秋友克也のレビュー一覧

  • WATCHMEN ウォッチメン

    購入済み

    あまりにも面白かった

    1987年にこの作品がもう世に出ていたなんてビックリ。
    オチ含めてこの作品はもうアメリカンコミックとしての頂点の1つだと言っていいだろうというぐらいに面白かった。
    魅力的なキャラクター達が織りなす物語や各人が持ってる哲学や思想がほんとうに重厚で
    こんなにすごい作品が1987年にもうあったという事に驚きしか感じない。
    Drマンハッタンの時間の並びがまっすぐになっていない思考回路の表現や
    2代目ナイトオウルというキャラクターの表現の仕方
    成功したヒーローであるオジマンディアスとコメディアン
    原初のヒーローフーデッドジャスティス
    そして何よりも誰よりもロールシャッハ。その魅力があまりにもすごかった。
    ロールシャッハとナイトオウルの友情はちょっと最後まで読むとウルッときてしまう

    #ダーク #カッコいい #感動する

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    2025年05月08日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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    とにかく凄い!圧巻!!

    アメコミが80年代にこんな次元に到達してたなんて!

    この密度で、このストーリーを描き切った事がアメコミの奇跡だと思う。

    本当に圧倒的でした。

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    2025年04月14日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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    ネタバレ

     本編を読み終えたのは、6月の半ば頃だったと記憶しているが、巻末の付録まで読んでから感想を書こう、と考えているうちに、8月が終わろうとしている。
     とにかく情報量の多い漫画で、興味深く読み続けていても、中々残りのページがなくならない。こういう漫画は初めてかもしれない。
     当初はDC作品のヒーローを用いて、そのキャラクター自体の経てきた歴史なども織り込んで、メタ的なコンテクストを包摂する、というような構想だったらしいが、目論見が外れて、オリジナルのキャラクターで話を展開することになってもなお、依然としてその試みは有効に作用していたように感じた。
     暗い時代、恐怖に覆われた1985年が、ヒーローを軸に重層的に描かれていく。世代に跨ったヒーローたちの歴史は、物語の重厚さを担保すると同時に、独立した世界であるにも関わらず、現実で描かれてきたスーパーヒーローものを意識せざるを得ず、また彼らの歴史的変遷と物語を接続する。すわ予習が必要か、と思われるほど、重厚なバックボーンが匂わせられるが、次第にそれらが詳らかになっていくのが興味深い。
     ストーリーラインが素晴らしいというより、どこをとっても多重に意味が折り重なっていたり、様々なテクストで物語が補強されていたりと、ストーリーテリングの巧みさ・面白さが関心を引いた。
     コマ割や絵柄はさして好みではないが、マッチカット的な重ね合わせの演出が多かったり、アラン・ムーアの作劇の仕方が巻末で垣間見えた点は楽しめた。
     丁度、相互理解への理想を抱くばかりで、何もできない自分に嫌気が差していた時期だったこともあり、面白く読んだ。ただし、共通の脅威によって、世界が一つになることは恐らくないだろう。

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    2023年08月23日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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    Who watches the watchmen?(誰が見張りを見張るのか?)
    SF文学の最高峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞し、タイム誌の長編小説ベスト100にも選ばれた、グラフィック・ノベルの最高傑作!アメリカン・コミックがたどり着いた頂点がここにある――。2009年3月公開映画原作。
    1985年、東西冷戦下のアメリカでは、核戦争の危機が目前に迫っていた。そんなある日、ひとりのニューヨーク市民が殺害される。政府により禁止されたヒーロー活動を続けていたロールシャッハは、独自の調査で、殺害されたのが、かつての仲間コメディアンであることを突き止める。これはヒーロー抹殺計画の第一段階なのか?
    事件を追ううちに、ヒーローたちはそれぞれの心の闇に直面し、やがて世界を根底から覆す巨大な陰謀に巻き込まれていく……。
    スーパーヒーローが実在する、もうひとつのアメリカ現代史を背景に、真の正義とは、世界の平和とは、人間が存在する意味とは何かを描いた不朽の名作。アメリカン・コミックがたどり着いた頂点がここにある。
    スーパーヒーローの人間性を描き切った複雑な人間ドラマ(シルクスペクターはスーパーヒロインの母の期待に応えるために2代目シルクスペクターになった、娼婦だった母を憎んでヒーローになったロールシャッハ、裏の汚い仕事を引き受けていて暴力を生きがいにしているコメディアン、フィギュアを売って富豪になったオジマンディアスなどのスーパーヒーローの人間的な面、人間の愚かさ野蛮さに嫌気が差したドクター・マンハッタンと自分の気持ちを察しないドクター・マンハッタンに寂しさを感じ自分を愛してくれるナイトアウルに心が傾くシルクスペクターの愛憎関係、核戦争の危機やスーパーヒーロー狩りに怯え引退していたけどロールシャッハの危機をきっかけにスーパーヒーローとして立ち上がるナイトアウルとシルクスペクターの葛藤と決意、世界を救うために途方もない計画を実行するオジマンディアスなどスーパーヒーローの葛藤と決意を骨太に描いた熱い展開)と激動のアメリカ史の中でそれぞれのスーパーヒーローが何が本当の正義なのか人間に救う価値があるのか苦悩する骨太なストーリーが組み合わさって、アメコミを超えた、文学作品であり、衝撃のラストに善悪の観念を揺り動かされるはず。

