白尾悠のレビュー一覧

  • 魔法を描くひと

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    ネタバレ

    一応別名にしているが、ディズニーで働く女性たちの2つの時間軸の物語。

    一つは20世紀初頭、ディズニー勃興期にアニメータやイラストレイターとして働いたレベッカとその仲間達が、女性ゆえの地位的差別や、世界恐慌第二次世界大戦などの激動の中で働き生きた物語。

    もう一つはコロナ期つまり現代日本の契約社員真琴が、展覧会の企画に携わる中でディズニー勃興期に活躍した女性たち(つまり一つ目の物語)を知ることになり、その世界を探る物語。

    いつ仕事がなくなるか、いつ首になるか、分からないなか、男性や正社員より安い給料で単純労働を優先的にさせられる、能力ある女性たちの苦闘。男である俺が読んでも本当の辛さは分かっ

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    2025年09月27日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    ココ・アパートメント、寄宿舎に近いアパートってとこかねぇ。それも会社や学校が提供する共同生活施設ではなくて、不特定多世代の人たちのコミュニティ施設なわけでしょ。隣人ばっかしは選べんからはてさてどんなもんだろう。康子さんみたいな波乱万丈に生きた方から人生訓を授けていただけるならばありがたいかなぁ。俺自身から他者に授けられるもんはないわけだし。たまに会って語るぶんには薄っぺらい語りでも繕えるけど、日々顔を合わせるとなるとそうもいかん。酔っておだをあげるさもしい自分が浮かぶ。と、己をココに置いて悩みながら読む。

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    2025年09月13日
  • サード・キッチン

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    留学していた時を思い出す、若々しく苦々しい小説。

    最初は青春小説のように読めた。「周りを恨んで巡りが悪い時って何もかもだめ」というあるあるとか「人と出会って成長、好転していく様」とかは小説として面白かった。

    ただ、中盤から主人公があまりに内省的すぎて「めんどくさ!」となってしまった。考えすぎている思考をトレースされる感じで、読み飛ばしてしまった。
    頭で考えるより、目の前の景色を見なさいよ、と思っていたら、最後はそういう着地点に落ち着いていた。とりあえず、主観と自分の考えを鍛えるのが大事だなぁという感想に至った。

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    2025年08月15日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    ・自分を大切にすることで家族や周りの人を大切にできる。自分の環境を自分でより良くできる人。自立って、本当はこういう事なのではないのかなぁと感じる。
    ・康子さんの、周囲との距離のとり方が素敵。近すぎず遠すぎず、相手を尊重できる人。

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    2025年07月22日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    コミュニティ型マンションってなんだろう?
    そんな思いを持ちながら読んだこの本

    部屋は独立しているけれど、共同の場所もあったり、当番が食事を用意したり、掃除をしたり
    そんなマンションの住人たちのお話

    こんな共同生活もいいのかもしれないと思いつつ、私にはハードルが高いかなぁと思ってみたり

    案外慣れれば住みやすいかも?
    完全に一人ではないし、それぞれの暮らしを尊重し合えればきっと楽しい

    お隣さんと仲良くしましょう

    そんな時代ではない今だからこそ、新鮮で人との繋がりってやっぱり大事だよなぁと思う、そんな作品でした

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    2025年07月20日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    人が人を思う気持ちには色々な種類がある。
    大事にしたい人が何を考えているのか、どうしたらより幸せなのかを考えること。
    時には周りを頼っていいと知っておくこと。

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    2025年05月22日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    様々な事情を抱えた多世代が協働するコミュニティ型マンション。
    適度な距離感で関わり合って、助け合う暮らし。
    繋がりが少しずつ積み重ねられていつの間にか信頼関係が生まれていく。
    ほんの少しの優しさが誰かの力になれるのかもしれない。
    もちろんいいところだけじゃなくて、合わない人もいるっていう部分も描かれていて、そこもよかった。

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    2025年05月13日
  • ゴールドサンセット

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    舞台劇のお話なので
    文章読んでるよりも、実写化はとても迫力があって見ごたえもあった。
    内野聖陽さんの演技は圧巻でした。

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    2025年05月05日
  • 魔法を描くひと

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    ネタバレ

    20世紀初頭に創業した世界的なアニメーション会社であるスタジオ・ウォレス社。60年前に日本で開催した展覧会の展示品が発見され、新しい展覧会が行われることが決まった。日本支社の契約社員の西真琴は展示品の希望リストを作成するためアーカイブを確認していて魅力的なデザイン画を見つける。そこにはM.S.HERSEAのサインがあり…。
    1930年代後半から40年代に活躍したスタジオ・ウォレスの名もなき女性アニメーターたち。現代の真琴の視点と、激動の時代を生きるレベッカの視点でM.S.HERSEAの正体、人生が明かされていく。

    よく内容を知らずに手に取ったので女性アニメーターを描いた本だと読み始めて知った

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    2025年04月29日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    色んな年代、色んな人たちと関わることで価値観とか養われていく。狭い中だと自分が正しいって思いがちだからこういったコミュニティも良いですよね。

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    2025年04月23日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    ネタバレ

