ロバートキャンベルのレビュー一覧

  • 戦争語彙集

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    バスタブのシェヘラザード、黄色いランプ、林檎の落ちる音。
    人々の祈るような語りは美しく、鮮やかで、凄まじい。

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    2025年06月19日
  • 戦争語彙集

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    現実と違って、どこかユーモラス。
    コントや漫才の一場面みたいな。

    この本が出版された後も、まだまだ戦争は続いている。

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    2025年06月04日
  • 戦争語彙集

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    国の傷みと体の痛みが連動して感じられる能力、他人を全く恐れることなく自信と信頼を持って関われるようになる能力、通常の状態では発揮されない精神の飛躍がある。
    環境の変化がニュータイプを生むという発想は正しい。
    しかしそれが戦争という過酷な状況でしか生まれないのは何とも悲しいことだ。

    他者の中にこそ、私性は宿るというこの当たり前の事実が、先々事実として認識されるようになると良いな。

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    2025年03月12日
  • 戦争語彙集

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    言葉がシェルターになる。
    戦争・侵略は、言葉の意味を変える。

    避難してきた方々から、溢れでる言葉から、感じ、想像する様々な感情、風景。

    そして、単なる語彙集とせず、現地を訪れ、その語彙の周りも丁寧に取材され、記録されたロバートさんの手記で、その語彙の奥行きが深まる。

    この語彙集は、本望では無いにしろ、続巻が出るのだろう。そして、必ず読む。他人事ではなく、隣人のこと。

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    2024年07月24日
  • 戦争語彙集

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    ロシアに侵略を受けたウクライナ、市井の人々の体験、ロバートキャンベル氏の思索。言葉の持つ力、言葉は第二のシェルター。戦争解説ではなく、イデオロギーはまったくない。ウクライナの人々・戦争被害者の困難な状況、戦争の終わり・平和、はつまり勝利への思いが言葉で伝わる。

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    2024年05月06日
  • 戦争語彙集

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    この本におさめられているウクライナの市井の人たちの言葉は、とても深刻で、時に可笑しくも美しくもあります。日常生活に戦争が入り込んでしまった人たちにとっては、普通の言葉、単語ですらとても重い物語を持つのだと実感されました。ただそのような言葉、物語を語ることで救われることもあるのでしょう。キャンベルさんの、「言葉もシェルターになれるのではないか」という問いがとても響きます。

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    2024年02月23日
  • 戦争語彙集

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    紐解き始めてみて、頁を繰る手を停めることが出来なくなってしまった。強く惹かれてドンドン読み進んだ。或いは、ウクライナ関係のモノということでは「こういうモノこそ読みたかった」というような気もしている。
    ウクライナの詩人でエッセイストでもあり、様々な活動をしているオスタップ・スリヴィンスキーの作品を、米国出身で、日本で活動する日本文学研究者で大学教員でもあるロバート・キャンベルが翻訳し、併せてロバート・キャンベルがウクライナを訪ねての経験を題材とするエッセイが収録されている。「2部構成」のようでもあるが、完成形になった作品を前半に示しながら、それが登場する迄の経過が関連する挿話を綴ったモノが後半に

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    2024年01月24日
  • ピンクはおとこのこのいろ

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    読み聞かせ(2分20秒くらい)
    ジェンダーレスの時代にぴったりの絵本。
    『おとこのこだから…』『おんなのこだから…』はもういらない!

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    2022年09月07日
  • ピンクはおとこのこのいろ

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    6年生のクラスで読み聞かせ。
    「ピンクや赤が女の子の色」って
    誰が決めたんだろうって読みながら思った。
    性別関係なく、好きな色は好きっていいんだよって
    背中押してくれる本。

    読み終わって
    「私が小学生のころは、
    男の子のランドセルは黒、女の子は赤と決まっていて
    それ以外の選択肢がありませんでした。
    みなさんのカラフルなランドセルを見ていると
    すっごくいいな、羨ましいなって思います」
    つい言ってしまったよ。

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    2022年06月15日
  • 戦争語彙集

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     先に読んだ鷲田清一さんのエッセイ「「透明」になんかされるものか」の中の一文で紹介されていたので気になった本です。
     著者のオスタップ・スリヴィンスキーさんはウクライナの詩人。本書は、ロシアによるウクライナへの侵攻下、国内各地から彼が住むリヴィウに避難してきた人々の声をそのままに書き起こした著作です。
     本の中に並ぶ淡々とした表題のあとにつづく言葉の背後には、それこそ極限状態の感情の吐露が感じられます。

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    2025年11月15日
  • 戦争語彙集

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    戦禍にあるウクライナの人の生の声。それと日本語翻訳を担当したキャンベルさんのウクライナ訪問記という2部構成。日本にはいま時代を逆行する憲法「改悪」の流れがあるが、どうせやるなら権力者や資本家や役人が国民を害する決定を下せないことを明文化する「改正」のムーブメントを起こせないものだろうか。

