逢坂冬馬のレビュー一覧
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自身のロシアの大学で文学を勉強した経験を書いた『夕暮れに夜明けの歌を』著者の名倉有里さんと、『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂冬馬さんの姉弟対談。
彼らが姉弟だと知らずにそれぞれの著作に触れて感銘を受けた身としては、この2人の対談が読めるのはとても楽しみであったし、実際付箋を貼りながら夢中で読んだ。
2人の幼少期や家族の話、そして文学について、戦争や平和について語られる言葉はどれも深く、考えさせられた。
「本を読むことが、風を吹かせることにつながる」
「(本を読むことは)必ず世界が拡張する」
「どんな言葉を拾っていったら平和につながるんだろう」
言葉と文学と平和について、言語化している2 -
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読み終わるのが惜しいくらい久々の大ヒット。
「夕暮れに夜明けの歌を」のな奈倉有里と「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬の姉弟が、忌憚のない意見をバンバン吐露してる貴重な対談本。互いに敬語を使うのに、(笑)、内容は忖度なしの言いたい放題で溜飲が下がること下がること!楽しい読書だった。
どうやったらこんな姉弟が育つのか、「夕暮れ〜」でも登場した両親がやはりキーパーソンのようだ。丁寧に愛情込めて育てられたのですね。理3の4人の子供を育てた佐藤亮子さんもかなり子どもの教育に関わってたけれど、彼女と違って、子どもに学歴よりも教養を身につけさせることにシフトしている姿勢が潔くて清々しい!価値観が真っ当で柔 -
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一台の車が繋ぐ、現代の闇鍋。隠し味はエピローグの構成力!
ビリヤードの最初の一投「ブレイクショット」みたいに、SUV車のブレイクショット号を起点として、持ち主が入れ替わりながら様々な物語が展開していく作品。
LGBTQ、投資詐欺、アフリカの貧困に非正規雇用、さらには教育問題……。「これでもか!」ってくらい現代の世相を雑多に盛り込んでいるんだけど、なぜかエピローグで綺麗にまとめあげられちゃうから不思議。その鮮やかな力量に、気づけば「終わりよければすべてよし」で評価が上がっちゃってました。
ただ、読み終えて唯一残る本音は「なげーよ!」(笑)。577ページという圧倒的なボリュームのわりに -
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一台のSUV「ブレイクショット」が持ち主を変えながら渡り歩き、その先々で出会う様々な人々の物語。
ドライな社会派の筆致に、一気に引き込まれた。
登場人物たちの造形が深く、一人ひとりが抱える生活の重みが伝わってくる。
特に心に深く刺さったのは、後藤友彦・晴斗親子のエピソード。不器用ながらも互いを想い、必死に生きる親子の姿には、心が熱くなり「誠実に生きる」ことの難しさと尊さを思い知らされた。社会の闇や、欲にまみれた物語の中で、この親子の描写だけはどこか切実で、人間らしい体温に満ちていた。
そして迎えるエピローグ。
「これが伏線回収か!」と膝を打つほど、バラバラだったピースが一点に集約されていく -
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ネタバレ8つの物語から、現代社会の問題や不条理を描く連作短編集。
自動車期間工・本田昴、サッカーで頭角を表す・霧山修悟、修吾と世界を目指す優秀な少年・後藤晴斗、詐欺同然の不動産営業マン・十村稔…他にも様々な登場人物がそれぞれの視点で物語を紡いでいく。一見、関係なさそうな人物たちが時にぶつかり、すれ違い、予測できない結末へ向けて弾かれる。
どの章も面白かった。
それなりにボリュームがあるので、一人ひとりを細かいところまでしっかりと一章で描ききれている。もちろん登場人物によって好き嫌いはあるのだが、彼らの行く末が気になるくらいに愛着は抱かせてくれる。特に好きだったのは、後藤友彦の章だろうか。本人も言うよ -
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ネタバレエピローグの手前まで読んで「戦争は女の顔をしていない」と思った。
帯に書いてあった三浦しをんの文章が、正しく的を射ている。
”戦争は女の顔はもちろんのこと、男を含めたあらゆる性別の顔もしておらず、つまり人間の顔をしていないのだという事実を物語ろうとする、その志の高さに感服した”
目の前でドイツ軍に村を侵略され、母をはじめとした村人たちを殺され、たった一人生き残ったセラフィマ。
彼女は母の、村人たちの敵を討つためにソ連赤軍の狙撃兵となる。
前線に女性兵士を送り出したのは、世界広しといえこの赤軍だけらしい。
ドイツでは、女性は銃後を守るもの、男女平等を謳ったアメリカでは、女性兵士はの役割はチ -
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各章の登場人物に繋がりがあるため、読んでる途中は「各章ごとが数珠繋ぎになってるのか〜」くらいにしか思わなかったけど、作品を読み終わった頃には、すでに大きな多面体が出来上がってたことにエピローグを読んで気づきました。
マネーゲームの部分の会話は正直全くついていけなかったけど、複雑な人間模様が緻密に描かれてて、ヒューマンドラマ作品としてとても面白かった!読んでよかった!
2章と3章があまりにも辛すぎる話だけど、その後に続く話でちょっとずつ希望が見え始めるから、挫折しないで読んでほしい。
「自分の人生を諦めない」って大事なことだなと思ったし、できるだけ善良に生きていきたいと思いました。