鈴木るりかのレビュー一覧
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「さよなら田中さん」の続編。
前作を読んだ時は、これを中学生が書いたのか⁉︎と驚くばかりだったが、今回も冒頭から「三波春夫のシベリア抑留の話(知らなかった)」や、「お大尽」なんて言葉が出てきて、作者は本当に高一⁉︎とまたまた驚愕。
今作品も、金言格言目白押し。
中一とは思えない花実ちゃんの、真っ直ぐながらも物事を冷静に客観的に捉える姿勢。
オバサンも見習わないと…。
本書は表題の花実ちゃんが主人公である「太陽はひとりぼっち」の他に、
前作で全寮制のカトリック学校に進学した三上くんの学校生活と夏休みの帰省を描いた「神様ヘルプ」、
花実ちゃんの小学校の恩師ちょっとオカルトな木戸先生の過去に触れ -
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2021年1冊目。
1時間目・国語、2時間目・家庭科、3時間目・数学、4時間目・道徳、昼休み、5、6時間目・体育、そして放課後と、教科に沿って語られる連作短編集。
出版社主催の小説賞で特別賞を受賞した中学生女子の父親は国語が大の苦手、
中学校家庭科クラブ副部長の女子の母親は家庭科一般が大の苦手、
東京の進学校を受験しなければならない中学生男子は数学が大の苦手、
「気をつけ」「前にならえ」「休め」などの整列さえもうまくできぬ中学生女子は体育が大の苦手
で、その苦手っぷりを長々と説明される導入部分が少々しんどかった。
それが終わると、するする読み進められました。
家庭科教師になりたい野間くん -
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現在高校2年生の鈴木るりかさん。14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビューしてから毎年誕生日に新作が刊行されています。今作で4冊目、私の大好きな田中さん母娘シリーズとしては3作目。
もうねえ、毎回思うんですが、るりかさん…本当に実年齢ですか?なぜ松島トモ子さんのCMを知っているの?実は昭和生まれでしょ?と言いたくなってしまいます。
今作は田中母の素性が少し明らかにされ、なんだかちょっと不穏な空気も感じます。でも相変わらず田中母はいいキャラだし、吹き出しそうになるくらい面白いかと思えば考えさせられたり、胸があつくなったり…特に『夜を超えて』は本当に良かった。木戸先生の名言もやっぱり深い -
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悲しみに負けそうになったら、
寂しさが忍び寄ってきたら
無理にでも笑う。
わかるよ、田中さん、
先生もそうして生きてきたから。
参ったね。
うん、これを娘よりずっと下の子が書いた、とは。
たぶん、本人 言われ尽くして
またかよ気分かもだけど
オバチャン言っちゃう!
(おばあちゃんだったら、悲しいな)
遥か昔、私だって子供だった。
子供なりにいろいろ考えていたし
見えないいろいろ 頑張ってた。
子育て中は、それを思い出したし
今 この本を読んで また思い出した。
ストレートな切り口
瑞々しく素直な文体
若いって いいなー
どんな作家さんになっていくのだろう?
勝手に 親戚の -
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デビュー作より3作読んでもうすごいの一言、読んでいてあきません。おもしろさ。今回もまたやってしまいました。「遠くへ行きたい」に出てくる麦茶のくだり、安くてお徳「こんなに美味しいのにさ。これなんか五十六袋も入ってて百五十八円だよ。ひと袋三円しかないんだよ。」もうこのフレーズいいなあ最高です。おもしろい発想読んでいてあきない。のんちゃん母子のエピソードはとても考えさせられる深いお話でした。「食器棚の奥の骸骨。どんな家庭にも秘密にしておきたいことがあると言う意味です。なかなかうまいフレーズです。賢人が主役のお話は最高でした。きれいにかわっていくのが素晴らしい。恋の行方がハラハラドキドキでした。その後
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『さよなら、田中さん』の続編(?)、3編。
「太陽はひとりぼっち」
花実は中学生。ビジネスマンや老婆が訪ねてきたりで大騒動。
「神様ヘルプ」
中学受験に失敗した三上。全寮制のカトリックスクールに通っている。
「オー マイ ブラザー」
不思議な不思議な木戸先生の過去と兄弟のお話。
若さというの…読んでいて勢い・力を感じるよ。それだけでなく、表現力や登場人物の描き方うまいなあ。やはり何よりも読んでて楽しいのがいい。前向きになれるし、気分転換にもなった、辛いことでも暗くならず、乗り越えてゆくしね。木戸先生のお話が最後、癖のある先生、木戸先生いいなあ。神様ヘルプは恋のお話でもあるけれど、それぞれ家族