郷田マモラのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
他人の善意にタダ乗りする男の話
郷田マモラを検索してこの本を買った。作画が違うと作品の感じ方も変わることがよくわかる。この主人公は人との関わりを避けようとしながら妻を含む他人の善意にタダ乗りし、妻が倒れた後も、子供の幸せを考えるフリをして苦労から逃げる為に仕事を口実にする。大家さん夫婦の協力で養護施設から子供を引き取れたとしても、依存心がある限り綱渡りの生活は変わらない。世の中にはこの主人公以上に苦労しながら子育てをする人も多くいる。ハッピーエンドを匂わせる終わり方をしても、後味の悪い作品だ。
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これも一つの親子の形かも
父親に気に入られようとする虎の言動は、現実に毒親を持つ人には心が痛むかもしれない。しかしそれでいて悲惨さを感じさせないのは、おっとりした母親や虎の剛胆な性格、そして作者の力量だと思う。
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改心
死刑が確定した囚人相手に監視、管理をすることになった若き新人刑務官の苦悩の日々を描いたお話の第四巻。
世間を騒がせた復讐鬼の渡瀬満の裁判は最初、渡瀬に対する二つの殺人罪で争われる所一つの殺人と一つの過失致死で争われる事となった。
ベテランの人権派弁護士によって裁判が進んでいくが途中で渡瀬自身が嘘をついていたと言ったことから死刑が言い渡されたのだった。
そして渡瀬はG棟に入ってくるが彼は何故か直樹にだけ冷たく当たるのだった。
同い年で野球少年だった渡瀬とわかり合いたいと思っている直樹の一人相撲が進んでいたある日、一人の確定囚が再審請求を起こした。
その男、笹野はかつていじめで息子が -
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執行
死刑が確定した囚人の監視、管理を任されることになった新人刑務官の苦悩の日々を描いたおはなしの第三巻。
家族を殺されまた自身も病で余命幾ばくのない女性と知り合った直樹はその犯人である星山を改心させたくて彼が育った施設を訪れる。
そこからヒントを得た直樹は星山を改心させることに成功した。
星山は今まで無視していた被害者家族の女性に初めて手紙を送った。
そして受け取った女性もそれを読んで天国の家族の元に旅だっていった。
しかしその星山に死刑執行の命令が出された。
直樹は立ち会える立場ではなかったので前日の星山に対して動揺して接してしまう。
そして翌日改心した星山は母親の名前を泣き叫 -
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辛い
死刑が確定した囚人の管理、監視を任さられることになった新人刑務官の苦悩の日々を描いた作品の第二巻。
敵討ちが禁止されている現代、死刑制度は無惨な目に合わされた被害者家族に代わって国が加害者に敵討ちをするためにある制度だという説もある。
直樹と似た境遇の持ち主の渡瀬満は自ら敵討ちをして裁判を受けていて世間の中でも彼を支持する声はある。
一方家族を殺され自らも病魔に侵された女性の事を知った直樹はその犯人である確定囚の星山が反省する素振りも見せず拘置所の中で菓子を貪る姿を見て自分の手で殺してやりたい衝動が起こるのだった…。
この漫画を読むと死刑制度とはなにかということを考えさせられる -
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葛藤
死刑が確定した囚人の監視、管理をする事になった若き刑務官の人生や価値観を揺るがす出来事が身に起こるおはなしの第一巻。
舞台は2004年の大阪にあるなにわ拘置所。
主人公の及川直樹は大学卒業後父親の後を追って刑務官になった。
研修の末配属されたのは死刑確定囚の管理をするG棟だった。
父親が元拘置所長だったこともあり先輩刑務官達からはボンボン扱いを受ける。
そんな直樹が日々相手にするのは全員世間を騒がせた殺人犯ばかりだ。
初日とあって囚人達にビビる直樹。
しかし囚人の中にはいつもと靴音が違うという理由で自分に死刑執行の番が回ってきたのではないかと発狂する者もいた。
そして直樹が -
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深い
Y氏の隣人のようなキャラクター絵に、ナニワ金融道のような出てくる店の名前…、かなり独特なタッチです。
一方、内容はもっと独特で、かつ深い。
この手の作品の場合、大抵は「ルポライター等による経験談」として短い話をベースに様々なエピソードを連ねていくものでしょう。
当作品も基本はこのパターンですが、全体に流れる大きなストーリーが最初から出てきており、中盤からはそれが中心になっていきます。
扱う内容も当然重く、またそれを少なくとも作者なりにしっかり向き合って考えたストーリー。
ジャンルも絵も「キワモノ」的ではありますが、それだけにとどまらず、深く考えさせられる作品です。
万人 -
