宮下英樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
センゴクではいつも戦国時代に関する新たな視点が用意されている。今回は、「戦国時代」の定義そのものが新しい。通説の応仁の乱で下剋上の社会が現出したのではなく、気候として「小氷河期」だったことが大飢饉を引き起こし、大飢饉がかつてない動乱を生み出したという仮説を提示している。
そして本巻では、今川義元&雪斉コンビと織田信秀の三河争奪合戦をスリリングに描いている。
雪斉の指導の元、今川義元が幼児から真の戦国大名に成長する様が描かれ、一方、敵方の織田信秀の時代を先駆けた合理的な国家運営の成功事例が描かれ、義元はその信秀を恐れ、惹かれていきながら、やがて互角の戦いをするに至る。
信秀が津島経済とともに発展する様子や義元の「今川仮名目録追加」は斬新で非常に興味深かった。
信秀の以下の発言が楽市楽座など信長の戦国の大変革につながるんだろうなあと思いました。
「爺、津島商人を見習えぃ。彼奴らは皆が憩い遊ぶ祭りのときほどよう働く。祭日に遊べば一貫文が減り働かば一貫文が増える。即ち二貫文の得。それが商人の考え方じゃ。」