古谷実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最後らへんで、茶沢さんの言葉を受けて、「一瞬 そんな、“普通”な未来を、本気で手に入れられるかも知れないと思った」って主人公のセリフがあるんだけど、この言葉が凄く重く感じられた。
Syrup16gの曲で「イマジン」という曲があるのだけれど、その曲がまさにこの言葉をあらわしてる。
主人公に対して、茶沢さんや色んなキャラクターが「大丈夫、住田(主人公)は今ちょっと“病気”なんだ」と優しい(と思っている)言葉をかける。
この言葉が主人公の、分かってもらえない感=孤独感を助長している。
主人公は全く病気では無い。少なくとも僕はそう解釈している。
どこまでも普通で、ただ人よりも多くの事に気づいてしまっているタイプだ。
彼が茶沢さんに最後まで心を開かなかったのも「住田君は今ビョーキなんだよ」という言葉。ここで茶沢さんが理解してくれてないことを完全に把握。
誰一人理解をしてくれない孤独。主人公は最後まで一人ぼっちだった。
承認でなく理解を求めていたはずだ。 -
Posted by ブクログ
全巻通して。園子温監督&染谷くん&二階堂ふみちゃん(つまりそらお&レミー)で映画化と聞き、「あ、ヒメノア~ルの人だ(最後まで読めてないけど)」と気づきものすごく観たくなり、耐えきれず原作を読んでしまった作品。恐ろしく衝撃を受けた。ものすごい。とりあえずものすごい。「あなたは病気なのよ」と言われる、鬱気味で孤独で遂には父親を殺してしまって、でも友達がいて大切な人がいて「普通に生きたい」住田くん。結末はやりきれなくて涙ぐんだ。茶沢さんが真っ直ぐで可愛かった、だから彼女が泣くところは辛かった。冒頭にだけあるギャグは、ふつうの中学生のやりとり、という感じで、まあそこから既に住田くんは他の子とは違うような考え方をしているんだけどそれがまた「俺は普通に生きたい」という歪んでいるというより、行き着くところは"純粋"に部類されるのではないかというようなもの。茶沢さんに驚かされるところなんて本当に普通の男子中学生だったし。ちなみにネットで週刊誌版のラスト(少しだけ違う)を見たんだけど、これもまた秀逸だったし切なかった。常軌を逸した状況下で、彼も常軌を逸しているような、そうは言い切れないような。とにかく名作だった。こんなにも暗くて苦しくて、でも時に面白くて純粋で切ない、小さくて壮大な物語を4巻にまとめた古谷実、すごい。