かわぐちかいじのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かわぐちかいじ『太陽の黙示録』9巻を読んだ。
宗方操暗殺計画を中止して、柳舷一郎を救った海峡同盟の幹部雲井竜児。彼がこれまで時々でてきた北海道生まれで被災後の北日本(ノースエリア)で医師の父と難民キャンプの人々へ医療を施していた子だとつながった。
海峡同盟の首領公文讃は舷一郎達に仲間に加われ、さもなければ死だと迫るが、舷一郎は北海道に渡りこの目で北日本の現実を見て日本復興の道が統一なのか分断なのか見極めたいと讃の申し出を正面から断る。讃も舷一郎の人物を認め、雲井を尾行につけて舷一郎達を送り出した。
舷一郎は札幌に旅立つ前に操との約束通り恵理を操に会わせる。恵理は操を救うために一緒にはいられないと告げて、北海道に旅立つ。
札幌に着いた舷一郎達が見たものは、中国に支配された北日本の姿だった。舷一郎は北日本の情勢を大きく変えていこうとする北日本の裏の顔、董藤卓也の存在を知る。董藤が裏の顔から、表社会にでてきて、その野望の片鱗を見せ始めた矢先、舷一郎は董藤に呼び出される。
舷一郎が海峡を渡り、いよいよノースエリアにというのが9巻だ。9巻で、旧体制を引き継いでいるはずの北日本が中国に支配され、悲惨な状況になっていることが改めて示されていく。第2次大戦中の逆の状況がここにはあるわけだ。人道支援は南日本や他国からなされるのだが、それは北日本の政府とつながる闇社会のもの達によってほとんどうばい去られ、難民には届かない。同様の現状が中東やアフリカ、北朝鮮などで実際に見られのだけれどそれを彷彿とさせる。その物資を横取りした勢力が、北日本の運命の趨勢を大きく動かしていくのだろうが、これからどう展開するのか見所だ。裏組織のボスかも知れない董藤卓也の存在が気になる。 -
Posted by ブクログ
かわぐちかいじ『ジパング』20巻を読んだ!
帯には「戦後60年 日本人(わたしたち)は、あの戦争をわかっているか。”草加の原爆”を巡り、動き出したり陸軍と海軍。緊迫する夜の南京で、自らが生きた時代への誇りを懸け、梅津はウラン235をも葬らんとするが....」
南京で拉致した原爆開発のキーマン倉田を使って、ウランを廃棄させようと梅津一佐は動き出す。南京は下関にある、「ルイス・フロイス号」という艦船の中につくられた秘密工場内のウラン235。それを運び出し無力化させようとするが、早くも気づいた陸軍に手によってルイス・フロイス号は包囲される。それを助けようと海軍の工作員の如月は海軍を動かすが、秘密を守るために石原はルイス・フロイス号を自沈させ、後で密かにウランを引き上げようとする。臨界量ギリギリのウランと知り梅津は完成を防ぐために、半量のウランを倉田に運び出せようとするが、沈没のショックの中で船倉に落ちそうになるウランを二人で持ちながら「あきらめの悪さが我々の美徳だ」と現代の武人としての梅津の思いを倉田に託す。
梅津「倉田博士・・・私には・・・分かるんだ」
倉田「何がだ!?」
梅津「我々日本人は・・・世界に対し最初に核を使用する国になってはならんのだ。使用した事実とその責任に・・・長く耐えられるほど我々は・・・強くない!」
一方で滝に広島の原爆を始め知り得た未来を告げる草加。
原爆の威力を知った滝が「これは・・・もはや・・・戦争でさえない!!」と怒りをあらわにするのに対し草加は軍人としてでなく個人として惨劇をとめるために「アメリカが使う前に・・・誰かがその威力を知らしめる」と語る。原爆を使用し、その責を一人で受け止めようというのだろうか?草加は滝に「滝・・・すべてを知ったうえで・・・あなたには無関係なままでいてほしい・・・それが何を意味するかあなたなら分かるはずだ」と語る。
梅津の死を予感するかのように伊152号でパラオの「みらい」にむかう角松は梅津の言葉を思い出す「私は皆から昼行灯などとあだ名されているが気にしない。国にとって、軍隊なんてあるかないかわからんくらいが丁度いい。ただ誰も見ていなくても、いかなる時も行灯の火は消してはならない」。
原爆製造を阻止できなかった梅津の死を知り、一層「みらい」が鍵を握る今、パラオへ急ぐ角松には、潜水艦狩りを行う駆逐艦「島風」艦長立石少佐が立ちふさがる。倉田の死を知り、半旗を掲げる「みらい」。さて、12月発売の21巻ではどうなるのだろうか?