佐原ひかりのレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSにうっすら蔓延る嘘をテーマにしたアンソロ。お気に入りは、炎上したVtuberの浅倉秋成「かわうそをかぶる」と、本当にホラーが起こるアプリの新名智「霊感インテグレーション」。石田夏穂「タイムシートを吹かせ」はらしさが凄い。これ絶対将来的読み直したい。

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    2025年05月04日
  • 鳥と港

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    「ふつう」に我慢して働くことに限界を感じ、入社1年を迎える前に仕事を辞めた主人公みなと。
    散歩中に見つけた箱の中に手紙を見つけ、箱を通じて飛鳥との文通が始まる。
    ある日箱がある場所で鉢合わせた飛鳥は、みなとの予想に反して男子高校生だった。
    高校に通わない選択をしている飛鳥と交流するなかで、みなとと飛鳥の2人で文通屋を仕事として始める案が動き出す。

    仕事や働き方がテーマの本作だけれど自分には、人間関係で傷ついてしまったときの痛みや傷つけてしまったときの痛みがリアルに描かれていることが一番印象的だった。
    みなとと飛鳥が互いに傷つくことも傷つけることもありながら、自分のなかで消化したり謝ったり、許

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    2025年04月28日
  • スターゲイザー

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    これは、某事務所のファンは読んじゃダメだ。ここ数年の動きと、昨年末からの動きと、現状とに重なる部分が多すぎて素直に作品だけを楽しめない。半年後に読んだらもっとしんどい可能性あるし、昨年末あたりに読んだ人がいたらその時期が一番キツいかもしれない。
    内容は凄く面白かったはずなんだけど、自分のファンとしての体験がかなり邪魔をする。邪魔というか、作品に対してじゃない余計なことに気を取られるというか。
    彼らが現実に居たら私は確実に蓮司推しを名乗りながら透くんのグッズを買い漁ることになると思う。

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    2025年03月26日
  • スターゲイザー

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    アイドルデビューを目指す主に10代6人の成長ストーリー。
    正直全く興味のない世界であり、自分から最も遠い世界だと思いつつも気になり読んでみた。
    栄光と挫折が入り混じった青春物、ありがちなものだけど、芸能界のドロドロしたものもそれほど感じさせず瑞々しく各々の物語が個性にのって展開する。

    愛は不可逆
    戻せるものなんてたいした価値はないんだと思うんだよね
    一番成長したように思えた遙歌、覚悟を示すピアッサーは戻せない価値を感じた。

    スターゲイザー
    時間、環境としがらみ、制限のある中、タイムリミットの迫る若さま。本当に時間は有限だと思い知らされる。
    全く馬鹿親には腹が立ちぱなし。精神の弱さで若者の足

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    2025年03月22日
  • 鳥と港

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    「やってみようか。文通屋さん」
    「ないなら、つくっちゃえばいいんですよ、仕事」

    無職のみなとと不登校の飛鳥。
    タイパ重視の時代、ふたりが始めたのは
    スローで温かなコミュニケーション

    “これから”の働き方の物語
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    温かくて優しい本を読みたくて手に取りました。
    佐原さんはアンソロジーで短編を読んでいて、
    気になっていた作家さんです。

    映画になりそうな一冊だなと思いました。

    みなとの苦しさや悩みも理解できるし、
    飛鳥の学校に対する違和感も。
    そこから文通屋

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    2025年03月14日
  • ブラザーズ・ブラジャー

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    ネタバレ

    初めての作家さん、非常によかった。

    再婚でできた姉弟。なんとなくで仲直りなんて無理な脆い繋がりの家族。

    思春期同士の姉弟がこんなにも心を開けるのだろうか。
    多感で繊細な時期の友情や恋人関係、
    こんなにもお互いが自分を出して、相手を受け入れられるのだろうか。

    と、若干現実離れは否めないものの。
    でも、こんなにも人と人とがぶつかり合って
    認め合えたら、いい関係を築けるだろうなとも思った。

    普通よりも、好きを大切にする。

    そりゃそーでしょ!と、思いながらも
    人目や建前を気にして、なかなか実行できない世の中だから
    晴彦の真剣さや、素直さがかっこいい。


    好きだって気持ちを大事にしたい。

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    2025年03月11日
  • スターゲイザー

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    ネタバレ

    デビュー前の男性アイドルたちの話がそれぞれの視点から語られていく。

    本人が語り部の時には無気力系アイドルに感じた透が、他の語り部の時にはかなりの努力家で、かつ効率の良い練習ができてるメンバーだって分かる。

    最後の若さまの話が一番感情揺さぶられた。
    これから体と心がついていけるペースや方向でやっていける事務所になってほしいな。
    緩やかに推してるグループと重なる部分があったし、色んなことを推しがちなオタクとしては推される対象が「できるだけ長く、自分の意思で活動できるようにするために」って考えてくれるのが凄く嬉しい。

    若さまがアイドルの活動が好きだって気づいて、ずっと続けたいと漸く自分のやりた

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    2025年03月06日
  • スターゲイザー

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    章ごとに主人公が変わる、よくある連作短編集ではあるけど、少年アイドルの卵という設定が新鮮。女性作者なのに男子校ノリがうまく描かれていると思う

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    2025年03月05日
  • スターゲイザー

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    ネタバレ

    ラスト……えっ!?
    これは、都合良く考えていいやつですか…?
    自分もデビュー前の男性アイドルを応援していた時期があるので、胸を傷めながら読みました(苦笑)辛いからこそ輝くなんて言葉は、本当は好きじゃない。でも、その辛い経験が彼等を輝かせていくのは間違いない。全員幸せになってくれ。アイドルになってくれて、ありがとう。

