佐原ひかりのレビュー一覧
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食べるという行為が社会的なものであるだけに、食べられないというのは、非常に苦しい。そんな、「食」すなわち、人間におけるマイノリティとしての葛藤が非常に伝わってきた。
母親も、世の中の「ちゃんと」も、自分の当たり前も、自明ではないことに気づき、主人公が治療ではなく、自分を知ることから始めようとしていた...続きを読むPosted by ブクログ -
食べることに強い違和感を持つ女の子と、血しか口にできない男性の話。食べるというのは人類共通の娯楽だと思っていたので、苦痛な人にとっては確かにテレビ番組とか会食とか全般的に辛いかもしれない。
男性の生態は不思議だった。吸血鬼の末裔で歳をとるのが極端に遅いとかなのだろうか。それにしても祖父とかは亡くなっ...続きを読むPosted by ブクログ -
父親の再婚でできたブラザーのブラジャーをキーワードにした話。
ちょっと説明くさい気がするけれどとても分かりやすく物事と向き合っていて自意識や世間の目が気になる気持ちをハッとさせてくれる。
主人公はとても切れやすい・・・と思ったけれど思春期なんてこんなもんなのかもしれないし、キレることができる環境に身...続きを読むPosted by ブクログ -
話の道筋が著者の意図に引っ張られていると感じるところが何ヶ所かありました。物語自体ちょっと極端すぎるかな、と感じました。
でも思春期のリアルな感情を描いているところがいいです☺️
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無意識下にこうしなきゃだめだ、が自分の本心だと思ってしまっている。本当はどうしたいんだ?根っこではどう思ってる?そんなことを突きつけられる。誰かのせいに、誰かを言い訳に逃げるなと。
嫌なところもかっこ悪いところも全部全部含めて好きなものは好き。そう言い続けたい。Posted by ブクログ -
高校生が主人公の物語は、過去の自分と比べやすくて共感しやすい。自分の物語のような。。大学生以降は進む道によって違い過ぎて、小説として読んでしまう。
この本は、複雑なことを理解の入り口まで連れていってくれるような本でとてもよかった。Posted by ブクログ -
とても良かったです...!!
文章はとにかく読みやすかったけど、感想を書くのがとても難しい。
人には誰しも踏み躙られたくない領域があるけど、知らず知らずのうちに人のそれを侵してしまったり、自分自身で蔑ろにしてしまってることがあるのかも知れない。それに途中で気付けて分かり合えたり、ずっと気付けなくて関...続きを読むPosted by ブクログ -
まさにひと夏のロードムービー!って感じ。夏の映画でやってみて欲しいです。
杏もスレきりかけていると思っていたようだけれどそこは人生経験の浅い女子高生って感じ。キヨエもどこまで本人で本心だったんだろう?Posted by ブクログ -
Kさんに、面白い本と友達に聞いた、と聞いて。
食べ物を拒絶する描写がリアルで、気持ち悪りそうになるけど、
本を閉じたら食べ物を美味しく食べてるので、
わたしは食べることが好きなのだなと思う。
・こうあるべき、とイメージして、
誰に押し付けられたわけでもないのに
演じてしまうじぶん
・じぶんの...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトル、装丁、帯、すべてに惹かれて購入したけど、大当たりでした!キラッキラしてたな。私は1人っ子だけど、こんな姉弟関係羨ましい。。血が繋がっていないからこそ、言える事ってあるよね。
佐原ひかりさんの文章、素敵でした。他の作品も読んで行きたいです♡Posted by ブクログ -
『義理の弟・晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇した、高校生のちぐさは…』
刺さった。大当たり。自分が傷つく可能性があっても、時には相手に意見を言うことがいかに大事なことか改めて考えさせられた。相手を信じて伝える努力をしていきたい。
令和の時代に相応しい作品だと感じたし、大人は勿論、中高生の多...続きを読むPosted by ブクログ -
食べることに嫌悪感を覚える優等生とその周辺、そしてワケありでそもそも食べるという行為が一切できない男性の物語。
優等生ならではの悩みや考え方みたいなものに共感できる部分があって、私は好みだった。Posted by ブクログ -
思春期のもどかしさや将来の見えない感じ、他人や個性と向き合う事など登場人物と同じ年齢あたりで感じていたり経験した青春と呼ぶには苦味を感じる部分が読みやすい文体で爽やかに書かれている作品でした。
普通で平穏を求めて自分を抑えてしまったり周りと比べて苦しくなってしまったりして環境と成長途中の心がちぐは...続きを読むPosted by ブクログ -
自分は、多様性を認めれる人だと思ってるけど、それは思い込みで、無意識に決めつけてることが意外にあるのだろう。
それにしても、主人公の女の子がしっかりしていて頼もしい。
ファンタジーっぽい設定?と毛嫌いしてはいけない。たくましくなった気分になれる一冊。
ちなみに、TikTokのけんごさんおすすめ...続きを読むPosted by ブクログ -
「生きるために食べよ」
ソクラテスの名言だが本作の主人公・三橋唯は食べる事そのものに嫌悪感を抱いている。
生きたいと思っていても食物を死骸と感じ、自らを誤魔化し口に入れては吐き戻す。
親にも友人にも打ち明ける事が出来ず、日々をやり過ごさなければいけない彼女の苦しみが切々と伝わり胸が痛くなる。
そ...続きを読むPosted by ブクログ -
食べるのが嫌い。
好き嫌いとかではなく、食べるという行為が嫌い。
食べ物は、食べやすいように加工されただけの死骸で、それを食べる人たちを理解できないし気持ち悪い。
そんな女子高生が、人の血を飲む吸血鬼が住む洋館があるという噂を聞き、洋館を訪ねるところから物語は始まる。
大人だけでなく、高校生にも...続きを読むPosted by ブクログ -
「理解あるように振る舞うのが良い人の必須条件なんだよ。タヨウセイってやつを大事にできないやつは良い人失格なの」
女性はブラジャーをつけて、男性がつけるものではない。確かにこれって誰が決めた当たり前なの?
人は当たり前がちょっとズレてる人がいると〝おかしい人〟とレッテルを貼ってしまい距離を置く
誰...続きを読むPosted by ブクログ