逢坂冬馬のレビュー一覧

  • ブレイクショットの軌跡

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    ビリヤードに関して「台の上のすべてを把握しようというのは傲慢だし、自分の打つボールが波及するという意識をもたない人間にはゲームに参加する資格はない。しかしだれかが最初の一打(=ブレイクショット)を打たなければならない。打つ意志と狙いを持った人間だけが、恐れずに堂々とそれを打つしかない。」
    本作で何度か登場するビリヤードに関するこの発現に、本作のエッセンスが凝縮しているように思う。

    自動車の組立工程で部品が落ちたことに気付き、報告が一歩遅くなってしまった期間工。彼には正社員登用の話が聞かされており、後からでも報告せず見て見ぬふりをすることもできた。しかし、遅れてしまいながらも勇気を出して報告し

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    2026年02月23日
  • ブレイクショットの軌跡

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    読むのにきっかり2週間かかる大作。でも苦痛なく読めたのは、登場人物の人物像に厚みを与えている著者の力量に他ならない。各所に張られていた伏線を、最後に全て回収していてお見事。
    作品を貫くテーマは「善良さ」かな。特に現代では、「正しさ」には「正しさとは何か」がつきまとうが、「善良さとは何か」と悩むことはあまりなさそう。もがきながら、最後の最後で「善良さ」を貫く登場人物達。それを素直に「よかった」と思える読者でよかったな、と思った。

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    2026年02月22日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    ネタバレ

    生まれ育った村で、ただ母親や村の人たちと静かに暮らしていくはずだった女の子が、ナチス軍によって全てが崩壊し復讐に駆られて狙撃手になる話。

    セラフィマが狙撃手としての心や技術を身につけていく過程で、狙撃の魅力にハマっていき倒した数を自慢する描写は衝撃的だった。
    戦争という建前があれば人は人を殺せてしまうということを私たちは体験してこなかったがゆえに、こういった作品で戦争の異常性を知る機会があったのは非常にありがたかった。

    最後にセラフィマが女性を守るという目的のために唯一の村人の生き残りであるミハイルを撃つ描写には心を掴まれた。セラフィマはイリーナという存在により一貫して女性の狙撃手となり得

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    2026年02月21日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    家族と故郷を失い狙撃手として独ソ戦の最前線に投入された女性狙撃部隊の物語。戦場という常軌を逸した世界で普遍的倫理観について考えさせられる。本当の敵とはなんなのか。

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    2026年02月21日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    全人類に読んでほしい作品

    車の車種としてのブレイクショット、ビリヤードとしてのブレイクショットがかかっている。
    全く関係のない様な出来事も、実は繋がっている。
    それはすなわち、一つの出来事が連鎖的に何かを波及して影響していくということ。

    最終的に、主人公…と言っていいか分かりませんが善人である彼らが報われてよかった。
    ルールの裏をかくのではなく、ルールのなかで正々堂々と戦うこと、そしてルールに不満があるならそれを変えるために動くことというシーンが熱かった。

    自分のちょっとした発言や行動が、良い意味で誰かや社会に対して影響を与えていけるといいなと思った。

    伏線回収がめっちゃ気持ちいい。

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    2026年02月14日
  • 歌われなかった海賊へ

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    久しぶりに、心が揺さぶられました。
    単純に、すごい物語でもあるのですけど、そこから想起させられることがあまりにも重くて深くて、歴史って何だろうか? と考えざるを得なくなります。

    特殊な時代、特殊な思想の下、普通の人々の多くは漠然と何が起きており、何がおかしいのか分かっていながらも、体制に迎合し、「喜んで騙される」ことを選択するのです。
    その結果、事実は歪曲され、本質は封印され、歴史にはファンタジーも含まれていくのでしょう。

