鈴木るりかのレビュー一覧
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『さよなら、田中さん』『太陽はひとりぼっち』の続編です。
相変わらずの、るりかワールド笑
何度声を出して笑ってしまったことか笑
外で時間を潰しながら読んでいた時もあったので、その時は声は出せず、マスクの下の鼻の下を伸ばすにとどめ、なんとか我慢しました笑笑
主人公花実の母と大家さんの会話が面白過ぎます!
でも、本当は二人とも重い重いものを背負っているのです。それなのにガハハと笑って生きているのです。
デビュー作の『さよなら、田中さん』から花実も作者も成長して深みのある作品になっています。
貧乏だけど明るく生きている!だけでなく、皆、何かを抱えながらも明るく生きている!
そしてその“何か“は“何 -
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今三章まで読んだ。で、思った。予想だ。多分、この本のキーパーソンは〇〇君だ。ってのはほとんどの人が思っただろう。
主人公でもないけれど、彼が何らかの役目を果たしながら物語の中の問題は解決し話が進行していくのだ。残りは読み終えてから書きまする。
はい、読み終えました。3章ぐらいまでは中学生(高校生?)の書いたものだな。でも、とてもうまいな。なんて思ったけれども、6章(5,6時間め)では我を忘れて没頭した。大人でもこれだけのことが書けるだろうか?と思うくらいに驚かされた。それになんともみずみずしい。10代の女の子の感性のなせる業だろうか。感動し励まされた。もっと若いころに読んでおけばよかった -
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本作もすごく面白かったです。
とある田舎の同じ中学校に通う14歳の少年少女たちによる短編集。連鎖と言えるほどではないけど、ところどころ繋がってる部分があったり。どのお話にも、つねに中原くんという男の子が出てきます。各話の主人公にはならないけどキーパーソンとして登場する彼にもいろいろあって…?
それぞれの14歳たちの日々の生活や、悩み、感動に触れ合える。笑って泣ける、そして心に残しておきたいフレーズが必ずあるのはもう、るりか節ですね。
どのお話も好きだけど、一番共感し、励まされたのは「五・六時間目 体育」です。
このお話の主人公・星野茜は、運動神経が悪いどころではなく、もはや運動神経が「ない」 -
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“セカンドウィンド”。二番めの風ということではない。持久走をするとき、初めのころに一時的に酸素が不足するために、呼吸が苦しくなって、足が重くなる。でもその“デッドゾーン”を我慢して走り続けると、呼吸(ウィンド)が楽になり、体も楽になって走り続けられるようになる。余談だが、実は私は最近リアルにこの“セカンドウィンド”を週4くらいで体験させてもらっているのだ(ドヤ顔)。今日は雨だから、無理だな。
星野茜にこの“セカンドウィンド”を教えてくれたのは同級生で、陸上部で活躍する中原君だった。星野茜は“運動神経が悪い”のでなく、そもそも“運動神経がない”くらい、体育が苦手で、毎年の持久走大会の時はさっ -
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「寂しい?太陽はいつもひとりぼっちだ」
「さよなら、田中さん」の続編でありながら、単なる続編に留まらない大進化を遂げ、さらに味わい深い作品として花実ちゃんたち親子が帰ってきた。
前作も響く言葉がたくさんたくさんあったが、本作も相変わらず様々な問題提起や出来事、こちらの心に響く言葉がてんこ盛り。
前作では語られなかった花実ちゃんのお母さんの過去や、大家さんの息子の賢人の過去、逆に前作の最後の話で大変な印象を残していった花実の小学校時代のクラスメイト・三上くんの現在にスポットをあてたお話、そしてまさかまさかの、前作のうちに読みながら私が既に好きになっていた登場人物の1人、花実ちゃんの小学校時代の -
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もう、すっかり私は鈴木るりかさんのファンになってしまいました。
『さよなら、田中さん』の続編です。
前作では主人公の花実は小6、今作は中1。
たった一年だけど、この時期の一年は大きい。
そして、前作から二年たっての発売なので作者も14歳から16歳へと成長しているということでしょうか?
前作もとても面白く読んだけれど、今作は花実の成長と作者の成長が重なって、前作よりも成熟した物語になっていたと思いました。
前作ではどんなに辛いことが起きてもガハハと笑って楽しく毎日を過ごしていた花実親子が印象的だったけれど、今作では花実の母と祖母の確執や、大家さんの息子がニートになった経緯などが描かれています。
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「さよなら、田中さん」の続編。本作も読み始めてすぐ物語に引き込まれました。
登場人物がみんな個性的でその語り口も何ともいえず魅力的。
親子の会話シーンが楽しくて好き。
大家さんと花実のお母さんとの掛け合いとかホント面白すぎる。それを毎回冷静に観察し、心の中で突っ込みを入れる花実ちゃん!
2階に住む大家とは名ばかりのニートの賢人。
花実ちゃんの恩師の木戸先生。
木戸先生の兄。
前作「さよなら、田中さん」に登場してた三上君のその後。そしてそこからの花実との再会。
花実ちゃんのお母さんの子ども時代。
本編だけでなく、登場人物の視点で綴られた短編どれもが良かった。
余韻までしっかり楽しみました。
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あなたは、学校が好きだったでしょうか?
思えば私たちは一生を通じて好きなこと、得意なことだけに時間を費やすことができるわけではありません。大人のあなたの毎日を考えてみても、サラリーマンですという人は毎日の生活のためにやむなく与えられた仕事をこなしていく日々を過ごされていると思います。しかし、そんなあなたはその気にさえなれば転職という別の道が用意されています。しかし、子どもたちはそういうわけにはいきません。決して逃げることなどできずに目の前に提示された時間割を毎日必死にこなしていく他ありません。あなたも過去を思い返してみて、横軸に月曜から土曜まで、縦軸に一時間目から六時間目までのマス目に書かれ -
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鈴木るりか第5作。4作目の感想でこう書いた。
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凄まじい才能だ。年齢や人生経験など関係なく小説の天才が存在することを改めて感じた。作品を上梓される毎に磨かれ無駄が削がれた圧倒的なストーリテリングに驚嘆させられる。センス溢れる会話の妙と洗練されたギャグ、絶妙なメタファー、タイトルに込められた明確な主題、余韻を十分感じさせる終わり方、どれをてっても既に完成された美を感じる程。本作が直木賞候補になっても全く驚かないし、もうそれ以上の存在かもしれない。次回作が本当に楽しみ。
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本作の会話内で引用が多用されているところが若干やり過ぎ(頑張り過ぎ)感強く気になったが、それ以外は言うこと