岩井三四二のレビュー一覧

  • 津軽の髭殿

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    2024.10.31完了

    淡々と進む岩井作品。津軽為信をもう少しおどろおどろしく表現するかと思えばあっさりとしていた。津軽氏を知るとっかかりには充分と思われる。

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    2024年11月01日
  • 銀閣建立

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    銀閣建立によって引き起こされる悲喜交々。
    銀閣に対する将軍の想い、棟梁の矜持。
    そして同業者との争い、家族、奉行衆との関係、そして時代。
    作者が書きたかった事が色々ありすぎて、最後がちょっとボヤけた感じになってしまったか。
    どこかにカタルシスを感じるところがあっても良かったように感じる。

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    2023年10月25日
  • 天命~毛利元就武略十番勝負~

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     歴史小説が好きでかなり読んできたが、毛利一族の物語は初めて読んだ。
     「三本の矢」のエピソードぐらいは知っていたが、最初、毛利家は小さな国だったのはちょっと意外。最初から安芸の大きな豪族だと勝手に思っていた。
     主人公の元就の知略、ある意味「だまし討ち」じゃんという戦略は読んでいて楽しかった。
     尼子一族とずっと戦っていたという知識はあったが、元就は死の直前まで戦争していたということを知りました。隠居に憧れた老年期。でも周りが許してくれない・・・男として、ちょっとうらやましく思えました。

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    2023年06月29日
  • 清佑、ただいま在庄

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    岩井さんは、本当に中間管理職の悲哀や市井の人々の物語を書くのがうまいなぁ。いつの時代も変わらないことがよく分かる。

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    2023年02月05日
  • おくうたま

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    浅井長政の庶子である喜十郎は浅井家滅亡とともに疵医師の瑞石に預けられる。自分の生まれた家や師匠である瑞石、織田方の残党狩りなどに翻弄されつつお家再興を目指す。題名のおくうたま最後に謎が解け少しほっこりする終わり。

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    2022年10月08日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    甲斐の虎武田信玄の初陣。
    本能寺をめぐる信長の首の行方。
    父の跡を継いだ政宗の総大将の心得。
    側近の立場から見た信玄の深慮遠謀。
    浅井家滅亡への最期の戦い。
    九州の桶狭間島津義弘の木崎原の戦い。
    津軽為信の独立への戦い。

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    2022年09月07日
  • 絢爛たる奔流

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    角倉了以、豊臣から徳川へと世の中がまだ平安を取り戻そうかという時代、朱印船貿易で私財を得て、その私財を投じて、大堰川、富士川、高瀬川など水運を開き、大規模な事業を成功させていく。
    ある意味、日本経済を作り上げた偉人であり、戦国大名以上であろう。

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    2022年07月09日
  • 覇天の歌

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    貧しい家の次男に産まれ一生を寺でこき使われるぐらいならと一念発起して連歌師を志す。連歌師として諸将の間を情報を武器に渡り歩く。天下人秀吉に近づく事に成功したが甥の秀次の謀反に連座して蟄居を言い渡される。細川幽斎とは親しい間柄で本編での幽斎は少し遊び心のある人間で世渡りの上手い人物像に描かれている。

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    2021年09月26日
  • とまどい本能寺の変

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    視点が面白い。本能寺の変そのものを題材とせず、結果、波及した物語を紡ぐという視点。そういう描き方があったかぁ。という感じだ。

    その時何が起きたではないが、徳川家康、羽柴秀吉ぐらいしか注目しなかったが確かに信長に関係のある人は確かにすごい沢山いたわけでその分の物語があったんだと思い直した。引きこもごも人生があったのだ。

    当時としてはそれだけ大きな事件だったわけだ。

    個人的には三七信孝の物語が非常に示唆に飛んでいて笑えた。

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    2021年08月31日
  • 逆ろうて候

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    一般的に斎藤龍興の佞臣として描かれる日根野弘就だが本作では滅亡後も信長に抵抗する武骨な武将に描かれている。天下人に逆らう事で自分が特別な人間だと思い込むが家臣すらまともに養えない事に気付かず主家の仇を討つ事だけを考える。が自分の価値観を否定した義兄に諭され信長、秀吉に仕える。息子と釣りに出かけ自分の方がより大きな魚を食べたいと心の中で葛藤するシーンは自己中心的で面白かった。後半は展開が早かったのでもう少し心の変化を描いて欲しかった。