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21作品を収録した意欲作
21作品を収録した意欲作。
巻頭の「EVIL II ~メビウスの扉~」(塀内夏子)は、緊迫感溢れる最終回で物語を締めくくり、読者を圧倒。
「Stand by me 描クえもん」(佐藤秀峰)は、人気作終了の裏側を描き、ユーモアと深い人間ドラマで魅了する。
「軍と死~637日~」(莉ジャンヒュン)は、脱走兵を追う韓国軍の過酷な現実をリアルに描写し、強烈な印象を残す。
「[poor]~ゼラニウムの誘惑~」(郷田マモラ)は、心理の深淵に迫る展開で読者を引き込む。
「女王のトランク」(北森サイ)は、女子高生ハレカの奇妙な冒険が続き、独自の世界観が光る。
「やれたかも委員会」(吉田貴司)は、ドラマ化で話題 -
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充実の一冊
23作品を収録した充実の一冊。
巻頭の「やれたかも委員会」(吉田貴司)は、ドラマ化で話題沸騰、恋愛の微妙な機微を軽妙に描き、幅広い読者に支持される。
「Stand by me 描クえもん」(佐藤秀峰)は、ユーモアと人間ドラマの絶妙なバランスで物語を牽引。
「EVIL II ~メビウスの扉~」(塀内夏子)は、核心に迫るサスペンスが緊張感を高め、読者を引き込む。
「女王のトランク」(北森サイ)は、女子高生ハレカの奇妙な冒険が新鮮な魅力を放つ。
「LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~」(内田春菊)は、ダメ男を巡る人間模様を鋭く描写し、共感を誘う。
「[poor]~ゼラニウムの誘惑~」(郷田マ -
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22作品を収録した意欲作
電子書籍世代向けのオルタナティブコミックとして、22作品を収録した意欲作。
巻頭の「Stand by me 描クえもん」(佐藤秀峰)は、単行本2巻発売に合わせ、ユーモアと人間ドラマで魅了。
新連載「女王のトランク」(北森サイ)は、女子高生ハレカと女王の出会いから始まる奇妙な物語が新鮮。
「[poor]~ゼラニウムの誘惑~」(郷田マモラ)は、衝撃の第2回で深い心理描写が光る。
「軍と市~637日~」(莉ジャンヒュン)は、韓国軍の過酷な現実をリアルに描き、読者を引き込む。
「やれたかも委員会」(吉田貴司)は、恋愛の微妙な機微を軽妙に表現し、ドラマ化の人気を裏付ける。
「LOVE FOR SALE」 -
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多様なジャンルで魅了
24作品を収録した意欲作。
表紙&巻頭の「Stand by me 描クえもん」(佐藤秀峰)は、ユーモアと人間ドラマの絶妙なバランスで読者を惹きつける。
新連載「OUT」(高橋コウ)は、孤独な少年と謎の少女の出会いから始まるサスペンスが鮮烈な印象。
「やれたかも委員会」(吉田貴司)は、恋愛の微妙な機微を軽妙に描き、ドラマ化の人気を裏付ける。
「LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~」(内田春菊)は、ダメ男を巡る人間模様を鋭く切り取り、共感を呼ぶ。
「EVIL II ~メビウスの扉~」(塀内夏子)は、緊張感ある展開で物語が加速。
「クリームソーダシティ」や「THE 3名様~壊れかけの -
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創刊3年目の意欲作
28作品を収録した電子コミック誌で、創刊3年目の意欲作。
内田春菊の新連載「LOVE FOR SALE ~俺様のお値段~」は、独特のユーモアで人間関係の複雑さを描く。長尾謙一郎「クリームソーダシティ」は懐かしさと奇抜さが融合した復活作。莉ジャンヒュン「637日―軍と死―」は韓国軍の過酷な現実を赤裸々に描写。小本田絵舞「若奥さま喜々一発!」は軽快なコメディで笑いを誘う。土屋雄民「さくらん坊たち」は詩的な物語で心を掴む。吉田貴司「やれたかも委員会」や佐藤秀峰「描クえもん」など人気連載も健在。
多彩なジャンルと作家陣の個性が光り、電子書籍の鮮明なビジュアルが作品を際立たせる。
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やや重いトーンの作品が多い
巻頭の佐藤秀峰「描クえもん」は、漫画業界の裏側をユーモアと風刺で鋭く描き、読者を惹きつける。牧鉄兵「ヒトカギリ」は緊迫感ある展開と深い心理描写で魅了し、大坪商介「エクゾジャケット」はSFと人間ドラマが融合した独特の世界観が際立つ。バズ「やれたかも委員会」は日常の微妙な感情を巧みに捉え、共感を誘う。郷田マモラ「東京D」は都市の闇をリアルに切り取り、吉田浩「カレーは辛え」はスパイシーな物語で強い印象を残す。多様なジャンルと作家の個性が交錯し、読み応え十分。電子版の鮮やかなビジュアルも魅力だが、やや重いトーンの作品が多く、好みが分かれる可能性も。