佐原ひかりのレビュー一覧

  • 夜の海をゆく人よ

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    婚約者が、見知らぬ誰かをかばって、通り魔に殺された。残された女性と婚約者の弟は、「善き行い」をしながら生きていく。

    う~む。

    身の危険を顧みずに行動した婚約者は、本当に立派だ。でも、もしこれが自分の大事な家族だったなら、ただただ悲しく、なんでなんでとしか思えないだろう。

    (韓国からの留学生の方を思い出しました。御冥福を心からお祈りします。そして彼のご両親の活動も素晴らしく、頭が下がります。)

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    2026年10月16日
  • 鳥と港

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    新卒で入社した会社が合わず九ヶ月で辞めてしまった春指みなと。次の仕事を探せないまま、ある日 立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。その中には一通の手紙が入っていた。
    その手紙の返事を書いたことで “あすか” との文通がはじまる。
    数週間後、二人は例の郵便箱の前で偶然会ってしまう。
    仕事のことを愚痴ってしまった みなとに あすかは 「ないなら、つくっちゃえばいいんですよ、仕事」 と囁いた。
    そして無職のみなとと不登校の高校二年生の森本飛鳥は二人で『文通屋』を始めることになった──。


    文通とはまたなんとも懐かしい響き…。
    私は経験がないけれど、相手のことを考えながら気持ちや感情を書き綴る。そして相手もまた自分のことを考えながら書いてくれる。
    そんな手紙のやりとりはとても特別で素敵なことのように思える。
    でも、それがビジネスになった段階で途端に色あせてくるように思えるのは私だけだろうか? 私だったらやらないと思う。

    とはいえ、みなとと飛鳥が真摯に『文通屋』という仕事に取り組んでいるのは読んでいて理解できる。好きなことを仕事にしたい気持ちもわかる。でも……
    彼らの『文通屋』ビジネスは まだまだこれからなのだろう。

    仕事に何を求めるかは人それぞれだし、
    仕事の仕方も ありようも時代とともに変わってきている。きっとこれからも変わっていく。

    「仕事とは……」 みたいな定型なお説教を聞くよりは この本を読んだほうがいいかもね。





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    2026年10月12日
  • 夜の海をゆく人よ

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    ネタバレ

    自分を犠牲にして他人を助けられるのは、どこまでなら可能なのか?を問われているような内容だった。そういう意味では、松下さんは対照的。
    死などの重い犠牲の上で助けられた場合、助けられた方は単によかったでは済まず、苦しい気持ちもあって当然だと思った。まさに、サバイバーズギルト。

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    2026年10月08日
  • ペーパー・リリイ

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    年代も価値観も違う女性の奮闘しながらの旅は面白い。
    結婚詐欺師に育てられた娘とその詐欺師に騙された女性のペアというのも面白い。価値観が合って何でも共有できてハッピーな2人の話しだったらどこか物足りない部分があったかもしれないが、途中で出てくる登場人物達ともことごとく噛み合わない、それこそが現実では良くある事で物語に没入できた要因かもしれません。

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    2026年10月08日
  • 夜の海をゆく人よ

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    婚約者が通り魔から妊婦をかばい
    「英雄」のごとく死んでしまった私の
    悲しみと苦しみ、やり場のない怒り
    そして再生の物語なのかと期待したら
    事件に関わる人々を深掘りすることもなく
    その年下イケメン義弟との
    傷を舐めあう
    独りよがりなふたりの世界に陥ってた…
    利他とは、勇敢さとは、と問われ
    人が人を思いやることの痛みとか
    ほろ苦さなんかを求めていた分
    余計に甘ったるさを感じてしまった。

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    2026年10月03日
  • 鳥と港

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    ネタバレ

    GOAT '24年秋号での紹介をきっかけに買った本(中古)。
    合わなかった。主人公 みなとのグダグダ逡巡する感じ、経験が伴っていないのに頭だけで考えた物差しで人を責めてしまう感じ(大学時代の友人 陽ちゃんの家事について意見する場面など)が合わなかった。その合わない感じが続いたままで終わってしまった。
    自分にみなとの考え方・行動に近いところがあるように思え、それは自分の好きでないところなのでそれで嫌だと思ったのかも。

