古谷実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ傑作です、この漫画。
「稲中」の作者さんの作品。
若者特有だと思うが、自分の「価値観」を神聖化しすぎて、その価値観に固執してしまい、過ちを犯した後もその価値観を変えることが出来ず、最後は悲劇で終わってしまう。
こういったモチーフを扱った作品は割と昔からある。
そういう意味で目新しさは無い。
現代的なのは、縛られている価値観が「普通でいたい」っていうところくらいかな?「特別じゃなきゃいけない」プレッシャーが強い現代の若者の悩みっぽい。
子供は1つの価値観に縛られやすく、昔の2.26事件や5.15事件など、青年の純粋さ故に起こる事件も多い。そういうとき、大人が強制的でも良いので価値観を変えるための「きっかけ」を与えるべきなんだろう。
この作品でも、いくつか「きっかけ」はあった。
ボート場でしばらく働いてたおっさんや、ヤクザの言葉とか。ただし、強制力はないけれど。
そういう意味では、最後警察官が主人公を無理やりにでも逮捕していれば、最後の悲劇は防げた。
「問題を一人で解決する」という状況に追い込まれると、どうしても、こういう結末になってしまうんだろうな。。。
ちなみに、来年2012年には、園子温監督の映画も上映されるとのこと。
こっちも今から楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヒミズ映画化されるということで再読してみました。
何よりも普通に生きたかった若者が
どうしようもない父親にたまに顔をみせては金の無心
母は男と出て行き
一人残される
一人学校にも行けず孤独な夜を幾度向かえた夜に
父が「母はどこだ」と訪ね出て行ったというと
「そうか」と情けない後ろ姿を見せる
長年の恨みを持っていた若者はついに犯行に及ぶ
実の父親を殴り殺してしまった
その日から彼の普通に生きたいという
未来は消えた。
彼には愛する人も近くにいたし、友人もいた
罪を償い普通に生きる人生もあったはずなのだ
だけど彼自身が自分を許せなくあのような
救いようもない完結になってしまったのだろうか
彼が最後まで見ていた化け物はいつ生まれたのかな。 -
Posted by ブクログ
夜間警備の仕事を長年やってきた富岡。
ずっと真面目に孤独な生活を送ってきた彼は
友達がいないという事実に気がつく。
寂しいという事を素直に認め、逃れるために
動き出そうとする富岡の前に
あらわれる人との出会いや、事件…。
富岡自身の成長を描いた漫画である。
非常に地味な主人公に、地味な設定の印象派は否めない。
だけど、孤独と真っ向から向き合うような話のもっていき方が
非常に興味深い。
それだけに、ラストの締めくくりというものが
逃げのように感じてしまい、それだけが残念。
漫画の途中に出てくる古谷さん独特の
ありそうでないリアルな事件の描き方というのがとてもうまい。
構成的にも、早く次が読みたくなるという印象がある。
地味ではあるが、中身のある漫画。 -
Posted by ブクログ
32歳の友だちが一人もいない警備員が主人公。友だちが欲しいと思うのだが、現れるのはかわった人ばかり。
宝くじを当てることを夢見るホームレス。自分では放浪者だと言い張る。
同僚の花林雄大、雨川勇。
ただ、なぜか隣室の美人な羽田さんは警備員に惚れているのだがそれに気づかない。
古谷さんらしいエキセントリックな展開が面白い。こういうのはドラマでもできなくはないが、こうやってディテイルにきちんとリアリティを持たせることができるのはマンガならでは言っていいのではないでしょうか。
さすがマンガだなぁ、古谷さんだぁと思うのだが、見逃しても慌てないというとこはありますね。
タイトルは深海魚の名前なんだそうだ。