逢坂冬馬のレビュー一覧

  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    「同志少女よ、敵を撃て」の作者が男性と聞いて、逢坂先生に興味が湧いた。お姉さんとの対談本。2人がどのような環境で育ち、どのような考えを持っているのか。非常に考えさせられる本だった。

    ※ ネタバレがあるので、先に「同志少女よ、敵を撃て」を読んでからこの本を読んでください。

    ◎「ゆっくり見守ってくれる」「さかなクンになればいい」10-13ページ「受け取りかたをサポート」58ページ「大絶賛と大酷評の両極しかないわけじゃなくて、いい作品の
    中にも変なところはあるし、評価が低い作品にも思わぬ良さがあるよね」62ページ

    親はそれぞれ熱中しているものがあり、出世を促さない。自分の子供が社会に馴染めず

    0
    2023年10月14日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    自身のロシアの大学で文学を勉強した経験を書いた『夕暮れに夜明けの歌を』著者の名倉有里さんと、『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂冬馬さんの姉弟対談。

    彼らが姉弟だと知らずにそれぞれの著作に触れて感銘を受けた身としては、この2人の対談が読めるのはとても楽しみであったし、実際付箋を貼りながら夢中で読んだ。

    2人の幼少期や家族の話、そして文学について、戦争や平和について語られる言葉はどれも深く、考えさせられた。

    「本を読むことが、風を吹かせることにつながる」
    「(本を読むことは)必ず世界が拡張する」
    「どんな言葉を拾っていったら平和につながるんだろう」


    言葉と文学と平和について、言語化している2

    0
    2023年10月14日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    別々で買って読んでた本の著者が姉弟ってこの本のあらすじ読んでびっくりした。
    「同士少女」読んだ人は読んで欲しいなと思っな。
    「夕暮れに夜明けの歌を」も心地よい文章力と愛が伝わってくる。ニュースだけではないロシアの文学を愛する人々に触れられる、大事なものだと思う。

    対談自体は情報量凄かったし、スピード感もあって読みやすかった。

    0
    2023年10月13日
  • 文学キョーダイ!!

    Posted by ブクログ

    読み終わるのが惜しいくらい久々の大ヒット。
    「夕暮れに夜明けの歌を」のな奈倉有里と「同志少女よ、敵を撃て」の逢坂冬馬の姉弟が、忌憚のない意見をバンバン吐露してる貴重な対談本。互いに敬語を使うのに、(笑)、内容は忖度なしの言いたい放題で溜飲が下がること下がること!楽しい読書だった。

    どうやったらこんな姉弟が育つのか、「夕暮れ〜」でも登場した両親がやはりキーパーソンのようだ。丁寧に愛情込めて育てられたのですね。理3の4人の子供を育てた佐藤亮子さんもかなり子どもの教育に関わってたけれど、彼女と違って、子どもに学歴よりも教養を身につけさせることにシフトしている姿勢が潔くて清々しい!価値観が真っ当で柔

    0
    2023年10月05日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    戦争小説は沢山読んできたけど、本作は文体もキャラクター造形もよい意味でライトな感じ。ぶ厚さを気にする間もなくスラスラ読めるし、とてもおもしろかった。タイトルが秀逸!

    0
    2025年12月14日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    SNSをはじめとした現代社会の複雑な闇や絶望感を描きつつも、登場人物たちはみんな底に落ち切ることはなく、最後は善良や愛が強い行動原理となって立ち上がって生きていく様が書かれていると思った。誰かにとっての悪い人が、誰かにとっての愛する人だったり、その価値観もどんどん入れ替わったり、誰かを応援したり支えるためのお金が誰かを騙すことによって稼がれていたり。世の中はいろんなことが波及しあっていて、人それぞれの人生は複雑だしそれぞれにストーリーがある。その複雑さに思いをはせて生きていかなければいけないと思った。最後の方で、こうしたいろんな主体の背景や複雑さを捨象してしまうSNSの短文論戦に嫌気がさす主人