    歌われなかった歌、語り継がれなかった言葉、その中にこそ、本当の歴史は埋もれているのかもしれません。

    決してミステリ小説ではありませんが、お見事な伏線と回収もあり、思わ

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    2026年02月14日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    実物の本で小説を読むようになって太めの本で1冊目にチャレンジした本。三宅さんがおすすめしてたので買った。分厚かったけど読みやすかった。単行本だとそんなに文字が詰まってないからページ数の割に気持ちサクッとよめた。寝る前に本を読んでるけど平日の夜も読んでてつい夜更かしした。色んな人がいたけど、自分は社長を下ろされた人が印象的でした。ブレイクショットの後に起こるカオスを楽しむ。その人生観は不安を感じがちな自分にとって、とても魅力的に映りました。

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    2026年02月15日
  • ブレイクショットの軌跡

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    自動車メーカー期間工。歌手。中央アフリカ。投資ファンド。板金工。プロサッカー選手、ユース。不動産屋。金融系YouTuber。闇バイト。LGBTQ。アロマンティックアセクシャル。生活保護。

    何も関係ないように思えるストーリーがつながっていく。
    ブレイクショットという自動車がつなぐようなストーリーたち。

    これだけテーマあるのに、無理矢理詰め込んだ感じはない。
    どんな仕事も、どう、生きるのも大変やなぁ。
    飽きさせない長編小説。

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    2026年02月10日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    一発のブレイクショット。一つの始まりがそれぞれの人生へ影響して最後は戻ってくる。
    1章ごと区切れていて読みやすい。
    それぞれの人生が繋がっていないようでどんどん繋がっていく面白さ、最初のボルト一本からの伏線からのそれぞれの人生での伏線がいい意味で裏切られていく面白さが感じた。
    伏線回収がうますぎてにやついてしまった。
    みんな色々あったけどパッピーエンドになったのは本当に良かった。
    最後のブレイクショットは痺れる

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    2026年02月09日
  • ブレイクショットの軌跡

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    超大作にして本当に面白い。こんなに壮大な物語を書ける作家さんに尊敬の念が止まらない。

    570ページ近くあったが、9日間で読み終わった。逢坂冬真さんの作品は『同志少女よ、敵を撃て』を読んでいたが、やはり戦闘の描写が上手いな。

    2025年の世相を大いに反映した作品だった。本当に誰か読んで、語り合いたい。2000円強の価値はあります!

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    2026年02月08日
  • ブレイクショットの軌跡

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    凄すぎた…!
    個別の物語が終盤で一気に絡み合っていく様子は圧巻。

    夢とは、善良さとは、愛とは。
    一度では受け止めきれないほどのメッセージ。
    投資や詐欺絡みのパートでそれぞれの登場人物の思惑が錯綜する様子に圧倒された。

    必ず再読したい。

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    2026年02月08日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    ◾️「敵」とは誰か、味方とは何か
    ◾️フィクションとノンフィクションのミックス
    ◾️尻上がりにストーリーにどんどん惹き込まれた

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    2026年02月08日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    ネタバレ

    圧巻だった。この物語を男性が書いたことが私には衝撃だった。

    物語としての展開が面白いのはもちろんのことだが、女性を守るために戦うセラフィマの姿が胸に突き刺さる。
    女性であるというだけで受ける屈辱は自分にも覚えがある。その究極の体験とも言える出来事が戦争中には当たり前となってしまうことに絶望が湧き上がる。しかし、セラフィマは幼なじみではなく女性に連帯した。
    男性の機嫌をとり、迎合して生きることは楽だと思う。その方が幸せなのかもしれない。しかしその生き方を私は選びたくない、そうはっきりと思わされた。

    自分のこれからを考えるうえで、女性として生まれた意味を考えることを忘れないでいようと思える、そ

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    2026年02月07日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    自分が無知すぎてこちらの本で色々学びました。
    第四章から一気読み。
    ミハイル。セラティマ、イリーナ。
    語りたいことあるけれど難しい。
    かなり分厚い文庫本だけど、挫折せず読める本。

