鈴木るりかのレビュー一覧

  • 星に願いを

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    なかなかディープなお話しで、育児、金、贖罪と息苦しく読み進めていきました。

    今では産後うつとか、メンタルの不調も理解がひろまってきていたり、生活もしやすく感じる部分も増えたように思いますが、それでも悩み苦しむ人は数しれず。
    お金や心に余裕が無いと荒みます。
    にっちもさっちもいかなくなる前に、悩みを打ち明けたり、相談出来る人がいたらと思います。
    誰とも心が通わず、孤独を感じることほど辛いことはありません。

    若手作家さんながら、非常に考えさせられる内容でハッとさせられました。

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    2023年12月11日
  • 星に願いを

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    『さよなら、田中さん』
    『太陽はひとりぼっち』
    『私を月に連れてって』に続くシリーズ第四弾。

    「金の星」「星に願いを」の二話収録。

    一話目は花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う話。
    ユーモア溢れる軽快な物語を楽しんでいると、二話で一気に壮絶な世界へ誘われる。

    見知らぬ女性から届いた花実の祖母・タツヨの訃報。
    タツヨが残した日記に書かれていたのは、目を覆いたくなるような凄惨な家族の歴史だった。

    負のスパイラル、毒親の連鎖、どこかで断ち切る事は出来なかったのか。

    ラストは花実と共に星に願いたくなる。

    心揺さぶられる家族小説。

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    2023年12月06日
  • 落花流水

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    近所のお兄ちゃん、落合先生が下着泥棒で捕まった。文武両道、品行方正で両親と同じ教師の道に進んだ彼にずっと憧れ続け、同じく教師になる進路を決めたばかりの高校生、水咲の心は大混乱。全国ニュースで盗んだパンツ800枚と逮捕される瞬間まで流れたのに信じられない水咲の一途な暴走恋心が深刻にではなくコミカルに描かれているのが瑞々しい。幼馴染みの二人、愛海と聖二のギリギリを攻めた茶化しっぷりが重くなりそうな内容を軽やかにしている。そのネタが三人が文藝部(藝の漢字にこだわりあり)だけあって様々な文学要因から持ってきてテンポ良く進むのが楽しい。落合家の事情が描かれないのが逆にリアルだ。高校生から見た事件ってこん

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    2023年08月13日
  • 私を月に連れてって

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    「遠くへ行きたい」「私を月に連れてって」「夜を越えて」
    3話収録の連作短編集で『さよなら、田中さん』『太陽はひとりぼっち』に続く田中母子シリーズ第三弾。

    今回は『月』がテーマになっている事もあり、月光の裏側の暗い部分が、登場人物の心の闇部分とリンクして描かれている。

    花実とお母さん、大家さん、親友の佐知子、ナイスキャラの石井君、2階の住人・賢人など、それぞれが織りなすテンポの良い会話に笑っていると、突如現れる社会問題。

    ユーモアと負の感情のバランスがお見事。

    若干17歳にしてその知識と語彙の豊富さ、感性に感動する。

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    2023年02月16日
  • 14歳、明日の時間割

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    「国語」「家庭科」「数学」「道徳」「昼休み」「体育」「放課後」
    中学校を舞台に、時間割に見立てた7編の短編が収録されています。

    前作の『さよなら、田中さん』は未読なので著者初読みでしたが、テンポの良さ、知識と語彙の豊富さ、ユーモアセンス、感情の揺さぶり方、本当に中学生にして何たる才能!と素直に驚かされた。

    特に印象深いのは五・六時間目の「体育」
    死を目前にした祖父と、主人公のやり取りには涙が溢れる。

    「忘れていい、っていうのは、いろんな事を許しているってこと」他、おじいちゃんの残した数々の言葉が胸を打つ。
    感動の1冊。

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    2023年02月12日
  • 落花流水

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    鈴木さんの小説は全部読んでいますがこの作品は成長を感じさせられるものでした。
    ハッピーエンドではないところやその後の展開が気になるところも素晴らしいと思います。

