逢坂冬馬のレビュー一覧

  • 同志少女よ、敵を撃て

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    従来の守られる側、男性との関係で存在を定義される側 という女性の前提をどけて描かれることで、
    女性像を更新される。さらに戦記だからこそ読まれ、得られる視点があるだろう。

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    2025年11月15日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    会社役員のM&Aからヤクザの特殊詐欺まで多岐に渡ったトピックを扱いながら軸はブレイクショットという車という構成。
    またブレイクショットにはビリヤードの1球目の意味もあるという、、
    いや〜、重厚でした。疲れました。
    そして個人的にはこれだけ多様な人を描けてるんだからわざわざLGBTQのトピックはいらないのでは?と思っちゃった。LGBTQは多様性を表現しやすいけど、そのせいで用いると逆にチープになってしまってる感(気にしすぎです)

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    2025年11月13日
  • ブレイクショットの軌跡

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    どの章の登場人物も濃ゆい濃ゆい!
    エピローグで繋がってる!!!ってスカッとする気持ちを皆さまにも味わって頂きたい。

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    2025年11月10日
  • ブレイクショットの軌跡

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    車の製造過程で、車内に転がり落ちた余分なボルトが一個。そのまるで些末なように見えるミスを見逃すか、見逃さないか。ちいさなその問題提起から始まるこの長編作品は、現代日本のさまざまな社会問題を浮き彫りにした物語となって大きく展開します。

    雇用問題、投資詐欺、貧富と貧困、LGBTQ。扱われるテーマはどれも深い根を持ち明快な回答を持てないでいます。けれど、それらそのものを解決できなくとも、自らが向かい合ったときに、自分なりのできるかぎちの「善良さ」でもって対峙すること、そんな些細な勇気が必要なのではないか、と作中で奮闘する若者たちの姿を通して感じました。

    物語の構成としては、どれもテーマをしっかり

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    2025年11月09日
  • ブレイクショットの軌跡

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    一見関わりのない異なる国、異なる環境の人達の話が、徐々に繋がっていくというなんとも壮大なお話だった。
    キーとなるのがブレイクショットという日本産のSUV。
    中古として違う人の手に渡ったり、海外に
    売られて改造されたり。
    どんどんパズルのピースがハマっていく感じが気持ちよかった。

    逢坂冬馬の本は全て読んでるけど、この本も他の著書と同様に、背景知識の充実さに圧巻。
    投資や反社の話が出てくるけど、どれも背景がすごく丁寧に分かりやすく詳細に描かれていて、内容は難しいながら門外漢の私でもついていけた。
    すごい勉強されて書かれてるんやろうなあと毎回思います。すごいです。。

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    2025年11月09日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ある日、ドイツの中学校で、生徒の1人が提出した課題の中に町では偏狭で有名な老人のことが書いてあった。
    興味を持った教師はその老人に会いに行く。


    エーデルヴァイス海賊団。
    ナチス政権下のドイツで実在した若者グループ。


    第二次世界大戦下でのドイツでは(でも)
    ざっくり言ってしまえは

    ヒトラー万歳
    偉大なるナチス


    のような洗脳と言っていい教育を、ヒトラーユーゲントという組織の中で14歳以上の子どもに(当初、参加は自由だった)大戦末期ではほぼ強制的に行なっていた。

    そこに反発をしていたのがエーデルヴァイス海賊団。
    しっかりした政治的思想や目標がある訳ではなく、ただただ強制されることがな

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    2025年10月21日
  • 歌われなかった海賊へ

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    戦時下における、善良であるはずの市民の罪を訴追する物語。極限の状況下では、大勢に倣って行動してしまうのは仕方のないことと思っているから、そこで本来の善悪に立ち返ることができるのか。自分には難しそう。
    ドイツでは2010年になっても、強制収容所の看守への裁判が行われて有罪になったということに驚いた。戦時下であっても、犯した罪は残る…。国民性の違いもあるのかな。

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    2025年10月09日
  • 歌われなかった海賊へ

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    なにか変だと薄々感づいていても、見て見ぬふりをしてしまう
    現代でも往々にしてあることですね
    当時声高に主張したとても即座に収容所送りで、それを知っている大人たちは何もできないでしょうけれども

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    2025年10月03日
  • 歌われなかった海賊へ

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    【同士少女】程のエンタメ感は無い!読み終わった後でPCで色々と調べたくなる作品です。実話と物語としてのバランスが凄くよくて最後の方は一気読みでした。
    しかし...戦争なんかするもんじゃ無いって事だけは確実に言えるわ。

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    2025年10月01日
  • 歌われなかった海賊へ

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    悲しいお話。
    戦争は、終わってもなお
    体験者の中で続いていくものなのかもな、と思った。
    小説なので、実際の時代考証などは厳密でなくてもいいだろうに
    執筆にあたり取材したり調べたり、大変だったのでは?と感じた。

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    2025年09月15日
  • 文学キョーダイ!!

