あらすじ
人生の黄昏を希望に変える温もり溢れる一冊。
人生は十人十色。悩みや悲しみ、後悔、生きづらさを抱え、傷つきながら進んでいく人々の姿の中に、希望と勇気を見いだす連作短編集。
中高年の劇団をモチーフに、その団員と周囲の人々の生き様を描く。
第一幕 ひろった光---同級生がいじめにより自殺。その事実に傷つきもがく少女が出逢う、隣部屋の老優。その奇妙な行動の果てには。
第二幕 金の水に泳ぐ---真面目に頑張って生きてきた40代独身女性。リストラと婚活に戸惑いながら、人生と自分を見つめ直して得た答えは。
第三幕 ゴールデンガールズ---定年後の男性。自分がかつてパワハラ、セクハラをしていた女性に偶然出逢うが……。痛快なラスト。
第四幕 なつかしい夕映え---老人の家を訪れる二人の若い男。その正体は一体?そして、珠玉の思い出とは。
第五幕 黄金色の名前---かつて女性の誰もが抱いていたつらさと葛藤を、女性ならではの目線で描ききる。
幕間 登場人物達が織りなす、出会いと絆。
終幕 ゴールド・ライト 老優の心に去来する悔恨に満ちた人生。そして戻らない深い愛。それでも生ききる強さ。
読後、生きること、歳を重ねることに前向きになれる作品です。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『ゴールドサンセット』の文庫版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人生は長いようで短く、取り戻すことはできない。一方で、いつからでも自分の時間を情熱で燃やすことはできる。キャリアを考えているミドルからシニア世代の方に読んで頂きたい一冊。
「老いること」を恐れる者、楽しむ者がいる。
「生きること」に理由を見出せない者、生きがいを見つけ進む者がいる。
老後生活の中で生きがいを見出す者、過去の過ちに気付き悩み苦しむ者、人生に希望を見出せない学生…。人生の分岐点でそれぞれが進む先は、とある劇の一つの舞台に集約される。
劇中の物語と役者の人生が重なり合って感情が震える。人はいつからでも新しい一歩を踏み出せる。そして、その一歩を歩み続ければいつか大切な人に届くのだと思わせてくれた。
Posted by ブクログ
あの優しい死にたがりの生きたがり。深すぎる言葉。隣人の子供を見守る老人。その子からは「なんのために生きているのか」と問われる。その答えは最終章に完結する。
確かに生きていて生きてゆくと
舞台の真ん中にたつ夢を叶えられず、その上その夢をないがしろにしたばかりに愛する人にも去らされてしまう。
どの章もこの劇団に繋がるが、やっぱりメインが一番面白かった
確かに「生きること老いることが愛しくなる」物語
読んだ後に、後書きにこの物語がドラマ化されると冒頭の女の子役と作者との対談があり、この対談合わせて読むとさらに物語がうったえたかった事柄がよく理解できた。
ドラマ化楽しみ