鈴木るりかのレビュー一覧
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ネタバレ鈴木るりかファンの私に取っては、待望の新作。
学生だから仕方がないのだけど、数年に1回のペースの出版だから、前作を忘れてしまうのが悔やまれる。
今回も、ぐいぐいと引き込まれるストーリーと描写。
前作よりも、広い視点や視野、
社会問題に対する感度や、言葉の量、
描写、素晴らしかった。
祖母がまーちゃんにネグレクトしているシーンは、自分のことができない子育てに対するストレスもわかるような気がしたし、
手を出してしまった時の死ぬほどの後悔も同じ気持ちになったし、
姪っ子と重ねてしまって辛くなったりもした。
こんな感情にさせるなんて、るりか様の技術がすごいんだ。
いい読書体験ができたし、
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14歳の誕生日に「さよなら田中さん」でデビューした鈴木るりかさん。この続編として「太陽はひとりぼっち」、「私を月に連れてって」が出版され、四冊目のこの「星に願いを」は二十歳の誕生日に出されたということ。
「太陽はひとりぼっち」で突然現れたおばあちゃん。お母さんに「死んだ」とされ、お母さんを子供のとき虐待してひとりぼっちにさせた、「クソババア」。
そのおばあちゃんが亡くなったという。おばあちゃんに頼まれ「死後事務委任契約」を結んでいた吉澤さんという女性が、おばあちゃんと契約したとおり、おばあちゃんをお葬式無しで火葬し、無縁塚に葬り、「預金通帳」と「死亡保険金証書」をお母さんに渡しにきた。そ -
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鈴木るりかさんの「さよなら田中さん」シリーズ、第3冊めです。
今回も、田中花実のお母さんと大家さんの面白さ炸裂。
「人の夢と書いて、儚いと読む、か。パンツ穿いても人生は儚い」
小学校高学年のとき、「瞬足」というメーカーの速く走れる運動靴が流行ったので、花実がお母さんにねだると、「まかしとけ」と買ってきたのは、スーパーのワゴンで見つけた「迅速」。
大家さんの息子でニートの賢人が突然表れた「文代さん」を好きになり、
「私を月に連れてって」と言われたから約束したと言ったことを聞いて、花実のお母さんは思わず
「は?月?何言ってんの?あんたゾゾの社長じゃないんだよ」
底抜けに明るいのだが、そんな -
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花ちゃん母娘を描いた「さよなら、田中さん」の続編。
とても面白い。
1番印象に残ったのは「神様ヘルプ」に描かれる三上君のその後。
三上君は全ての中学校受験を落ち、母親から疎まれ山梨の寄宿舎付きのミッション系の学校に入れられてしまう。
三上君自身、母親から疎まれているかも知れないと気がついていることを心の奥に隠す。
ここには自分の意志で来ていて、やり甲斐も見つけた。家族と離れても寂しくなんかないんだ。母親から遠ざけられたのではなく自分が選んだんだ、と自分を納得させている。
そんな腹をくくっている三上君なのに花実にあったとたん気持ちがぐらつく。三上くんがいじらしく思えてきた。
すっかり鈴木ルリ -
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要所要所で花実が思い出す小学生の時の担任の木戸先生の言葉がよかった。変わり者で花実だけが、真剣に受け止めていた言葉の数々。
そんな先生の兄弟の話『オーマイブラザー』が、とてもよかった。どんな風に変わっていても、生きているってことがとても大事だということを改めて思った。そして、花実が覚えていた言葉の数々と結び付いた。
花実のとんでもないおばあちゃんは、過去のすさまじさの結果の孤独を「太陽は、いつもひとりぼっちだ」と言ってのける。あの羽毛布団は自分が出ていったあとのために買ったように思えた。そのおばあちゃんに心身ともに傷つけられた子どもだったお母さんが、お餅が好きな理由が切なかった。親が思うより -
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帰ってきた田中さん!
鈴木るりかさんが、14歳の時に書いた「さよなら田中さん」。極貧の母子家庭でありながら、笑いながら逞しく生きる小学生の田中花実とそのお母さんの話であったが、その田中さんが中学生になった。るりかさんが高校一年生で書いたこの「太陽はひとりぼっち」。
中学校の制服一式は公立でも7万円もするのだそう(体操着や鞄も合わせると12万円)。確かにうちの子の学校でも「そんなに!」と思ったが、東京の相場は段違いに凄いな。田中さんのお母さんは、「イートン校の申し込み用紙間違ってもらってきたのかいな」という。仲良くしている大家さんが親戚の子のお古をもらってきてくれたのだけど、それが隣の中学校の制