阿泉来堂のレビュー一覧
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購入済み
ショートショート怪談
ショートショート怪談である。ショートショートだからまずはオチの部分の切れ味が生命線なのだが、まずまずのレベルの作品が多い。怪談につきもののグロテスクな場面が比較的少なめなのがいいかな。読み手の好みもあるだろうが、もう少し精選してもいいかなと感じた。
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那々木悠志郎に指名され担当編集になった久瀬古都美は彼が初めて邂逅した怪異についての原稿を受け取る。その原稿は呪いの木の下に写真を埋めることによって呼び出される「崩れ顔の女」を小学生の篠宮悟と作家・那々木悠志郎が追っていく物語だった。読み進めるうちに久瀬の周りにも現れる崩れ顔の女・・・。担当編集に指名され、この原稿を渡された真意とは・・・?
那々木悠志郎シリーズ第三弾、先生が初めて遭遇した怪異の原稿という作中作とそれを読み進める担当編集者の二つのパートで物語は進んでいく。やがて現実世界に原稿の中の怪異の影が見え始めるという不可思議な展開、怪異の道理を知れば現象の正体も見破れる。今回も秀逸 -
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ネタバレ【ネタばれあり】
高校時代の元カノ、小夜子が行方不明になり、それを探すために小夜子の友達だと名乗る女と共に小夜子の故郷の村へ出かけることになった主人公の尚人。小夜子はとある儀式の巫女を務めるため蔵に籠っていて、会うことが出来ないと言う。祭が終わるまで村に滞在することになった主人公たちは、夜な夜な徘徊する恐ろしい怪異と遭遇し…というストーリー。
怪しげな村の怪しげな村人たちの怪しげな儀式の話!こんなんなんぼあってもいいですからね!好きです。終盤に色々とどんでん返しが仕掛けてあり、最後まで楽しめました。
ただ、冒頭から主人公が誰かを殺してばらして捨ててきたんだろうなぁと思わせる描写が入っていたり -
Posted by ブクログ
見るからにホラーな装丁に目を奪われる。書店に平置きされていた本書を見た時からとても気になっていたのは間違いない。なぜなら本棚に2冊あったから。(笑)本屋で購入して積読しつつ、BOOKOFFで見つけて買っていたようだ。たまにあるんだな、そんな本棚に2冊ある本が。グロいホラーを欲していたんだなぁ。
でもそんな本書、後半までなかなか盛り上がらなかった。いわゆる土着信仰系の物語。しかし儀式が始まって、真実が分かってからはゾクゾクした。そしてラストは追い打ちをかけるどんでん返し!なのだが、そこがなんだかあっさりとし過ぎていて物足らなさを感じてしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幽霊が見えるだけで祓えない櫛備さんだが、ホームズよろしく人間観察からの洞察力は高め。
そんなことまで分かるのかというところまで推察してみせるのは驚き。
ただやはり祓えないインチキ霊媒師のためか、依頼された事件がすっきり解決するものばかりではない。
試合には勝って勝負には負ける的な敗北パターンもあったことにも驚いた。
あの話は救われた人が誰もいない、後味の悪い話。
助手の子に隠されていた秘密が後々出てきたり(思い返すと初登場時に伏線はあった)ミスリードを誘う展開が多いので、上記の櫛備さんが負けるパターンも含めて予想を裏切る展開が面白かった。
一方で、櫛備さんが助手の子に入れ込む理由が曖昧にされ