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    2025年08月24日
  • 戦争語彙集

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    ネタバレ

     書店で見かけた一冊。
     ウクライナ終戦が、早まるかと思った今年(2025)だったが、各国の思惑が錯綜し、なかなか実現されない。終戦後の秩序模索を謳った書籍もチラホラではじめている中、敢えての火中の栗……でもないが、戦禍の下で拾った、現場感、臨場感あふれる生の言葉を集めた本書。

     戦争語彙とは? 冒頭に訳者が列記している「疎開」、「学徒動員」「千人針」「慰問袋」といった今ではお目に書かれない単語に、「予科練」「焼夷弾」「空襲」「予科練」といった軍事、武器に関わる言葉もそれに含まれる。
    そういった、ある種特異な語彙集かと思って頁を繰ると、その予想は裏切られる。あらゆる日常の単語が、戦時下におい

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    2025年07月26日
  • 戦争語彙集

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    2022年2月24日のロシアの軍事侵略により、主に東部在住のウクライナ人は西部などに避難することになった。鉄道の乗換駅や、西部の都市で避難民を受け入れたり援助活動をするウクライナ人の詩人は、避難者たちの言葉を書き取った。
    この原書を知ったロバート・キャンベルがウクライナを訪ねて見たこと、インタビューしたことも収録されている。

    まだ渦中にある当事者の言葉って、憎しみとか怒りとかではなくて、本当に日常に基づいたものが多いんですよね。今まで親しんでいたものが変わってまったこと、自分も大変だけど他の誰かを痛ましく思う気持ち。

    チョーク:「たすけて」の文字とその下に落ちていたチョーク。このチョークを

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    2025年03月29日
  • 戦争語彙集

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    戦争の体験は、一人ひとりが言葉に抱く意味を変えてしまう。

    前半は、ウクライナの詩人が実際に避難者の支援をしながら聞き取った証言たち。あらゆる証言に一切の優劣をつけることなるフラットに並べ提示する。マドレーヌ、ニュース、悦び、スイーツ、ゴミ、記事などの語彙にまつわる証言がとくに、戦時の人々の人生や心の置き方として強く印象に残った。

    「(…)その時に気づくんです。何もかも、以前とは違うのだと。朝ご飯も、犬の散歩も、表面や膜に過ぎないのだと。では、膜の内側にはいったい何が入っているのだろう?戦争が始まる前にそこにあったものは、一体何だったのだろう?」
    (ニュース p.77)
    「わたしの家も、この

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    2024年10月07日
  • 戦争語彙集

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    作品紹介にある通り、ウクライナ戦争により心身共に傷ついた市井の人々の生の声を元にした詩だ。
    ニュースやドキュメンタリーとは異なり、直接心に響く。
    後半はロバートキャンベル氏が、実際に詩の元になる証言をされた方々との会話を中心に、その心情に触れる。

    食べもの
    東部地域からやってきた家族を一晩お世話することになりました。
    台所に案内して言いました。「ここがキッチン。食卓にある食べものを召し上がってくださいね」。
    その瞬間、彼らは泣き始めたのです。「キッチンにある食べものを、召し上がってくださいね」という一言で。

    安らかな場所で食べることができる幸せ。
    何でもない日常が、彼らにとっては至上の喜び

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    2024年05月01日
  • 戦争語彙集

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    この本の意義は、証言者の1人であるオレーナさんの語ったところ(210頁)に尽きる。「(他国による侵略という事態を)経験した多くの人々の感情のスナップショット」。「とても新鮮な記憶、とても新鮮な傷、とても新鮮な感情を伝えるもの」。それらを時をおかずに世界中で共有することの重要性。ロバートキャンベルのレポートがこの本とのより深い向き合い方に導いてくれている。

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    2024年04月04日
  • 戦争語彙集

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    アレクシェーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」が過去から現代に現れてしまった。
    死と隣り合わせになることで、人生が詩になってしまうと言う皮肉。

    自由
    「自由といえば、誰かがかわりに手に入れてくれるものではありません。誰かが与えてくれることもなければ、プレゼントしてくれることもなく、誰かに期待することはできないものなんです。自分の手で作る以外にない、ということです。そう、ハンドメイドですよ(笑)。自由を作る工場なんて存在しません。量産品ではないのです。」

    「今年の三月八日、女性たちには生と死が配られることになりました。わたしたちは、生の方をもらいました」

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    2024年03月15日
  • 戦争語彙集

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    ウクライナの人々の日常に起きている生きている言葉

    物々しさだったり、ユーモアだったりと
    いろんな感情が垣間見れる

    後半は、この本をまとめるにあたっての話しだったが
    そちらは端折ってしまった

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    2024年03月04日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日
  • ピンクはおとこのこのいろ

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    柔らかく固定観念を取り去ってくれる。
    声高でなく自然に受けとめられる絵本に出会えて良かった。もっとこんなふうに自由な世界が広がってほしい。決めつけないでねって。コレって色だけではないよね。

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    2023年01月21日