白尾悠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ウォルトディズニーの会社になぞらえた、架空の会社、架空の人々、戦前戦中戦後を生きたアニメーションに携わる女子4人。第二次世界大戦、ストライキ、赤狩りに翻弄される時代を生き抜いた4人。僅かな痕跡しかない4人の業績を現代の同じ会社女子が解き明かしていく過程が面白い。大変な時代だったなと思うと同時に女性の地位がとてつもなく低くて不安定だった時代。
ディズニー映画好きだから、たいへん興味深く読めました。
映画題名も微妙に変えてあるから、これは白雪姫、これはバンビのことか?これはファンタジアだな?と想像するのも楽しい。
ただ漫画映画の素晴らしさを文字にするのはホントに難しいんだなとは思いました。ちょっと -
Posted by ブクログ
父親を喜ばせるように振る舞い、父親の思う通りに生きることを強いられた智佳を中心に、智佳の母、大学の同級生の翔馬、高校の同級生の優亜、それぞれの内なる闘いを描く連作短編集。
中でも、高校生の頃にレイプされ、美容師になった今でもPTSDに苛まれる優亜の物語は秀逸。
男性恐怖症の優亜を心配して、大人になりたくないと泣いた少年のくだりは泣けて泣けて。
物語それぞれの主人公が、今ある状態に留まり流される安易さを選ばず、前に進むために闘う姿が清々しい。
閉塞感から抜け出すには闘うしかないこと。闘えば、傷ついても次にもっと広い場所に行けること。そんなエールを贈ってくれるお話でした。
気がかりだったのは -
Posted by ブクログ
登場人物たちがそれぞれ色々な人生の帰路に向き合った後、どんな生活してるのかもうちょっと深掘りして読みたかったなぁと思ったり、あとは想像に任せて自由に彼らの未来を想像しようかなぁと思ったり。
余白があるのが良かったのかなと思います。
あのアパートが出来たいきさつにフォーカスしなくても、物語が成り立つ時代にはなってきたのかなと思います。
やっぱり人間って、年代も性別も家族構成もバラバラな人たちで寄り添って生きるのが、結局理にかなうのかな、と言うのも考えさせてられました。
保育園だったり、おひとりさまだったり、老人ホームだったり、良いと思ってやってみて、色々な考えが時代と共に生まれても、またぐるっと -
Posted by ブクログ
ネタバレ【自分が持つ差別意識と向き合い続ける物語】
以前読んだ短編集「舞台!」の5人の作家で一番気になった、白尾悠の作品である。
アメリカ合衆国に留学しているとは言え、決して英語がぺらぺらなわけでも頭が冴えているわけでもない主人公、尚美。彼女は、今まで気づかなかった自分の中にある差別意識や、国際感覚のなさに日夜うにょうにょしながら、非白人が集まる学内組織「サード・キッチン」に少しずつ居場所を得ていく。
40年前、多少はひっかかりひっかかりしながら、留学先のメキシコで自分の立ち位置を探していた僕。自分が差別意識の固まりだからこそ、その意識と「社会的に差別されている人たち」に対する向き合い方は区別を -
Posted by ブクログ
【日常の中にいる、クララとドロッセルマイヤー】
ミュージカル、2.5次元、バレエ、ストレート・プレイ……様々な舞台を題材に描かれた5編が収録された短編集である。
ただ、「華やかで遠く感じる『舞台』というその空間は、自分という役を生き、誰かの人生に思いを馳せる私たちにとって、意外に身近な場所なのかもしれません。」という扉に書いてある触れ込みって、読んでみたら結局、3編目の白尾悠「おかえり牛魔王」だけの話なんとちゃうのん?と感じた。
毎日定時で退社する、社内の人付き合いも忖度もへったくれもない後輩の派遣社員、桐ヶ谷を探るうちにその演劇の指導者しての並々ならぬ実力に触れ、自らも演劇に助けられた -
Posted by ブクログ
舞台をテーマにした5作の短編。
舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。
『ここにいるぼくら』
2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。
『宝石さがし』
バレリーナと衣装デザイナーの話。
舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。
『おかえり牛魔