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    青木理さんとの対談本で奈倉さんを知って興味出て、読んではないけど逢坂さんの事も知ってて、へぇ姉弟なんだぁーと思ったから読んでみた。
    姉弟なんだから家族の話は出るだろうと予想して、本を読む家族はどんな家族なのかと興味があり読んだ。本を読むことは考え力に繋がると思ってたから、子育てをしていて、そういうのも知りたかった。

    同世代だし、生きてきた時代も共感できた。戦争を反対していく立場をはっきり示していて、最後は反戦本にもなってると思った。

    肝心のお二人の小説も翻訳本読んだ事ないのでこれから読んでいきたいと思います。

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    2025年08月29日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ネタバレ

    本当にナチスの支持者でない人たちが反体制的な活動をしていたかはわかりませんが、今もある複数企業が間接的にナチスを支援していたってことは覚えておくべきだし、多くの人が見てみぬふりをしていたってのは自分も振り返るべき話だなと思いました。戦時下で、勇気ある行動をとった主役3人はもちろんですが、ドクトルもフランツもカッコよかったです。
    フランツについて、ずいぶん自分を卑下するような書き方をするなと思っていたら、フランツが書いたという設定だったからなんですね。しかし、フランツが死んで、役所の人にこれまでの活躍が評価されてて、あれから並々ならない努力があったんだろうと思うと、人は変われるんだなをいう希望を

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    2025年08月19日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ドイツの歴史に、ヒトラーの時代に詳しくはない自分には少し難しいのではないかと思いながらも読みはじめたら、そんなことはなくサクサク読み進める事ができました。
    わかりやすい悪がいて、少年達がそれに立ち向かう。単純な物語ですが、戦時中のドイツという緊迫する世界の中で自分達の信じる道を突き進む少年達、死をも厭わぬその姿、信念には驚かされました。
    戦争の悲惨さと生への執着が生々しく描かれている傑作、だと感じました。

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    2025年08月06日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ナチ政権下のドイツにおいて、大勢に流されず自分たちの矜持を守り抜いた若者たちの話。とはいえ単なる青春小説に留まらず、人はなぜ人を自分の都合の良いように区別し分類するのか、という難しいテーマが横たわっている。
    前作「同志少女よ、敵を撃て」に比べると物語の緩急やスピード感は落ちるものの、この若者たちや、彼らを取り巻く人々の内面を細かく描いていて飽きることはなかった。個人的にはドクトルが一番好き。ああいうオタク系が活躍する話はたまらないです。

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    2025年08月03日
  • 歌われなかった海賊へ

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    父親が殺され1人で暮らすケンカの強い労働者の息子、ヴェルナー。ナチス親衛隊将校の娘、エルフリーデ。町の名士良い育ちの、レオンハルト。爆弾好きの、ドクトル。

    4人のエーデルヴァイス海賊団が、周りを巻き込みつつ、収容所への鉄道を止めるため、トンネルを爆破することをひとつの目的とする。

    連合軍がドイツを破るまでのストーリーと、その数十年後孫の世代のストーリーが繋がる。

    初めから息をつかせぬ展開の速さと、主要登場人物の魅力。民族、歴史、家族、愛、戦争、全てが絡み合う。

    レオンハルトのヴェルナーへ宛てた手紙では涙が止まらない。

    いつの時代にも、国や体制に正直に戦い反抗する青年達が存在する。

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    2025年08月01日
  • 歌われなかった海賊へ

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    歴史を紡ぎ語り手が次の世代にバトンを渡していく。ナチスドイツの時代を生きた青年達の物語。若さ故の行動が、終盤にかけて怒涛の展開へと繋がっていく。友情を強く感じられる場面が多かった。良本でした。

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    2025年07月31日
  • 文学キョーダイ!!

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    逢坂冬馬さんの「同志少女よ敵を撃て」を読みたいと思いつつ、こっちに先に手がのびました。姉弟の幼少期の過ごし方や、読んできた本、お二人の戦争や平和への思いなど、背景のようなものが見えて、お二人の著作をますます読みたくなりました!

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    2025年07月30日
  • 文学キョーダイ!!

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    ネタバレ

    文学研究家・翻訳家の姉、小説家の弟。

    この2人が姉弟だったなんて、そりゃ高橋源一郎さんも椅子から転げ落ちるだろう。そんな偶然の一致が起きることは滅多にない。しかしこうやって対談を読むと自分も姉妹だからわかるという雰囲気がある。同じような文化を享受しつつ、ほんの数年の差や本人の受け取り方で異なる視点。別の方向に目を向けているのに、共通する意識。面白く読んだ。

    本を読むことの強さを感じる。友だちがいなくたって、いろいろなものに縛られていたって、本を読むことで世界は広がり、自分は変わる。自分もそう思っている。だから本を読めるように生きていきたい。大学はある意味計算ずくで卒業してしまったけど、ひた

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    2025年07月29日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ネタバレ

    なんと表現すればよいのか、読み終えて体の力が抜けてしまいました。

    ナチス体制下のドイツを舞台に、反ナチスの象徴的存在として描かれるエーデルヴァイス海賊団の物語。

    一面を切り取れば、少年少女の冒険活劇とも思えるし、そんな感じの疾走感と爽やかさと儚さでサクサクと読んでいけるのだけど、その背景にはファシズムやユダヤ民の強制収容と虐殺といった暗い影が覆っていて、とにかく心を揺さぶられっぱなしの読書時間でした。

    同性愛、反体制、戦時下の反戦、様々なマイノリティたちが描かれていて、マイノリティの立場で正義や信条を貫けるかという問いかけをずっとされている感覚でした。

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    2025年07月22日
  • 歌われなかった海賊へ

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    ネタバレ

     逢坂さんのちょっと前の作品。疑問なのは、なぜ逢坂さんは外国を舞台にした作品を書くことができるのかってことです。海外旅行すらしたことがない自分には、現地の人が読んだらどう思うのかとても知りたいです。

     エーデルワイス海賊団というのは実在したらしいです。日本なら中学生ぐらいでしょうか。ナチスのやり方に疑問をもち、抵抗した若者たちがいたのですね。もしこれがほぼ史実なら、ドイツでさえ日本ほど徹底した管理社会ではなかったって思いますね。食べ物に不自由している様子もないし。

     逢坂さんの文章はとても読みやすく、小学生でも高学年なら読めそうです。これからもどんどん戦争などの題材を扱ってほしいですね。

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    2025年07月10日