日高ショーコのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
この作品に出会えて幸せです。
その昔、完璧主義者の父・暁直は智之の出自の真実を知り桂木家に激昂します。もともと言葉に毒のある人でしたが、騙されたという事実は暁直のプライドを打ち砕き、その辛辣な物言いに子供だった智之はひどく傷つきます。そのことが8巻までの間に何度も何度も繰り返され、読者の心にも大きな痛みとして残るのですが、こじれてしまった桂木の出自を暁人は一つ一つ解明し、真実にたどり着き、解決していく。この忍耐強さと聡明さには心打たれます。それは怜悧な桂木さえもどうしようもできなかったことでした。しかし、暁人の「優しい父と威圧的な父、どちらが本当か」の言葉に読者もはっと気づかされるのです。想像を膨らませてみると、30過ぎて
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購入済み
次の段階へ
4巻で一区切り、5巻からさらに踏み込んだ内容になります。森山家のパーティの裏で起こるそれぞれの物語。森山家、石崎家、桂木家、西園寺家、そして久世家。過去からのしがらみと未来に向けての画策をこの一晩のパーティで網羅させてしまう作者の手腕はすごいです。暁人の人を見る才能は桂木のものとは質が違う。二人の違いを見せつけられた感じがします。
それにしても背景の素晴らしいこと。また、衣装も素晴らしかった。シャツのボタンホールの異なる向きまで書かれてました。鎌倉で親子3人の小さなカットがありましたが、小さな暁人の袴姿が可愛くてキュンときました。