    正直ご近所付き合いは煩わしい。それでも、人と人のふれあいはこんなにもあたたかい。
    まさにタイトルの通りだな、と思う。
    様々な生き方や自由が認められるようになり、あまりにも多い選択肢に途方に暮れてしまうなぁ、なんて悩んでいる今日この頃。
    コミュニティ型マンションで協働しながら生活をする中で、様々な幸せの形があることを傍で再確認できることはとても安心するし、救われた気持ちになるだろうなぁ。
    読み終わってからもう一度プロローグを読み返すととても優しい気持ちになった。

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    2025年04月22日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    ココ.アパートメントとは
    「心地よい暮らしを作るために、多世代の住人が協働するコミュニティ型マンション」

    住人は単身者、ファミリー、老年夫婦、抱えている事情の違う人たちに視点をあてた6つの短編集。入居した経緯も明かされていきます。

    発達障害を持った子どもの存在を実家から拒否された和正さん。
    「こんなに小さくても、自分なりのこだわりがいっぱいで個性が全開なんだね。」
    入居者の大治郎さんの言葉に、私も目頭があつくなりました。

    人と関わっても関わらなくても、面倒なことは日々あると思います。
    人とうまく付き合いながら、より良い人生を送りたいと思うのはみんな同じじゃないでしょうか。

    年代、価値観

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    2025年04月20日
  • 魔法を描くひと

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    男女差別、正社員と非正規社員の格差、戦時中の人種差別など、色々詰め込まれていて、途中で話が長いなと感じた。同じ女性でも、立場が違うと何もかもが違う。性別に関係なく、頑張って成果を上げた人が正しく評価される社会になってほしい。

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    2025年04月16日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    素敵な話。
    素敵な庭の大家さんと、隣のシェアアパート。
    誰もみんな、何かしらの問題はあると思うし、この生活が合うひと・合わない人。
    確かに子育て中のいっぱいいっぱいの時など、すごく助かる感じ。
    社交的で、寂しがりやさんには、とてもいい環境かもね。

    いろいろな人のいろいろな話が盛り込まれてて、面白かった。

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    2025年04月05日
  • サード・キッチン

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    潜在的な差別とか偏見ってあるよね。って話。
    そういったバイアスともうまく付き合っていくことでよりよい関係は作れるのかもしれない。
    ただ、バイアスがあることで理解のしやすさもできるのもまた事実なんだよな。
    そのあたりのバランス感覚は難しい。

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    2025年03月30日
  • 魔法を描くひと

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    あまり考えた事なかったけれど、アメリカでは戦時中にもアニメーション映画って作られてたんだ。男尊女卑は国境関係ないね。スタンドバイミーの映画製作会社版な印象。女から生まれて女を見下すって変な話。その発言も男に対する差別なんだけど。
    戦争は誰のためにもならない。終戦の喜びが原爆投下の絶望を上回る程に。
    ファンダジーな内容を想像して読み始めたけど、かなりリアル世界。時代が前後しながらも読みやすい構成だった。

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    2025年03月20日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    ココ・アパートメントと言うコミュニティ型マンションに住む住人達のそれぞれの視点による短編集。心温まる話が多くて仕事で荒んだ私の心が少し癒されたと共に突き刺さる言葉もあった。「この先子供たちに仕事を抜きにして、胸を張れる自信がない。」

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    2025年02月27日
  • 隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい

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    康子さんがいれたミントのハーブティを飲んで、スッキリしたいな。私もここに住んだらなにかが変わりそうな気がしました。

    ココ・アパートメント。NPOが管理する賃貸マンション。心地よい暮らしを作るために多世代の住人が協働するコミュニティ型マンション。ここに住み、集う人々の連作短編集でした。

    ここには、月に一度の定例会、月に数回あるコハン、共同設備の掃除やストック管理、庭仕事など様々な役割を分担する各コミッティーなどがありました。誰かが責任者ではなく、みんなでという考え方です。

    今までの自分の考え方がおかしかったことに気づいた17歳の賢斗。甥の大我の世話を頼まれたことでマンションの人と関わり、よ

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    2025年02月07日
  • ゴールドサンセット

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    あの優しい死にたがりの生きたがり。深すぎる言葉。隣人の子供を見守る老人。その子からは「なんのために生きているのか」と問われる。その答えは最終章に完結する。
    確かに生きていて生きてゆくと
    舞台の真ん中にたつ夢を叶えられず、その上その夢をないがしろにしたばかりに愛する人にも去らされてしまう。
    どの章もこの劇団に繋がるが、やっぱりメインが一番面白かった
    確かに「生きること老いることが愛しくなる」物語
    読んだ後に、後書きにこの物語がドラマ化されると冒頭の女の子役と作者との対談があり、この対談合わせて読むとさらに物語がうったえたかった事柄がよく理解できた。
    ドラマ化楽しみ

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    2025年01月29日
  • ゴールドサンセット

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    「演劇」の魅力にハマった人は好きだと思う。昔、バイト先には演劇をやる劇団員が多くいた。その縁で何度か見に行ったけど、舞台というのはやっているには非常にら魅力あり、楽しいものなのだと思う。

    当作品は少しでも携わった人なら共感を覚えるところもあると思うが、私を含めほぼ縁がない人が読んでも、共感や楽しさをいまいち感じられない感じである。

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    2025年01月29日