【感想・ネタバレ】落花流水のレビュー

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Posted by ブクログ

鈴木るりか第5作。4作目の感想でこう書いた。
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凄まじい才能だ。年齢や人生経験など関係なく小説の天才が存在することを改めて感じた。作品を上梓される毎に磨かれ無駄が削がれた圧倒的なストーリテリングに驚嘆させられる。センス溢れる会話の妙と洗練されたギャグ、絶妙なメタファー、タイトルに込められた明確な主題、余韻を十分感じさせる終わり方、どれをてっても既に完成された美を感じる程。本作が直木賞候補になっても全く驚かないし、もうそれ以上の存在かもしれない。次回作が本当に楽しみ。
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本作の会話内で引用が多用されているところが若干やり過ぎ(頑張り過ぎ)感強く気になったが、それ以外は言うことなし。著者の成長に伴い、乙女の恋心が主題になっているが、一筋縄ではいかぬストーカー的気味悪さは村田沙耶香的執拗さも垣間見えて、益々大物ぶりを醸し出す。コソ泥の大樹が真犯人ではと思わせながら、それは主題ではないんだよというメッセージにも思える終わり方も素晴らしい。大学生になっても執筆活動は続けてほしいなあ。楽しみにしてます。

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2022年02月28日

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近所のお兄ちゃん、落合先生が下着泥棒で捕まった。文武両道、品行方正で両親と同じ教師の道に進んだ彼にずっと憧れ続け、同じく教師になる進路を決めたばかりの高校生、水咲の心は大混乱。全国ニュースで盗んだパンツ800枚と逮捕される瞬間まで流れたのに信じられない水咲の一途な暴走恋心が深刻にではなくコミカルに描かれているのが瑞々しい。幼馴染みの二人、愛海と聖二のギリギリを攻めた茶化しっぷりが重くなりそうな内容を軽やかにしている。そのネタが三人が文藝部(藝の漢字にこだわりあり)だけあって様々な文学要因から持ってきてテンポ良く進むのが楽しい。落合家の事情が描かれないのが逆にリアルだ。高校生から見た事件ってこんなもんだと思う。最後の水咲の願い、届くといいな。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

鈴木さんの小説は全部読んでいますがこの作品は成長を感じさせられるものでした。
ハッピーエンドではないところやその後の展開が気になるところも素晴らしいと思います。

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2023年02月05日

購入済み

昭和感あふれる笑いが楽しい

今回は田中さんシリーズではないけど、ユーモア溢れる軽妙な会話と昭和感たっぷりのネタは健在。ホントにJKが書いたの?登場人物は進学校の高校文藝部の部員たちという設定ということもあり、いろんな文芸作品をパロったフレーズが次から次へと出てくる。これって格調が高すぎてオリジナルを知ってないと笑えない。個人的には「母さん、ぼくのヘルメットはどうしたんでせうね?」がツボった。てっきり森村誠一の『人間の証明』のパクリかと思ったら、西條八十の詩がオリジナルなんですね。高校生の純朴な心が微笑ましい爽やかな青春小説だった。

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2022年12月23日

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さよなら田中さんを読んで、他も読んでみたくなりこちらを読んでみた。

独特の世界観が笑えるし泣けた。
こんなハイレベルな会話をする高校生が居るのか?

信じる者は救われる。
救いたいと思ってくれる人が居れば救われる人がいる。
水咲の思いが救われますように。。。

読み終わると表紙の絵がますます素敵にみえる。

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2022年12月19日

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鈴木るりかさん、パワーアップしていた!
頭もさらにハイ回転で執筆しているのでしょうね。

主人公を含む幼馴染たちとの高校3年生3人の会話が、るりかさん、昭和から生きていた人かと思う。

ふいに「明るい農村」「加山雄三が言うならわかるけど」「もう頰づえはつかない」頁が進むにつれ、古典文学・俳句・海外ドラマ・社会的事件・芸能、もうさまざまフレーズとダジャレが飛び交う。
本来のストーリーがわからなくなりそうになる。
これは、小説漫才と言わせていただこう。
(本当は女子高生恋愛小説?)