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    2018年09月16日
  • 霧の城

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    織田と武田の争いの中の男女の悲劇
    城主が亡くなった城を攻めとる手段として未亡人を
    何故か老いらくの恋に、信玄が亡くなり大きく時代が流れる中、予想通りの悲劇が
    信長の意に沿って動いた川尻のこの物語後の最後で

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    2018年08月11日
  • 城は踊る

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    討ち死にした城主の城への出陣
    美貌の貴族の娘の正体は
    敵味方の将を翻弄する正体は
    過去に関係を持った一攻めての将だけが
    鉄砲を装備した北条のが主導権を持った展開?、少人数が故に

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    2018年08月11日
  • あるじは信長

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    秀吉などの有名どころの話ではなく、名もないような家来衆の話。
    皆、信長の悋気を怖れながらも出世を望む。

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    2018年02月14日
  • 光秀曜変

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    本能寺の変は、明智光秀が67歳の時に起こった、という説(?)に基づいて、書かれた話。

    光秀が老いによる衰えを懸命に隠しながら、パワハラ上司・信長に仕える様は、もう読んでて辛くなりました。
    “一番の敵は、老い”というような、切り口で語られているのですが、光秀が何とも哀で、「誰か、何とかしてやれよ・・(年寄りは大切に)。」と思わずにいられませんでした。

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    2017年08月22日
  • 情け深くあれ 戦国医生物語

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    戦国時代、京で医生をしているもと武士の主人公の成長物語。様々な患者やその家族との関わり合いのなかで、否応なく戦乱に巻き込まれていく。
    女性の描き方が淡白というか、存在感なくてちょっと物足りないかな。

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    2017年08月06日
  • むつかしきこと承り候 公事指南控帳

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    公事についてのアドバイスをすることを裏の生業とする、薬種屋の時次郎。彼が手助けするのは、簡単にはいかない面倒な案件ばかり。公事宿の人間が難色を示したり、何年もかかるようなものだ。そんな事件を調べていくと、思いもかけない“裏”が見えてくることも。そんな話を描いている。現代の裁判である公事のことが描かれていて、その厄介さがよくわかって面白い。

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    2017年07月25日
  • 霧の城

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    各々の孤独を抱えたような背中合わせの二人が気になって思わず表紙買い。
    外見で惚れた腫れたじゃなく、決して若くない二人だからこそ会話とか心持ちで惹かれ合う方がよかったな。
    結びつきを深めていった後半、情勢と共に絆にも暗い影が差す。夫と生まれてくる子との幸せを守りたいおつやと主君武田家を守ることで頭がいっぱいの善右衛門との男女のすれ違いがもどかしい。妊娠中の彼女の心細さが伝わってきて胸が苦しくなる。
    戦国時代に生きる厳しさと過酷さ、背中合わせが暗示していたかのような二人の運命…全てが霧に包まれたように重かった。

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    2016年10月27日
  • 情け深くあれ 戦国医生物語

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    侍がいやになり、故郷を捨てて京で医者修行中の英俊。戦乱の世に翻弄されながら、彼は果たして“慈仁”の境地に辿り着けるのか。

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    2016年06月26日
  • 太閤の巨いなる遺命

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    ストーリーとしては、ラストの方以外は全く意外感がない。
    当時の海戦とか、船の取り扱いを丁寧に描いているのは好感が持てるというか、素直に面白かった。
    んが、結局何だったんだという感じが否めない。
    力が幻想を生み、幻想が人を惑わせるということか。
    それならば他にもっと描き方もあったような気もする。
    語る視点が、複数あるのもこの程度の長さでは読み辛い。

    何より、タイトルがセンスない。

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    2015年11月23日
  • 銀閣建立

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    室町時代末期、幕府の権力が弱まり疲弊しているにも関わらず、将軍職を引退した後の自分のためこだわりの御所を建てよと命じる足利義政。お抱えの番匠たちが今で言う競争入札や、談合のような形で仕事を取って行く様。そして建設するための莫大な費用を民からあらゆる形で捻出させていたことなど、かなり興味深いものがあった。
    こだわりの御所のための番匠たちの苦労もとても興味深いのだけれど、同じような番匠ものの山本兼一さんの迫力ある「火天の城」とどうしても比べてしまい、全体の満足度が低くなってしまいます。

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    2015年10月03日