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    2023年02月05日
  • 落花流水

    購入済み

    昭和感あふれる笑いが楽しい

    今回は田中さんシリーズではないけど、ユーモア溢れる軽妙な会話と昭和感たっぷりのネタは健在。ホントにJKが書いたの?登場人物は進学校の高校文藝部の部員たちという設定ということもあり、いろんな文芸作品をパロったフレーズが次から次へと出てくる。これって格調が高すぎてオリジナルを知ってないと笑えない。個人的には「母さん、ぼくのヘルメットはどうしたんでせうね?」がツボった。てっきり森村誠一の『人間の証明』のパクリかと思ったら、西條八十の詩がオリジナルなんですね。高校生の純朴な心が微笑ましい爽やかな青春小説だった。

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    2022年12月23日
  • 落花流水

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    さよなら田中さんを読んで、他も読んでみたくなりこちらを読んでみた。

    独特の世界観が笑えるし泣けた。
    こんなハイレベルな会話をする高校生が居るのか?

    信じる者は救われる。
    救いたいと思ってくれる人が居れば救われる人がいる。
    水咲の思いが救われますように。。。

    読み終わると表紙の絵がますます素敵にみえる。

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    2022年12月19日
  • 落花流水

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    鈴木るりかさん、パワーアップしていた!
    頭もさらにハイ回転で執筆しているのでしょうね。

    主人公を含む幼馴染たちとの高校3年生3人の会話が、るりかさん、昭和から生きていた人かと思う。

    ふいに「明るい農村」「加山雄三が言うならわかるけど」「もう頰づえはつかない」頁が進むにつれ、古典文学・俳句・海外ドラマ・社会的事件・芸能、もうさまざまフレーズとダジャレが飛び交う。
    本来のストーリーがわからなくなりそうになる。
    これは、小説漫才と言わせていただこう。
    (本当は女子高生恋愛小説?)

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    2022年11月15日
  • 14歳、明日の時間割

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    中学生で小説家デビューした鈴木るりかさんの2作目。
    「国語」「数学」「道徳」などの教科の名前がついている短編集だ。
    舞台は中学校。登場人物は中学生とその家族、教師。

    最初の「国語」の主人公が三木明日香という中学生で小説家デビューした女の子だったので、この後の話もこの子が主人公で話が進むものと思っていた。
    あまり主人公が名前呼びされないこともあり、2作目(家庭科。家庭科が得意な女子が主人公)の主人公も三木明日香だと思って読んでいた・・・。
    「あれ?家庭科の先生になるの?小説家は辞めるのか?」とか思いながら読んでしまったよ。

    「体育」の、主人公とおじいさんとの交流が良かったなぁ。
    おじいさんが

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    2022年10月31日
  • 私を月に連れてって

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    『さよなら、田中さん』の花実の物語の3作目

    花実に気があるらしい石井君
    木戸先生のお兄さんと賢人
    お母さんの過去を知る人

    前作でおばあちゃんが出てきて謎だったところが、今回で一つ解き明かされたされたかもしれない
    続きが出てくれたらいいなと思う

    学生ということで1年に1作の刊行ペースだった鈴木るりかさん
    2022年に大学生になったらしいので今後は新刊も増えるのかな?楽しみ

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    2022年10月18日
  • 太陽はひとりぼっち

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    『さよなら、田中さん』の続編。2冊目。

    賢人が引きこもることになった中学時代のある事件の話
    突然現れた嫌なおばあちゃんだったタツヨ
    中学から友達になった佐知子

    『さよなら、田中さん』で地元の私立中学に全部落ち、地方のキリスト教系の中学校に入寮することになった三上くん

    小学校時代の担任だった木戸先生のお兄ちゃんの話

    鈴木るりかさんの中学生とは思えない、深みのある感性で描かれる人間ドラマが面白い

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    2022年10月18日
  • 落花流水

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    テンポが若々しくて、あっという間に読んでしまった。
    憧れのおにいちゃんの犯罪、かなりショッキングな出来事を深刻になりすぎないよう、友人や家族の会話で蹴散らすような、ある意味これが高校生のリアルかもなぁと思いながら。
    ただ主人公水咲の気持ちのみで進むのでちょっと物足りなかった。

