白尾悠のレビュー一覧
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ネタバレ一応別名にしているが、ディズニーで働く女性たちの2つの時間軸の物語。
一つは20世紀初頭、ディズニー勃興期にアニメータやイラストレイターとして働いたレベッカとその仲間達が、女性ゆえの地位的差別や、世界恐慌第二次世界大戦などの激動の中で働き生きた物語。
もう一つはコロナ期つまり現代日本の契約社員真琴が、展覧会の企画に携わる中でディズニー勃興期に活躍した女性たち(つまり一つ目の物語)を知ることになり、その世界を探る物語。
いつ仕事がなくなるか、いつ首になるか、分からないなか、男性や正社員より安い給料で単純労働を優先的にさせられる、能力ある女性たちの苦闘。男である俺が読んでも本当の辛さは分かっ -
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ネタバレ20世紀初頭に創業した世界的なアニメーション会社であるスタジオ・ウォレス社。60年前に日本で開催した展覧会の展示品が発見され、新しい展覧会が行われることが決まった。日本支社の契約社員の西真琴は展示品の希望リストを作成するためアーカイブを確認していて魅力的なデザイン画を見つける。そこにはM.S.HERSEAのサインがあり…。
1930年代後半から40年代に活躍したスタジオ・ウォレスの名もなき女性アニメーターたち。現代の真琴の視点と、激動の時代を生きるレベッカの視点でM.S.HERSEAの正体、人生が明かされていく。
よく内容を知らずに手に取ったので女性アニメーターを描いた本だと読み始めて知った -
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ココ.アパートメントとは
「心地よい暮らしを作るために、多世代の住人が協働するコミュニティ型マンション」
住人は単身者、ファミリー、老年夫婦、抱えている事情の違う人たちに視点をあてた6つの短編集。入居した経緯も明かされていきます。
発達障害を持った子どもの存在を実家から拒否された和正さん。
「こんなに小さくても、自分なりのこだわりがいっぱいで個性が全開なんだね。」
入居者の大治郎さんの言葉に、私も目頭があつくなりました。
人と関わっても関わらなくても、面倒なことは日々あると思います。
人とうまく付き合いながら、より良い人生を送りたいと思うのはみんな同じじゃないでしょうか。
年代、価値観 -
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康子さんがいれたミントのハーブティを飲んで、スッキリしたいな。私もここに住んだらなにかが変わりそうな気がしました。
ココ・アパートメント。NPOが管理する賃貸マンション。心地よい暮らしを作るために多世代の住人が協働するコミュニティ型マンション。ここに住み、集う人々の連作短編集でした。
ここには、月に一度の定例会、月に数回あるコハン、共同設備の掃除やストック管理、庭仕事など様々な役割を分担する各コミッティーなどがありました。誰かが責任者ではなく、みんなでという考え方です。
今までの自分の考え方がおかしかったことに気づいた17歳の賢斗。甥の大我の世話を頼まれたことでマンションの人と関わり、よ -
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あの優しい死にたがりの生きたがり。深すぎる言葉。隣人の子供を見守る老人。その子からは「なんのために生きているのか」と問われる。その答えは最終章に完結する。
確かに生きていて生きてゆくと
舞台の真ん中にたつ夢を叶えられず、その上その夢をないがしろにしたばかりに愛する人にも去らされてしまう。
どの章もこの劇団に繋がるが、やっぱりメインが一番面白かった
確かに「生きること老いることが愛しくなる」物語
読んだ後に、後書きにこの物語がドラマ化されると冒頭の女の子役と作者との対談があり、この対談合わせて読むとさらに物語がうったえたかった事柄がよく理解できた。
ドラマ化楽しみ