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    2022年12月17日
  • バットマン:キリングジョーク 完全版

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    『ウォッチメン』の鬼才アラン・ムーアが描く、ジョーカー誕生譚!
    全ページ再カラーリングによる完全版でついに復活!!大ヒット映画「ダークナイト」で故ヒース・レジャーが演じ再び脚光を浴びた狂気のキャラクター「ジョーカー」。彼はいかにして誕生したのか? 「バットマン」ファンならば必読の内容!!
    アーカム精神病院から最凶の犯罪王ジョーカーが消えた。脱獄に成功したジョーカーは、ゴッサム市警本部長ゴードンを拉致し、さらにその娘バーバラを刃にかける。
    フリークスの集まる遊園地で繰り広げられる悪夢の饗宴……はたしてジョーカーを狂気に駆り立てる過去とは何なのか? 最悪の一日が幕を開ける…。
    「ウォッチメン」のアラン・ムーアが、ジョーカー誕生秘話に挑んだ衝撃作。
    ジョーカーが、アーカム刑務所を脱獄した。ゴードン署長の娘バーバラを撃ち陵辱し、ゴードン署長をフリークショーに放り込んで悪と狂気に染めようとする。ジョーカー誕生の秘密、バットマンとジョーカーの最後の結末は?
    人間の本性は、悪だと思い込み狂気じみた犯罪を繰り返すジョーカーとあくまでも踏みとどまろうとするバットマンは、究極の問い(人間の本性は、悪なのか?)を読者に投げかけます。
    クリストファー・ノーラン監督版バットマンのジョーカーのキャラクターを作り上げる時に、参考になったグラフィック・ノベルです。

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    2022年12月17日
  • DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト

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    「バットマン・ダークナイト・リターンズ」
    悪徳と退廃の街ゴッサムシティから、闇の騎士バットマンが、消えて10年。55歳のブルース・ウェインは、己の魂の呼びかけに突き動かされるように、ついに復活を決意する。ゴッサムシティにはびこるギャング団ミュータントを倒し、自分の部下にし、バットマンに憧れて弟子入りしたキャリー・ケリーを相棒に、整形手術に成功するも邪悪な本性をむき出しにするトゥーフェイス、アーカム精神病院に収容され廃人寸前になっていたがバットマンと最後の対決をするべく脱獄をするジョーカー、政府に雇われて工作員に成り下がっているスーパーマンと戦う。東西冷戦の混迷の中、バットマンの復活は、様々な波紋を投げかける。
    老いてなお、孤高なる戦いを続けるバットマンの姿を通して、正義、信念、男の生き様をハードボイルドに描いた名作グラフィックノベル。
    老いてなお犯罪への憎しみに取り憑かれ自分の信念を貫くために、身体がボロボロになりながらも、偽善的なマスコミに非難され体制に逆らいながら貫くバットマンは、孤高のサムライを思わせる美学を感じて、心奮わせるものがあります。
    ブルース・ウェインとキャリー・ケリーとの疑似親子的な師弟関係、バットマンが街のギャングを教え導き「バットマンの息子」という自警団グループを結成してゴッサムの混乱を沈めたり、犯罪者の人権ばかり大事にするマスコミや政府に対するフランク・ミラーの反感や社会に対するメッセージ性も濃く、ベインのようなゴツいミュータント団リーダーとのガチンコな肉弾戦や最狂のジョーカーや特殊アーマーを装着して挑むスーパーマンとのバトルなどスーパーヒーローとヴィラン同士またはスーパーヒーロー同士のバトル、このグラフィックノベルは、クリストファー・ノーラン監督版やザック・スナイダー監督版バットマンに大きな影響を与えました。

