佐原ひかりのレビュー一覧

  • ネバーランドの向こう側

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    久しぶりにこの系統の本を読みました。今年はドキドキハラハラ物ばかりだったので、ハートウォーミングなのが新鮮に感じて良かったです。
    でもただほっこりというわけではなくて、人間の業とか、正解の出ない悩みとか、切ない苦しみも沢山描かれているのでぐっとくるんですよね。主人公は30歳の女性(作中でいう元子供部屋おばさん)ですが、彼女を取り巻く他の登場人物たちもかなり個性的で、中には自分が重なるキャラクターもいたりしてキュンとなります。
    197Pの百合さんの「意識して距離は保っておきなさい」心に刻みます。

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    2025年09月20日
  • ネバーランドの向こう側

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    箱入り娘のつもりがなくても、少し知らないだけで小馬鹿にされ、結婚してないから苦労を知らないと偏見を持たれる。実家住まいだと、家事をやってても、何もしてない子ども部屋おばさんに見られる。
    居場所のない「お父さん」も、外では分からないけど、内では辛いよなぁ。

    この物語の関係性は、主人公の人の良さによって育まれてる。現代で出来るかしら。ちょっと危ないかな。孤独は嫌だから人と関わるけど、やっぱり孤独には変わりなくて。うまく自分と共存していけたらいな。

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    2025年09月07日
  • 人間みたいに生きている

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    真面目なとこ、そのくせ割と嘘ついても平気なとこ、相手にわかってくれるって思っちゃうとこ 結構自分と重なって苦しくなった
    ラストは感動 ボロ泣きした

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    2025年09月02日
  • 人間みたいに生きている

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    ネタバレ

    他者を自分の中に取り込むのが気持ち悪くて
    「食べる」とこが出来ない女の子が唯一心を落ち着かせる場所が町の外れにある「吸血鬼の館」と呼ばれる場所だった、、、
    あらすじだけ読むとファンタジーかなと思って読み進めたのですが、読んでいく内に
    ああそういう事なのか、、と。
    周りと同じように生きられないことに対するジレンマや何とかそれでも「輪」から外れないように合わせようと葛藤しながらも孤独という生きづらさもすごくリアルに描かれていて、苦しくなりました。
    それでも他者との交流の中で、互いの弱さや想いに気付いていく中で
    徐々に自分自身とも向き合い、生きる希望に向かっていくラストは
    本当に感動しました。

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    2025年09月03日
  • ネバーランドの向こう側

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    幾つになっても“こども”として可愛がられてきた主人公。
    30歳にして突然の事故で両親をなくしてしまう。いつまでもこどもだったので生活能力が皆無。なるほど、ネバーランド。
    世界が広がっていく様から夢を持つまで。

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    2025年09月01日
  • スターゲイザー

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    某事務所のアイドルが好きなので話がすごく入ってきやすかった。知っているようで知らない世界なのに、何故か共感して悔しくて苦しくて泣いてしまった。最後の描写に鳥肌が立った。好きなアイドルがデビュー発表する直前、数万人いるはずなのに誰も居ないくらいに静寂になった瞬間と歓喜の声のコントラストを思い出した。若様がもっとステージに立ちたいと思っているのと同じくらいに、いやそれ以上にファンはあなたの姿をずっとみたいと思ってるよ。

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    2025年08月27日
  • 人間みたいに生きている

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    分かってくれると期待し、傷ついて
    ならば相手を理解しようとし、傷つけて
    この堂々巡りから生まれるのは、悲しみや諦めなのか。読んでいると、身に覚えのある痛みを感じた。
    食べることが幸せは"私の"当たり前であることを忘れてはいけない...

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    2025年08月27日
  • 人間みたいに生きている

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     自分の心の未熟な部分と唯の思考が重なる部分が多々あり、苦い思いがした。
     自分と同じように他者にも苦しんでほしくて、理不尽に相手を傷つけたくなってしまうところであったり、自分の期待していた反応が相手から返ってこないことに腹を立ててしまう身勝手さであったり。そんなもの支配欲に近しいし、自分と他者の境界が曖昧になっている。曖昧になっているから、自分の想像が及ばない範囲の言動を取られると、ひどく裏切られた気持ちになってしまう。

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    2025年08月26日
  • ネバーランドの向こう側

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    かなり よかった!
    私のなかで次回の本屋大賞候補に入れたいくらい

    ずっと両親の快適な繭のなかで暮らしてきた実日子。でも、突然の事故でその繭から外に放り出されてしまう。実日子の自分の心に向き合う姿が本当に丁寧に描かれていたし、登場人物もみんなとても魅力的でよかったです。暗く落ち込む辛い本は苦手な人も、この作品は おすすめです。

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    2025年08月13日
  • ネバーランドの向こう側

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    文化センターで働く30歳の実日子は、実家で何不自由なく暮らしていたが、両親を交通事故で亡くす。

    合理主義の叔母が勝手に引っ越してきて同居することになるのだが、実日子の何も出来なさ加減に呆れる叔母に居心地悪くなる。

    叔母に無理矢理お見合いをさせられた相手の椎名さんとの交流で、ひとり暮らしをすることになる。

    住民たちとの触れ合いで気づきもあり、少しずつ成長していく。

    最後に「おばさん知らないの?悪い子はどこにでもいけるんだよ」言い返した実日子に変わっていく姿を見れた気がした。


    30歳でやっとそれらしい年齢に近づいていくのか…というじれったさを感じながらも、ひとり暮らしをすることで多少は

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    2025年08月12日
  • ネバーランドの向こう側

