逢坂冬馬のレビュー一覧
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ネタバレおもしろかったです。
第五章で後藤晴斗が門崎亜子のマンションを訪れたあと、久々に実家に帰る場面。
父友彦の様子や日記、そして笑顔を見て、「お父さん、ごめんなさい」と言って、
抱きしめるところで思わず泣いてしまった。
第二章のラスト、友彦の「俺は必ず・・・・・・大丈夫になるからね。必ず、必ず・・・・・・戻ってくるから」
というセリフを思い出したからだ。「この言葉を忘れたくない。」
忘れてなかった。いや、忘れたこともあったかもしれない。
でもそれでもその言葉を思い出したのだろう。何度も。友彦はまったくあきらめてなかったのだ。
そして、エピローグ。中邑翔。彼もまたあきらめてなかった。ここでも泣いた -
Posted by ブクログ
女性を守るために戦う。
主人公・セラフィマが序盤で放ったセリフが、彼女を戦いに向かわせ、殺させた。
独ソ戦の女性狙撃兵を描いた本作品は、確かに戦争小説だ。加えて、これは女性の物語だと思った。
作品中にはセラフィマをはじめ、さまざま立場の、さまざま思想をもち、さまざまな十字架を背負う女性たちが登場する。その一人ひとりに、物語があるのだ。
同志少女よ、敵を撃て。
では、敵とは誰か? 同志セラフィマが撃ったのは、本当に敵だったのか?
途中、読むのがつらいシーンがいくつもあった。これはフィクションだけど、フィクションではない。確かに80年前、女性たちはそれぞれの戦争をしていたことを思い知る。
考え -
Posted by ブクログ
なんで私はこんな面白い本を今まで読んでなかったんだろう。話題書を斜に構えて敬遠しがちな天の邪鬼の自分を責めたい。(たぶん日本人の男性著者が描いた外国の戦争を舞台にした少女兵士の話なんて…と舐めていたんだろう…本当にすみませんでした!)
でもこの年末年始没頭するようにこの長編を読み進めて2026年一発目にこれを読み終えたことは本当に幸せだと思う。素晴らしかった。登場する女性狙撃兵達がこの地獄のような独ソ戦をどう生き抜くのか、最後どこに辿り着くのか、ハラハラしてページをめくる手が止まらなかった。憎悪、怒り、反発、信頼、信念、友情、裏切り、愛、、緊迫する極限の戦火の中で描かれる人間性。幼馴染、師弟、 -
Posted by ブクログ
いろんな人たちの人生が軌跡としてつながっていくのが面白かった。また、社会的問題にも焦点が当てられていて色々考えさせられることがあった。LGBTQ、反社や障害者雇用などだ。しかし、そんな複雑な社会を生き抜くのに必要なのは運と善良さだと思う。運が善良さからもたらされるものだとしたら善良さのみということになる。なぜ、そう思うのかというと嘘をつかって幸せや富を手に入れたとしてもそこに誇りを持つことはなく、真の幸福を手に入れることはできないと後藤友彦の人生を味わって感じたからだ。それでも運がなければ、どこで命を落とすかもわからないこの世界を生き抜くことは難しい。少なくとも私たちができるのはこの不条理を背
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Posted by ブクログ
人は誰かにとっての誰か。ひとつひとつの話がビリアードボールだった。はじき、ぶつかり、そんなところに作用していくのかと。だいぶ読み応えがあったけど、読む手が止まらなかった。
ガツンと社会派小説というのは普段あまり読まないのだけれど、タイトルと装丁のインパクトで手に取った。
読み始めたらもう…!
ブレイクショットを取り巻く8人の人生がブレイクショットして見事ポケットに落ちたよ?(混乱)
脳内に散らかった点と点が、きれいにつながっていく疾走感に手が止まらず、文字を追っているのに映像が流れ込んでくる。
わたしが覗くことのできる人生はここまでだけと
これからどう生きていくのか。
その先まで見届け