白尾悠のレビュー一覧

  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    R-18文学賞大賞・読者賞をダブル受賞した『いまは、空しか見えない』以来ずっと注目している白尾悠さん。

    最新作はコミュニティ型マンション「ココ・アパートメント」で暮らす人々を描いた連作短編集。

    世代は違えども、皆それぞれに事情を抱え、心の痛みと闘っている。

    特に第4章で描かれる家族関係はあまりにも歪で吐き気を催すほど。
    主人公の女性の苦しみが伝染し胸が抉られた。

    家族じゃなくても共有出来る思いはある。
    この場所で出逢った人達との縁は必然だと思えた。

    諦めない心を持ち続ければ、きっと私たちはいつでも前へ進むことが出来る。

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    2025年01月09日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    コミュニティ型マンションで暮らす人々と隣家の大家さんの話し。
    こんな場所があれば、救われる人がいると思うし、あの頃の自分もこんな場所で暮らしてみたかったなぁ。と思う。

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    2025年01月03日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい 【無料お試し版】

    購入済み

    由美子さんはいいオバサン

    ためし読みで途中までしか読んでいませんが、この先由美子さんがお兄さんや甥っ子と関わるなかでどのようなおばさんに成長するのか楽しみなお話です。ココアパートにも興味があるし、おもしろい住人達にも会ってみたいです。

    #切ない #ドキドキハラハラ #ほのぼの

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    2024年12月04日
  • サード・キッチン

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    ネタバレ

    【自分が持つ差別意識と向き合い続ける物語】

    以前読んだ短編集「舞台!」の5人の作家で一番気になった、白尾悠の作品である。

    アメリカ合衆国に留学しているとは言え、決して英語がぺらぺらなわけでも頭が冴えているわけでもない主人公、尚美。彼女は、今まで気づかなかった自分の中にある差別意識や、国際感覚のなさに日夜うにょうにょしながら、非白人が集まる学内組織「サード・キッチン」に少しずつ居場所を得ていく。

    40年前、多少はひっかかりひっかかりしながら、留学先のメキシコで自分の立ち位置を探していた僕。自分が差別意識の固まりだからこそ、その意識と「社会的に差別されている人たち」に対する向き合い方は区別を

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    2024年11月15日
  • サード・キッチン

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    偏見や差別、マイノリティを描いた物語。
    難しくも考えさせられた。

    主人公が他者からの差別意識を感じ取ったり自分の持つ偏見に気付いたり、根深いそれらに傷つきながらも真摯に向き合っていく姿が苦しくも美しかった。

    自分自身も無意識に差別意識を持っていて、いきなり変えることはできないけれど知ること、向き合うことはできるんだと思った。

    ☆3.7

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    2024年10月10日
  • サード・キッチン

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    人権、多様性、バイアス…。現代で注目されているキーワードですが、何となく知識的という感じもありましたが、本書を読んで、日常に潜むリアルとして受け取ることが少しはできたかもしれません。考え方や視野を広げさせてくれる一冊。よい読書体験になりました。

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    2024年08月31日
  • サード・キッチン

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    こうして人は成長するのだなと、感銘を受けた。
    人種、文化、ステレオタイプ、色んな悩みと向き合って、生きていくことは大変だけど。絶対に人生を豊かにするんだ

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    2024年07月25日
  • サード・キッチン

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    あらすじを読んだ時、留学前かつ国際寮で生活する私にとって、通ずるものが多いと感じ、手に取った。

    誰でも差別をする側に回る可能性があるが、それを恐れて人と接することを避けるのではなく、相手と自分の体、心、言葉で向き合うことが大切だと学んだ。

    国際交流に限らず、人と関わる上で大切なことについて描かれているため、全ての人にお勧めしたい本である。内容は簡単とは言えないため、少しずつ読み進めていくスタイルをとった。

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    2024年07月22日
  • アンソロジー 舞台!

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    【日常の中にいる、クララとドロッセルマイヤー】

    ミュージカル、2.5次元、バレエ、ストレート・プレイ……様々な舞台を題材に描かれた5編が収録された短編集である。

    ただ、「華やかで遠く感じる『舞台』というその空間は、自分という役を生き、誰かの人生に思いを馳せる私たちにとって、意外に身近な場所なのかもしれません。」という扉に書いてある触れ込みって、読んでみたら結局、3編目の白尾悠「おかえり牛魔王」だけの話なんとちゃうのん?と感じた。

    毎日定時で退社する、社内の人付き合いも忖度もへったくれもない後輩の派遣社員、桐ヶ谷を探るうちにその演劇の指導者しての並々ならぬ実力に触れ、自らも演劇に助けられた

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    2024年07月15日
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    父親からDVを受けている智佳と、過去のレイプ体験に怯える優亜の二人を主人公に据えたお話で、有り体に言えばつらい体験を克服していくお話。つらい過去のお話は読んでいても辛いのだが、希望を持って生きようとする姿は読んでいて応援したくなる。良作。

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    2024年05月31日
  • アンソロジー 舞台!