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    2026年09月29日
  • 夜の海をゆく人よ

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    良い行いとは何か考えさせられた。
    人それぞれの偽善があって、それを行動に移すかも人それぞれなわけで。
    それでも私は自分を犠牲にしてまでも赤の他人を助けることはできない。
    大切な人が待っている元に必ず帰りたい。


    ◾️心に残った文章

    僕は間違っても誰かを助けて死なない。
    人でなしだろうがなんだろうが、僕は僕が待つ人のところに無事帰ることを優先します。

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    2026年09月29日
  • ペーパー・リリイ

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    「結婚詐欺師の姪とその被害者が一緒に旅をする」という設定がまず変で面白い。
    ただ実際読んでみると、主人公の心の動きが細かく書かれてて、設定はエンタメだけど書き方は純文学寄りっぽくも感じた。
    ラストのオチには驚いた

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    2026年09月28日
  • 夜の海をゆく人よ

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    自分を犠牲にして周りの危険から誰かを守る、英雄と言われた人が婚約者だった。正義感にあふれる人が実は不誠実な裏の顔があったら。婚約者の弟と同居することがお互いのためになったのか、疑問に感じた。

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    2026年09月25日
  • 夜の海をゆく人よ

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    彼の弟となら悲しみを分かち合えたのか。似たような境遇でないとわかってもらえないような気がするが、その悲しみからもうまく抜け出て欲しい。

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    2026年09月22日
  • 夜の海をゆく人よ

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    ネタバレ

    自分の命を危険に晒してまで人を救えるだろうか。
    親や夫の存在、何より恐怖で体が動かないと思う。
    けれども身を挺して人を助けることは紛れもなく善で、議論の余地なく立派な行いである。
    遺された人は色々な物語を編み出すけれど、その一瞬の当事者の判断は普遍的で人間くさい、見栄だったり保身だったりするのだ。
    しかし行動したこと自体に価値があるし善が宿ると思うので、動機からみて偽善だなどというは良くない。

    松下さんがめっちゃ好きだった。
    善を貫き通す人より「あなたの元に帰ってくる」と言い切ってくれる人と一緒にいた方が幸せになれる。
    松下さんとくっついて欲しい。

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    2026年09月15日
  • 短編小説新人賞アンソロジー

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    作家12人のデビュー作アンソロジー。書評付きなのが面白かった。
    阿部暁子「陸の魚」、泉サリ「林ちゃん」、後白河安寿「傾城の美女呂姫」が良かったです。

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    2026年09月09日
  • 鳥と港

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     夏に夏らしい物語を読みたくて探していたらこの本が目に留まり、読みだしてしばらくして“島”と思ったのが“鳥”だったと気づいた。
     物語にも飛鳥くんや実さんや主人公のキャラクターに今ひとつ心酔できなかったかな?
     途中で読むのやめようかなと思いながら最後まで読ませられたのは、文章に惹かれたとかそこそこに生きていくことの、はたまた働いていくことのテーマが語られていたとかがこの本にはあったのだと思います。
     若い、人生を模索中の人たちが読むべき本であるかもしれないですね。

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    2026年08月19日
  • リデルハウスの子どもたち

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    よくわからないオチだった。結局、自分の思いや願いは口にしていかないと見失ってしまう、二つに一つしかないと思い込んでることでもよく考えれば第三の選択肢が見えてくるかも、ということが言いたいのかな?

