブクログ
ネタバレ待ちに待ってよーやく読めた。噂にたがわぬ面白さ。タイトルの「ブレイクショット」とは、小説に出てくる自動車の名前なのだが、ビリヤードの第一打ともかけている。
多種多様な色の球が干渉しあい影響しあってあちこちに転がり落し処に収まっていく…ナインボールだから、順番に当てさえすれば落ちるのはどのナンバーボールでもいいが、9番だけは最後に落したい(でないと小説が短くなってしまう)…ということで、プロローグの本田昴君の話が9番(車のブレイクショットが1番ボールなんだろうな)ってことだったのね。
なんのこと書いてるか分からないだろうけど、読めば分かってもらえると思う。ブレイクショットで広がった話が次々に -
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ネタバレあのネジは昴くんが言えずにいたものじゃなかった。しかも昴くんは、ちゃんと『ナイス報告』(してはいけないことは失敗ではなく失敗を報告しないこと)していた。私は、すっかり嵌められていた…でも嵌められていたことがわかったときの心地よさ!
読み終えてこの大団円に感動。胸が苦しくて、恐怖も伴い、心が震えていたけど勇気をもって最後まで読んで本当によかった。(ホンダスバルくんとスズキセレナさんのお名前がなんだか単純で、なんか引くって言うか躊躇うっていうか、でもそれは、精密なトラップだった♫それがわかったときの鳥肌ったら!)
仕掛け、伏線、叙述トリックが、ちりばめられている。主人公が複数だけど、しっかり繋 -
Posted by ブクログ
戦争を理解するためではなく、戦争を起こさないために読んだ一冊だった。
本作は、戦場の残酷さや理不尽さを容赦なく描きながらも、単なる戦争小説にとどまらず、「人はどこまで人間でいられるのか」という問いを突きつけてくる。特に印象的だったのは、理性が失われていく極限状態の中で、それでもなお守ろうとする“自分の中の一線”の存在だ。
セラフィマの選択は正しかったのか。幼馴染を撃ち抜いたあの瞬間、彼女は尊厳を守ったのか、それとも何かを失ったのか。その答えは簡単には出ない。ただ一つ言えるのは、戦場では「正しさ」そのものが揺らぐということだ。
私自身も考えた。もし大切な人が尊厳を踏みにじられたら、自分はど -
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読書のきっかけとなった本
戦争をテーマにしており、重すぎてリタイアしてしまうのではないかと不安もあったが、少女セラフィマの成長、緊迫した空気、先の気になる展開で、長編(500p以上)だったがあっという間に読み終わった。
元帥に昇格する予定の軍師との対話では二手三手先を読んだ会話で非常に興味深かった。序盤で生き別れた幼馴染との再会を果たし、戦争という特殊な環境でも染まらず女性に乱暴をしていなかった幼馴染が最後に豹変してしまうシーンは衝撃と1人の人間を簡単に変えてしまう戦争の異常さを痛感させられる。
物語が面白くて続きを読みたくなる中毒性と戦争をテーマにしているため考えさせられるシーンも多く「面白 -
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壮絶で壮大な世界だった。家族、村人を皆殺しにされ、悲しみに暮れる間もなく悲しみと憤りと共に戦争に身を置くことになった少女の凄惨な人生に圧倒的に引き込まれた。戦争がもたらしたものは彼女が信じてきた物をことごとく裏切り、破壊し、形を変えて追い詰めていった。人間の本性は恐ろしい。
また、命がけで任務をこなして積み重ねていった先にあるものの正体もまた、考えさせられる物であった。
戦争という悲惨な行いの中で主人公の少女や周囲の人々、敵、味方、それぞれの角度から人間の本性と苦しみを描いたこの作品は、自分のこの先の人生に少なからず影響を与える事は間違いない。