佐原ひかりのレビュー一覧

  • 人間みたいに生きている
    自分ではどうしようもないことだからつらい、どうにかしたいけどままならないっていうのが切実に伝わる唯視点の文章で読んでて苦しくなった。食べる=幸せというあたりまえを崩されていく。
    真面目で潔癖な唯が、最後「ゼロか百かじゃなくてもいい」って思えて良かったし、泉さんに伝えにいくところにスカッとした。
  • 人間みたいに生きている
    食べられない理由は人それぞれ。食べ物が気持ち悪いとか、太りたくないとかね。
    食べない人を見ると、食べた方が良いと必ず更生(?)させようとする人がいる。

    私は食べないことを選択した人はそのままで良いと思っている。死なない程度に栄養取っていれば問題ない。
    実際、私も食事に重きを置いていない。料理する時...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    この痛みをわかって欲しい。
    ずっと心の中で叫んできた。
    少しでも理解して欲しいとか、
    わかって欲しいとか、
    そんかさな願望は叶うはずがない。
    分かってた。
    分かってたはずなのに期待してしまう。


    主人公は食べるという行為を気持ち悪いと感じ、食べたくないと願う少女だ。
    彼女の感じているものはなんとな...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    まず装丁が非常に良い。作中登場人物の顔・ファッション・躍動感を忠実に再現しているし、デザインも色合いも可愛くて最高。ストーリーも面白くフレッシュでテンポが良い。物怖じしない今時な女子高生、杏と無職38歳アラフォー女性、キヨエのクライムロードノベル。2人はどんな関係なの?としばらく読んでも全くわからな...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    上手く表現できないけれど面白かったー。

    多くの人からすれば食べることは幸せなこと。
    でも100人いても100人がそうではない。
    その少数派の中でもそれぞれの考え方や違いがあって。

    善意だと信じていたことが別の人から見ると苦痛を与えていることもある。

    吸血鬼が出てくる話かと思っていたら泉さんの病...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    食べる時の咀嚼や嫌悪感の表現が…。本当に辛い。という描写。1ページ目から引き込まれる文章でした。
    食べることが辛いと日常生活も辛くなる。
  • 人間みたいに生きている
    とても良い本でした。
    押し付けがましくなく、読み手に想像させてくれる余裕があって、退屈もしなくてよくて。
    欲をいえば、主人公と泉さんのもう一歩踏み込んだストーリーが読みたかったかなあ、
    でも、終わり方も心地よく◎
    この主人公に限らずヒトは周りに容易く話せない何かは持っているものだと思うので、そうゆう...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    ちょっと抜けてる被害者と、達観している美人女子高生の旅物語、と思ったら...!
    道中出てくる愛すべきサブキャラ達も面白いし、急いで駆け抜けていく青春が気持ちいい。
  • ペーパー・リリイ
    女2人のロードムービー。よくあるやつね、と思って読み始めたら主人公2人の掛け合い、ぶっ飛んだ展開にぐんぐん引き込まれた。やられた。
    そして最後には唖然。
    佐原ひかりさん、もう1人追い続けたい作家さんが増えました。
  • ブラザーズ・ブラジャー
    主人公のように、自分の中で「どうせ分かってもらえない」で完結させてしまうことが多いから、そういう感情やそれに対する周りの反応が上手く言語化されていて涙が出た。

    この小説はとってもよかったけど、現実はこんなにうまくいかないし他人とは分かり合えないことが多いよなあ。
  • ペーパー・リリイ
    騙された。
    びっくりした。
    ラストが面白かった。
    結婚詐欺師に騙されたキヨエ。
    結婚詐欺師の娘の杏。
    2人の珍道中。
    杏とキヨエと2人で百合を探しに行く冒険は、
    ハプニングもあり、どうなるのか?
    ワクワクした。
    高校生の杏の方が大人っぽく、
    キヨエの方が、泣き出したりそれを杏が慰めたり、子供っぽいと...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    面白かったぁ。一気読みした。結婚詐欺師に育てられた女の子と騙された女の一夏の思い出。ロードムービー好きだから、と思って読んだらやっぱ間違いなかった。途中出てくる登場人物たちも濃ゆくていい。ラストが意外でスカッとした!
  • ブラザーズ・ブラジャー
    好きなものを好きと言う、
    そこに他人の目があると、ままならないのがもどかしい。
    自分の感受性は自分で守るしかない。
    それでも、自分以外の誰かに認めてもらえると、本当に嬉しい。
    お世辞やその場しのぎの美辞麗句は、その瞬間騙されたとしても、後で余計に虚しくなるだけ。必ずわかる。
    「傷つけたくない」事なか...続きを読む
  • ブラザーズ・ブラジャー
    多様性って難しい。もし友人や恋人、家族が「普通」とは違うと知った時、認めてあげないとって思ってしまう。でも、認めてあげるって上から目線。「普通」と違うことで今まで色々な苦労とか苦痛を味わってきたんじゃないかと同情し、可哀想な人扱いをしてしまう部分があるように感じる。

    他人と同じ「普通」であることに...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    7人の作家さんのアンソロジー。
    どれも読みやすくて楽しめました。
    個人的には浅倉さんの作品が面白かったです。
  • 人間みたいに生きている
    食事に苦しんでいる主人公 唯の悩みが周りからすると、羨ましいと思われてしまうのがどうしても苦しかった。

    母の娘を型にはめるような厳しさも、父の味方をしているようで在り来りなことしか言えない適当さも全てが要因で唯を苦しめているのだと感じた。
    唯は唯で私は誰にも理解されないという考えのせいで、周りから...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    2024.5.2
    結婚詐欺師の娘とその人に騙された女性が旅するという面白い設定。
    軽いテンポですぐ読めた。
    最後の数ページで、そういうことだったの?!ってなった!
  • 鳥と港
    大学院卒業後、新卒で入社した会社を9ヶ月で辞めたみなと。仕事内容に対する不満以上に、会社という組織に属することが向いていなかったのか。悩み続ける彼女はある日、公園の草むらの中に隠された郵便箱を見つける。中には不特定の誰かに宛てた手紙が入っていた。その手紙の送り主・飛鳥との文通が始まり、やがて新たな挑...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    吸血鬼と人間の話だと思って読み始めたら人間だったことにびっくり

    私も食べずに生きられる身体が欲しいと本気で思っていたので共感できるところは多かったです。
    泉と唯がそれぞれの人生に落とし所をつけらることを願います。
  • ペーパー・リリイ
    ありえない組み合わせと、ありえないハプニング続きの逃避行だけど、軽快でテンポが良くサクッと読めた。登場人物のキャラも濃く、えなっちゃんは夏木マリさん‼︎
    最後にオチがあって、読後はスカッと爽やか。
    面白かったんだけど、個人的には「ブラザーズ・ブラジャー」みたいな感情を揺さぶられる系の方が好み。