古谷実のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
幸せを掴むために葛藤する安藤と岡田達とは対照的に全てが歪んでいる森田くん。
森田くん以外の登場人物は自分は普通であることに不満を持っていたり自分は人とはちがうと思いたかったりしている
特に途中で出て来たバカの国の王子が森田くんと対比的なキャラクターで、
バカの国の王子は、自分は人とはちがう人間であることを望んでいたが
森田くんは、普通ではないことに対してひどく悩んでいた
岡田サイドと森田サイドとは本当に世界が違っていて普通である事が本当に幸せなことなのだと個人的には感じた -
匿名
『ヒミズ』以降の古谷漫画に顕著な特徴として、打ち切り漫画のような突拍子もない終わり方、思わせ振りに出てきて特に回収されないキャラや展開があり、漫画として納得しづらいことが多いです。
しかしそれらは我々の実人生がそうであるように、あえて歪な構成になっていると思いました。
今作に至るまで徹底してこのスタイルを貫いてる為、単に欠点だと切り捨てれません。
『サルチネス』はそんな古谷節がとても濃く、どんどん観念的な話になっていくようでいて、伝わってくるメッセージはとても普遍的なもの。
不思議な魅力を感じ、何度も読み返してしまいました。
個人的には古谷漫画の中でもトップクラスに好きです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ爆笑するし泣かせてくるしやるじゃん!!!!!!
サルチネスという意味は塩辛さという意味らしい。
どこに塩辛さと考えてもイマイチまだわからない。
自分のために生きろという漫画は珍しい気がする。
人のため!という言葉が偽善欺瞞、嘘八百に自分を擁護する言葉という側面を持ち合わせるというのは、なんとなくチラチラとする。
こんな男と接していればそんな気もしてしまうが、最後の大泣きと
向けられる悲しみの目は純真な純粋なちょっと間違った愛だけで
愛ちゃんのためというのは嘘でなかった。
愛ちゃんの子供がみれたら死んでもいいといった。
死ぬ権利を奪われ再度与えられたら色あせた。
これから長いのは、自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私も思う。不器量なら不器量なりに、世の中に遠慮して生きていくべきだと。才能がない人は、控え目に規律正しく自分の立場を甘んじて受け入れることこそが、必要とされることだと。
そうじゃなくて自分がくだらないくせに権利ばっかり求める図々しい人たちや、自分が何者かと思っている勘違い野郎は、ばかばかしくて大嫌いだ。
だから、私は人に優しく悪いことはせずに、生きようと思う。
って、小学生の頃から思ってた。中二病真っ盛り。
今はいい加減いい年だから、そんなことをいちいち気に留めたりしないけど、たまにふと思う。
今一生懸命あがいて生きてることは何の意味があるんだろう。悲しいときや辛いときに、この心の痛みに