佐原ひかりのレビュー一覧

  • 人間みたいに生きている
    自分の当たり前は人の当たり前ではない。吸血鬼と少女で【食べられない】という最終地点は同じでも食べたくても体が受け付けない吸血鬼と食べれる体があり食べれるけど食べたくない少女。最終地点が同じでも過程が違うとすれ違いが起こるよね。衣食住できることが幸せという考え方あって食べることが生きがいの人寝ることが...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    佐原さん、初めて読んだけど、個人的には好きだなぁと思った。そして読みやすい。
    食べること=幸せ、って意識したことなかったけど確かにそれが世間の常識みたいなところあるよなと考えさせられた。食事を題材にした小説が多いのもめちゃめちゃわかる。
    周りと違うことはおかしいこととされる世の中で、どれほど生きにく...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    佐原さんの作品は、いつも鋭いところをグサグサ突いてくる。
    それがまたいい。

    衝撃的な冒頭から始まる本作。
    決定的に人と違っている部分があって、分かり合える相手がいない孤独。
    常に周囲の目を窺って擬態するように生き、苦痛に耐える毎日。それがこの先もずっと続くとしたらーー。

    そんな唯の前に現れた唯一...続きを読む
  • 人間みたいに生きている
    私は、食べるのが幸せで好き嫌いなく食べている。悲しいことがあっても、お母さんの作ってくれるご飯を食べればたちまち元気になる。
    そんな私にとって、食べること自体が苦痛という感覚は大きな衝撃だった。
    皆んな食べることに幸せを感じていて当たり前だと思っているので、それが気持ち悪いと感じる主人公の生きづらさ...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    詐欺師の娘(姪)杏と騙された女キヨエのロードノベル。一夏の体験ならぬ危険がてんこ盛りの道中。テンポのいい会話とやぶれかぶれの行動力。たどり着いた幻の百合の世界には少し感動して、驚愕のというか、さもありなんというラスト。面白かったです。
  • ペーパー・リリイ
    結婚詐欺の被害者「キヨエ」と、その詐欺師の娘「杏」
    二人の掛け合いが軽快でするするっと読める。

    詐欺師をぎゃふんと言わせるための一週間の旅。
    道中で二人の抱えるものが見えてきて学びも多い一冊。

    ラストでのどんでん返しは見事!
    どこから伏線張ってたんだろうなー。
  • ブラザーズ・ブラジャー
    著書を読むのは「ペーパー・リリイ」に続いて二作目。 
    前作に続いて本作も大満足!!
    もうね、佐原さんの言葉がいちいち刺さる。

    親の再婚で出来た義理の弟・晴彦がブラジャーを着けていた。頭に浮かぶ「LGBT 」の言葉。
    義弟の晴彦や年上の彼氏、クラスメイト。
    会話に違和感や嫌悪感を感じても、上手く取り...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    面白かった!!
    テンポの良さと明るい雰囲気、言葉の選び方もいい感じでした。

    詐欺師の子どもの杏と被害者のキヨエは、ひょんなことから二人で1週間限定の旅にでることになる。
    まず二人の関係からして一緒に旅をする状況が現実離れしている。
    そんな二人の豪遊の旅は、道中何度もすったもんだがあって、どうなるこ...続きを読む
  • ブラザーズ・ブラジャー
    私も他人のことを陰キャだって言う人は好きになれない。自分のことを陰キャだと卑下するのはいいけど。
    自分の方が優位なんだ、立場が上なんだと潜在的に思っていることが怖い。

    多様性を本当の意味で受け入れることは大変なことだと思う。一方で、受け入れるように繕うことは簡単だ。繕うのでは無く、こんな人もいるん...続きを読む
  • ペーパー・リリイ
    無敵な杏とちょっと残念なキヨエの旅の終わりでしんみりして最後にまさかやーとなる。

    えなっちゃんもヨータもカッコよくて、でもカッコ悪くて、杏やキヨエを含め登場人物を甘やかさないところもとても良かった。

    「でもね、わたしよりきもちよくなっちゃだめよ」
    はキョエから杏に対してだけじゃなくて、この小説に...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    SNSが題材なだけあって「ありそう…」と怖さとふむふむが混同した読後感。

    笑ってよいのか怖がった方がよいのか…。
    さまざまな切り口のアンソロジーならではの楽しさもありました。
  • ブラザーズ・ブラジャー
    多様性を受け入れるべきという机上の空論と、実際に目の前にある多様性を受け入れる事との違いを考えさせられる小説だった。
    マイノリティに堂々と差別的な発言をする人間を見れば心底軽蔑して、自分は理解のある側の人間のような誇り高い気持ちになることがある。でも現実に、例えば自分の家族に何かしらのカミングアウト...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    ⚫︎感想
    エンタメの短編集。全体を通して面白かった。
    石田夏穂さんの作品全部読みたい!という動機で読んだため、最初に読んだのは石田さんの「タイムシートを吹かせ」。石田ワールド全開、しかもちょっといい話で終わっていて良かった。レジェンドはレジェンドたる歴史を持っていた。
    「かわうそをかぶる」浅倉秋成さ...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
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    画面の
    向こうに
    隠された

    秘密と嘘
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    仕事帰りの書店で見つけて購入しました。
    「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフがあるということで。

    7作品中、6作品が平成生まれの作家さん。
    時代...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    浅倉秋成さん  かわうそをかぶる

    人気音楽クリエイターが殺された。その犯行動機は『VTuberを守るため』だった。主人公の女性に共感できる部分も沢山あり親近感が湧いた。 
    最後の展開に驚き、見返す面白さがあった。

    大前栗生さん  まぶしさと悪魔 
    動画がバズり、カリスマとなった女子高生の海荷は神...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    注目作家のアンソロジー作品

    SNS、Vtuber、SNSによるバズり、マッチングアプリ、若手社員と再雇用者のネットリテラシーの差異
    今の自分達にとっては馴染み深いテーマでとても読みやすい作品だった
    もちろんアンソロジー作品なので好き嫌いは多少なりとも出てしまった。

    かわうそをかぶる
     どうしてこ...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    嘘がテーマのアンソロジーであり、各作品で何が嘘に当たるのか?を考えながら面白く読めた。1つ目の『カワウソをかぶる』がインパクト強すぎる。あーこっちの人やったんかい!ただのASD(解離はあるかも?)かと思わせといて自分が気持ち良くなるためならどんな事でもやっちゃうサイコパス人格の居る解離性障害やったん...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!
  • 人間みたいに生きている
    1ページ目ですでに愕然とさせられる。

    まず、「食べる」という行為をここまで気持ち悪く描写することができるとは!という驚き。

    もうひとつは、「食べる」という行為は喜びであり幸せである、という概念を、疑ってこなかった自分への衝撃。
    自らの思慮の浅さを眼前に突きつけられたような。


    《身体が流れる方...続きを読む