鈴木るりかのレビュー一覧
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ネタバレ「さよなら田中さん」のシリーズ 4作目
と知ったのは この本を読み終えてからだった・・・
そう 主人公は母子家庭の田中花実。
前半は受験生になった花実の母がひったくりにあった話から展開されていく。
後半は花実の母 真千子の母(祖母)が亡くなり、遺品整理したノートから その生きざまを紐解き 母との関係を知ることになる。
出だしの能天気な母と大家のおばさんの会話はテンポよく (ぁぁ この日常会話がいいんだよなぁ)と感じる。
そこからの ちょっと息苦しくなる同級生の家庭環境や疎遠になっている母と祖母の関係。
文章のリズムが心地よく 読み手を離さないのはこの作家さんの凄いところ。
(そうか もう -
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鈴木るりかの落花流水を読みました。
落花流水の意味は
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。
時がむなしく過ぎ去るたとえ。
別離のたとえ。
また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。
散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。
転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということです。
主人公は小さい時よりお兄ちゃんと慕っている男性が居ました。
常に思って -
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6冊目の鈴木るりかさん。14歳で作家デビューし、現在、早稲田大学の2年生だそうです。20歳になったるりかさんの新作はデビュー作『さよなら、田中さん』の田中親娘シリーズの4作目。
中学3年生になった花実ちゃん。毎回のことですが、田中母と大家のおばちゃんの会話が本当におもしろい。そして田中母のポジティブシンキング「幸せは自分の心が決める」が素晴らしい。
今作は田中母がひったくり被害にあってしまうお話と花実の祖母タツヨのお話。田中母と祖母との確執の経緯が明らかに…。大家のおばちゃんの息子で元ニートの賢人くんが何気に頼りになってるなぁ。
前半は私の好きなるりか節炸裂。そして後半は重くて深い余韻を -
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ネタバレ初鈴木るりか。中学生デビューの作家さん、この作品は高校生の時に書いた第5作らしい。高校生が描いた小説としては確かにすごい!俺も、せめて20代で読んでいたら、おもいっきり彼女の小説にはまっていると思うが。
やっぱり人生半世紀過ごしてしまうと、感性が擦れるんやろなぁ、10代の感じ方や考え方に乗り切れないんよねぇ。まぁそれが、正しい?普通のおっさんなのかもしれないが…。
そういや、新井素子の星へ往く船シリーズも高校生で書き始めたんやったよなぁ、あれは当時凄く面白かったしのめり込めたから、やっぱ俺の感性が老化してるってことなんだろうと思う。 -
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朝ドラみたいに真っ直ぐで、読んでよかったと思わせて裏切らないのが好き。読むのが遅い私でも2時間程度で読める分量なのも、気軽で良い。
しかし、なぜか著者と同世代の娘には受けが悪い。母親から「高校生でこんな本がかけるなんてすごいよね」と勧められるときに「だからあなたも頑張りなさい」という発してもいない裏メッセージを勝手に読み取り、うんざりしているのか。面白いのに読まないなんてもったいないな、と思ってきた。
今回ふと思いついたのだが、もしかして本を買って読むという行為が、推し活のような心理になっているのでないか。デビュー作からずっと読み、作品の進化が我が子の成長のように誇らしく、著者を育てた気になっ -
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藪椿が川上から流れてきた様子を見て、小6だった祐太お兄さんは、小学校に上がる前の私に「落花流水」と言った。
散った花が水面に落ちて流されていく。春が過ぎていく、歳月が流れていくということだよ。と教えてくれた。
憧れのお兄さん。
落合祐太。
警察に連れて行かれる姿を見て、夢だと思った。
小さい頃からずっと好きだった人が犯罪者になってしまったら、、、。
その、ぐるぐるする様子がとても共感できる。
冷凍庫の中の聖一の話は、すごいなぁと思う。
よくこんな印象的なアイディアを思いつくと、感心する。
石田衣良の本名の苗字が石平。石平庄一。
ラストのてんとう虫が中指から飛んでいく場面は涙が出そうになった。