伊藤悠のレビュー一覧
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「―――覚えてなくてもいい。……何も残っていなくていい。何度でも出会い直して、俺と生きようよ。
シュトヘル―――、君のことが好きなんだ、ずっと」
この漫画に登場する主要な人物たちは、皆、己が信じる正義と信念を持っている。他人に付けられた消せない傷や自分しか担えない重い責任が、それらのバックボーンになっている。そして、この12世紀という時代と場所はまだ、盗み・犯す・殺すを、それだけで「悪」と断じれる地盤になっていない。
皆が皆、ユルールでさえも全き善人というわけではないかもしれないが、そうあろうと周りに飲み込まれまいとする彼の強さには、言葉には、見ているだけでも震えるものがある。
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「言葉」をつなぐ西遊記
「言葉」がもたらすものについて。玉音同の運び手ユルールは、己の名前と同じくそれを、人々に等しく与えられた「祝福」だと説く。しかし、彼を追うモンゴル帝国の大ハンは、生涯にわたって身を焼き続ける「呪い」だと言う。そのどちらも、同じ「言葉」がもらたしたものだった。
作画良し、ストーリ良し。まるで、12世紀のその場所にタイムスリップしたかのような、臨場感を持っている漫画です。 -
Posted by ブクログ
冒頭は現代。
主人公・須藤が転校生・スズキと出会い、13世紀初頭のへトリップする所から物語が始まる。
シュトヘル(悪霊)と呼ばれる賊になってしまった主人公はスズキに瓜二つな少年・ユルールと出会い、自分(シュトヘル)が何者なのかということ、そして旅の目的を知る。
今巻はプロローグの様なもので続巻以降より本格的に話が進んでいく。
1巻だけを読むともしかしたら退屈に感じるかもしれないが、後にうまく回収してくれるので頑張って読んで下さい。
画力は高く、登場人物の表情がとても豊かです。
線のタッチは細めですが力強い作画です。
個人的に現代と過去のキャラの性別が転換されているトコがお気に入りです。( -
Posted by ブクログ
皇国の守護者という漫画がございまして、その本が好きでございました。
それから伊藤様の本を調べ、シュトヘルにたどり着きました。
皇国の守護者でもそうであったように豪快なペンの走り方や表情の描き方、物語の展開はもとより、感情溢れる絵の表現がたまらなく好きです。
内容は言わずもがな大変わくわくし、次が楽しみでしょうがないものとなっています。
歴史ものやファンタジーではない戦闘物、強い女性、動物がかっこいい、たくましい男性、綺麗な女の人、男の子、が好きな人(おねしょたが好きな人)には強くお勧めします。
絵柄は少女マンガや最近よく見るスタイリッシュ?な絵柄?しか受け付けない方には抵抗があるかもしれません