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    2025年02月25日
  • ペーパー・リリイ

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    詐欺の被害者と加害者の姪の旅。個性的な人たちに会いながら旅がサクサク進んでいきます。ほぼ一気読み状態で読み終わりました。どんな目に遭ってもどんな立場でも自分の未来は自分で切り拓くしかないって思いました。最後はやられた〜って感じですね。面白かったです。

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    2025年02月22日
  • スターゲイザー

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    初めての作家さん
    最初は良くつかめなくて・・・
    だんだん・・・なるほど
    終わって・・・ほ〜〜〜

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    2025年02月08日
  • スターゲイザー

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    アイドルに推しがいる人たちには刺さる本。我々が消費するエンタメの裏側には、それぞれ出役の人生があることを改めて感じさせられる本。命を燃やして輝いてるからこそ美しい。だからこそ儚くて脆い。

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    2025年01月29日
  • 鳥と港

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    たっぷりと時間をかけて相手を思いしたためた手紙、それをどんな封筒でどんな切手で送ろうかと悩む時間は楽しくてそれに返事が返ってくることの嬉しさは格別なものだ。
    そんな手紙をきっかけに出会い、仕事のパートナーとなった飛鳥とみなと。
    恋愛ではなく友達でもなく家族とも少し違う、軽口を叩きあったり喧嘩もするけれどお互いの行動や言葉に影響を受けあって高め合う存在となっていく。
    なによりお互い大切なパートナーだと思っているのが2人のやりとりからびしびし伝わってきてその尊さに何度もくらった。
    この物語からしか得られない栄養がある。

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    2025年01月19日
  • 鳥と港

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    高校生の飛鳥君と、9ヶ月で仕事をやめたみなとがクラファンを使って文通を仕事にするお話。起業?をしたとき、ちょっと大丈夫なの~って心配しちゃいました。でも、飛鳥君とみなとの親は反対せずに見守ってて。ただただ凄いなっと…
    登場人物達のキャラが本当に良かったです。中でも飛鳥君の父親が一番好きかな。あと、みなとと派遣の下野さんとの会話が印象に残った。下野さん大人だわと思ったし、みなとみたいに最初から社員で入ったら失礼なこと言っちゃうのも普通だと思う。会社には派遣さんも契約社員も社員も時短社員も色々な人が色々な背景を持っていること入社前に知っとくのも大事だと思う。
    やっぱりお手紙良いですね。みなとと飛鳥

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    2025年01月18日
  • 鳥と港

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    ネタバレ

    「人と話す時、薄い膜を張っていて、本心はいつも隠している。もしかすると、あなたに対しても多分そういうときがある」と親友に話したことがある。当時、心から親友だと思える人をあえてつくらない選択をしていたように思う。
    その子に誕生日プレゼントとして貰ったのがこの本。もしかしたらそんなつもりはなかったかもしれないけど、この本を通して、メッセージをもらった気がした。優しさをそばに感じて、いますぐ親友のもとへ走っていきたくなった。みなとさんも、あすかくんも、自分の発した言葉に誠実に向き合う姿が本当に素敵だった。


    ・自分もそうです。ヤギの話だって、いつもなら父親にむかついて終わるだけなんですが、今日は

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    2025年01月12日
  • 鳥と港

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    年齢的には大人である主人公が驚くほど拙く、眩しいほどまっすぐです。
    心に留めておきたい言葉がたくさんありました。
    卒業式を回想するシーンが好きです。

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    2025年01月06日
  • ペーパー・リリイ

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    ネタバレ

    これは本当にネタバレ厳禁なので、これから読む方は感想の続きを読まないで!(笑)



    主人公の杏視点で読んでいたから、ラストを読んだら、キヨエの行動の全て、見え方が変わる。

    杏の、結婚詐欺師のこどもというアイデンティティ、そこでしか自分の人生を考えられなかったり、自分を語れなかったりすることの虚しさ。
    大人は杏が思うほど、善良じゃない。キヨエもえなっちゃんも。そのことが、ある意味この少女にとっては希望になるんじゃないか、と考えたりした。
    少なくとも、今後、杏は「返さなきゃ」と考え続けることはしないだろう。
    キヨエの「与えて、返されなかった感覚が新鮮で」「逃げちゃうのもあり」と語り、それを実行

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    2025年01月01日
  • ブラザーズ・ブラジャー

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    よかった。
    片親同士が再婚して姉弟となった、ちぐさと晴彦。その2人が少しずつ家族になっていくお話。

    自分のまっすぐ気持ちを伝えるとか、気まずくても自分の非を認めて謝るとか、恥ずかしかったり億劫だったり怖くて勇気が要ったりするけれど大事なことを改めて教えられた。

    互いにいろんなものを抱えながらぶつかりあってわかりあっていく姉弟の姿がよかった。

    ☆4.0

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    2024年12月06日
  • ペーパー・リリイ

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    キヨエ〜〜!

    杏の子供ながら大人ぶっちゃう感じとか
    最後の終わり方とかそれぞれのキャラの濃さとか
    全く飽きさせずに読ませてくれる。

    2人ならではの絆が芽生えるのかな、、
    なんてそんな甘っちょろい話じゃなかった。

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    2024年12月01日
  • 鳥と港

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    手紙が届いて開ける瞬間は何とも言えない幸せな気持ちになる。ゆっくり届いて、ゆっくり返ってくるのもいい。

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    2024年11月24日