鈴木るりかのレビュー一覧
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ネタバレこの本で鈴木るりかさんを読むのは2冊目
短編集もとんでもなく面白かった。
短編ってある程度この位で終わるかなって予想つくものも多くて、こうなったらそのあとこうなって終わるだろうなって思ったらだいたいその通りなのが多いけど、そうじゃない話の時は満足度が半端なく大きい。
そして鈴木さんの話は後者で、どの話も油断出来ないです。
なにか心の底から渇望しているものに囚われた人達が出てくる短編集だった。
それこそ子供の時から人生の終盤まで、求め続け、手に入りはしない。
陰と陽どちらの話もあるけど、陰側の話が多く感じた。
1つ目の帰る家からもうボディにきて、こんなひっくり返しかたするんや!とびっくり。
家出娘が帰ってきて母親と会話するのを見ている主人公という形にするのが意地悪で最高に嫌な感じ!(褒めてます)
杞憂同盟の終わり方も最高。
上には上がいるし、死んだとしてもまだその先があって、それがもう不安で……って地獄やんそれってなるのにそれこそがあるべき姿だと安心する主人公に泣き笑いみたいな気持ちになる。
母の日の母と子の心の変遷にかなりゾクッとした。
よくある不仲親子ものかと思ったらって感じ。
終わり方で自分は嘘から出た実になり、誰にでも母と父がいるって話にしっくり来てたし、母にカーネーション送るって言ってたから、娘である自分というものだけが本当の世界を選んだのかなって思った。
これ読んで子供に会えてこんなに喜んでくれるならもっと親には会いに行かなきゃな。 -
Posted by ブクログ
クリーニング店の娘・琴美に恋した小4の健太。だが両親が営む雑貨店が大手クリーニング会社の取次店になって関係が悪くなり…『江崎クリーニング店の娘』。など、全7話の短編集。
9年前、当時14歳の中学生だった時に『さよなら、田中さん』でデビューした鈴木るりかさん。
これが中学生(小学生の時から書いていたそうだが)の書く文章なのか!と驚き、ファンになって早9年。全作品を読んでるけど、ユーモア溢れる軽快な文章と語彙力で毎回楽しませてくれる。
そんなるりかさんがめでたく早稲田大を卒業し、立派な社会人に。難しい文章を書く作家さんになってしまったかしらと思っていたら、軽快な文章はそのまま。ちょっぴり大人な感じになってて、ブラックとまではいかないけれど、ハッピーエンドにはならない感じがまたよかった。
次回は長編小説を期待したいな。
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うまいことホッコリとさせられる短編集。
第1話 紅美は雨の中財布を届けたら、藤子は晩御飯を出してくれた。ブーケを買ってまた訪ねたら、アップルパイが用意されていて、今度は和食をご馳走になる。その日は泊まって行くことになった。
第2話 葱が名産の街に江崎クリーニング店はある。娘の琴美が傘を忘れていったので届けたらおやつをご馳走になる。
第3話 佐田修一はなんとなくだるい。感染症にかかったのではないか?ネットをググって感染症に効くとされる方法を志し、アオサと乳製品を購入してくれるよう妻に頼むが売り切れ。日光を浴びることにした。父は日光浴で感染症を撃退したぞと伝えると、妻と娘ははあ?っという。
第4話 芙美子は心配症で、娘が死なないかどうかを常に心配して生きてきた。心配症仲間の増田さんと知り合ってちょっと安心する。彼女も娘に疎まれている。
第5話 香織は旅行嫌いで、泊まるのがダメ。新婚旅行にもいっていない。
第6話 女優の神崎里穂が幼馴染。一緒にオーディションを受けたのに、書類審査で落ちた。
第7話 昌子は母の日が嫌いだ。幼い頃母は出ていった。 -
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憧れの人がいなくなった世界でもがく、女子高生の青春物語
堅苦しいタイトルや表紙とは裏腹に、内容はとてもコミカルで読みやすい。コメディ小説と言っても差し支えないかも。
主人公・水咲が幼いころから憧れていた近所のお兄ちゃん。今や高校教師の落合先生であり、水咲は彼の教え子です。ところが、落合先生は女性の下着(パンツ)を800枚以上盗んだことで逮捕され、一家そろって街を追われてしまいます。水咲にとって、落合先生が生活の指針であり、生きる目的であったため、大きなショックを受けてしまいます。
ところが、大学受験という現実は迫ってくるし、友人は落合先生について諦めろと言う。
でも、水咲はなかなか諦められない。現行犯逮捕された先生のことを「きっと冤罪だ」などという姿は、はたから見ればちょっと痛い子。
こんな水咲の一途、かつちょっと歪んだ愛情に対して、思わずいじらしく感じてしまいます。
さらに、この物語の真骨頂は、軽妙なセリフ回しだと思っています。 -
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2026/01/20
中学生作家の小説が文庫で存在すると知って即購入しました。
とてもじゃないけど中学生が書いたとは思えないほど完成されている小説なのではないかと思います。
主人公の田中花実は小学六年生で母子家庭で育っている一人娘。小学生ながら色々と自分でも考えられる年齢になってくる花実は聞いても全然教えてくれない父親のことについて考えすぎたり、友だちとの約束と自分の家の事情との間であくせくしたり、母親と共に身の回りに起こる日常を小説として読むことができます。