    「バットマン・ダークナイト・ストライクス・アゲイン」
    「バットマン・ダークナイト・リターンズ」のラストで、スーパーマンとの対決の後、死んだと見せかけ地下に潜伏したブルース・ウェインは、新しくロビンとなったキャリー・ケリーをリーダーにした「バットボーイズ」を結成するために基地や装備や訓練の準備に入った。それから数年後、レックス・ルーサーが、アメリカの実権を握り、スーパーマンやキャプテン・マーベルやワンダーウーマンを大事なものを人質にしてコントロールしていた。ブルース・ウェインは、潜伏していたグリーン・ランタンやフラッシュと再会し、ルーサーに縛られコントロールされているスーパーマンやキャプテン・マーベルやワンダーウーマンを解き放ち、腐敗したアメリカを立て直すために、ルーサーに立ち向かう。だがさらなる強敵が、立ち塞がる。
    「バットマン・ダークナイト・リターンズ」に続く「ダークナイト・ユニバース」第2作。
    犯罪への憎しみと妄執を鉄の信念に変え、ジョーカーなどのヴィランだけでなく警察や政府に立ち向かうバットマンの戦いをハードボイルドに描く作風は変わらないけど、バットマンを中心にグリーン・ランタンやフラッシュやワンダーウーマンなどが結集してルーサーに立ち向かう展開は、「「ダークナイト・リターンズ」の影響でハードになり過ぎたヒーローコミックにスーパーヒーローへの憧れや楽しさを取り戻したかった」というフランク・ミラーのインタビュー通りのスーパーヒーローの活躍を見る楽しさに溢れている傑作グラフィックノベル。

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    2022年12月17日
  • キングダム・カム 愛蔵版

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    僕が好きなアメコミの一つがこれ。
    カラフルで圧倒的なビジュアルの元で描かれるヒーローたちの愛憎のドラマが面白い。
    主人公はスーパーマンだが、このスーパーマンが一番カッコいいと思う。

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    2022年08月28日
  • キングダム・カム 愛蔵版

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    アレックスロスの美麗なビジュアルによるDCクロスオーバー。主人公はスーパーマンですが、曲者の極みのようなバットマンと、強烈な存在感を放つキャプテンマーベルが無茶苦茶カッコ良いです。

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    2022年08月01日
  • DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト

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    バットマン世界に多大な影響を与えたダークナイトリターンズと、続編ダークナイトストライクアゲインがセットになった一冊。
    ストライクアゲインはあまり趣味に合わなかったですが、リターンズがやはりとても良い。
    最強の敵との戦いがとにかく熱いです。

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    2022年06月01日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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     誰が見張りを見張るのか。

     歴史的グラフィックノベル。
     時折読みたくなる魅力にあふれた作品です。

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    2022年05月01日
  • バットマン:キリングジョーク 完全版

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    ネタバレ

    アラン・ムーアのコミックはだいたい長くて読むと、強烈な虚脱感に襲われるのだけれど今回は無駄なものを一切削っていて読みやすい。DCコミックの雰囲気も分かるから、初心者にもお勧めできる。

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    2022年01月26日
  • V フォー・ヴェンデッタ

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    映画では描かれていないVとイーブィーの二人で暮らしていた細部まで描かれています。映画ではないラストがあります。アメコミを読んだのはこの本が初めてでした。

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    2021年02月21日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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     まるで映画でのズームイン・アウトのような、背景の拡散や収束を見事に描く描写力に、グッと引き込まれたと思ったら、そこは描かれることのなかった、アメリカの戦史の闇……。第三次世界大戦にもしもヒーローたちが関わっていたら? という、イフストーリーでありながら、圧倒的なリアリティで、実在するパラレルワールドかとすら思う。

     関わるヒーローたちも、アベンジャーズのような特殊能力があるわけでもない、ただのコスプレ軍団。逆に、たった一人特殊能力を持つ者は、未来予知や巨大化、惑星間のテレポーテーションに、サイコキネシスや「無の空間から物質を創造する」などの力を扱う、まさに全知全能の神のような存在。何、このバランスの悪さ。めっちゃ面白いやん。

     メインストーリーは「引退したヒーローが、同じく引退したヒーローの暗殺事件に隠された陰謀を暴く」というミステリー的な流れを保ちつつ、ヒーローとしてのアクションシーンや幻想的で哲学めいた演出を絡めながら、「本物の正義とは何か」と言うテーマに向けて、一切ブレずに進んでいく。

     大学生の時に映画で見た時はよくわからなかったけど、今この結末を改めて読んで、すごく納得してしまう。
     そして、残念だな、とも思う。
     世界は、こんな形でしか平和になれないんだな、と。