    0
    2025年12月13日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    久々に小説を読んだがこんなに面白いとは。

    旅のお供として、なんとなく本屋大賞もとってるし評判のいいこの本を選んだが、もう一つの長い旅を一緒にしているようだった。

    なぜか自分もそこにいた気がする、存在しないはずのない記憶がありありと蘇ってくる、そんな感覚になった。

    どんな小説もこんなに描写に優れているのか、それとも著者の作品だけなのかは、少なすぎる小説経験のためわからないがもっと小説を読みたいと思った。

    0
    2025年12月12日
  • 歌われなかった海賊へ

    Posted by ブクログ

    最後の数十頁から物語がドライブして、全てのピースがはまっていった。

    目を背けたひとたちにも、背けられなかった人たちにも、どちらにもなり得るなと、我が身を振り返った。

    0
    2025年12月09日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    大作!!
    ドイツとの戦争のロシアの狙撃手女性のお話。

    緊迫感があり、スラスラと読めました。
    戦争においての女性の立ち位置や、戦争の恐ろしさ、命のもろさを感じながらも、仲間との関係等人間ドラマがあり、映画化したら見たいと思える作品でした。

    0
    2025年12月08日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    さまざまな状況の人物が出てきて
    最初はなかなか入り込めなかった。

    サッカー少年2人の目標が尊い。
    その1人の父親のつらい事故あたりから
    夢中になって読んだ。

    貧困、ブラック企業、特殊詐欺、投資YouTuber
    インサイダー取引、LGBT、アセクシャル
    現代の様々な問題点がわかりやすく
    勉強にもなりました。
     
    最後、全てがつながって
    その手腕はお見事!

    落ちた車のネジを見過ごすのか、
    見過ごさないか、
    いずれの登場人物も
    最後に綻びを見過ごさず
    自分の意思で決めて
    自分の人生を、大切なものを掴んでいく。
    だから読後感がスッキリ!良い本でした。

    0
    2025年12月05日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    まず、日本人が独ソ戦をテーマにこれ程まで詳細に書き、なおかつ知識の薄い読者も楽しめるエンターテイメントに昇華させていることが素晴らしい。

    狙撃兵の仲間たちの、戦う意味、主義•信条•価値観。
    女性のため、自由のため、子供達のため。
    それらが十人十色で、個性に富んでいる。
    だからこそセラフィマだけではなく、イリーナ含む他の仲間、全員への感情移入が可能であり面白い。

    またセラフィマの「人を撃つこと」に対する感情の移り変わり、葛藤の描写が興味深かった。
    最初は、自分が殺した敵が送るはずだった人生を想像して震え、次に殺した敵の数の『スコア』が増えることに高揚し執着する。かと思えば、すぐに殺しを楽しむ

    0
    2025年12月04日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    シナリオもプロットもすごい。
    「ブレイクショット」には2つの意味があり、一つはそのままビリヤード。ストーリーの中に効果的に使われている。
    そして「ブレイクショット」という名前の自動車。この車にまつわる物語だが、持ち主が変わりながらその持ち主の人生を描き、そして数奇な運命を伴いながら収斂するのだ。
    驚きの展開。そして細かい部分まで丁寧に描かれている。
    読み応えは十二分にある。

    0
    2025年12月03日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変なビジネス書を読むぐらいならこれを読んだ方が楽しめて、勉強になるぐらい面白いし、為になる。

    著者の知識とそれを伝える力が凄い。
    ブレイクショットがそれぞれの物語を繋ぎ、色んな人生を描いていく。

    章の1つ1つが濃く、ここまで濃厚に書きながら、しかもテーマもそれぞれ違い、大事なことを語っていく。

    家族、お金、時間など、生きる上で必要なものはここに書いてる気がした。
    伏線も回収も見事。
    読んでて最後まで楽しめたし、特に突っ込みどころもないのだが、必要以上に長く感じてしまったのが唯一の欠点だろうか。