貧しくても底抜けに明るく過ごす花実の母親や、それを小学生ながらにどう見つめているのかという描写も面白いです。
またこの家族を際立たせるのが後半のエピソード出でくる毒親の母親。花実の母親のおおらかさや良さがこの毒親との比較でも読むことができます。
確かに続編があるとしたらとても気になる!と思いました。 -
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ネタバレ鈴木るりかファンの私に取っては、待望の新作。
学生だから仕方がないのだけど、数年に1回のペースの出版だから、前作を忘れてしまうのが悔やまれる。
今回も、ぐいぐいと引き込まれるストーリーと描写。
前作よりも、広い視点や視野、
社会問題に対する感度や、言葉の量、
描写、素晴らしかった。
祖母がまーちゃんにネグレクトしているシーンは、自分のことができない子育てに対するストレスもわかるような気がしたし、
手を出してしまった時の死ぬほどの後悔も同じ気持ちになったし、
姪っ子と重ねてしまって辛くなったりもした。
こんな感情にさせるなんて、るりか様の技術がすごいんだ。
いい読書体験ができたし、
こんなのが書ける若者がいるなんて日本の未来は明るいのではないかと思ってしまう。 -
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14歳の誕生日に「さよなら田中さん」でデビューした鈴木るりかさん。この続編として「太陽はひとりぼっち」、「私を月に連れてって」が出版され、四冊目のこの「星に願いを」は二十歳の誕生日に出されたということ。
「太陽はひとりぼっち」で突然現れたおばあちゃん。お母さんに「死んだ」とされ、お母さんを子供のとき虐待してひとりぼっちにさせた、「クソババア」。
そのおばあちゃんが亡くなったという。おばあちゃんに頼まれ「死後事務委任契約」を結んでいた吉澤さんという女性が、おばあちゃんと契約したとおり、おばあちゃんをお葬式無しで火葬し、無縁塚に葬り、「預金通帳」と「死亡保険金証書」をお母さんに渡しにきた。そしてその他の物は一切捨てるように言われていたのだが、吉澤さんは三冊のノートだけはどうしても捨てられず、お母さんの所に届けにきた。
お母さんは読もうとしなかったが、花実が読んだそのノートには、おばあちゃんの思いのたけが綴られていた。どれだけ真千子に会いたかったか。赦してほしいけれど、自分で自分を赦せない気持ち。どうしてあの時はあの子にあんな事をしてしまったのか、自分が押さえられなかったという悔やんでも悔やみきれない気持ち。そんな本音を誰にも言わず、娘と孫の前では「クソババア」になりきって、遠くから幸せを祈っていた。その気持ちを綴ったそのノートも残さないつもりでいた。
読みながら、これは鈴木るりかさんが二十歳前に書いたということをすっかり忘れていた。
「どうしてこんな若い子が、こんなん書けるかなあ?」と呟いたら、先に読んでいた娘(中学生)が「人生二周目なんちゃうの」と言った。人生二周目?えっ?前世があったってこと?なるほどなあ。いや、知らんけど。
田中家の箪笥の奥の髑髏にこれ以上触れてはいけないと思うけど、おばさんは、まだ気になることがある。「太陽はひとりぼっち」でおばあちゃんがチラッと言ってたこと。「私を月に連れてって」でお母さんの幼馴染がチラッと言ってしまったこと。「もしかしたら殺人犯かもしれない!!??」花実のお父さんのこと。気になるんだけど、明るい花実親子をそのままにしておきたいとも思う。
だけどきっと聡明な花実はこれから色々知っていくだろう。お母さんの健康も気になる。
鈴木るりかさん、大学卒業までに次を出して下さい。田中親子の物語を人生のライフワークにして下さい。
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鈴木るりかさんの「さよなら田中さん」シリーズ、第3冊めです。
今回も、田中花実のお母さんと大家さんの面白さ炸裂。
「人の夢と書いて、儚いと読む、か。パンツ穿いても人生は儚い」
小学校高学年のとき、「瞬足」というメーカーの速く走れる運動靴が流行ったので、花実がお母さんにねだると、「まかしとけ」と買ってきたのは、スーパーのワゴンで見つけた「迅速」。
大家さんの息子でニートの賢人が突然表れた「文代さん」を好きになり、
「私を月に連れてって」と言われたから約束したと言ったことを聞いて、花実のお母さんは思わず
「は?月?何言ってんの?あんたゾゾの社長じゃないんだよ」
底抜けに明るいのだが、そんな中、時々胃がキュッとなることが。
花実と親友の佐知子がたまたま出会ったノンちゃんという子。お母さんが大好きなのだが、アパートの敷地から外に出してもらったことも学校に行かせてもらったこともないという。こっそり二人で児童相談所に電話し、「いいことした」と思っていたが、後で「無戸籍の子が保護された」というニュースを見て、「ノンちゃんがお母さんと引き離された。良かれと思ってしたことが、余計なことだった」と猛省した。
この本では、花見の小学校の時の担任木戸先生と繋がりのあった人や花実のお母さんの子供の時の親友も登場。会えなくてもずっと思っているかけがえのない愛情、友情を感じる。
本当の家族の愛情に飢えた人。だけどそれを信じて力強く生きている人たちが登場する。
鈴子るりかさんはすごい。この時まだ高校生なのに学校で教えてくれないことばかりに目を向けた小説を書いている。
教室で教えられることは限られている。だから本は読まなければならないのだ。