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2022年11月15日

Posted by ブクログ

テンポが若々しくて、あっという間に読んでしまった。
憧れのおにいちゃんの犯罪、かなりショッキングな出来事を深刻になりすぎないよう、友人や家族の会話で蹴散らすような、ある意味これが高校生のリアルかもなぁと思いながら。
ただ主人公水咲の気持ちのみで進むのでちょっと物足りなかった。

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2022年08月28日

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「さよなら、田中さん」以来楽しみに読んでいる、鈴木るりかさんの新作。「現役受験生が書く受験生のリアル」とかいう紹介文を見たけど、その言葉から受ける印象と中味はちょっと違うんじゃないかな。受験生なんて狭い枠ではなくて、誰もが持つ「ままならなさ」を重くならずに描いた、著者らしい作だと思う。

いきなり下着泥棒の話から始まって(しかも犯人は主人公水咲にとっての王子様)、あれま、このお話はどう進むのかと思ったが、その件の着地点が焦点ではないのだった。憧れの人がおこした衝撃的な事件に、水咲の心は揺れ動く。でもそこに危うい感じがほとんどないのは、農村地帯に住み(水咲の家は農家)、通学時にはヘルメット着用という田舎の中学に通う水咲の周囲が、なんというか「地に足がついてる」からだ。あんまり小説に書かれたりしないこういう子って、実際にはたくさんいるんだよね。

なんといっても良いのが、水咲と友人たちとの会話だ。これはもう著者の真骨頂。花実ちゃんシリーズもそうだけど、この生き生きした会話だけで一冊分の値打ちがあると思う。本作では、水咲と友人たちが高校で文芸部に入るので、文学作品にまつわるボケとツッコミが楽しい。鈴木るりかさん、本当に本が好きなんだな。この春大学生になるという鈴木さん、どんどん書いて読ませてほしいです。花実ちゃんのその後、待ってます!

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2022年03月22日

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ネタバレ

中2で作家デビューし5冊目のこの本。田中さんシリーズでなく、また新しい物語。何もかも完璧な初恋の相手、隣の家のお兄ちゃんと慕った相手が、ある日、下着泥棒で捕まってしまう。信じられない気持ちの水咲。もう、水咲の真っ直ぐな素直な感情や、愛海や聖二、山田ァの掛け合いに何度も笑わされた。この方の作品は元気をくれる。この先、どんな作品を書くようになるのか、本当に楽しみ。とても良かった、素敵な作品。

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2022年02月08日

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 ふうむ、やはり田中さんシリーズのほうがいいな。かなりレベルの高い高校生たちの会話についていけないところもあったな。現役の受験生なのにこんなに書けるのってすごいとは思うよ。
 問題の先生はいったいなぜあんなことをしてしまったのか、それが分からないのが一番ひっかかりました。現実には理由なんてないのかもしれないけど。

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2024年04月14日

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鈴木るりかの落花流水を読みました。
落花流水の意味は
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。
時がむなしく過ぎ去るたとえ。
別離のたとえ。
また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。
散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。
転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということです。

主人公は小さい時よりお兄ちゃんと慕っている男性が居ました。
常に思っていて、お兄ちゃんを思いながら成長していきます。
そのお兄ちゃんが、先生になり先生を目指しますが、とんでもないことが起こります。
今までの鈴木るりかの物語の中ではいまいちでした。^^;

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2024年01月12日

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受験、進路、恋に悩む高校三年生の水咲。
そのすべてが憧れの近所のお兄ちゃんで生物教師の落合先生を中心にまわっている、と言っても過言ではない。
そこまでずっと好きな人が突然逮捕されるってショックすぎる…。
でも「恋は盲目」。妄想もすごい。

文藝部の個性的な友人たちとの軽快な会話がおもしろかった。
の会話が知的でウィットに富んでいて、本編とは離れた部分で「るりかさんサスガ!」と思ってしまう。
クスッと笑えて、ちょっと意外な展開。
今後のご活躍が楽しみな作家さんです。

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2022年08月21日

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若くて水水しい文章を書く作者。流れるような、文体が読みやすい。憧れのお兄ちゃんが下着泥棒で捕まった。お兄ちゃんはこれからどうなるのかは、続編かな?