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    2019年12月13日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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     これは、1986年から1987年にかけて出版されたアメリカのグラフィック・ノベルを翻訳したものだ。
    原作は、2009年にザック・スナイダー監督によって映画化されている。映画化については、テリー・ギリアムがチャレンジして頓挫していたものをザック・スナイダーによって実現されたのだと言う。今回、映画を観てから原作を読む順番となったが、原作と映画版を比べると感心する。ぶ厚く、入り組んで、暗い苦味に充ちた物語をよくも料理して映画にしたものだと思った。結末が変更されているけれど、ザック・スナイダー版は本作を理解するための一助になるかもしれない。とは言っても、本作が難解なわけではなく、その圧倒的で、重層的な語りに眩暈を感じさせられるので、映画版で整理されたストーリーは大海を渡る櫂になり得ると思うのだ。
     この物語の背骨となるプロットは、殺人事件の謎を追うダーティな探偵ストーリーだ。そこにアメコミ(アメリカン・コミック)のヒーロー・ファンタジーが中年太りして重なり、その主軸に沿って黙示録的SFが螺旋を描き、ダークな街を背景にベトナム戦争と冷戦がレリーフとなるアメリカ現代史が苦渋を噛むシルエットを見せ、核の不安と恐怖、暴力とレイプ、挫折と後悔、憧憬と幻滅が、正義と狂気への問いかけが渦を巻くのである。しかもこれらすべてが、凝った重層的構成で語られて行く。
    その構成のひとつで目につくのが、章間に挿入される様々な文章(引用、抜粋、新聞記事の切り抜き、インタビュー記事、警察の調書、精神科医のメモ等々)である。例えばそれは、マスクを被ったヒーロー(ナイトオウル)となって犯罪と戦い、引退した男が書いた自伝の抜粋である。
    すなわち、物語のアメリカは、覆面を被った自警団=スーパーヒーロー達が実在する世界となっている。彼らは「悪い奴なんか、やっつけちゃえ!」という幼稚な正義感情に鼓吹され、アメコミの紙面から表通りに飛び出て大人になってしまったのである。そこで現実の網に搦め捕られ、泥に沈む。背を丸めて、ポケットに手を突っ込み、見て見ぬふりをして通り過ぎるしかない、人間の愚かさに溺れる。拳と道具で戦うスーパーヒーローは少しもスーパーではなく、卑小で滑稽な自警団として法律で禁じられてしまう。
    では、サイエンス味のフィクションであるヒーロー=DR.マンハッタンはどうだろうか。絶対のスーパーパワーを持った彼は、徐々に人間味を失っていきながらも人間の愛憎に振り回される。宇宙の秘密を観照することは、一向に問題を解決しない。DR.マンハッタンの姿は丸裸の現実逃避に見えてくる。そしてそのスーパーパワーを持ってしても、核戦争の危機を押し止めることはできない。陰鬱な不安と恐怖が、コマの各所に記される。例えば、新聞の見出し、ポスターのキャッチコピー、壁の落書きなどが、近付く核戦争による破滅を囁く。
    いったい、スーパーヒーローの活躍に胸躍らせた古き良き時代、子供の頃はどこへ行ってしまったのだろう。しかし、ショートケーキじみた子供時代など幻想なのだ。ロールシャッハ=ウォルター・コバックスの少年時代のように、ささくれ立った、粗暴な現実こそが追憶の真の姿なのではないか。
    では、大人になればいいのか。オジマンディアス=エイドリアン・ヴェイトのように、大人になって、ビジネスの波に乗ることが正しい選択なのか。その選択の果てには、ついに成長しきれない「やっつけちゃえ!」という感情が、大人の論理を携えて、狂気の振舞いに及ぶだろう。そうして物語は、あまりにも悪い冗談でしかないカタストロフへと墜ちていくのである。
     ここに、社会の真の姿があるとは思わない。誇張され、パターン化したイメージが描かれているだけだ。
    しかし「ウォッチメン」には物語の真の力が溢れている。読む者の頭を揺すぶり、地獄の劫火を思い出させてくれる。どこから齧っても、こちらの口の中は苦い味でいっぱいになる。その上この苦みには滋養などこれっぽっちもない。だが、これを読まずして何を読むのだろう。べったりとした色彩に塗られたコマの隅から隅へ、ページの端から端へ、舐めつくす視線で読み進み、歪んだ、膨張した想像力の実在を感じ、その坩堝の只中に飛び込むことこそコミックの喜びなのだ。

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    2015年12月09日
  • DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト

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    バットマンのアメコミはこれが初めてだが、この一冊だけでも十分楽しめる。後半のエピソードはちょっと合わなかったが、前半の老いたバットマンはかっこよかった。

