佐原ひかりのレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    「かわうそをかぶる/浅倉秋成」
    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    「霊感インテグレーション/新名智」
    「ヤリモク/結城真一郎」
    「あなたに見合う神さまを/佐原ひかり」
    「タイムシートを吹かせ/石田夏穂」
    「君がため春の野に/杉井光」

    嘘をテーマに描いた7話収録の短編集。

    杉井光さん以外は皆さん平成生まれという事もあってか、VTuberや動画配信、マッチングアプリ、ユーチューバーなど今時のコンテンツが目白押しで、文章に勢いを感じた。

    どの短編も個性的で楽しめたが、お気に入りは浅倉秋成さんの「かわうそをかぶる」。
    痛快で愉快で強烈。

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    2024年04月16日
  • ペーパー・リリイ

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    ネタバレ

    中盤のキヨエのセリフで「もしかして……?」と思っていたら、最後のどんでん返しが痛烈だった。
    キヨエの少し抜けた性格は作ったものなのか元々のものなのか、どこまでが本当なのか、謎のまま。

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    2023年01月31日
  • ペーパー・リリイ

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    500万円を懐に崖っぷちを疾走する女ふたりのロードノベル。
    タイトルからして、まがいものの絆を思わせて不安を煽る。
    離れたりくっついたり、危ういバランスでハラハラさせるが、食べものの描写(蜜造パイナポー!月見うどん!!)はガツガツしていて、結構したたか。

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    2023年01月30日
  • ペーパー・リリイ

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    野中杏、十七歳、結婚詐欺師に育てられた子供、騙された女性・ユキエと500万を持って逃避行中。
    人を騙して得た金で育った私の下に騙された女が現れた。今まで育ててくれた詐欺師の叔父には感謝している、それでも目の前の女に「お返し」がしたいと思った。この旅は報復?それとも罪滅ぼし?年齢、価値観も違う凸凹の私達が目指すは幻の百合!!

     結婚詐欺師を育ての親に持つ女子高生・野中杏とその詐欺師に騙された30代女性ユキエの二人が500万円を持って夏の旅路をスタートするところから物語は始まります。常識に囚われないイケイケな杏、それに押し切られる形で巻き込まれた引っ込み思案のキヨエ、年齢は勿論価値観も正反対の二

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    2023年01月18日
  • ペーパー・リリイ

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    焼き鳥の串をくわえたまま、地面に打ち捨てられたはずれくじや、ストロー、竹串、カップ、破裂して萎んだ水ヨーヨーを見つめる。お祭りの残骸、汚れた地面。ここが未来だ。あと数時間もしないうちに境内の人間は皆消える。ここにある残骸だけが未来まで横たわり続ける。生まれ続ける未来、消えていく今が混在していて、足場をぐらぐらと揺らす。

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    2022年12月21日
  • ペーパー・リリイ

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    初めの方は言い回しがくどくてラノベ読んでるようなモゾモゾした気持ちになったけど、中盤からは割と気にならなくなって面白く読めた。大仰で現実離れした展開は準児童書感否めないけどテーマというか、根底でずっと書いてることは大人でも全然感じるところで、キヨエの凡庸で感化されやすいところなんかはSNSや身の回りでもよく見るし、実際かなりキツくて「うわーー!」と白目剥きながら読んでしまった。
    でもキヨエが相応の危機管理能力を身に付けているのに対して、物語中盤(あるいは全編を通して)まで精神面で圧倒的優位に立ってるように描かれている女子高生の杏がその実全方位に無垢で簡単に大人に置いてかれたり騙されたりしてしま

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    2022年11月17日
  • ペーパー・リリイ

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    燃え殻さんのラジオで、書店員さんのオススメ本当として紹介されていて読んでみた。

    ロードムービーの映画が好きなのもあるせいか、
    読んでて一緒に旅をしてるような爽快感があった。

    読み終わった後、
    何か心に残るかという訳ではないけれど、
    映像が目に浮かびやすい内容で読後感は案外良かったです。

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    2022年10月10日