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2022年06月10日

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初。若いのになんで古いネタを盛り込んでくるのか、おじウケ?主人公も成長しないなあと思いつつ、テンポが良いのは確か。

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2022年06月06日

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ネタバレ

初鈴木るりか。中学生デビューの作家さん、この作品は高校生の時に書いた第5作らしい。高校生が描いた小説としては確かにすごい!俺も、せめて20代で読んでいたら、おもいっきり彼女の小説にはまっていると思うが。

やっぱり人生半世紀過ごしてしまうと、感性が擦れるんやろなぁ、10代の感じ方や考え方に乗り切れないんよねぇ。まぁそれが、正しい?普通のおっさんなのかもしれないが…。

そういや、新井素子の星へ往く船シリーズも高校生で書き始めたんやったよなぁ、あれは当時凄く面白かったしのめり込めたから、やっぱ俺の感性が老化してるってことなんだろうと思う。

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2022年06月05日

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登場人物の会話がテンポ良く、今の高校生ってこんな感じなのかなぁ〜と感じた。
会話の中に散りばめられている文学の蘊蓄などが楽しく、こんな会話が出来る友達が近くに居たら楽しいたまろうなと思った。
それと共に、この作品の作者がまだ高校生ということにその知識の幅と深さに驚かされた。
内容は浅い方だと思うが、楽しく読めた。

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2022年05月12日

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高校三年生の水咲,大学受験や仲良し自転車通学3人組の友情などのあれこれ.物思う高校生ライフが生き生きと語られる.
子供の頃から結婚したいほど好きなお兄さん先生の隠された性癖にショックを受けつつも健気に信じ続ける水咲がどこかズレてはいるけれど,こういうふうに信じられる気持ちはかけがえのない財産だと思った.

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

朝ドラみたいに真っ直ぐで、読んでよかったと思わせて裏切らないのが好き。読むのが遅い私でも2時間程度で読める分量なのも、気軽で良い。
しかし、なぜか著者と同世代の娘には受けが悪い。母親から「高校生でこんな本がかけるなんてすごいよね」と勧められるときに「だからあなたも頑張りなさい」という発してもいない裏メッセージを勝手に読み取り、うんざりしているのか。面白いのに読まないなんてもったいないな、と思ってきた。
今回ふと思いついたのだが、もしかして本を買って読むという行為が、推し活のような心理になっているのでないか。デビュー作からずっと読み、作品の進化が我が子の成長のように誇らしく、著者を育てた気になってないか。これは新しいマーケティング戦略にはまっているんじゃないか、と。
しかし、例えそうだとしても、著者の本は掛け値なしに面白いと思っている。次の新作も、やっぱり読むだろう。なんと言われても構わない。間違いなく、私はファンだ。

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2022年03月19日

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文の長さと中身の充実度がマッチしない。薄い。
登場人物と同世代の作者だけあって、現代の田舎の高校生(しかも文藝ヲタ集団)がよく描かれていたとは思うし、日常生活の描写は割と納得できた。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

藪椿が川上から流れてきた様子を見て、小6だった祐太お兄さんは、小学校に上がる前の私に「落花流水」と言った。
散った花が水面に落ちて流されていく。春が過ぎていく、歳月が流れていくということだよ。と教えてくれた。
憧れのお兄さん。
落合祐太。
警察に連れて行かれる姿を見て、夢だと思った。
小さい頃からずっと好きだった人が犯罪者になってしまったら、、、。
その、ぐるぐるする様子がとても共感できる。
冷凍庫の中の聖一の話は、すごいなぁと思う。
よくこんな印象的なアイディアを思いつくと、感心する。
石田衣良の本名の苗字が石平。石平庄一。
ラストのてんとう虫が中指から飛んでいく場面は涙が出そうになった。
るりかさん高校生になったので、主人公も高校生に。
来年の作品は、主人公が大学生になり、恋をしたりするのかな?
鈴木るりかさんは、現在、都内の高校3年生。現役受験生。
春から大学に進学予定。
これからの作品もとても楽しみ。

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2022年02月12日

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