山﨑圭一のレビュー一覧
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現役高校教師のYoutuberによる「一度読んだら絶対に忘れない〜」シリーズの地理編。
地理の様々な事象に対して、「なぜそうなったのか」の理由の解説に重点が置かれている。
おかげでとても頭に残りやすい。
一例をあげると、地理と人間の文化の関係は以下の流れで説明できる。
・地球には自転と公転があり、地軸の傾きがある
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・様々な気候、風、海流が形作られる
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・その土地で育つ植物が変わる
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・人間の食生活が変わる
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・人口や文化、果ては社会構造や歴史にも影響する
このようなダイナミックなつながりを感じられるのは、地理の醍醐味だろう。
学生の頃はほとんど興味はなかったけ -
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高校教師兼Youtubeの著者による歴史解説書の経済編。
「宗教編」に続けて読んだけど、こちらも非常に面白い。
経済の変化を俯瞰して見ることで、人類の歴史がかなり理解できる。
やはり思うのは、権力と経済は密接に関係していること。
歴史上の様々な争いは、驚くほど経済的な理由で発生している。
どの時代でも国家は、ひたすら「銀(資産)を流出させないために右往左往している」と言ってもいい。
そしてまた、経済力と軍事力は表裏一体であることもよく分かる。
資産が無いということは軍備を保てないということであり、つまり戦争に勝てなくなるということである。
「カネか命か」ではない。カネがなければ、命や自治権 -
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著者の山﨑さんは、ムンディ先生としてYouTubeでも活動されており、世界史・日本史・地理の講義をアップロードしている。これがめちゃくちゃ分かりやすい!
で、タイトルが面白そうで読むことにした本書だけど、著者を見て『ムンディ先生だ!』と気がつき、そりゃ面白いわ!と確信した。
地理と世界史の知識が組み合わせて、有機的に学べるのがこの本の特徴。各地域に分かれて、年代別に面白い知識を体系的に説明してくれている。
特に印象に残ったのは、以下の話。
知は力。勉強は面白い。
・ルーマニア=Romaniaは東欧の国だけど、国名はRomaに由来している。ローマ帝国最大領土のとき、現ルーマニアの地域にロ -
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インド出張で文化の形成に興味湧いたので、ついでに世界史を勉強しようと手に取ってみた。
章ごとに一つの地域を主軸として説明がされ、流れがとてもわかりやすかった。年号がほとんど出てこないのも、内容に集中できた理由の一つ。
インド最大の特徴は、「多様性をバラバラなまま包み込む」という価値観。ムガル帝国の3代皇帝が宗教緩和に努めたことで、摩擦の大きかったイスラム教(一神教で平等)とヒンドゥー教(多神教で身分あり)はどちらもインドに根付いた。
その後インド帝国としてイギリスに支配されてからは、長い間イギリスに翻弄される。ガンジーを中心とした反対運動もあり、第二次世界大戦に独立。ただしイギリスの作戦によ -
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経済的な視点から歴史を読み返すと、今まで気づかなかった事実が見えてくる。
例えば世界恐慌。1929年、アメリカはルーズベルトのニューディール政策で公共事業を増やす。イギリスやフランスはブロック経済、というふうに、私はただ単語と年代の暗記しかしていなかったわけだが、この一連の各国の対応によってドイツや日本などの植民地を持たない国が自分たちの生き残る道を画策して軍事行動に踏み切るに至り、それが第二次世界大戦の悲劇に繋がったという見方ができることを知った。(あくまでも一つの要因)戦争は悪だ!絶対反対!それはもちろん正しいことだが、そこに至ってしまった要因にも目を向けなければならない。
今も世の中の -
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古来はヨーロッパと中国という巨大市場を両端とする交易ネットワークをどう活用できるか、経路地ではいかにその地の交易経路としての重要性を高められるかが経済発展の必要条件であり、ローマ帝国の発展と衰退も、イスラムの台頭も、十字軍も、封建制から中央主権への動きも、こうした条件の変遷とそれによる経済的事象で説明できるのだと感心した。
その後、アメリカ大陸や世界中を駆け巡る航路の整備で新たな交易ネットワークが生まれ、現代まで至る世界の力学の流れがよくわかった。
アジア通貨危機の理由、プラザ合意からバブルへのつながりなど、改めて勉強になった。
最終章にあった、グローバル化は格差を拡大させておらず、むしろ、発