佐々涼子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人を魅了するノンフィクション作品の難しさ(話を盛ったりすることは、既にノンフィクションではない)について、考えさせられました。
また、一つ一つが短いエッセイであるため、隙間時間に少しずつ読んでいくことができました。
著者は、仏教にも関心があり、実践や体験を通じて、僧侶との交流もあったようですが、いわゆる高名な僧侶についても、ありのままの視点で、痛烈な皮肉と感じる表現をされている部分があります。とても親近感が湧きました。
また、日本語学校の教師というキャリアからも、その体験や思いをつらつらと著されていますが、その現実や今後の展望についても解りやすく示されていました。
ご興味が少しでもある方は、是 -
Posted by ブクログ
ネタバレP202
『働きたいのに働けない難民がいるのに、働いて欲しい日本から逃げていく外国人労働者がいる。どこまで探っても日本の政策は、他人に対する敬意がなく、ただちぐはぐなだけだった。』
なんてつらい話だろう。日本に働きに行き稼いで故郷で錦を…なんて過去の話。もう日本に行きたい人なんていない。そして過去、外国人労働者に頼っていた業種は人手不足。
入管の環境、人権無視の扱いなど、読んでる限りはひどすぎる。けど、何事も両方の言い分をきかないことには判断できない、と思ったり。
移民、難民、技能実習制度、全てが繋がっている。
この先、佐々涼子さんの著書は読めないことが悲しい。ご冥福をお祈りします。
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Posted by ブクログ
あとがきから、「ひとつだけわかったことがある。それは、誰も「死」について本当にはわからないということだ。これだけ問い続けてもわからないのだ。もしかしたら、「生きている」「死んでいる」などは、ただの概念で、人によって、場合によって、それは異なっているのかもしれない。ただひとつ確かなことは、一瞬一瞬、私たちはここに存在しているということだけだ。もし、それを言いかえるなら、一瞬一瞬、小さく死んでいることになるだろう。
気を抜いている場合ではない。貪欲にしたいことをしなければ。迷いながらでも、自分の足の向く方へと一歩を踏み出さねば。大切な人を大切に扱い、他の人の大きな声で自分の内なる声がかき消されそ -
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前半がエッセイ、後半がルポルタージュで構成された作品集。
死生観にまつわる数々のノンフィクションを手掛けられた著者の作品集だけに、自分の知らなかった世界を垣間見ることができたし、取材先での出来事を通じて、大変な苦労や葛藤されたことが窺い知れた。
著者の死生観に寄り添うことで、掴みどころのない死に対する答えが見えてくるのか、と前のめりになって読んでみた。結局のところ、生きている限りそれは誰にも分からなくて、いくら自分の外側を探しても答えは見つからないという。自分の内側に戻ること、自分なりの生き方を見つけることが大事だと。なんだか宗教的な感覚だけど、少し腑に落ちる感じもした。
いつか迎えるであろ -
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『エンドオブライフ』つながりで読んでみた。
氏の作品は、『エンジェルフライト』『紙つなげ』『エンドオブライフ』に次いで4冊目。これを書いた佐々さんはもういらっしゃらないんだなと、そんな思いを反芻しながら読み終えた。
以前、お仕事をご一緒したさる版元の編集者が、初期の頃に佐々さんとお仕事をされたそうで、『エンジェルフライト』が開高健賞を受賞したときに喜びの投稿をしていたのを読んだ。ふだんSNSをやらない彼だったが、そのうれしさがつたわってきて、編集者としてうれしい気持ちになった。
p16
「人は死に方を知っているし、家族も送り方を知っている」と在宅で看取りをする医師が言っていた。
*在宅の看 -
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やっと読んだ佐々氏の本。
エンジェルフライトを数年前読みたい、と思ったままの自分に、日々大切に生きろ!と言われた気がする…
友人で弁護士になり入管重要問題を扱っている、と言う人の話や、柿を送ってくれる東北で頑張る本屋の話、ベトナムなどアジアからの就労で来た外国人実習生へのインタビューなどは涙が出てくる。
日本語は生きるための言葉を教えないと意味がない!と。
佐々氏の本を通して仏教をみる人がいるようだ。国際霊柩送還士、東日本大震災など死生観に関わるようなノンフィクションを描くのはきっと身を削るようなところがあるのだろうか、ある日文章がかけなくなり、旅に出て各地の宗教、瞑想を求め旅をするが、ふ -
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ネタバレ気になるところに付箋を貼りつつ読んでいたら付箋だらけになってしまった。
佐々さんの文章がとても染みる。以前読んだ「エンジェルフライト」や「紙つなげ!〜」がとても良かったので本作も早く手に取りたかったけれど出会えたのは亡くなられてからになってしまった。
病を得て余命が僅かであることを知ってから綴られた文とその以前からの文との陰影を感じながら読み進めた。
最初の章のエッセイはまだ余命を知る前に書かれたものなのかなと思った。
でも状況や物事の捉え方がやはり深くてとても命を意識した表現に自然となっていると思った。
p58「弔いの効用」の中の枕経のシーンで、とても悲しい場面なのにどうしてもおかしい状 -
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初めて読んだ「エンド・オブ・ライフ」が衝撃だった
そして「夜明けを待つ」も深い感動を……
その作家が先月、56歳という若さで逝ってしまわれた!
ニュースにショック
これは友人が送ってくれた
中島京子の「やさしい猫」を読んだ後、読みたいと思っていたものだ
〈そして「ウクライナ難民で始まった話ではない。
ミャンマー、スリランカ、イラン、アフガニスタン、そしてアフリカの国々から……。
命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか? 〉
広範囲な取材に胸が熱くなる
私たちってこんなにひどい国民なんですね
知らないでは済まされないですよね
佐々涼子さんの痛切な願いを -
Posted by ブクログ
佐々涼子さんが、在宅医療を取材して書かれたノンフィクション。
タイトルの『エンド・オブ・ライフ』という言葉の重みを強く感じました。在宅医療の現実を知り、渡辺西賀茂診療所の医師や看護師、ヘルパーの方達のきめこまやかさに脱帽しました。そして、なによりも在宅医療を受けていた患者さん達の病気の受け止め方や、生き方に感銘を受けました。
「亡くなる人って遺される人に贈り物をしてくれるんですね。」という言葉が、とても印象的でした
グリーフをかかえて生きていくことと、いずれいつかは自分も経験するだろうことについて、とても参考になる本でした。
最後になりましたが、佐々涼子さんのご冥福をお祈りいたします。