    読みやすさはあるがミステリーとは違い、膨大な量を読んだ後に得られるビックリ感がやはりミステリ

    0
    2025年12月01日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    世界史を学生時代さぼっていたため知識がないですがちゃんと読めました。時折チャットGPTに質問しながら、で楽しく時代背景を学ぶこともできました。
    登場人物もそう多くなく、テンポよく読破できました。

    0
    2025年11月29日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    ★★★★これだけ様々なバックグラウンドを持つ人物の心情や背景をよくこんなに書き分けられるなと、大半の人物に感情移入しながら読んだ。読み終えるにつれ、ここがここと繋がるという網の目が徐々に明らかになっていくのが面白い。最初は、一体なんの話?戸惑わされる。世の中の有様がビリヤードに見えてくる。
    色々と考えさせられながら読んだ。文章量の数倍、思考した。
    濃かった。

    0
    2025年11月28日
  • 同志少女よ、敵を撃て

    Posted by ブクログ

    戦争小説にありがちな

    弱い女性が立ち向かう
    感情表現多すぎ
    情景描写多すぎ

    がなく、バランスが良かった
    ラストも好きだった

    敵のドイツ側の手記が各章にあるとロシア側に視点が狭まっていたのが矯正される

    0
    2025年11月27日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    全てのストーリーが繋がっていて、「あ、この人か」となる場面が多く、日曜劇場を見ているようにあっという間に読み終えた感覚である。

    期間工で働く期間終了日直近の本田昴が、ボルトを落とした同僚を見かけてからのストーリーが圧感。

    一台の車、ブレイクショット
    ビリヤードの最初に打つのもブレイクショット

    ブレイクショットというタイトルからストーリーがどんどん出るのは、凄いなっと思った。

    あまり考えさせられる部分のある小説ではないが、
    今後ミスをしたら正直に言おうと思う。

    0
    2025年11月27日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    車生産工場の期間工員 本田昴の話から始まる

    昴はブレイクショットとゆう車種の製造ラインで
    ボルトをひたすらはめていく作業をしている
    期間最終日に同僚がブレイクショットの車体内に、
    ボルトを一つ落としてしまうのを見た

    落とした本人も周りも気づいていない
    ミスを報告しなくては・・・


    シーンが変わり中央アフリカの戦闘地帯の
    少年兵たち

    更にシーンが変わり、
    サッカーのユースチームで
    年齢は3つ違うが親友の霧山修吾と後藤晴斗、
    その両親達

    と、大きく3つのエピソードが
    展開していく

    そのどれにもブレイクショットが出てくる

    そして、どの話も不穏な出来事が起こる
    修吾と晴斗、この2人には幸

    0
    2025年11月26日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    あらゆる事柄の中心に、あるいは脇役に、ブレイクショットはいつもあって、多くの人たちの悲喜交交を見ていた。
    投資、格差、LGBTQ、特殊詐欺、貧困、家族、アセクシャル、反社…
    現代社会のホットトピックを凝縮したような社会派サスペンスでした。

    エピローグの伏線回収はマジで凄かったなー。
    これが直木賞取れなかった理由…わからん。テーマ広げすぎて、ちょっと説明っぽいところが長かったとか?いや、それを差し引いてもめちゃくちゃ面白かったよ。

    ある程度社会人経験を積んだ人の方が、用語がスッと入ってくるので読みやすいかも。

    0
    2025年11月25日
  • ブレイクショットの軌跡

    Posted by ブクログ

    人生の軸となる3つの指標って何だろう?冬至は勤勉、家族、平穏。企業を打診されたときに聞かされた軸、マネー、ライフ、ゲーム。妻からあなたは変わってしまったのねと言われそれに対して理論的に説明する冬至が印象的だった。どちらの価値観が良いとかではないけど、自分がどのように生きていきたいか、どのように生きれば満足のいく、納得のいく人生を歩めるか。後藤は初めからそれが分かっていた。不慮の事故さえ無ければ。
    いろいろなテーマから深掘りしていて面白かったが500ページ近くあって読むのに苦労した。

    0
    2025年11月25日