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    2014年12月01日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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    ジャンルとしてはアメコミだが、いわゆる漫画とは内容の密度が違った。膨大な情報量をこれでもかと詰め込んだ小説に緻密なイラストが加えられた、まさにグラフィックノベル。

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    2014年05月31日
  • WATCHMEN ウォッチメン

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    俺などがいうまでもなくアメコミの最高峰だが、全知全能に近い力を持ちながら、好きな女に冷たくされたから月に引き蘢るドクターマンハッタンは、萌えの最高峰でもある

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    2013年04月04日
  • DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト

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    アメコミ界の古典中の古典と言われる『ダークナイト・リターンズ』は、マンネリ化していたバットマンに「ダークナイト」という位置づけを与え、そして再生させた記念碑的作品と言われている。

    で、機会があったので読んでみた。これは確かに傑作中の傑作。衰えたバットマンが無秩序状態のゴッサム・シティに業を煮やして大復活、すると彼の宿敵だったジョーカーも復活。アメリカとソ連は核戦争が勃発し、スーパーマンは暴走的に自警を続けるバットマンとの戦いに駆り出され……と、とにかく圧倒的スケールで物語が進んでいく。

    人間の本性は変わらないよね、という作者のテーマ設定が面白く、トゥーフェイスやジョーカーを「治療した」と嘯く精神科医の愚かしさから、己の道を貫くためならスーパーマンとでも殴り合うバットマンのぶれなさなど、キャラクターの逞しさ(強さ)が読んでいてとても気持ちいい。ジョーカーのジョーカーらしさも。あのテレビ番組で皆殺しを宣言するところとか最高だった。

    フランク・ミラーのアメコミの特徴なのか、小さなコマが並ぶ構成は、日本の漫画を読みなれていたら辛いかもしれないけれども、バットマンが復活するあたりでもう気にならなくなる。そして、ちゃんと見せ場は大ゴマを使ってくれる大サービス。馬に乗って、文字通りの「ダークナイト」になったバットマンの姿とか、素晴らしいアートワークだと思う。

    読んでて思ったのは、1986年というレーガン政権下の不況やチェルノブイリ原発事故などが、いろいろ反映されたものになっているなぁと思った。これをもう一歩進めると『ウォッチメン』になるのかな。個人的には、あの閉塞感に満ちた時代よりも、さまざまな価値観がせめぎあい、道を見失ってしまった現在のほうが、この物語を読む価値を押し上げていると思う。

    あと、ロビンが女の子になってて可愛い(ビジュアルは性別不明的だけれど)

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    2012年11月11日
  • キングダム・カム 愛蔵版

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    黙示録になぞらえて話が展開しまさが、それにしてもアメコミキャラの喧嘩っぱやさ…!という感はあります。が、何と言っても絵が圧倒的に美しく、これ描くのに一体どれだけかかったんだろうと考えると空恐ろしくなる!

    内容としては、ヒーロー達の2、3世代目が出てきて特殊な力を持つ者が増加傾向にある中、マイノリティかつ特殊であるが故に一種(彼らが考えた)モラルに重きをおいた第一世代とは異なり、第二世代以降は自分の為に力を使うという感覚に。そしてそれが引き起こす惨劇が文字通り世界を燃やすという、大変迷惑極まりない話です。ヤバイ。

    しかし子世代のモラルのなさは絶対に親の教育のせいだ!と思ってしまう笑
    アメコミヒーローっとはある程度独善的じゃなきゃやってられないし。
    しかしスーパーマンは自分の独善に無自覚であり、バットマンは自覚的でありながらあえて独善を選ぶという感じが相変わらずです。

    しかし読み応えはかなりあるので、そこらへんの些細な事が気になろうがなんだろうが、DC好きなら一度は読んでもらいたい感があります。

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    2012年07月07日
  • バットマン:キリングジョーク 完全版

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    誕生日に妹の友人からプレゼントとして頂きました!バットマンシリーズが大好きな私が喜ぶの喜ばないの、まあ喜びましたよ!内容はご覧の通り、皆大好きジョーカーさん。アメコミってキャラありきの作家さんの解釈によるパラレルワールドですが、このジョーカーが行う精神的陵辱の仕方が倫理観としても非常に欧米的で、馴染みのない私達には一瞬分かりにくいかもしれませんが、考えれば考える程するめの様に凄く酷いコトをしてたと後から気付かされます。ソレがまた妙に凄い。酷い事は全てダイレクトとは限らないですね。ジョーカーそのものも、此方のジョーカーは何処かしら人間味があるので、同情を誘います。

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    2012年06月30日