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    アラサー自宅住まいの娘がめちゃめちゃ刺さったと言うので読んでみました。
    確かに刺さるだろうなと言う内容でした。
    少しずつ変わって行くヒロインの成長を見守れて良かった笑

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    2025年08月05日
  • スターゲイザー

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    自分の推しも、いろんな苦労をして、私たちの前に立ってくれているんだなと感謝の気持ちを改めて抱くきっかけになった。

    推しがいる方はもちろん、アイドルって楽しく歌って踊るだけでしょ?と思われてる方にも読んでみてほしい。

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    2025年08月03日
  • ブラザーズ・ブラジャー

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    多様性のお話。

    キツすぎなくてPOPな内容でかわいらしい。
    これはきっと、ことの発端が下着だからかもしれないし、登場人物に決して悪い人がいないからかもしれない。

    なんとなーくあらすじをみて面白そうで買ってみたけど、素敵だった。
    現代の風刺ぽさもありつつ、ポップな内容。

    ストーリー性もコンパクトに纏まってて◎

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    2025年08月01日
  • ネバーランドの向こう側

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    2025/07/02予約 1
    大人になれば他人との常識的な付き合い方、距離のはかり方はわかってる顔をすることが多いが、知らないこと、わからないことを素直に口に出すのは愛情深く両親に育てられたからだろう。すぐにスマホで答えを調べ間違う事を極端に嫌がるイマドキの子とは違うタイプで、興味をひかれた。
    おばさんも実日子も近隣住民も、好きになれなかったけど話は面白い。

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    2025年07月28日
  • 鳥と港

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    「会社、燃えてないかな」で始まるこの物語、みなとは飛鳥と二人で文通屋さんを始めます。文通屋がビジネスになるかどうかは置いといて、二人の成長の記録がキラリと描かれてました。

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    2025年07月23日
  • ネバーランドの向こう側

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    注目している作家さんの一人、佐原ひかりさん。
    やっぱり好き。

    『人間みたいに生きている』でのヒリヒリ感、『スターゲイザー』のキラキラ感、そして今回は躍動感が堪らない。

    主人公は両親を事故で亡くした30歳の実日子。
    そんな実日子の家に突如乗り込んで来た叔母の順子。

    依存体質の実日子と合理主義な順子。
    水と油の様な二人の生活が上手くいく訳がない。

    一念発起して行動を起こした実日子の頑張りが清々しい。

    成長物語だと言うと陳腐だがユーモア溢れる展開の中に刺さる言葉がたくさんあって心地良かった。

    明日への希望を感じるハートフル小説。

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    2025年07月23日
  • ネバーランドの向こう側

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    新しい事に挑戦したら、世界が広がっていくお話。
    何かを手放す事も新しい事に挑戦する事も体力と勇気がいる。
    けど踏み出してみると案外簡単で新しい道がどんどん広がっていく。出来ない事を知る事で挑戦する内容が明確になる。
    主人公は30歳過ぎ、実家暮らしの箱入り娘。
    両親が事故でなくなって、急に1人になり不安と戦う中、新しい生活、たくさんの人に支えられて成長していく。そして小さい挑戦は、自分の自信に繋がっていく。

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    2025年07月10日
  • ブラザーズ・ブラジャー

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    ネタバレ

    急に新しい母親ができ、その上、年の近い弟もでき、しかもその弟がブラジャー好きで身につけている始末。まだ性同一障害であるなら受け入れる余地があろうが、そこはノンケ。

    んー、自分だったらこの状況受け入れられるかな?と思うところ、そこは優しい主人公であるちぐさは、理解しようと努める。

    なのにちょっと友達にブラジャー好きの弟を正確に伝えられずに妹と紹介し、怒られる始末。自分(弟)の前ではブラジャー好きを理解したように言ってたくせに、他人の前ではやっぱり隠そうとする的な感じで言われるが、そらそうやろと思うわけです。

    そら嫌やろ隠すやろ、何でも受け入れてやらなきゃいけない世の中についていけなくなって

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    2025年06月27日
  • 鳥と港

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     入社九か月で耐えきれず会社を辞めた文系大学院卒の二十五歳の女の子が、偶然出会ったある人と「文通屋」のお仕事を始めるお話。
     働くことに関する苦しさが積もって、もうこのままでは自分もしくは自分の大事な人が壊れてしまう、という極限までいってしまいそうなとき、自分なら何ができるか。…という問いへの、数多ある答えのうちの、ひとつ。そんな小説だと思った。
     この小説で描かれた答えで、誰もが救われるとは思わない。理想主義的すぎるとか、どうせ恵まれた人だからできることだとか、批判しようと思えばいくらでもできる。だけど、この人が苦しかったということは誰にも否定できない。本人も、そこは否定してはいけない。苦し

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    2025年06月22日
  • ブラザーズ・ブラジャー

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    「ふつう」でないことに寛容的であることが求められがちだけれど、本当は相手の「好き」を受け入れることが大切なのではないか。
    自分の本当に「好き」なものはなかなか他人には話しにくい。
    受け入れてもらえないと傷ついてしまうだろうから。

    再婚をきっかけに姉弟となったちぐさと晴彦は、家族になりきれていなくどこかぎくしゃくとしていたが、晴彦の「ふつう」でない秘密を共有したことで親密になっていく。
    他人というには近すぎて、家族というには遠すぎる曖昧な関係だからこそ、自分の本当の思いを打ち明けやすいのかもしれない。
    中高生特有の精神の不安定を抱えながらも、2人の向き合う誠意と真っ直ぐな気持ちが青春の青々しさ

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    2025年06月15日