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    2026年02月06日
  • ブレイクショットの軌跡

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    読もうか迷っている人宛に書きます。

    ①この本を読むなら「今」です
    本書は2025年3月発売。私が読んだのは2026年2月ですが、この「リアルタイム感」は今しか味わえない。例えば5年後にこの物語を読んでも面白いだろうけど、「ああこんな感じだったなー」と少し遠く感じてしまうかも。

    ②『同志少女よ……』とは全く別物です
    題材も、構成も、物語の面白いポイントも、全く違います。どっちが優れているとかも比較はできないと思います。下手に前作の印象を抱えたまま「あれを超えられるか!?」という読み方をするよりは、一旦忘れて0から読んだ方が楽しめるはず。その上で、どっちが好みとかはもちろんあると思いますけどね

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    2026年02月04日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    ネタバレ

    セラフィマの故郷は、ドイツ軍によって壊滅した。
    母や村人は惨殺された。赤軍兵士・イリーナに拾われたセラフィマは、復讐のために狙撃兵になることを決意する。立派な狙撃兵となって、独ソ戦の最前線へと華々しく赴く。その先に見えたものとは…。2022年本屋大賞受賞作。

    狙撃かっけぇえぇぇぇ。
    涼やかにクレバーに、サイレントな一撃必殺。イリーナ教官の過酷な訓練で一人前の狙撃兵となった同志少女たちの熟練感がエグい。雄々しく野卑な歩兵集団の喧騒の中で、魔女たちは凛として気品があった。命中の一瞬に全てをかけるので、戦闘描写はとても短い。塹壕や銃眼の影で待って待って待つ。忍耐と静寂の戦いの中で光る職人技に思わず

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    2026年02月03日
  • 歌われなかった海賊へ

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    オーディブルにて。
    面白かったーー!ほんと毎作品、逢坂冬馬の筆力!!ってなる。
    郷土史の切り口から始まって明かされる真実。読み終わった後に冒頭読み返すとはっとするな。
    歴史は勝者のものと言うけど、勝ち負けは相対的でもあるな。それぞれの戦争とそれそれの真実がある。
    エーデルワイス海賊団の歌が歌われるシーンはどれも象徴的でとても良かったな。
    エーデルワイスは倒れない。エーデルワイスは挫けない

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    2026年02月03日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    第二次世界大戦下、ナチス・ドイツがソ連領に侵攻した独ソ戦を背景に、故郷の村が襲撃を受け母親を含む村人を虐殺された少女セラフィマがソ連赤軍の女性狙撃兵として復讐を胸に戦場に立つ姿を描く物語。戦争小説のフィクションですが独ソ戦という史実を基にしており、ヒトラーやスターリン、実在した伝説的女性狙撃兵リュドミラ・パヴリチェンコなどの名前も。
    第5章 決戦に向かう日々ではセラフィマを含む幾度の凄惨な戦場を経験した女性狙撃兵たちがリュドミラの講演に参加し質疑応答をする場面がある。「これまでプロパガンダとして国内外のインタビューに答えてきたが、当然ドイツ側も記事を見ることになるから真に胸の内を語ったことはな

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    2026年02月02日
  • 同志少女よ、敵を撃て

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    かなりの長さにも関わらず読む手が止まらなかった。
    独ソ戦の予備知識を入れてから読みたかった。
    戦争の悲惨さ理不尽さはもちろん、少女達やそれを取り巻く人々の人間模様、緊張した日々の中の束の間のほのぼのとした日常、戦闘シーンの迫力や緊張感、カタルシスと喪失感、未来への希望、全てが盛り込まれた極上のエンターテイメント。

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    2026年02月02日
  • ブレイクショットの軌跡

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    日本車、サッカー、マネー、中央アフリカ、ゲイなどをばらばらに描き、最後に繋がる。とっても暗い物語なのに最後にすかーっとする。

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    2026年02月01日