あらすじ
“今世紀最強の霊媒師”と謳われ、「浮遊霊、地縛霊問わず、あらゆる霊障、祟りに対処し、速やかに解決する」と豪語する霊媒師・櫛備十三には、実は肝心の霊を“祓う”力がない。今日も助手の美幸に叱られながら、持ち前の洞察力とハッタリを駆使して、心霊現象の問題解決に奔走するが、事態は毎回思わぬ方向に転んでいき――。記憶を失くしたサラリーマンの霊、マンションの一室に取りついた十七歳の少女の霊……インチキ霊媒師が明らかにする、霊たちの秘密とは? 異色の除霊ミステリー、堂々開幕!
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面白かった!飄々としたおじさん霊媒師とその助手美幸の話。暗めな表紙なのに読んでみると心が暖かくなる物語。すごし好き。どんでん返しもたくさんで段々読めるようになってきちゃうけど面白かった。2はunlimited対象外だけど買いたくなった。
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幽霊が見えるけど祓えないインチキ霊媒師と助手で勝ち気な女の子、美幸がさ迷える幽霊達のお話を聞いて、悩みを解決していく物語。ひとつひとつの話に必ずどんでん返しがあり、ハッピーエンドだったり、ちょっとビターで怖い結末だったりと、色々なゴーストストーリーが楽しめた。
何より、最後の話で明かされる、ある人物の正体が、いちばんの驚きで、思わずその場で、読み返してしまったほど。
主人公と助手の関係も、何やら謎がありそうな感じ。久々に、続編が楽しみなホラーエンターテイメント小説でした。
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絶妙な味わいある連作集。するするするーっと、本当に気持ち良いくらいに即引き込まれる面白さでした!
読み始めてすぐに驚かされ、こういう流れで続いていくのかと読み進めていけば、また新たな展開を用意されひっくり返される。
それがまた読んでいて気持ち良い。伏線、ミスリード、どんでん返しが一つ一つのお話の中へ綺麗に用意されて魅せてくれます。
リズミカルなテンポの良さを思わせる、櫛備さんと美幸ちゃんのコンビネーションもさることながら、相対する訳アリ幽霊達が違う見せ方で先が気になって仕方がない展開。
全部面白かったんですけれど、『まじめな男』『自慢の兄』が好き。『自慢の兄』は涙が滲みました。
『初恋』は最後に一番温度が下がる怖さで、思わず「こっっっわー!!」と。ラスト一行にその場にいないのにダッシュで逃げたくなる(笑)。
櫛備さんと美幸ちゃんの今後も気になるので、続刊が楽しみな作品。本当に読めて良かった!!
阿泉先生の作品初読みなんですが、既刊本も揃えて読みたいです。
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『今世紀最強の霊媒師』と謳われるが霊を祓う力は全くなく、一方で持ち前の洞察力とはったりで心霊現象を解決するインチキ霊媒師の櫛備十三と辛辣な助手の美幸が活躍する四編のホラー短編集で、心暖まるラストもあればゾッとするラストもあって話に込められた意外性と相まって面白く、最終話とエピローグで明かされる事実にホロリとさせられた。
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気になっていたシリーズ。
予想してたより、ハートウォーミングだった。幽霊側とがっつり交流して解決していくので、ホラー要素は少ない。
2巻も楽しみ。
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霊が出てくる話だが、ホラーという感じはなく、推理小説に近い感覚。ホラーが苦手な私でも、サクサク、というより、気になって続きが読みたくなって一気読みした。登場人物の背景やそれまでの人生のいきさつを読んで泣いた。2巻も買って読み出し中。
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霊が見える櫛備十三と助手の美幸が霊達の謎を、霊能力ではなく十三の洞察力で解決していく、短編連作物。
第二話目は少しゾッとする内容で終わりもスッキリしませんでしたが、全体的には一つずつ謎を解いていく感じです。四話目で明かされた真実に驚き、さらにはエピローグでのやりとりでまた驚き、といったふうにどんどん引き込まれていきました。
美幸の秘密だったり、櫛備の出立にまつわることだったり2人の関係だったり、まだまだ謎めいているところが多いですが、次も楽しみです。
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霊と交流はできるが除霊ができないインチキ霊媒師・櫛備が、霊が死に至った経緯を解明し、心残りを晴らす短編4話。至る所にどんでん返しが仕掛けられていて、楽しく騙された。櫛備の胡散臭さや、常に櫛備の尻を叩く助手・美幸とのコンビが良い。時にはホロリとさせられる場面も。ワケありっぽい櫛備や、助手の美幸との関係性など、提示された謎もあるので、次作が楽しみ。
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四篇収録の連作短編集。ホラー要素のあるミステリー小説。
地の文はそうでもないけれどセリフがかなりライト。キャラクターや世界観などの設定も少し漫画チック。サクッと読めます。
ハートフルなお話が多いけれど、ゾクっとさせるお話もあるのがホラーを読んでる感じがしてよかった。そう言う意味でも四篇それぞれ緩急がありバランスが良いと思う。
ミステリーだけれど犯人探しのような謎解きの要素は少ないので、私のようにミステリーは読むけれども推理するのが苦手な人にいいかも。
【ちょろっとネタバレ、かな?】
登場人物のうち、誰が生者で誰が死者なのか、読み進めると明かされるので、いわゆる叙述トリック的要素があるということかな。
疑問の残るエピローグだったので、もしかしたら続編があるのかな? と思っていたらありますね。さっそく二巻買いました!
