佐々涼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2024年9月に希少がんのグリオーマで亡くなった佐々涼子さんのエッセイ集。
人の死や、生きていくということを色々な人を取材し作品にしてきた作者が、あとがきで、自分の人生が間も無く終わることを静かに語った上での以下の言葉が印象的だった。
「いつか私にも、希望の本当の意味がわかる日が来るだろうか。誰かが私を導き、夜明けを照らしてくれるだろうか。もし、それがあるとするなら、『長生きして幸せ』、『短いから不幸せ』、と言った安易な考え方をやめて、寿命の長短を超えた『何か』であってほしい。そう願っている。そして遺された人たちには、その限りある幸せを思う存分、かみしめてほしいのだ。」
ちょうど今観ている -
Posted by ブクログ
エッセイに共感し、ルポルタージュでは佐々さんの取材姿勢や物事の受け取り方に感じ入りながら読み進めた最後に、ご自身の脳腫瘍のくだり。しかも余命数ヶ月という。
「誰もがいずれは通る道」「その瞬間を生き、輝き、全力で楽しむ」そして、「ああ、楽しかった」と言って別れる。 目の前に死が迫っているその瞬間にこれを言える佐々さんの、「強さ」という言葉だけでは言い表せない、人としての深さを感じた。
知らずに読み始め、慌てて調べたら、1ヶ月前の9月1日に亡くなっていた。この日は自分の誕生日。年齢もさほど変わらない。大病から命拾いした身としては、自分が今生きている事実を重く受け止めずにはおられない。他の作品も -
Posted by ブクログ
エッセイを一つ、ルポルタージュを一つ読むたびに
「佐々さんはもういないんだな」と想いがこみ上げてきた。
途中、闘病中の番組をYouTubeで観たりもして、どんな気持ちで執筆されていたんだろう…と。
たくさんの「死」と向き合ってきた方だけど、ご自分のとなると一筋縄ではいかなかっただろうと思う。
過去のもの〜最近のものまで書かれた年代はバラバラだけど、どれも大切に読ませてもらった。
特にあとがきの言葉は、すっと心の奥まで入ってきた。
今、この瞬間を「あー楽しかった!」と言えるように。限りある幸せを存分に味わえるように。
メッセージ、しっかり受け取りました。
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Posted by ブクログ
日本は移民・難民について厳しい、という知識はあったけど、現状についてのルポを読むと、ほんと知らないことが多いな、と。見ないようにしていたというのが正直なところかもしれない。入管の状況は相当マズいのでは…人権侵害もいいところ。
とはいえ、ヨーロッパでの移民・難民による(?)急速な社会変化の様子など見ると、日本でどのように受け入れていったらよいのか悩ましい。
まあ斜陽国家だから、そのうち見向きもされなくなる可能性もあるけど…。書いてあったけど、むしろ子どもたちが移民になるかもってのは思ってる。
この方のノンフィクションは興味深いトピックが多く、寄り添い方が等身大で、読みやすいなあ。