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    2022年08月28日
  • 14歳、明日の時間割

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    前作に引き続き読んだので、文章の上達ぶりがよく分かった(上から目線でごめん!)。物事を理解する力って、年齢じゃないんだとつくづく思った。それこそ、何才になっても分からない人には分からない。作者の鋭さに脱帽するばかり。最後の章は中原くんかなと期待したが、違った。中原くん目線もいつか読んでみたい。

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    2022年08月26日
  • 太陽はひとりぼっち

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    しまった。。。

    さよなら、田中さん
    を読まずして、こちらを先に読んでしまった。
    多分前作を読んでいたら、全く違う感想になったのだろうなぁ。。。。


    いやでもしかし、読んでなかったが良い作品だった。
    それぞれに沢山の悩みを抱えた人物が沢山登場するのだが、どの話に出てくる人も、みんな前向きで美しい。

    これがこの作者様の魅力なのだろうなぁ。

    木戸先生、よく出てくるなぁと思ったら、最後の短編で木戸先生が。

    こんな展開もとても素敵。
    そして、えーーー!!そんな落ち!?って、どこかほっこり(^-^)

    作者様はまだお若いのに、凄い実力だな。
    他の作品も読んでみたい。素晴らしい(*^^*)

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    2022年07月09日
  • 14歳、明日の時間割

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    面白かった!中学生がこれを書いただなんてびっくり。全てのチャプターに登場する中原くんがとてもいいです。鈴木るりかさんのデビュー作、「さよなら、田中さん」も是非読みたい。

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    2022年06月19日
  • 太陽はひとりぼっち

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    あなたには、自分の『居場所』があるでしょうか?

    生きるということは、さまざまな人たちと関わり、さまざまなコミュニティに関係していくことでもあると思います。義務教育を経て、高校、そして大学・専門学校へと進み、社会へと歩み出していく私たち。社会に出たあとも、会社の中での人事異動や転勤、さらには転職…と人が同じ場所に同じ人たちと留まり続ける時間というものは極めて短いものです。それは、家族関係でも同じでしょう。かつて育ててもらった両親が年老いて今度は自らがその介護に当たる番となる、また全くの他人だった人と結婚し、子供が生まれ、かつて自身が育てられたことの逆を行くように子育てに邁進していく。人生とは

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    2022年06月15日
  • 落花流水

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    「さよなら、田中さん」以来楽しみに読んでいる、鈴木るりかさんの新作。「現役受験生が書く受験生のリアル」とかいう紹介文を見たけど、その言葉から受ける印象と中味はちょっと違うんじゃないかな。受験生なんて狭い枠ではなくて、誰もが持つ「ままならなさ」を重くならずに描いた、著者らしい作だと思う。

    いきなり下着泥棒の話から始まって(しかも犯人は主人公水咲にとっての王子様)、あれま、このお話はどう進むのかと思ったが、その件の着地点が焦点ではないのだった。憧れの人がおこした衝撃的な事件に、水咲の心は揺れ動く。でもそこに危うい感じがほとんどないのは、農村地帯に住み(水咲の家は農家)、通学時にはヘルメット着用と

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    2022年03月22日
  • 落花流水

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    ネタバレ

    中2で作家デビューし5冊目のこの本。田中さんシリーズでなく、また新しい物語。何もかも完璧な初恋の相手、隣の家のお兄ちゃんと慕った相手が、ある日、下着泥棒で捕まってしまう。信じられない気持ちの水咲。もう、水咲の真っ直ぐな素直な感情や、愛海や聖二、山田ァの掛け合いに何度も笑わされた。この方の作品は元気をくれる。この先、どんな作品を書くようになるのか、本当に楽しみ。とても良かった、素敵な作品。

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    2022年02月08日
  • 14歳、明日の時間割

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    これを中学生が書いたなんて!とある中学校の生徒がかわるがわる主人公になる短編集です。グランドホテル形式っていうのかな?こんな物語が書ける中学生って、どんな経験をしてきた人なんだろう。

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    2022年01月16日