鈴木るりかのレビュー一覧
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14才のデビュー作ということで文庫本になるのを待っていた。
後書きを見ると7年経っての文庫本化ということで、多少の修正はあるようだが、それ程変更は無いようだ。色々頑張って書いたなという雰囲気はあるが、やはりこの年でこの内容は凄いとしか言いようが無い。実体験かと思うぐらいリアルさが出ている。西原理恵子さんの漫画が後ろに掲載されているが、ある意味、西原さんの漫画に出てくる登場人物達そのもののよう。豪快な母親に貧乏を貧乏と思わない主人公の田中さん。銀杏拾いや自販機のお釣り拾いなどは笑えて哀しい。大昔の話しのようでいて、今もあるかも知れないエピソードで満載。 -
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3時間目、数学の章
ハイレベル模試で9点を取った
もう東京の高校なんて受からないんじゃないかと
思った
この話、読みながら私も高校の時の
テストのことを思い出した。
200点満点の数学のテストで23点
を取った日。ほんと、絶望した。
クラスの平均点130点だったのに。
私が平均点下げてるんじゃん!
ってなったし。
あのときは、人生終わったって思ったけど
今となってはネタみたいな話。
でも、学生の頃ってそれがすべてだから
そこでうまくやれないと人生終わった感
でちゃう。
それだけ追い詰められた主人公を
助けてくれる友達の言葉がありがたい。
そんなに仲がいいわけでもないのに
高校生にして先 -
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「老後は、子育ての成績表ですよ」という言葉をラジオで聞き、自分の今を思う花実の祖母。彼女の日記に圧倒された。多くの悔恨と諦めようとする中での少しの期待があった。そうなった理由がまた悲しく、どうしようもなかったのかもしれないが、自分がやって来たことへの始末のつけ方は、それでよかったのではと思った。負の連鎖を断ち切る難しさの中で生きてきて、断ち切る兆しを見られたことも、彼女にとっては最高の時間だったはず。
でも彼女の娘、つまり花実の母親の真千子も、負の連鎖の犠牲者でたくさん辛い目にあってきた。それを本当に頑張って頑張って生きてきたこと、花実と正面から向き合って育てていることは、すごいことだと思う -
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人は会うべきときに、会うべき人と出会っているのだという。そうなのかもしれないと思った。
今回は、〈食器棚の奥の骸骨〉がたくさん出てきた感じだった。この言葉は、花実の小学生の時の担任が教えてくれた言葉で、どの家庭にも秘密にしておきたいことがあるという意味だ。
大家さんと花実のお母さんは、相変わらずとても元気。花実も友達の佐和子と新しい友達の石井くんとスマホで繋がったりと、楽しそうな日々。二階に住む賢人にも新たな展開があった。
そんななかでの、のんちゃんとの出会い。よかれと思ったことの怖さについて、改めて考えた。そして、職場体験で出会った村山さんと母親の関係、そして隠されている真実が、今後ど -
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ネタバレ高校生のささいな日常をいろんな人の視点から書いている。
1時間目 国語 小説を書く三木さんの話。
2時間目 家庭科 全ての家事が苦手なお母さんをもつ伊藤さんと 卓球してたけどお母さんがガンになって家庭科に入った野間くん。
3時間目 数学 進学校に進めず親の期待に応えられず東京の高校に行くことにした坪田くん。
中原くんがうちから通えばって言ってたのが印象的。
4時間目 道徳 行き当たりばったりの夫婦から生まれた松尾くん。お母さんがミチを連れ込みお母さんもいなくなって2人生活してた。
昼休み 誰からも必要とされない山下さん。休み時間は本を読んでる。「人生を振り返ってみると 一点の曇りもなく最良の日 -
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ネタバレるりかちゃんの本は3冊目。
さよなら田中さん。落花流水。
そしてこの星に願いを。
読む順番間違ってたー!
さよなら田中さんの続編2冊も出てたのに読まずにコレ読んじゃった。汗
罪を背負って生きてきたおばあちゃんの日記。
生きる事、罪を犯す事、罪を償う事、親、兄弟、結婚、夫、子供、そして家族。
まりえママの真心。香川君の償い。おばあちゃんの通帳。
人を思うお金には色々な種類?が有るんだなぁと。
後悔しない生き方って難しいなぁとつくづく考えさせられたこの本を書いたのがまだ二十歳のるりかちゃんだって事がスゴい。
何回目の人生なんだろう?こんなに考えさせてくれる本を書けるなんて。
私も人生最後 -
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いつも明るく楽しい気分になる「田中さん」シリーズ第4弾。
本作では、涙を流しながらのラスト。
まさかこんなラストを迎えるなんて!
花ちゃんの母・真千子さんの絶縁状態だった母娘の過去に迫る作品でした。
戦後間もない時代、不遇の家庭環境で家族の温かみを感じることのなかった祖母。そして母娘が一緒に過ごしたのはほんの短い幼少期だけ。
祖母が遺した日記に記された想いはーー。
花ちゃんの母でもある娘・真千子への愛情と激しい後悔、自責の念が来る日も来る日も綴られていて、苦しくて苦しくて胸が締め付けられる。
「おかーしゃーん」の声が耳から離れなくて堪らない。
祖母への想いを溢れさせる花ちゃんと賢人の会