    だんだんキャラに愛着が湧いていったのはよかった。タキが特に好き。
    なんとなく「花とゆめ」作品っぽい雰囲気があった。

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    2026年08月04日
  • ペーパー・リリイ

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    痛快青春ロードノベル

    大胆な杏の視点で語られる文体が軽やかで小気味いい。保守的なキヨエとのぶつかり合い、そして時には歩み寄りを最初から最後まで楽しめる。
    個性的な人々との出会いがあり、様々な事件が起きるので、退屈する暇もなくあっという間に読める。
    共感しづらい登場人物が多いように感じたけれど、そんなことよりハチャメチャな旅の「エモ」を感じるのが本作の読み方かもしれない。
    そして、どこか狐につままれたようなラストには驚いた。

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    2026年07月28日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    私が好きな作家さんばっかり…!
    個人的にかなーり豪華なアンソロジーだったので、とても楽しく読むことができた。
    「かわうそをかぶる」「あなたに見合う神さまを」が特に好きだったかなぁ。


    「かわうそをかぶる」 浅倉秋成
    ゆゆはイサナだったってことだよね?
    犯人を仕掛けたのはゆゆだったってことだよね?
    きゅーきゅー言っててこわ。

    「まぶしさと悪意」 大前粟生
    悪口コメントのミームってすごい発想。

    「霊感インテグレーション」 新名智
    ややムズ。シンプルにシステム理解が追いつかないだけっていう。
    デマに踊らされた人間が、嘘を信じて人を殺しちゃうの、現代でもありそうで怖いね。

    「ヤリモク」 結城真一郎
    殺害目的がやばい。
    そして最後の1文もやばい。
    真意がわかったときに、そういうことかーーーとなる。どんでん返し系。おもしろい。

    「あなたに見合う神さまを」 佐原ひかり
    一番好きだったお話。
    権藤さん、とてもいいキャラ!!!大好きだ。
    途中で出てきたるりちゃんと若尾の話とか、父親の話はなんなんだろうと思ったけど、人を支配したり幸福を妨げるという暴力を、いろいろな形でとってくる奴らだったんだろうか。
    それに対して自分の好きなものを好きという、自分が信じるもの・拠り所にするものを自由に決める権藤さんはかっこよく映っただろうなぁ。
    嘘がちらばる世界のなかで、対照的に真実が光る。

    「タイムシートを吹かせ」 石田夏穂
    やっちゃダメだけどレジェンドがうざすぎてもはや良いと思う。
    最後のオチが気持ちよくて好き。

    「君がため春の野に」 杉井光
    『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフ!
    ほろりとする結末がステキ。

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    2026年07月12日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    石田さんの作品を読みたくて購入

    かわうそをかぶる
     実は私は生まれてから一度も、実態の私として、誰にも求められたことがないのだ
    恐ろしいVtuberの世界観
    よく考えると同じように陥る輝がする

    まぶしさと悪意
     うみ様 じゃない私のことも尊重してほしい

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    2026年07月08日
  • リデルハウスの子どもたち

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    名門校のリデルハウスには、特別な才能を持つ“ラヴ”と呼ばれる子どもたちを集めたクラスがある
    ふむふむと読んでいくと、ラヴたちの才能も魔法じみていたり、過去と現在が繋がっていたりととても不思議で謎だらけ…
    ミーシクとリリの話が1番好きだった。ミーシクが急に厳しくなったのにはとても重要な理由があり、その事がリデルハウスの秘密解明にも繋がる!
    今後はセオが願うような、子どもたちが大人に利用されず、安心して過ごせる学校になっていくはず

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    2026年06月05日
  • 人間みたいに生きている

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    周りが皆敵に見えていた中高生くらいの歳に読みたかった笑
    唯の行動にモヤモヤしてしまう方もいると思いますが、最後の解説を読むと少しそれが和らぐのではないでしょうか。

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    2026年06月01日
  • リデルハウスの子どもたち

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    出だしはちょっとファンタジーなのかな?程度だったけど読めば読むほどめっちゃファンタジー

    でもそのグラデーション具合でそこまで違和感なく入り込めた

    すごい前に読んだ恩田陸の寮制の学園ものとかの雰囲気?空気感?が近かったかも。

    どの子も魅力的で素敵な学園生活でした。

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    2026年05月15日