なんと、北海道出身の作家さん。同郷としては応援したくなるな〜。何ヶ所か日本語として気になる表現と誤字があったのが残念だけれど、これから何冊か読んでいく所存!
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初読み作家さん。
ホラー要素はほとんどなくミステリーっぽく読みやすい。とはいえ2話はぞっとしたなぁ。
全体的にハートウォーミングな話が多くて良かった。
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視えるけど強制的に祓う力がないだけでしっかり霊には向き合われているので、描かれていないところで結構インチキしてるんだろうなと感じました。
「そして、心を震わせるドラマというやつを求めるんだ。」
「人が何か行動を起こす時、必ず結果が生じる。」
「願いこそすべてを可能にする最大の要素なのです。」
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霊視は出来るが払えないインチキ霊媒師の櫛備と、その助手美幸。
金の為に霊媒師を名乗っているが、霊と対話することで結果的に成仏させているので、あながちインチキとも言えない。
(描かれていない案件で、まるまるインチキもしていそうだが)
何故そこまで金が必要なのかも後に判明する。
所々ミスリードを誘っているようだが、分かり易いので裏が読めてしまうのが残念だが、エンタメ小説として面白く読んだ。
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霊は見えるが祓えない霊媒師が、霊の望みを叶えて成仏させようとするコメディタッチのオカルトミステリーと、思っているとオチがホラーだったりするので要注意。ミステリ的な仕掛けは正直斬新とは言いがたく、引っかかる読者はあまり多くはなさそう。それが「寄り添うものたち」に見られるように、ホラー的なアイデアはユニークで、やはり作家さんの資質はそちらなのかなと言う気はします。後は主人公の霊媒師のキャラが好きになれるかですかね。
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“今世紀最強の霊媒師”はインチキ霊媒師!?
霊を祓う力を持たない男はハッタリと洞察力を駆使して事件を解決に導いていくが・・・?
那々木悠志郎シリーズで人気を博した阿泉先生の新たな霊×ミステリーものだ。 さて今回の主人公だがインチキ霊媒師だけあってちょっと胡散臭い、かつ善人とも言い難い性格をしている。渋々巻き込まれた末にその優秀な頭脳を用い霊を成仏へと導いていく。そんな彼にもどうやら秘密が色々とあるようでシリーズを通してどうやら明るみになっていく謎がありそうである。短編形式でライトな書き口でありさらっと読めた。
Posted by ブクログ
霊は見えるけれど祓うことなどのできないインチキ霊媒師・櫛備十三と助手の美幸が地縛霊たちの願いを叶えてやる話だが、櫛備のやれやれ具合と美幸の櫛備への罵詈雑言が面白い。それぞれの話には必ずどんでん返しのようなものがあって、その辺りも工夫があっていい。物語全体にもあっと驚くどんでん返しがあって、その結末を知るためにもこりゃ絶対次巻をがないとね。さて、いつ出るかな。
Posted by ブクログ
幽霊が見えるだけで祓えない櫛備さんだが、ホームズよろしく人間観察からの洞察力は高め。
そんなことまで分かるのかというところまで推察してみせるのは驚き。
ただやはり祓えないインチキ霊媒師のためか、依頼された事件がすっきり解決するものばかりではない。
試合には勝って勝負には負ける的な敗北パターンもあったことにも驚いた。
あの話は救われた人が誰もいない、後味の悪い話。
助手の子に隠されていた秘密が後々出てきたり(思い返すと初登場時に伏線はあった)ミスリードを誘う展開が多いので、上記の櫛備さんが負けるパターンも含めて予想を裏切る展開が面白かった。
一方で、櫛備さんが助手の子に入れ込む理由が曖昧にされたまま終わってしまったため、ちょっともやっとした感じも残ってしまった。
あそこからの選択肢はいい方と悪い方の二択だとは思うのだが、どちらだろうか。
せめていい方であってほしいと思う。
Posted by ブクログ
霊媒師(インチキ)櫛備十三と助手の美幸が訳アリ幽霊たちと対峙する物語。
どの話もただでは終わらず予想の斜め上をいく内容でした。
特に2話はゾッとしたし3話はウルッとしました…
十三と美幸の関係性もまだ明らかになってないので続きが気になります。