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    舞台をテーマにした5作の短編。
    舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。

    『ここにいるぼくら』
    2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
    いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。

    『宝石さがし』
    バレリーナと衣装デザイナーの話。
    舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。

    『おかえり牛魔

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    2024年05月16日
  • サード・キッチン

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    単に、留学先でいろんな国のご飯の話かと思って読み始めたので、内容、重かった。
    留学さえしたことがない私には、差別は頭の中で考えてるだけのことなのか、、、しっかり勉強しなくてはと思う。一方で永遠と身につくことがないことではないかとも、思ってしまう。
    他人の立場になって、行動するのは、なんて難しいことなんだろう。
    ため息しか出ない。

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    2024年03月09日
  • サード・キッチン

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    差別ってなんだろう。
    ノーマルではなくマジョリティ。
    日本にいるとわからない部分がたくさん。肌の色とか、国々の歴史的な背景とかではなく、その人個人個人を大事にしたい。

    自由のために、自立して考えて知性を育てる。先入観とか思い込みとかをなくして世界を見てみよう。

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    2024年01月08日
  • サード・キッチン

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    足長おばあさんに助けられアメリカの大学に留学した尚美の成長物語。
    始めはままならない英語力と引っ込み思案のため友達もできずただ勉強する毎日。ところが大学内のコープサードキッチンを知ってどんどん世界が広がると共にマイノリティの問題、差別、逆差別に気付いていく。涙あり笑いありまた涙ありで最後までぐいぐい引き付けられた。

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    2023年10月22日
  • サード・キッチン

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    なおみの心の中のモヤモヤやプラスではない感情に、あーこういう気持ちになることってあるよなと、自分の中で見え隠れするものを実感すると共に人と繋がることの温もりも感じた。そして差別や歴史など新しい見方や考え方を知ることができ、明日からは世界が少し違うように見えるかも知れないと思った。

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    2023年07月02日
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最後智佳が父親に電話するシーンかっこよかった
    無茶苦茶な人間に何を言ってもこちらの声なんて届くことはないけど、智佳の最後まで貫き通して冷静に話す言葉。父親は支配出来なかったことに絶望を覚える。最高の復讐。

    あと智佳の母の回が個人的に1番好きだった。
    望まれず産まれた 無関心な母親の元で育った雪子
    そんな雪子の母親の危篤を聞いて重い腰をあげて尋ねる。この人に以前は認められたかった。でもそれをやめて自分の家族を作れた時 息が吸えたような感覚。亡くなった母親に自分を見て欲しかったと最後ビンタするシーンに雪子の苦しみが溢れてた。
    そしていま自分の家族も危ういことを認めざるえなくて、でもそれが果たして

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    2022年11月22日
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)

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    何のために頑張っているのか、
    頑張った先に何が待っているのか。

    誰しも漠然とした将来への不安を抱えたことがあるのではないでしょうか

    人は生きている限り悩み、苦しむ運命にあるんだと生々しい現実が描写されるとともに、そっと背中を押してくれる、そんな応援メッセージのような小説です。

    個人的には解説の彩瀬まるさんの闘わずに誤魔化すのか、という言葉にも考えさせられました。

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    2022年09月29日
  • サード・キッチン

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    主人公は19歳の日本人ナオミ。
    アメリカの大学へ留学する。
    決して英語が得意ではなく、言葉の壁や疎外感に悩む。
    そんなナオミが出会うのがサードキッチン。大学内にある協同食堂として多様なマイノリティ学生が集い自分達で運営する居場所。
    ナオミはそこで居場所を得るが、自分自身の偏見や差別意識と向き合って行く。
    友情や信頼、葛藤や和解などナオミの成長が描かれている。
    読者も同じく考えさせながら読み進めるハズ。
    ちなみに、久子さんとの手紙のやりとりも印象的。

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    2025年11月20日
  • 魔法を描くひと

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    レベッカも真琴も性別や時代に影響を受けて生きづらい人生だけど、信頼できる人たちに会えて、それが財産だなと思う。
    女性だからすごいじゃなくて、属性に捉われず生み出されたものがすごいって評価されるべきって件に同意。
    でも結局「未来を切り開いた女性たちがいた」って括られちゃうんだよね。それが悪いとも思わないけど、少し居心地の悪さは感じる。

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    2025年11月16日
  • 魔法を描くひと

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    1940年代のアメリカで性差別と戦い乍ら、自分たちの作品を手がける女性アニメーター。伝説の彼女らに憧れる派遣のアニメーター真琴。
    過去と現代の二つのストーリーをディズニーで働くアニメーターの目を通して描いている。アメリカの物語が凄く良かった。

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    2025年10月21日